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第二章 アベコベの街
第69話 驚愕する領主①
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「これは凄いね……」
白を基調とした広々とした空間。
部屋の隅にいるのは、キノコ型モンスターか?
なぜ、執事服を身に纏っている?
窓から外を見渡すと、私の治める街『アベコベの街』が視界に映る。
それだけではない。
「オーダー様、見て下さい!」
アメリア君の声に反応し視線を下に向けると、そこには数多のキノコ型モンスターが剣と盾を持ち庭に埋まっていた。
とてもシュールな絵面だ。
キノコ型モンスターが、手に持っている剣と盾、どこかで見たことがあるような気がする。一体どこで見ただろうか?
いや、そんなことよりも!?
「ノ、ノース君? ここは一体……いや、君が普段から住んでいる家だということはわかるんだが、何分理解が追い付かなくてね……。それに先程の魔法はなんだい?? それも『キノコマスター』の力の一端なのかな?」
理解が追い付かなかった私は、ノース君に説明を求める。
すると、ただ一言「はい! ギフトの力です」と呟いた。
脳内がパニック状態だ。
どういうことだ? 一体なんだこれ??
ギフトには様々な力があることは知っていたが、些か、規格外過ぎるのではないだろうか?
詳しく話を聞いてみると、『食事処リーズナブル』からここに移動したのは『空間転移』という『キノコマスター』に付随するスキルに依るもののようだ。
とんでもないギフトである。
『キノコマスター』とは、キノコを召喚するギフトであると言っていたではないか。
『空間転移』のどこにキノコ要素がある?
……っていうか、なんだ『空間転移』って!?
街からキノコ・キャッスルまでの距離を、こうも簡単に転移できるなんて……。
そんなことができる人間がいるなんて国に知られれば大変なことになるぞ!?
ノース君はそのことをちゃんと理解しているのか?
チラリと視線を向けると、ノース君は笑顔を返してきた。
う、うん。
絶対に理解していないな……これは……。
私のギフト『領主』も大概反則気味なギフトだと思っていたが、まさかそれ以上のギフトがあったとは……。
「それにしても、ノース君のギフトは凄いね。他にもどんなことができるんだい?」
そう問いかけると、ノース君は窓の外を見ながら呟くように言った。
「そうですね。ギフトポイントに余裕はあるし、お父さんに教えるなら問題ないかな?」
一体どういう意味なのだろうか?
いまの一言は一体……?
頭に疑問符を浮かべていると、またも、周りの景色が移り変わる。
どうやら外に移動したようだ。
おそらく、ノース君が『空間転移』を使用したのだろう。
アメリア君も驚いている。
「しかし、改めて見ると凄い大きさのキノコだな……先ほどまで私達はあの中にいたのか……」
確かキノコ・キャッスルといったか?
まるで城を思わせるような造りのキノコだ。
周囲には、多くのキノコ型モンスターが整列し、庭にはとんでもない数の剣が生えて……。
「……って、ええっ!? 庭に剣が生えているではないかっ!?」
こ、これは一体どういうことだ?
ノース君に視線を向けると、呆気からんと呟いた。
「ああ、それはマッシュルーム・エクスカリバーです」
「エ、エクスカリバーだとぉ!?」
教会が秘蔵する伝説の聖剣ではないか!
『勇者』ブレイブの持っているのも聖剣の一種であるが、なぜ、聖剣がこんな所に生えて……。
い、いや、落ち着け……落ち着けオーダー。
いまの私は驚きのあまり普段の私でなくなっている気がする。
「……ま、まあいい。とりあえず、エクスカリバーのことは置いておこう。うん? なんだ……急に地面が揺れて……」
「オ、オーダー様……」
「うん? なんだって……ぐふぉつ!?」
エクスカリバーの衝撃から立ち直った私が、キノコ・キャッスルに目を向けると、そこには剣と盾を持った巨大な人型キノコがポージングを決めていた。
「オーダー様……やっぱり止めましょう。拙いですってコレ。いまならまだ間に合います! ノース君にすべてを打ち明けて、ただ一言誤解だったと言いましょう。関わり合いになったらお終いですよ! 私達の命も散ってしまいますよ!」
珍しくアメリア君が私に意見してきた。
でも、私を掴む手がちょっと痛い。放してほしい。
「う、うん。アメリア君の気持ちはよくわかった。私も同じ気持ちになってきた所だよ。奇遇だね。でも、いまは少し黙ろう。お願いだからそれ以上、大きな声は出さないでくれ。君とこの私との約束だ。ノース君に聞こえたら拙いだろう? まさかこれ程とは思わなかったんだよ。これ程とは、だから黙ろう? お願いだから」
捲し立てるようにそう言うと、アメリア君は大人しくなった。
うん。いまはそれでいい。いまノース君を刺激するようなことを言ってはいけない。
ちょっと考えればわかるだろう?
いや、わからなくても状況くらいは読もう。
目の前にはとんでもない化け物が剣と盾を持って立っているんだよ?
唖然とした表情を浮かべながら、ノース君に問いかける。
「ノ、ノース君? この大きなキノコさんはなにかな? なんで剣と盾を装備してポージングを決めているんだい?」
するとノース君は意気揚々と答えてくれた。
「これはマキシマム・マッシュルーム・カイザー。キノコ界の決戦兵器です。カッコいい所を見せたくて、特別にポーズを極めてもらいました!」
「そ、そうか……キノコ界の決戦兵器なんだ……」
いや、どこの世界の兵器だよ。
驚きのあまり私はそう言うことしかできなかった。
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あああああっ! 投稿予約をミスして『11/7 AM7:00』にしてましたorz
申し訳ございません!!!!
白を基調とした広々とした空間。
部屋の隅にいるのは、キノコ型モンスターか?
なぜ、執事服を身に纏っている?
窓から外を見渡すと、私の治める街『アベコベの街』が視界に映る。
それだけではない。
「オーダー様、見て下さい!」
アメリア君の声に反応し視線を下に向けると、そこには数多のキノコ型モンスターが剣と盾を持ち庭に埋まっていた。
とてもシュールな絵面だ。
キノコ型モンスターが、手に持っている剣と盾、どこかで見たことがあるような気がする。一体どこで見ただろうか?
いや、そんなことよりも!?
「ノ、ノース君? ここは一体……いや、君が普段から住んでいる家だということはわかるんだが、何分理解が追い付かなくてね……。それに先程の魔法はなんだい?? それも『キノコマスター』の力の一端なのかな?」
理解が追い付かなかった私は、ノース君に説明を求める。
すると、ただ一言「はい! ギフトの力です」と呟いた。
脳内がパニック状態だ。
どういうことだ? 一体なんだこれ??
ギフトには様々な力があることは知っていたが、些か、規格外過ぎるのではないだろうか?
詳しく話を聞いてみると、『食事処リーズナブル』からここに移動したのは『空間転移』という『キノコマスター』に付随するスキルに依るもののようだ。
とんでもないギフトである。
『キノコマスター』とは、キノコを召喚するギフトであると言っていたではないか。
『空間転移』のどこにキノコ要素がある?
……っていうか、なんだ『空間転移』って!?
街からキノコ・キャッスルまでの距離を、こうも簡単に転移できるなんて……。
そんなことができる人間がいるなんて国に知られれば大変なことになるぞ!?
ノース君はそのことをちゃんと理解しているのか?
チラリと視線を向けると、ノース君は笑顔を返してきた。
う、うん。
絶対に理解していないな……これは……。
私のギフト『領主』も大概反則気味なギフトだと思っていたが、まさかそれ以上のギフトがあったとは……。
「それにしても、ノース君のギフトは凄いね。他にもどんなことができるんだい?」
そう問いかけると、ノース君は窓の外を見ながら呟くように言った。
「そうですね。ギフトポイントに余裕はあるし、お父さんに教えるなら問題ないかな?」
一体どういう意味なのだろうか?
いまの一言は一体……?
頭に疑問符を浮かべていると、またも、周りの景色が移り変わる。
どうやら外に移動したようだ。
おそらく、ノース君が『空間転移』を使用したのだろう。
アメリア君も驚いている。
「しかし、改めて見ると凄い大きさのキノコだな……先ほどまで私達はあの中にいたのか……」
確かキノコ・キャッスルといったか?
まるで城を思わせるような造りのキノコだ。
周囲には、多くのキノコ型モンスターが整列し、庭にはとんでもない数の剣が生えて……。
「……って、ええっ!? 庭に剣が生えているではないかっ!?」
こ、これは一体どういうことだ?
ノース君に視線を向けると、呆気からんと呟いた。
「ああ、それはマッシュルーム・エクスカリバーです」
「エ、エクスカリバーだとぉ!?」
教会が秘蔵する伝説の聖剣ではないか!
『勇者』ブレイブの持っているのも聖剣の一種であるが、なぜ、聖剣がこんな所に生えて……。
い、いや、落ち着け……落ち着けオーダー。
いまの私は驚きのあまり普段の私でなくなっている気がする。
「……ま、まあいい。とりあえず、エクスカリバーのことは置いておこう。うん? なんだ……急に地面が揺れて……」
「オ、オーダー様……」
「うん? なんだって……ぐふぉつ!?」
エクスカリバーの衝撃から立ち直った私が、キノコ・キャッスルに目を向けると、そこには剣と盾を持った巨大な人型キノコがポージングを決めていた。
「オーダー様……やっぱり止めましょう。拙いですってコレ。いまならまだ間に合います! ノース君にすべてを打ち明けて、ただ一言誤解だったと言いましょう。関わり合いになったらお終いですよ! 私達の命も散ってしまいますよ!」
珍しくアメリア君が私に意見してきた。
でも、私を掴む手がちょっと痛い。放してほしい。
「う、うん。アメリア君の気持ちはよくわかった。私も同じ気持ちになってきた所だよ。奇遇だね。でも、いまは少し黙ろう。お願いだからそれ以上、大きな声は出さないでくれ。君とこの私との約束だ。ノース君に聞こえたら拙いだろう? まさかこれ程とは思わなかったんだよ。これ程とは、だから黙ろう? お願いだから」
捲し立てるようにそう言うと、アメリア君は大人しくなった。
うん。いまはそれでいい。いまノース君を刺激するようなことを言ってはいけない。
ちょっと考えればわかるだろう?
いや、わからなくても状況くらいは読もう。
目の前にはとんでもない化け物が剣と盾を持って立っているんだよ?
唖然とした表情を浮かべながら、ノース君に問いかける。
「ノ、ノース君? この大きなキノコさんはなにかな? なんで剣と盾を装備してポージングを決めているんだい?」
するとノース君は意気揚々と答えてくれた。
「これはマキシマム・マッシュルーム・カイザー。キノコ界の決戦兵器です。カッコいい所を見せたくて、特別にポーズを極めてもらいました!」
「そ、そうか……キノコ界の決戦兵器なんだ……」
いや、どこの世界の兵器だよ。
驚きのあまり私はそう言うことしかできなかった。
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