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第一章 キノコマスター
第7話 庭に埋まっている剣は何ですか? はい。エクスカリバーです
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「ねえナビさん、キノコ・ハウスに住んだ時から思っていたんだけど、玄関の前に埋まっているこれってなに?」
キノコ・ハウスの玄関、そこには、一本の柄が生えていた。
<ああ、それはエクスカリバーです>
「へ、へぇ~、エクスカリバーが庭に埋まっているんだ……」
……それはまた、とんでもない物が庭に埋まっていたものだ。
いや、よく考えてみれば、ギフトの中にそんな物があったような気がする。
確か、マッシュルーム・エクスカリバーとかいったっけ?
「引き抜いてもいいの?」
<はい。問題ありません。そのマッシュルーム・エクスカリバーは、キノコマスター以外に抜くことのできぬ聖剣です。その力は絶大で、空を駆け、海を割ると言われています>
「そ、そうなんだ……」
……それはもう剣ではない。兵器だ。
<これ一本あれば、どこぞの剣聖が百万人束になって攻めてこようが、魂すら残さず一撃で消し飛ばすことができます>
「…………」
まあとりあえず、こんな物騒な剣が庭に刺さっていることは忘れよう。
そんなことを思いながら、マッシュルーム・エクスカリバーから目を放し、顔を上げると、剣と盾を持った愛らしいフォルムのキノコと目が合った。
これは『キノコマスター』の力がレベル2になったことにより、作成可能となったマッシュルーム・ソルジャーという名の、キノコの兵士である。
現在、この辺り一帯の警備は、二十体のマッシュルーム・ソルジャーに一任している。噂をすれば、マッシュルーム・ソルジャーが警備から戻ってきたようだ。
左手に持っているの袋は、モンスターの集落をキノコ塗れにした揚句、カエンタケで着火し、ファイアーした結果、集落跡地に残った魔石だろう。
「ご苦労さまっ。大変だったでしょう?」
マッシュルーム・ソルジャーに向かってそういうと、なぜか、視界の端にナビさんの言葉が表示される。
<そんなに大変なことではなかったそうです。まあ『キノコマスター』の力で生み出された兵士達です。モンスターごときに後れを取るはずもありません>
「い、いや、僕、マッシュルーム・ソルジャーに聞いたんだけど……まあいいや」
僕はマッシュルーム・ソルジャーから魔石の入った袋を受け取ると、視界の端にナビさんの言葉が表示される。
<魔石を使用しますか?>
えっ、魔石を使用する??
どうやって??
魔石は様々な用途に使われていると聞いたことがある。
それに、売りに出せばお金になるはずだ。
正直、どういった用途で使うかわからない以上、あまり無駄遣いはしたくない。
「ナビさん、この魔石、なにに使うの?」
僕がそう質問すると、ナビさんが文字で応えてくれる。
<はい。『キノコマスター』のレベルは毎日ギフトを消費し、経験値を貯めることの他、魔石を吸収することにより上昇させることができます。そのため、その魔石を『キノコマスター』のレベルを上げるために使用したいのですが、駄目でしょうか?>
「なるほど……」
そんな意図が……でも、魔石は高く売れると聞いたことがあるし……。
ふと、視線を庭に向けると、ゴールドキノコやシルバーキノコが群生していることに気付いた。
「…………」
まあいいか、少なくとも、ゴールドキノコと、シルバーキノコを売りに出せば、魔石以上の売値になることは間違いない。
<はい。その通りです。ゴブリンの魔石なんて、ゴールドキノコやシルバーキノコと比べたらそこらに落ちている小石程度の価値しかありません>
おい、ゴブリンさんに謝れ。ゴブリンさんはゴブリンさんなりに、頑張って生きているんだ。それを小石程度の価値しかありませんだなんて言うんじゃない。
<それで魔石を使用しますか?>
「う、うん。それじゃあ、使ってみようかな……」
<わかりました。それでは魔石を使用します>
すると、袋だけを残し、魔石が手元から消えてしまう。
そして、視界の両端から不思議な円錐状の物が姿を表した。そして、それが突然爆発すると、円錐状の物からなにかが射出された。
<トゥットゥルー♪ おめでとうございます! ギフトレベルが3となりました。次のキノコが一覧に追加されます>
ゴブリンの魔石を使用しただけで、いきなりレベルアップするとは思いもしなかった。レベルアップが終わると、視界の端に<キノコ一覧を見ますか?>と表示される。
<ギフト>
キノコマスター
レベル:3
ギフトポイント:130(100+10×3)
※毎日、正午にレベルに応じてポイントが加算
<キノコ②>
モウハツゾウリョウタケ:十本(1)
プラチナキノコ:十本(1)
ミスリルキノコ:十本(1)
アダマンタイトキノコ:十本(1)
マボロシタケ:十本(1)
モウドクタケ:十本(1)
バクハツタケ:十本(1)
ツルピカタケ:十本(1)
<キノコ③>
クレンジング・マッシュルーム:十本(1)
トイレットペーパー・マッシュルーム:十本(1)
<キノコ⑤>
キノコ・キャッスル(100)
<キノコ⑥>
マッシュルーム・バトラー(10)
もうリアクションをするのにも疲れた。最近では、なるようになれと、思う日々が続いている。
キノコ・ハウスの玄関、そこには、一本の柄が生えていた。
<ああ、それはエクスカリバーです>
「へ、へぇ~、エクスカリバーが庭に埋まっているんだ……」
……それはまた、とんでもない物が庭に埋まっていたものだ。
いや、よく考えてみれば、ギフトの中にそんな物があったような気がする。
確か、マッシュルーム・エクスカリバーとかいったっけ?
「引き抜いてもいいの?」
<はい。問題ありません。そのマッシュルーム・エクスカリバーは、キノコマスター以外に抜くことのできぬ聖剣です。その力は絶大で、空を駆け、海を割ると言われています>
「そ、そうなんだ……」
……それはもう剣ではない。兵器だ。
<これ一本あれば、どこぞの剣聖が百万人束になって攻めてこようが、魂すら残さず一撃で消し飛ばすことができます>
「…………」
まあとりあえず、こんな物騒な剣が庭に刺さっていることは忘れよう。
そんなことを思いながら、マッシュルーム・エクスカリバーから目を放し、顔を上げると、剣と盾を持った愛らしいフォルムのキノコと目が合った。
これは『キノコマスター』の力がレベル2になったことにより、作成可能となったマッシュルーム・ソルジャーという名の、キノコの兵士である。
現在、この辺り一帯の警備は、二十体のマッシュルーム・ソルジャーに一任している。噂をすれば、マッシュルーム・ソルジャーが警備から戻ってきたようだ。
左手に持っているの袋は、モンスターの集落をキノコ塗れにした揚句、カエンタケで着火し、ファイアーした結果、集落跡地に残った魔石だろう。
「ご苦労さまっ。大変だったでしょう?」
マッシュルーム・ソルジャーに向かってそういうと、なぜか、視界の端にナビさんの言葉が表示される。
<そんなに大変なことではなかったそうです。まあ『キノコマスター』の力で生み出された兵士達です。モンスターごときに後れを取るはずもありません>
「い、いや、僕、マッシュルーム・ソルジャーに聞いたんだけど……まあいいや」
僕はマッシュルーム・ソルジャーから魔石の入った袋を受け取ると、視界の端にナビさんの言葉が表示される。
<魔石を使用しますか?>
えっ、魔石を使用する??
どうやって??
魔石は様々な用途に使われていると聞いたことがある。
それに、売りに出せばお金になるはずだ。
正直、どういった用途で使うかわからない以上、あまり無駄遣いはしたくない。
「ナビさん、この魔石、なにに使うの?」
僕がそう質問すると、ナビさんが文字で応えてくれる。
<はい。『キノコマスター』のレベルは毎日ギフトを消費し、経験値を貯めることの他、魔石を吸収することにより上昇させることができます。そのため、その魔石を『キノコマスター』のレベルを上げるために使用したいのですが、駄目でしょうか?>
「なるほど……」
そんな意図が……でも、魔石は高く売れると聞いたことがあるし……。
ふと、視線を庭に向けると、ゴールドキノコやシルバーキノコが群生していることに気付いた。
「…………」
まあいいか、少なくとも、ゴールドキノコと、シルバーキノコを売りに出せば、魔石以上の売値になることは間違いない。
<はい。その通りです。ゴブリンの魔石なんて、ゴールドキノコやシルバーキノコと比べたらそこらに落ちている小石程度の価値しかありません>
おい、ゴブリンさんに謝れ。ゴブリンさんはゴブリンさんなりに、頑張って生きているんだ。それを小石程度の価値しかありませんだなんて言うんじゃない。
<それで魔石を使用しますか?>
「う、うん。それじゃあ、使ってみようかな……」
<わかりました。それでは魔石を使用します>
すると、袋だけを残し、魔石が手元から消えてしまう。
そして、視界の両端から不思議な円錐状の物が姿を表した。そして、それが突然爆発すると、円錐状の物からなにかが射出された。
<トゥットゥルー♪ おめでとうございます! ギフトレベルが3となりました。次のキノコが一覧に追加されます>
ゴブリンの魔石を使用しただけで、いきなりレベルアップするとは思いもしなかった。レベルアップが終わると、視界の端に<キノコ一覧を見ますか?>と表示される。
<ギフト>
キノコマスター
レベル:3
ギフトポイント:130(100+10×3)
※毎日、正午にレベルに応じてポイントが加算
<キノコ②>
モウハツゾウリョウタケ:十本(1)
プラチナキノコ:十本(1)
ミスリルキノコ:十本(1)
アダマンタイトキノコ:十本(1)
マボロシタケ:十本(1)
モウドクタケ:十本(1)
バクハツタケ:十本(1)
ツルピカタケ:十本(1)
<キノコ③>
クレンジング・マッシュルーム:十本(1)
トイレットペーパー・マッシュルーム:十本(1)
<キノコ⑤>
キノコ・キャッスル(100)
<キノコ⑥>
マッシュルーム・バトラー(10)
もうリアクションをするのにも疲れた。最近では、なるようになれと、思う日々が続いている。
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