笑う少年

あかりんりん

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笑う少年

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僕の母校にはこんな怖い噂があった。

「昔、野球部員の1人がグラウンドの奥にあるスコアボードに首を吊って自殺した。最後は笑っていたらしい。」

そしてこれは僕の高校時代の話である。

僕は卓球部に属しており、同期にはヒロシ、ショウジと言う奴がいた。

そして卓球部は毎年の夏に学校構内にある宿泊施設にて合宿練習があった。

そして顧問の先生と先輩の悪ふざけ(現代ではイジメであるが)が恒例のようだった。

その悪ふざけとは「肝試し」だった。

肝試しの内容は夜の校舎に入り、1番奥の部屋まで行って、懐中電灯で宿舎に合図をしたら帰っても良いと言うフザケた内容である。

そして1年生の僕達3人は断ることも出来ずに夜の校舎へ向かった。

初めて歩いた夜の校舎は、当たり前だが物音1つせず、火災報知器が不気味に赤く光っていた。

怖さを紛らわすために、なるべく楽しい話をしながら歩き、わずか15分程度でなんなく1番奥の部屋まで辿り着いた。
そして宿舎に合図を送っていたら、ヒロシが震えた声で喋った。

ヒロシ「ねぇ、グラウンドに誰かおる」

僕とショウジは驚きながらも暗い窓の外のグラウンドを確認したら、確かに1人だけ、誰かが立っていた。

少し怖かったが
「まぁー、先輩か誰かが夜練で走っとるんやろ。」
と僕は言ってみたが、ショウジは違う事を言った。

ショウジ「何あいつ。こっち見て笑っとるじゃん」

そんな表情までは見えなかったが、3人共怖くなり早々に校舎を後にした。

翌日の練習は郊外マラソンだった。
そして、マラソン中に僕の目の前でショウジがトラックに轢かれた。
そこら中に赤黒い液体が飛び散り、肉片のようなものが散らばった。

こんな地獄のような光景を見た事は無かったが、すぐに分かった。

彼は即死だった。

その後はショックであまり覚えていないが、顧問の先生の車に乗り、卓球部全員でショウジの葬式に行った。
その帰り道に、真夜中の山道のトンネルに入った時、見知らぬ人が1人立っていた。

不思議に思っていたら、ヒロシがおかしな事を言った。

ヒロシ「今の人見た?こっち見て笑っとったね」

いや、薄暗いトンネルで表情まで見えるはずが無い。

僕は怖くなって
「それってショウジが言ってたのと同じじゃん!」
と叫んだが、先生から
「うるさい!静かにしろ」
と怒鳴られた。

僕はヒソヒソ声で
「お前大丈夫か?あの人全然笑ってなかったやろ」
と言ったがヒロシは否定した。
「いや、よう分からんけど笑っとったと思う。まぁどうでも良いやろー」

その翌日、ヒロシは学校に来なかった。

先生達が慌てていたのが分かった。

そして朝のホームルームに遅れて来た先生が言った。

先生「これから話す事はクラスメイト以外に言わないで欲しい。ヒロシ君は学校に来る途中に、トラックに轢かれてそのまま亡くなったそうだ。」

僕は頭が真っ白になった。

そしてそのまま気を失った。

「おいお前ら!さっさと起きろ!」

先輩の怒鳴り声が聞こえた。
目が覚めた場所は学校構内の宿舎だった。
隣にはショウジとヒロシがいる。

そうか、夢だったのか。

合宿練習に対する嫌悪感と、初日に行った肝試しの恐怖から見た悪夢だったのであろう。

合宿2日目の郊外マラソンも無事に終え、全ての練習が終わって大浴場に入った時、僕は昨日見た悪夢をショウジとヒロシに話してみることにした。

ショウジ「なんやそれ?俺らを勝手に殺すなや(笑)」

僕「俺に言うなや(笑)それにしても合宿練習疲れたねー」

と言ったが、ヒロシは違う事を言った。

ヒロシ「ねぇ、グラウンドに誰かおる」

ショウジ「え?マジ?うーん、確かに誰かおるね、顔が見えんけど、誰かね?」

僕も暗い窓の外を見て、言葉を失った。

「その人は僕を見て笑っていた」


以上です。
読んでいただきどうもありがとうございました。
母校の怖い噂と所属していた部活の思い出をコラボさせ、ホラーを書いてみました。
昨日の寝る前に思い付き、気が付けば2時半まで書いていました(笑)

誰かご存知の方は教えて下さい。
僕は一体なにがしたいのでしょうか?
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