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第十一章 オーランド王国動乱編
第466話 シェトランドとの話し合い③
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え、何その微笑み?
まさか、俺を戦争に駆り出す気!?
俺を戦争に駆り出す気じゃないよね?
「な、なるほど、Sランク冒険者相当の力を持つ者を戦争に派兵するのですか……」
「ええ、当商会には、Aランク冒険者相当の力を持つ者以外に、Sランク冒険者相当の力を持つ者が多数在籍しておりますので、今回はその方々のお力を借りたいとそう思っております」
「それなら確かに……。Sランク冒険者として有名なツカサ・ダズノットワーク様は、一人で千のモンスターを屠ると聞きます。小国であれば、一夜とかからず滅ぼす力もあると……」
えっ、ツカサさん、そんなに強かったの!?
というより、Sランク冒険者って、そんな認識だったんだ。
殆ど、人外扱いである。
「はい。その通りです。いかがでしょうか? 戦争にかかる費用は当商会が肩代わり致しますし、オーランド王国と実際に戦うのは私達のみ。シェトランド様は終戦後、オーランド王国を占領下に置き、オーランド王国の管理を私達に任せて頂ければいいのです。とても良い話だと思うのですが……」
屋敷神にそう言われると、シェトランドは考え込む。
「と、とても良いお話だとは思いますが、少々考えさせて頂いてもよろしいでしょうか? 流石に私一人で決めるにはちょっと……」
「ええ、勿論です。ただ、返事はお早めに……ああ、一つだけ忠告をしておきます」
「忠告?」
シェトランドが聞き返すと、屋敷神が笑顔を浮かべる。
「ええっ、まずないとは思いますが……。もし万が一、フェロー王国がオーランド王国との戦争に勝利した後、契約を破棄するような事があった場合、私共と致しましては、フェロー王国に対して相応の代償を支払って頂くつもりです。その点をよくお考えの上、返事を頂けますようお願い申し上げます」
「え、ええ、わかりました……」
屋敷神の言葉に、シェトランドは苦笑いを浮かべる。
当然の事である。何せ目の前で、約束を破ったらフェロー王国に報復すると宣言をされたのだ。
しかも、それが出来るだけの戦力と権力を持っているのだから質が悪い。
普通の人が相手であれば、国家反逆罪が適応されてもおかしくはない発言だ。
「返事は追ってお伝え致します。もうしばらくお待ち下さい」
「はい。それでは、悠斗様。邸宅に戻りましょう」
「うん。それじゃあ、またね。シェトランド」
「ええ、それではまた……」
シェトランドとの話し合いを終えた俺達は、邸宅に戻る事にした。
その翌日、シェトランドからオーランド王国との戦争を任せる旨報告が入る。
フェロー王国と正式な契約を結んだ俺達は、兵士用に作成した武具を納めると、次にフェロー王国を改造する事から始めた。
「さて、悠斗様。オーランド王国との戦争は約一ヶ月後。そこで私はフェロー王国全体を覆う様に防御壁を設けたいと思いますがいかがでしょうか?」
「うん。別にいいんじゃないかな?」
シェトランドと結んだ契約の中に、そういった項目も織り込んである。これはフェロー王国を守る為にも必要な事だ。
幸いな事に、疫病が流行っているお陰で、商人や冒険者、収穫人の国家間移動も殆どない。
「それでは、『迷宮変化』」
屋敷神がそう呟くと、フェロー王国全体を囲む様に防御壁が現れる。
王都から見て防御壁が見える位だ。
相当の高さがあるのだろう。
「さて、次にフェロー王国に住む国民達の保護についてですね」
「うん。それについては、どうするつもりなの?」
そういうと、屋敷神は考え込む。
「そうですね……いっその事、国民全員に『影精霊』の護衛を付けたいと考えております」
「えっ? 国民全員に『影精霊』を?」
「はい。秘密裏に『影精霊』数体を取り憑かせ、国民全員を保護下に置くのです。その過程で、フェロー王国内に潜む犯罪者や内通者を炙り出す事もできますし、オーランド王国が突然、戦争を仕掛けてきたとしても対応する事ができます」
なるほど、国民全員に『影精霊』を……。
「でも、そんな事して大丈夫なのかな?」
「ええ、問題ありません。オーランド王国との戦争が終わったら、『影精霊』を取り除けばよいのです」
「ま、まあ、屋敷神がそういうなら……」
俺としてはどちらでも構わない。
「それでは、皆が寝静まった頃、フェロー王国に住む全国民の影に『影精霊』を潜ませます。後はオーランド王国に対する対応についてですね。現在、オーランド王国側には五柱の神が付いております」
「オーランド王国側にも神様が!?」
それは初耳だ。
「一体、どんな神様がオーランド王国側に付いているの?」
「そうですね……今、把握しているだけで、光の神、武術神、司法神、雷神、そして戦神の五柱を把握しています」
「五柱も!?」
「ええ、だからこそ、オーランド王国は近隣諸国に対し戦争を仕掛けてきたのでしょう」
「なるほど……」
納得の理由だ。
しかし、こちら側にも屋敷神や土地神、ロキさんを初めとする神々が付いている。
「こっち側にも神が付いている事を、向こう側は気付いてないのかな?」
「いえ、確実に気付いています。その上で戦争を仕掛けてきたのでしょう」
まったくもって理解に苦しむ
そんなことを考えていると、屋敷神は呟いた。
まさか、俺を戦争に駆り出す気!?
俺を戦争に駆り出す気じゃないよね?
「な、なるほど、Sランク冒険者相当の力を持つ者を戦争に派兵するのですか……」
「ええ、当商会には、Aランク冒険者相当の力を持つ者以外に、Sランク冒険者相当の力を持つ者が多数在籍しておりますので、今回はその方々のお力を借りたいとそう思っております」
「それなら確かに……。Sランク冒険者として有名なツカサ・ダズノットワーク様は、一人で千のモンスターを屠ると聞きます。小国であれば、一夜とかからず滅ぼす力もあると……」
えっ、ツカサさん、そんなに強かったの!?
というより、Sランク冒険者って、そんな認識だったんだ。
殆ど、人外扱いである。
「はい。その通りです。いかがでしょうか? 戦争にかかる費用は当商会が肩代わり致しますし、オーランド王国と実際に戦うのは私達のみ。シェトランド様は終戦後、オーランド王国を占領下に置き、オーランド王国の管理を私達に任せて頂ければいいのです。とても良い話だと思うのですが……」
屋敷神にそう言われると、シェトランドは考え込む。
「と、とても良いお話だとは思いますが、少々考えさせて頂いてもよろしいでしょうか? 流石に私一人で決めるにはちょっと……」
「ええ、勿論です。ただ、返事はお早めに……ああ、一つだけ忠告をしておきます」
「忠告?」
シェトランドが聞き返すと、屋敷神が笑顔を浮かべる。
「ええっ、まずないとは思いますが……。もし万が一、フェロー王国がオーランド王国との戦争に勝利した後、契約を破棄するような事があった場合、私共と致しましては、フェロー王国に対して相応の代償を支払って頂くつもりです。その点をよくお考えの上、返事を頂けますようお願い申し上げます」
「え、ええ、わかりました……」
屋敷神の言葉に、シェトランドは苦笑いを浮かべる。
当然の事である。何せ目の前で、約束を破ったらフェロー王国に報復すると宣言をされたのだ。
しかも、それが出来るだけの戦力と権力を持っているのだから質が悪い。
普通の人が相手であれば、国家反逆罪が適応されてもおかしくはない発言だ。
「返事は追ってお伝え致します。もうしばらくお待ち下さい」
「はい。それでは、悠斗様。邸宅に戻りましょう」
「うん。それじゃあ、またね。シェトランド」
「ええ、それではまた……」
シェトランドとの話し合いを終えた俺達は、邸宅に戻る事にした。
その翌日、シェトランドからオーランド王国との戦争を任せる旨報告が入る。
フェロー王国と正式な契約を結んだ俺達は、兵士用に作成した武具を納めると、次にフェロー王国を改造する事から始めた。
「さて、悠斗様。オーランド王国との戦争は約一ヶ月後。そこで私はフェロー王国全体を覆う様に防御壁を設けたいと思いますがいかがでしょうか?」
「うん。別にいいんじゃないかな?」
シェトランドと結んだ契約の中に、そういった項目も織り込んである。これはフェロー王国を守る為にも必要な事だ。
幸いな事に、疫病が流行っているお陰で、商人や冒険者、収穫人の国家間移動も殆どない。
「それでは、『迷宮変化』」
屋敷神がそう呟くと、フェロー王国全体を囲む様に防御壁が現れる。
王都から見て防御壁が見える位だ。
相当の高さがあるのだろう。
「さて、次にフェロー王国に住む国民達の保護についてですね」
「うん。それについては、どうするつもりなの?」
そういうと、屋敷神は考え込む。
「そうですね……いっその事、国民全員に『影精霊』の護衛を付けたいと考えております」
「えっ? 国民全員に『影精霊』を?」
「はい。秘密裏に『影精霊』数体を取り憑かせ、国民全員を保護下に置くのです。その過程で、フェロー王国内に潜む犯罪者や内通者を炙り出す事もできますし、オーランド王国が突然、戦争を仕掛けてきたとしても対応する事ができます」
なるほど、国民全員に『影精霊』を……。
「でも、そんな事して大丈夫なのかな?」
「ええ、問題ありません。オーランド王国との戦争が終わったら、『影精霊』を取り除けばよいのです」
「ま、まあ、屋敷神がそういうなら……」
俺としてはどちらでも構わない。
「それでは、皆が寝静まった頃、フェロー王国に住む全国民の影に『影精霊』を潜ませます。後はオーランド王国に対する対応についてですね。現在、オーランド王国側には五柱の神が付いております」
「オーランド王国側にも神様が!?」
それは初耳だ。
「一体、どんな神様がオーランド王国側に付いているの?」
「そうですね……今、把握しているだけで、光の神、武術神、司法神、雷神、そして戦神の五柱を把握しています」
「五柱も!?」
「ええ、だからこそ、オーランド王国は近隣諸国に対し戦争を仕掛けてきたのでしょう」
「なるほど……」
納得の理由だ。
しかし、こちら側にも屋敷神や土地神、ロキさんを初めとする神々が付いている。
「こっち側にも神が付いている事を、向こう側は気付いてないのかな?」
「いえ、確実に気付いています。その上で戦争を仕掛けてきたのでしょう」
まったくもって理解に苦しむ
そんなことを考えていると、屋敷神は呟いた。
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