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第一章

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「落ち着いたか?」
「…っす…すみません…」
幸いズボンは無事だったため、借りたタオルで下腿を拭き、ノーパンではあるが身なりは整えた。今は散らばっている適当な椅子に座り、個人面談が始まろうとしている。
「で、最近、どうした?」
「いや、あの…」
「言い方が悪かったな。単刀直入にいうぞ。トイレに入れないのか?」
「そ、うです…」
口がカラカラで、声がかすれる。先生の顔を見れなくて、思わず下を向いた。
「何かあったか?」
「…」
「言いにくいかもしれないけど、ちゃんと話しなさい。」
いずれ誰かに言わなきゃいけないことは分かっていた。ずっと、ずっと目を背けて、逃げてきた問題。
どく、どく、と心臓が震える。
「あの、おれは、トイレで、」
トイレ以外の後遺症が無いなんて、嘘。
 夢にだって見たし、パニックにはならないけど、そういうアダルトなものに不快感だって覚える。でも、そんな自分が嫌だった。あのことを覚えている自分が嫌だった。そうやって心に蓋をした結果が、今の自分。



 金曜日、明日は休みだ、そんな浮かれた気分で通学路を歩いていた。
日中は暖かいけれど、夜はやっぱり冷える。街灯が少しずつ光り出す、そんな時間帯。
 2年生かー、そろそろ進路考えなきゃなー、そんなことを考えていた気がする。そんなぼんやりとした気分の時、いきなり後ろから口を塞がれた。
首もとにはナイフ。
「着いてこないと、刺す」
声に温度は無くて、きっと犯人はボイスチェンジャーを使っていたのだろう。
連れてこられたのは、ボウボウと生えた草の先。カビた水の匂い、そう、例の公園のトイレだ。
ざらざらとした吐息が耳元を駆けめぐる。
「君の喘ぎ声が聞きたいから、目隠しにするねぇ…ハァッ」
「やめ、ろ!はなせって!ァッ」
「むだだよ。君もこの近くに住んでるなら分かるでしょ?こんなボロい公園、誰も近寄らないこと」
「ひぅっ、はゃぁぁンっ、」
「乳首、感じるの?変態さん、」
「ちが、やめっ、んんっ」
ぬるい手がシャツの内側に侵入して、なめ回すように撫でられる。
「やめ、きめぇ、んだよ、っっあぁぁっ、」
「そんなこと言って、しっかり反応しちゃってる、」
カチャカチャと外すベルトの音が気持ち悪い。
「おなかはすべすべなのに、おちんちんはぼうぼうなんだね…」
無機質な声とは別に、にちゃり、と唾液がなる。
気持ち悪いのに、ソレが熱くなる感覚。
「っひっ、」
腰あたりにゴリ、と何かが当たった。
「これ、挿れちゃっても、ハァッ…いいよねぇ…ハァッ」
尻を下から掬い上げられると同時に感じる、悪寒。
布を剥がされた尻の割れ目に、固い肉棒が挟まった。
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