とある配信者が先輩の家でお漏らししたエピソードを公開したので

こじらせた処女

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「んじゃあ早速…始めますかね」
挨拶もそこそこに、ローテーブルに向かい合う形で打ち合わせが始まった。
(ぁ…)
話し合いが始まって10分が経った頃だろうか、下腹がムズムズする感覚に気づく。そういえば、新幹線から降りて行ったのが最後。あれから2時間近く経っている。それに、外が暑かったからと出してもらった麦茶を2杯も飲み干してしまった。催すのも当然だ。さっきの雑談をしている時に行っておけばよかった。間が悪い。
(言いにくいな…)
こういう時、何て言ったらいいんだろう。トイレって言えない授業中、こんな気持ちだったっけ。生理現象を伝える時の妙な気恥ずかしさ。高速で流れてきれることのない会話を遮る気まずさ。初めて会う人だから、なおさらだ。
(気にするな…気にしたら負けだ…)
質量のある下腹をそっと撫でる。まだ、あと少しだけ。会話がひと段落したら行かせてもらおう。




「っ、」
あれからおそらく20分が経った。意識して仕舞えば早いもので、息をするのも辛いぐらいに下腹部が張り詰めていた。服を引っ張ったり、太もも同士を擦り合わせたり。早く行かせてもらえよ、別に物理的に行けない状況じゃないのに。そう頭では自覚している。とても馬鹿馬鹿しいことだとわかっている。でも、言えない。息を吸って、言おうと口を開くけれど、言い出せない。俺が話す時に切り出せば良いのに、それが出来ずに次のトピックに移ってしまう。
 早く、休憩。だれか、言い出してくれないかな。そしたら自分も一緒に行けるのに。
 モジ…と擦り合わせるだけじゃヒクヒクとソコが震えてしまう。二人からは向かい合っていて見えない位置にいるのを良いことに、そっと股間に手を挟んだ。



(むりっ、でる、ほんとに、)
ずくん、と疼く下腹部は無視できないほど切羽詰まっていて。挟んでいたはずの手は今、必死でソコを握りしめている。
「あの…」
「じゃあこの企画は前半で、後半もう少し長くする?」
「いやー、それじゃくどくなるだろ」
夢中でタブレットやら資料やらと睨めっこしている先輩たち。何度も頭を回る「トイレ」という言葉が喉をつっかえる。
「っあ、っは…」
お腹が痛い。背中を汗がツゥっと降りて、資料の文字も頭に入らない。
(ほんとに…やばい…言わなきゃ…いわないと、もらす…)

「おい、」
「っ、あ、なん、ですか…?」
「いや、返事ねえから。聞いてた?」
不機嫌そうな、戸惑ったような表情の紺屋さん。言わないと、恥ずかしいけど、早く、じゃないと。
「あ、あの…」
じっと2人に注視されて、言葉が出なくなる。頭の中は「おしっこ漏れる」でいっぱいなのに、声に出来ずにパクパクさせてしまう。
「てかレンくん、めっちゃ顔真っ青なんだけど?しんどい?」
「ほんとだ。気分でも悪いのか?」
「いえ、その…」
言わないと、トイレって。早く…!
「東、悪いけど毛布持ってきてくれる?」
「分かった、配信部屋んとこだろ?」
「そそ。頼むわ」
「任せとけ」
 あぁ、違うのに。なおさらおしっこしたかっただけ、って言いにくい。そもそも顔色が変わるまで我慢しなけりゃよかったんだ。こんなの、授業中に言い出せない小学生じゃないか。なんてことを考えているとは夢にも思っていない二人は、とんとん拍子に役割を決めて動いていく。どうしようもないもどかしさを誤魔化すために、今にもしずくを垂らしてしまいそうな出口をさらに強く握りしめる。
「んー、疲れたのかな…風邪…いや、貧血?」
ちょっと失礼、という言葉と共に紺屋さんの冷たい、白い指がおでこ、頬をなぞった。
ぞわぞわぞわぞわっ、
「っ、」
背筋から沸き立つ悪寒。そのくすぐったさが、膀胱を縮める。
ヒクッ、ヒクヒクヒクっ、、
「ぁっ、」
じゅうううう…
先端が何度も震える感覚。一気に手の中が熱くなった。
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