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第一章 キノコマスター
第16話 ショックを受けるキノコマスター
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<仕方がないですね~。それじゃあ、特別にあの子供達のステータスを見せてさし上げましょう。でも、ショックを受けちゃダメですよ? 心の準備はいいですか?>
「う、うん。大丈夫だから、ウエスト達のステータスを見せてくれる?」
<仕方がありませんね~本当にショックを受けないで下さいね?>
ナビさんはそう文字を浮かべると僕の視界の端にステータスを表示させた。
<ステータス>
名前:ウエスト
性別:男
年齢:10
攻撃:100
防御:100
素早さ:100
賢さ:50
魔力:50
状態:普通
ギフト:剣聖
<ステータス>
名前:サウス
性別:女
年齢:10
攻撃:10
防御:10
素早さ:50
賢さ:100
魔力:100
状態:普通
ギフト:魔法士
<ステータス>
名前:イースト
性別:男
年齢:10
攻撃:100
防御:50
素早さ:50
賢さ:50
魔力:50
状態:普通
ギフト:鍛冶師
「…………こ、こんなにステータスに差があるのっ!?」
正直もの凄くショックである。
ぼ、僕のステータスの最大百倍の違い……ど、どこで、これほどまでに差がついてしまったのだろうか。
<まあ、仕方がありませんよ。彼等には素質があって、ノース様には素質がなかった……それだけのことです。まあいいじゃありませんか>
いい訳ねーだろと言いたい。
「な、なんでこんなことに……」
<それは簡単なことです。彼等のギフトが『剣聖』、『魔法士』、『鍛冶師』だからですよ。授かるギフトによって、初期のステータスポイントに大幅なバフがかかります。そのため、彼等のステータスはノース様の最大百倍の差を叩き出しているという訳です>
なるほど、授かるギフトによってステータスポイントに変動があると、そういうことか……ん? ということは?
「もしかして、『キノコマスター』にもそんな感じの効果があるの!?」
一縷の望みをかけて、そう問いかけると、僕の視界にナビさんが文字を浮かべた。
<いえ、そんなものありませんよ? 考えても見て下さい……ノース様の授かったギフトは『キノコマスター』ですよ? どのステータスポイントを上げればいいんですか? 『攻撃』ですか? 『防御』ですか?? それとも『魔力』ですか?? そんなの『キノコマスター』には全然関係ないじゃありませんか>
「そ、そうだね……」
確かにその通りだ。
攻撃力を持たない『剣聖』や、魔力を持たない『魔法士』がいないように、ギフトによってステータスポイントにバフがかかるのはなんとなく納得ができる。
でも、それって、あんまりじゃないだろうか?
僕がそう心の内で嘆いていると、僕の視界にナビさんが文字を浮かべる。
<そう悲観することでもありませんよ? むしろ、ノース様のギフト『キノコマスター』の方が圧倒的にチートです。チーターです。クソチート野郎ですよ>
「えっ? どういうこと??」
チートってなんだ??
なにを言っているのか理解できなかった僕はそうナビさんに聞き返す。
<うわぁ~ノース様って、ゲームとかやったことない世代の人ですか? マジですかぁ~ホントですか? ゲームって単語知ってます?>
「ゲームくらい知ってるよ!」
僕だってそのくらいは知っている。
ゲームとは、守るべきルールに則り、行われる勝負のことだ。
それ以上でもそれ以下でもない。
<まあまあ、チートというのは、本来存在しえない能力やスキル、ギフトの総称です。ゲームにおける『インチキ』や『ズル』の解釈を拡張した概念で、世界の常識を覆してしまう存在を指す言葉です>
「……つまり?」
<つまり、食べるだけでステータスポイントをアップさせたり、伝説の聖剣エクスカリバーを扱えたり、建物を建てることまでできるギフト『キノコマスター』を授けられたノース様が悲観すべきことはなにもないということです。だってそうでしょう? キノコの十本でも食べれば、楽々、彼等のステータスを抜くことができるのですから>
た、確かに……言われてみればその通りだ。
僕の授かった『キノコマスター』はナビさんの言う通りクソチートなギフトなのかもしれない。
<それに、彼等は自分のステータスポイントを把握しておりません。ステータスポイントを把握できるのは『マスター』ギフトか『鑑定士』のギフトを持つ者だけです。それに自分のスタータスポイントを確認するにもお金がかかりますからね>
「そ、そうなんだ……」
たまたま授かったギフトだけど、実はとんでもないギフトを授かったんじゃないだろうか……。
<えっ? もしかして、これまでのことが普通のことだとそう認識していたんですか?>
「えっ? 普通のことじゃなかったのっ??」
<えっ? 本気でそんなことを思っていたんですか?? そんな訳がないじゃないですかっ……いやはや、ノース様って、ピュアだったんですね?>
孤児院から出たのは、ギフトを授かるために、教会に向かった時だけだったから、これが街の人の普通の感覚なのだと思っていたが、どうやら違うようだ。
というより、その馬鹿にした言い方を今すぐやめてほしい。
「う、うん。大丈夫だから、ウエスト達のステータスを見せてくれる?」
<仕方がありませんね~本当にショックを受けないで下さいね?>
ナビさんはそう文字を浮かべると僕の視界の端にステータスを表示させた。
<ステータス>
名前:ウエスト
性別:男
年齢:10
攻撃:100
防御:100
素早さ:100
賢さ:50
魔力:50
状態:普通
ギフト:剣聖
<ステータス>
名前:サウス
性別:女
年齢:10
攻撃:10
防御:10
素早さ:50
賢さ:100
魔力:100
状態:普通
ギフト:魔法士
<ステータス>
名前:イースト
性別:男
年齢:10
攻撃:100
防御:50
素早さ:50
賢さ:50
魔力:50
状態:普通
ギフト:鍛冶師
「…………こ、こんなにステータスに差があるのっ!?」
正直もの凄くショックである。
ぼ、僕のステータスの最大百倍の違い……ど、どこで、これほどまでに差がついてしまったのだろうか。
<まあ、仕方がありませんよ。彼等には素質があって、ノース様には素質がなかった……それだけのことです。まあいいじゃありませんか>
いい訳ねーだろと言いたい。
「な、なんでこんなことに……」
<それは簡単なことです。彼等のギフトが『剣聖』、『魔法士』、『鍛冶師』だからですよ。授かるギフトによって、初期のステータスポイントに大幅なバフがかかります。そのため、彼等のステータスはノース様の最大百倍の差を叩き出しているという訳です>
なるほど、授かるギフトによってステータスポイントに変動があると、そういうことか……ん? ということは?
「もしかして、『キノコマスター』にもそんな感じの効果があるの!?」
一縷の望みをかけて、そう問いかけると、僕の視界にナビさんが文字を浮かべた。
<いえ、そんなものありませんよ? 考えても見て下さい……ノース様の授かったギフトは『キノコマスター』ですよ? どのステータスポイントを上げればいいんですか? 『攻撃』ですか? 『防御』ですか?? それとも『魔力』ですか?? そんなの『キノコマスター』には全然関係ないじゃありませんか>
「そ、そうだね……」
確かにその通りだ。
攻撃力を持たない『剣聖』や、魔力を持たない『魔法士』がいないように、ギフトによってステータスポイントにバフがかかるのはなんとなく納得ができる。
でも、それって、あんまりじゃないだろうか?
僕がそう心の内で嘆いていると、僕の視界にナビさんが文字を浮かべる。
<そう悲観することでもありませんよ? むしろ、ノース様のギフト『キノコマスター』の方が圧倒的にチートです。チーターです。クソチート野郎ですよ>
「えっ? どういうこと??」
チートってなんだ??
なにを言っているのか理解できなかった僕はそうナビさんに聞き返す。
<うわぁ~ノース様って、ゲームとかやったことない世代の人ですか? マジですかぁ~ホントですか? ゲームって単語知ってます?>
「ゲームくらい知ってるよ!」
僕だってそのくらいは知っている。
ゲームとは、守るべきルールに則り、行われる勝負のことだ。
それ以上でもそれ以下でもない。
<まあまあ、チートというのは、本来存在しえない能力やスキル、ギフトの総称です。ゲームにおける『インチキ』や『ズル』の解釈を拡張した概念で、世界の常識を覆してしまう存在を指す言葉です>
「……つまり?」
<つまり、食べるだけでステータスポイントをアップさせたり、伝説の聖剣エクスカリバーを扱えたり、建物を建てることまでできるギフト『キノコマスター』を授けられたノース様が悲観すべきことはなにもないということです。だってそうでしょう? キノコの十本でも食べれば、楽々、彼等のステータスを抜くことができるのですから>
た、確かに……言われてみればその通りだ。
僕の授かった『キノコマスター』はナビさんの言う通りクソチートなギフトなのかもしれない。
<それに、彼等は自分のステータスポイントを把握しておりません。ステータスポイントを把握できるのは『マスター』ギフトか『鑑定士』のギフトを持つ者だけです。それに自分のスタータスポイントを確認するにもお金がかかりますからね>
「そ、そうなんだ……」
たまたま授かったギフトだけど、実はとんでもないギフトを授かったんじゃないだろうか……。
<えっ? もしかして、これまでのことが普通のことだとそう認識していたんですか?>
「えっ? 普通のことじゃなかったのっ??」
<えっ? 本気でそんなことを思っていたんですか?? そんな訳がないじゃないですかっ……いやはや、ノース様って、ピュアだったんですね?>
孤児院から出たのは、ギフトを授かるために、教会に向かった時だけだったから、これが街の人の普通の感覚なのだと思っていたが、どうやら違うようだ。
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