最強呪符使い転生―故郷を追い出され、奴隷として売られました。国が大変な事になったからお前を買い戻したい?すいませんが他を当たって下さい―
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第一章 最強呪符使い故郷を追われる
サバイバル試験⑤(ゴブリン強化回)
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「キャン、キャン!(す、すいませんでしたっ!)」
ポメちゃんがそう吠える先に、女の人を担ぐゴブリン達が見える
「えっと、ポメちゃん? もしかして、あの子を助けるためにここに来たの?」
そう呟くと、ポメちゃんが全力で這いつくばる。
「キャン、キャン?(えっ? どういうことですか?)」
「そっか……」
ポメちゃんは犬型モンスター。
ログハウスの中で、ゴブリン達が人間を攫おうとしていることを察知。
わざとボクを起こし、ここまで連れて来たと、そういうことか……。
ボクはポメちゃんの頭を撫でると、笑みを浮かべる。
ここはダンジョンの中。ゴブリン達にも営みはある。
ぶっちゃけ、ダンジョン内で人間がゴブリンに攫われようと、ボクには関係ないし、試験中だからボクが助けなくても冒険者ギルドの試験官が助けに行くだろうからどうでもいいけど、折角、ポメちゃんが同族の危機を教えてくれたんだ。
飼い主として、ちょっと位、良い所を見せようかな?
宙をなぞり亜空間から呪符と妖刀ムラマサを取り出すと、『身体強化』と『浮遊』の呪符を付して呟く。
「こんにちは、ゴブちゃん……。その子を攫ってどうするの?」
妖刀ムラマサから瘴気を垂れ流し、声をかけると冒険者見習いであろう女の子を抱えたゴブリンが抱えていた女の子をゆっくり降すと共に、全員で土下座した。
「「ゴ、ゴブゴブ!(す、すいませんでしたぁー!)」」
「えっ? なんで土下座??」
「ゴ、ゴブゴブ!(せ、誠意を示そうと思いまして!)」
不可解だ……。
何故、ゴブリンが土下座しているんだろ?
「うーん。ゴブちゃん達のこの行動、ポメちゃんはどう思う?」
「クーン、クーン?(ご、ご主人様が怖いのでは?)」
「うん。そうだよね」
ボクが問いかけると、ポメちゃんは静かに頷いた。
なるほど、これは恭順の意。
戦う意志はありませんよ。あなたに従属しますよ。と、そういうことだろう。
困ったな……。
ログハウスが建った今、ゴブリンを従属する気なんてないんだけど……。
ゴブリンをジッと見つめると、ゴブリンがビクリと震える。
この怯え様。尋常じゃない。
ダンジョン外で生活するゴブリンと違って、ダンジョン内に住むゴブリン達は基本的に人間を襲わない温厚なモンスターだ。ゴブリンが人間を襲う時は決まって自衛と決まっている。そうなにかの本に書いてあった(様な気がする)。
もしかしたら、ゴブリン達に人間を襲わなきゃいけない程のなにかが起こったのかもしれない。
「ポメちゃんはこの子をログハウスに運んであげて、ボクはゴブちゃん達と話があるからさ……」
ポメちゃんから『縮小』の呪符を取ると、元の大きさに戻っていく。
そして、絶賛気絶中の女の子を亜空間から取り出したローラー付きの橇《そり》に乗せると、ポメちゃんの口に紐を咥えさせる。
「それじゃあ、ポメちゃん。頼んだよ!」
「キャン、キャン!(任せてよね!)」
そう吠えると、ポメちゃんはログハウスへ向かって駆けて行く。
頼んでおいてなんだけど大丈夫だろうか……。
ポメちゃんが駆ける度に、橇《そり》に乗せた女の子の身体がバウンドする。
デコボコ道に橇《そり》は拙かったかも知れない。
まあ、ゴブリンに連れ去られるという危機から脱して上げたんだ。
その位、許容範囲と思って諦めてもらおう。
怪我したら『治癒』の呪符で治して上げればいいしね。
「それじゃあ、ゴブちゃん。君達の集落に案内してもらおうか」
「ゴ、ゴブッ!(は、はい。わかりました!)」
こうしてボクは、ゴブリン案内の下、ゴブリン達の暮らす集落に向かった。
◇◆◇
「こ、これは酷いね……」
ゴブリン案内の下、連れて来てもらった集落。
そこは何者かに荒らされたかのように焼け落ちボロボロだった。
「ゴブ、ゴブ!(そうなんです!)」
「ゴブゴブッ!(この集落は人間によって滅ぼされたんだっ!)」
「そっか、酷いことをするね……」
なにを言っているかわからないけど、ゴブリン達の悔しさだけは伝わってくる。
これは力になってあげないといけないな……(まあ、ボクも外ではゴブリンの集落を跡形もなく壊滅させたことはあったけど、あれは正当防衛だから仕方がないと思っている)。
せめて、集落だけでも復活させてあげなきゃダンジョンで暮らすゴブリン達が可哀想だ。
とはいえ、ゴブリン達に力を与えて暴君になられても困るので……。
「それじゃあ、みんな一列に並んでくれるかな?」
亜空間から固くて独特な味のするオークの干し肉と、適当な寸胴に蒸留水を入れると、干し肉と蒸留水を配給しながら『隷属』の呪符を貼っていく。むやみに人を襲ったら大変だからね。
その間、適性のありそうなゴブリンに印を付けると、食事を終えお腹一杯になったゴブリン達を印ごとに整列させる。
「ゴブゴブッ!(久しぶりにお腹一杯飯が食えました!)」
「ゴブゴブッ!(ありがとうございます。マスター!)」
「うんうん♪ それは良かった。それじゃあ、みんな、楽しい楽しい進化の時間だよー。目指せゴブリンキング! 大丈夫、大丈夫。ボクに任せればみーんな強くなれるよ♪ それじゃあ、まず★印を付けたゴブちゃん達から進化しようか!」
そんな適当なことを言いながら★印を付けたゴブリン五体に『身体強化』。そして『進化』の呪符を貼り付ける。
すると、ゴブリン達の身体がベキボキと音を立てて変貌し、ゴブリンキングに進化した。
ポメちゃんがそう吠える先に、女の人を担ぐゴブリン達が見える
「えっと、ポメちゃん? もしかして、あの子を助けるためにここに来たの?」
そう呟くと、ポメちゃんが全力で這いつくばる。
「キャン、キャン?(えっ? どういうことですか?)」
「そっか……」
ポメちゃんは犬型モンスター。
ログハウスの中で、ゴブリン達が人間を攫おうとしていることを察知。
わざとボクを起こし、ここまで連れて来たと、そういうことか……。
ボクはポメちゃんの頭を撫でると、笑みを浮かべる。
ここはダンジョンの中。ゴブリン達にも営みはある。
ぶっちゃけ、ダンジョン内で人間がゴブリンに攫われようと、ボクには関係ないし、試験中だからボクが助けなくても冒険者ギルドの試験官が助けに行くだろうからどうでもいいけど、折角、ポメちゃんが同族の危機を教えてくれたんだ。
飼い主として、ちょっと位、良い所を見せようかな?
宙をなぞり亜空間から呪符と妖刀ムラマサを取り出すと、『身体強化』と『浮遊』の呪符を付して呟く。
「こんにちは、ゴブちゃん……。その子を攫ってどうするの?」
妖刀ムラマサから瘴気を垂れ流し、声をかけると冒険者見習いであろう女の子を抱えたゴブリンが抱えていた女の子をゆっくり降すと共に、全員で土下座した。
「「ゴ、ゴブゴブ!(す、すいませんでしたぁー!)」」
「えっ? なんで土下座??」
「ゴ、ゴブゴブ!(せ、誠意を示そうと思いまして!)」
不可解だ……。
何故、ゴブリンが土下座しているんだろ?
「うーん。ゴブちゃん達のこの行動、ポメちゃんはどう思う?」
「クーン、クーン?(ご、ご主人様が怖いのでは?)」
「うん。そうだよね」
ボクが問いかけると、ポメちゃんは静かに頷いた。
なるほど、これは恭順の意。
戦う意志はありませんよ。あなたに従属しますよ。と、そういうことだろう。
困ったな……。
ログハウスが建った今、ゴブリンを従属する気なんてないんだけど……。
ゴブリンをジッと見つめると、ゴブリンがビクリと震える。
この怯え様。尋常じゃない。
ダンジョン外で生活するゴブリンと違って、ダンジョン内に住むゴブリン達は基本的に人間を襲わない温厚なモンスターだ。ゴブリンが人間を襲う時は決まって自衛と決まっている。そうなにかの本に書いてあった(様な気がする)。
もしかしたら、ゴブリン達に人間を襲わなきゃいけない程のなにかが起こったのかもしれない。
「ポメちゃんはこの子をログハウスに運んであげて、ボクはゴブちゃん達と話があるからさ……」
ポメちゃんから『縮小』の呪符を取ると、元の大きさに戻っていく。
そして、絶賛気絶中の女の子を亜空間から取り出したローラー付きの橇《そり》に乗せると、ポメちゃんの口に紐を咥えさせる。
「それじゃあ、ポメちゃん。頼んだよ!」
「キャン、キャン!(任せてよね!)」
そう吠えると、ポメちゃんはログハウスへ向かって駆けて行く。
頼んでおいてなんだけど大丈夫だろうか……。
ポメちゃんが駆ける度に、橇《そり》に乗せた女の子の身体がバウンドする。
デコボコ道に橇《そり》は拙かったかも知れない。
まあ、ゴブリンに連れ去られるという危機から脱して上げたんだ。
その位、許容範囲と思って諦めてもらおう。
怪我したら『治癒』の呪符で治して上げればいいしね。
「それじゃあ、ゴブちゃん。君達の集落に案内してもらおうか」
「ゴ、ゴブッ!(は、はい。わかりました!)」
こうしてボクは、ゴブリン案内の下、ゴブリン達の暮らす集落に向かった。
◇◆◇
「こ、これは酷いね……」
ゴブリン案内の下、連れて来てもらった集落。
そこは何者かに荒らされたかのように焼け落ちボロボロだった。
「ゴブ、ゴブ!(そうなんです!)」
「ゴブゴブッ!(この集落は人間によって滅ぼされたんだっ!)」
「そっか、酷いことをするね……」
なにを言っているかわからないけど、ゴブリン達の悔しさだけは伝わってくる。
これは力になってあげないといけないな……(まあ、ボクも外ではゴブリンの集落を跡形もなく壊滅させたことはあったけど、あれは正当防衛だから仕方がないと思っている)。
せめて、集落だけでも復活させてあげなきゃダンジョンで暮らすゴブリン達が可哀想だ。
とはいえ、ゴブリン達に力を与えて暴君になられても困るので……。
「それじゃあ、みんな一列に並んでくれるかな?」
亜空間から固くて独特な味のするオークの干し肉と、適当な寸胴に蒸留水を入れると、干し肉と蒸留水を配給しながら『隷属』の呪符を貼っていく。むやみに人を襲ったら大変だからね。
その間、適性のありそうなゴブリンに印を付けると、食事を終えお腹一杯になったゴブリン達を印ごとに整列させる。
「ゴブゴブッ!(久しぶりにお腹一杯飯が食えました!)」
「ゴブゴブッ!(ありがとうございます。マスター!)」
「うんうん♪ それは良かった。それじゃあ、みんな、楽しい楽しい進化の時間だよー。目指せゴブリンキング! 大丈夫、大丈夫。ボクに任せればみーんな強くなれるよ♪ それじゃあ、まず★印を付けたゴブちゃん達から進化しようか!」
そんな適当なことを言いながら★印を付けたゴブリン五体に『身体強化』。そして『進化』の呪符を貼り付ける。
すると、ゴブリン達の身体がベキボキと音を立てて変貌し、ゴブリンキングに進化した。
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