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番外編 神となった悠斗。現代日本に現れる
カルト教団『顕蓮会』狩り①
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ここは神興会の本部。
そこでは、神興会の女性部長である佳代子が副部長の沙良と共に満面の笑みを浮かべていた。
「あらあらあら、まあまあまあ……」
「これはこれは、あらあら……」
目の前に積み上げられた札束。
これまでの功績を考えれば、ちょっと位、貰っても罰は当たらなそうだが、今は駄目だ。この寄付金は今、財前友則が管理している。
下手に手を出して、ちょろまかした事がバレれば、これまで築き上げてきた地位がパーになってしまう。
しかし、これについては話は別だ。
手に持っているのは、信者から神興会の教祖様へ贈られた贈り物。
教祖様への贈り物は、私達、神興会の幹部が内見した後に渡す事になっている。
「ああ、これもダメね。これもダメだわ……。こんな俗物的なもの教祖様には相応しくないわ。そうよね。沙良さん?」
手に持つ物はブランド物のバッグに貴金属。
中には、諭吉の敷き詰められた饅頭まである。
「ええ、教祖様がブランド物のバッグや貴金属を着けて外に出るなんてもっての外ですわ。それにしても、本当にあるんですね。諭吉の敷き詰められた饅頭。初めて見ました」
「あら、本当? 私は何度かあるわよ。まあ、ここまで大きな金額じゃあなかったけどね。あらやだ……。見てよこれ、とても強い邪気を感じるわ……」
手に取ったのはもの凄く重量感のある箱。
今までの経験上、この手の箱にはもの凄い金額の諭吉が敷き詰められている可能性が高い。
「あらあら、本当に、もの凄い邪気です事。邪気に囚われた欲望が渦巻いておりますわ。こんな物、教祖様にお届けする訳にはいかないわね」
「ええ、それじゃあ、開けて見ましょうか」
そう言って、箱を開けると、中には筒状の何かと電子時計が入っていた。
「えっ? な、何これ??」
「なあに? 何が入っていたの?」
「えっと、これは……」
手に取ってみるとズシリと重い。
電子時計もまるでカウントダウンを刻む様に、一秒また一秒と進んでいく。
「こ、これって、時限爆弾じゃないかしら?」
「ああ、時限爆弾ね。通りで邪気が凄いと思ったわ……って、時限爆弾!?」
な、なんでそんな物が、送られてくるのよ!?
「す、すぐに警察を呼んで……」
「だ、駄目よ。すぐに呼ぶ事はできないわ!」
「な、なんでですか!?」
「なんでって、決まっているでしょ! ま、まずはコレを片付けないと……」
「あっ……」
目の前には、贈られてきたプレゼントと饅頭箱に敷き詰められていた札束が置かれている。
財前の目を掻い潜りプレゼントを横取りするには、時間が足りない。
時限爆弾に視線を向けると、まだ爆発するまで二時間はありそうだ。
「ま、まだ時間はあるわ。まずはこれを片付けてからにしましょう。大きな声を出すんじゃありませんよ。あなたもお溢れが欲しいでしょ?」
「え、ええっ、それじゃあまずはこれを片付ける事から始めましょうか……」
そう呟くと、私達はキャリーバッグに札束とブランド物のバッグ、貴金属を詰め始めた。
◇◆◇
「さてと……。それじゃあ、顕蓮会狩りといこうかな?」
三人の元顕蓮会信者を送り出した俺は、神興会の幹部を狙う顕蓮会の襲撃者達を迎え打つ為、『影分身』を展開していく。
顕蓮会の信者は皆、顕蓮会の教祖に騙されてこんな事をさせられているようだった。
こういったカルト宗教は今の内に潰しておかないと……。
これ以上、顕蓮会被害者が続出するのは居たたまれない。
取り敢えず、信者の人達の中で改宗しそうな人は神興会に改宗して貰おう。
顕蓮会の事を盲信している信者の方については仕方がない。
顕蓮会を潰す過程で、教祖様とやらの化けの皮が剥がれれば狂信者の方々もきっと離れて行ってくれる事だろう
神様になってわかった事がある。
『神様は死んだ』というニーチェの言葉。
あれは真実だ。
ニーチェはキリスト教的神や死後の世界への信仰が薄れていくさまをこう言ったが、あの言葉はかなりの所、真を得ている。
神を信じれば救われる。主観ではあるが、あれも嘘だ。
何故ならば、神様は人間に何もしてくれないからだ。
神様は、信仰という力を信者に求めるが、神様の力を信者に与えようとしない。
まあ、ある意味では当然だ。
神様が存在する為には、信仰心という力が必要となる。
しかし、それは最初だけ。
神様になりたての者ほど、最初、信仰心を集める為に頑張るが、ある一定の信仰心を集め消滅の心配のなくなった神程、FIRE(早期リタイア)が早い。
俺が知っている神様で、信者の方々に施しを与えるのはロキさん位だ。
祈っても祈っても助けてくれない神様より、祈って祈って気まぐれで助けてくれる神様の方が今を生きる人達にとって素晴らしい。
俺も神様になったからにはちゃんとしたい。
だからこそ、人が自分の私利私欲を満たす為にカルト宗教を立ち上げ、神を奢るのは許せない。
実際に被害者もいる。
神の言葉を騙り、神の言葉を捏造する。
だからこそ、悪質な新興宗教は潰さねばならない。
そう思うと、周囲に『影分身』を浮かべた。
そこでは、神興会の女性部長である佳代子が副部長の沙良と共に満面の笑みを浮かべていた。
「あらあらあら、まあまあまあ……」
「これはこれは、あらあら……」
目の前に積み上げられた札束。
これまでの功績を考えれば、ちょっと位、貰っても罰は当たらなそうだが、今は駄目だ。この寄付金は今、財前友則が管理している。
下手に手を出して、ちょろまかした事がバレれば、これまで築き上げてきた地位がパーになってしまう。
しかし、これについては話は別だ。
手に持っているのは、信者から神興会の教祖様へ贈られた贈り物。
教祖様への贈り物は、私達、神興会の幹部が内見した後に渡す事になっている。
「ああ、これもダメね。これもダメだわ……。こんな俗物的なもの教祖様には相応しくないわ。そうよね。沙良さん?」
手に持つ物はブランド物のバッグに貴金属。
中には、諭吉の敷き詰められた饅頭まである。
「ええ、教祖様がブランド物のバッグや貴金属を着けて外に出るなんてもっての外ですわ。それにしても、本当にあるんですね。諭吉の敷き詰められた饅頭。初めて見ました」
「あら、本当? 私は何度かあるわよ。まあ、ここまで大きな金額じゃあなかったけどね。あらやだ……。見てよこれ、とても強い邪気を感じるわ……」
手に取ったのはもの凄く重量感のある箱。
今までの経験上、この手の箱にはもの凄い金額の諭吉が敷き詰められている可能性が高い。
「あらあら、本当に、もの凄い邪気です事。邪気に囚われた欲望が渦巻いておりますわ。こんな物、教祖様にお届けする訳にはいかないわね」
「ええ、それじゃあ、開けて見ましょうか」
そう言って、箱を開けると、中には筒状の何かと電子時計が入っていた。
「えっ? な、何これ??」
「なあに? 何が入っていたの?」
「えっと、これは……」
手に取ってみるとズシリと重い。
電子時計もまるでカウントダウンを刻む様に、一秒また一秒と進んでいく。
「こ、これって、時限爆弾じゃないかしら?」
「ああ、時限爆弾ね。通りで邪気が凄いと思ったわ……って、時限爆弾!?」
な、なんでそんな物が、送られてくるのよ!?
「す、すぐに警察を呼んで……」
「だ、駄目よ。すぐに呼ぶ事はできないわ!」
「な、なんでですか!?」
「なんでって、決まっているでしょ! ま、まずはコレを片付けないと……」
「あっ……」
目の前には、贈られてきたプレゼントと饅頭箱に敷き詰められていた札束が置かれている。
財前の目を掻い潜りプレゼントを横取りするには、時間が足りない。
時限爆弾に視線を向けると、まだ爆発するまで二時間はありそうだ。
「ま、まだ時間はあるわ。まずはこれを片付けてからにしましょう。大きな声を出すんじゃありませんよ。あなたもお溢れが欲しいでしょ?」
「え、ええっ、それじゃあまずはこれを片付ける事から始めましょうか……」
そう呟くと、私達はキャリーバッグに札束とブランド物のバッグ、貴金属を詰め始めた。
◇◆◇
「さてと……。それじゃあ、顕蓮会狩りといこうかな?」
三人の元顕蓮会信者を送り出した俺は、神興会の幹部を狙う顕蓮会の襲撃者達を迎え打つ為、『影分身』を展開していく。
顕蓮会の信者は皆、顕蓮会の教祖に騙されてこんな事をさせられているようだった。
こういったカルト宗教は今の内に潰しておかないと……。
これ以上、顕蓮会被害者が続出するのは居たたまれない。
取り敢えず、信者の人達の中で改宗しそうな人は神興会に改宗して貰おう。
顕蓮会の事を盲信している信者の方については仕方がない。
顕蓮会を潰す過程で、教祖様とやらの化けの皮が剥がれれば狂信者の方々もきっと離れて行ってくれる事だろう
神様になってわかった事がある。
『神様は死んだ』というニーチェの言葉。
あれは真実だ。
ニーチェはキリスト教的神や死後の世界への信仰が薄れていくさまをこう言ったが、あの言葉はかなりの所、真を得ている。
神を信じれば救われる。主観ではあるが、あれも嘘だ。
何故ならば、神様は人間に何もしてくれないからだ。
神様は、信仰という力を信者に求めるが、神様の力を信者に与えようとしない。
まあ、ある意味では当然だ。
神様が存在する為には、信仰心という力が必要となる。
しかし、それは最初だけ。
神様になりたての者ほど、最初、信仰心を集める為に頑張るが、ある一定の信仰心を集め消滅の心配のなくなった神程、FIRE(早期リタイア)が早い。
俺が知っている神様で、信者の方々に施しを与えるのはロキさん位だ。
祈っても祈っても助けてくれない神様より、祈って祈って気まぐれで助けてくれる神様の方が今を生きる人達にとって素晴らしい。
俺も神様になったからにはちゃんとしたい。
だからこそ、人が自分の私利私欲を満たす為にカルト宗教を立ち上げ、神を奢るのは許せない。
実際に被害者もいる。
神の言葉を騙り、神の言葉を捏造する。
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そう思うと、周囲に『影分身』を浮かべた。
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