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第八章 フェロー王国動乱編
第248話 ドレークとの戦い④
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ドレークさんは腕に突き刺さった〔アッサルの槍〕を引き抜くと、それを収納し、新たに万能薬を空中から取り出した。
「し、収納した筈のアッサルの槍が何故……。何故、私の腕に突き刺さるっ! 何故、回号を知っているのです!」
ドレークさんが万能薬を飲み干すと、みるみる傷口が塞がっていく。そして、身体を震わせたかと思えば、万能薬を握る手に力を込め、瓶を握り潰した。
万能薬の破片が突き刺さったのか、瓶を握り潰した方の手から血が流れている。
折角、万能薬で怪我を治したというのに、一体何をやっているのだろうか?
「何を呆けているのです! 私の問いに答えなさい!」
別に呆けてはいない。ただ考え事をしていただけだ。
「血が出ているみたいですが大丈夫ですか?」
「わ、私に大怪我を負わせた君に言われたくありません! いいから私の問いに答えなさい!」
そうだった。ついドレークさんの手から流れる血が気になり、口に出てしまった。
仕方がない。ドレークさんはユートピア商会のお客さんの一人みたいだし、教えてあげてもいいか……。
「えーっと、何故、アッサルの槍の回号を知っているかでしたっけ? それは、俺がその武器の作成者だからですよ」
「は、はぁ?」
ドレークさんは驚きのあまり口をパクパクと開閉している。結構俺もユートピア商会の接客をしていたし、会頭として知られる様になったと思っていたが、自惚れが過ぎたらしい。
「な、何を言っているんだ君は……。コ、コレを持っていた商人や冒険者はそんな事……」
そりゃあそうだろう。
この武器はユートピア商会の会頭が作ったものなんですよ。なんて言いながら売る人がいるとは思えない。
精々、言ったとしても武器を購入した商会名だけだと思う。
「でも説明書をつけていた筈ですよ? ドレークさんもさっき言っていたじゃありませんか。必殺必中だって。アッサルの槍の特性は、必殺必中。今回は腕に狙いを付けましたがイヴァルの回号を口にした以上、あの槍は狙った箇所に当たるまで止める事はできません」
因みに、これは裏技だけどイヴァルの回号を口にして〔アッサルの槍〕を投げたとしても、アスィヴァルの回号を口にすれば〔アッサルの槍〕の必殺必中を止める事ができる。何故そんな事ができるのか。それは本物の〔アッサルの槍〕の様に持ち主の登録ができなかった為だ。
つまり俺が作った〔アッサルの槍〕は、イヴァルの回号を口にして投げれば、狙った所に当たり、アスィヴァルの回号を口にした者の所に戻ってくる中途半端なネタ武器。とはいえ、回号を知らない人にとっては脅威を感じるかもしれない。
ドレークさんに、この事を伝えるのは止めておこう。
「ゲ、ゲイボルグを収納魔法から出した時、一緒に出てきたとでもいうのですか……」
全く持ってその通り。大正解である。
それにしても、〔アッサルの槍〕の次は〔ゲイボルグ〕か……。
あの武器はヤバいかもしれない。
伝承にあるゲイボルグを模して作ったユートピア商会謹製のゲイボルグの特性は分裂。
槍を投げる事で無数の鏃が飛び出す設計上、一度限りしか使う事の出来ない使い捨てのネタ武器だ。
ただし、その分かなり高い威力が出る様設計している。
その威力は仮に一万の軍隊を相手にしても、ゲイボルグ一本を投げる事で壊滅状態に追い込む事ができる程。勿論、使い方を間違わなければだけど……。
ハッキリ言ってこんな所で使っていい代物ではない。
場合によってはヨルズルさん達にも被害が及ぶ可能性もある。
「ヨルズルさん。レイさん。マークさん! ゲイボルグが来ます! ドレークさんの背後から絶対に動かないで下さい!」
まあ、そもそもヨルズルさん達。ドレークさんの背後にある岩陰に隠れているから大丈夫だろうけど一応警告だけはしておく事にした。
「ゲイボルグ……。そうでした私にはまだこれがありました……」
ドレークさんは、〔アッサルの槍〕が腕にぶっ刺さった時、落としてしまった〔ゲイボルグ〕を拾うとニヤリと口を歪める。
「しかし、余裕ですね……。私が目の前にいるというのにヨルズル達に声をかけるだなんて……」
ハッキリ言って余裕だ。
〔影纏〕は物理・魔法攻撃の一切を無効化する。
俺が〔影纏〕を全身に纏っている以上、ドレークさんに勝ち目はない。そろそろ諦めてほしいものだ。
それにこの戦いに意味はない。
現にドレークさんの持つ防具は壊れ、一方的にダメージを負っている。
今の所、ドレークさんしか損をしていない。早くその事に気付いてほしい。
俺が考え事をしていると、無視をしていると感じたのだろう。
ドレークさんがこめかみに血管を浮き上がらせ、唇を震わせながら睨み付けてくる。
「……無視とはいい度胸です。ふふふっ……。私を無視した事、死んで後悔しなさい。死ねぇぇぇぇ! この糞餓鬼がぁぁぁぁ!」
そして〔ゲイボルグ〕の刃先をこちらに向けると怒鳴りながら〔ゲイボルグ〕を投擲してきた。
〔ゲイボルグ〕は鏃を分裂させると、俺に向かって降り注ぐ。廃坑内に鏃の雨が降り注いだ。
「し、収納した筈のアッサルの槍が何故……。何故、私の腕に突き刺さるっ! 何故、回号を知っているのです!」
ドレークさんが万能薬を飲み干すと、みるみる傷口が塞がっていく。そして、身体を震わせたかと思えば、万能薬を握る手に力を込め、瓶を握り潰した。
万能薬の破片が突き刺さったのか、瓶を握り潰した方の手から血が流れている。
折角、万能薬で怪我を治したというのに、一体何をやっているのだろうか?
「何を呆けているのです! 私の問いに答えなさい!」
別に呆けてはいない。ただ考え事をしていただけだ。
「血が出ているみたいですが大丈夫ですか?」
「わ、私に大怪我を負わせた君に言われたくありません! いいから私の問いに答えなさい!」
そうだった。ついドレークさんの手から流れる血が気になり、口に出てしまった。
仕方がない。ドレークさんはユートピア商会のお客さんの一人みたいだし、教えてあげてもいいか……。
「えーっと、何故、アッサルの槍の回号を知っているかでしたっけ? それは、俺がその武器の作成者だからですよ」
「は、はぁ?」
ドレークさんは驚きのあまり口をパクパクと開閉している。結構俺もユートピア商会の接客をしていたし、会頭として知られる様になったと思っていたが、自惚れが過ぎたらしい。
「な、何を言っているんだ君は……。コ、コレを持っていた商人や冒険者はそんな事……」
そりゃあそうだろう。
この武器はユートピア商会の会頭が作ったものなんですよ。なんて言いながら売る人がいるとは思えない。
精々、言ったとしても武器を購入した商会名だけだと思う。
「でも説明書をつけていた筈ですよ? ドレークさんもさっき言っていたじゃありませんか。必殺必中だって。アッサルの槍の特性は、必殺必中。今回は腕に狙いを付けましたがイヴァルの回号を口にした以上、あの槍は狙った箇所に当たるまで止める事はできません」
因みに、これは裏技だけどイヴァルの回号を口にして〔アッサルの槍〕を投げたとしても、アスィヴァルの回号を口にすれば〔アッサルの槍〕の必殺必中を止める事ができる。何故そんな事ができるのか。それは本物の〔アッサルの槍〕の様に持ち主の登録ができなかった為だ。
つまり俺が作った〔アッサルの槍〕は、イヴァルの回号を口にして投げれば、狙った所に当たり、アスィヴァルの回号を口にした者の所に戻ってくる中途半端なネタ武器。とはいえ、回号を知らない人にとっては脅威を感じるかもしれない。
ドレークさんに、この事を伝えるのは止めておこう。
「ゲ、ゲイボルグを収納魔法から出した時、一緒に出てきたとでもいうのですか……」
全く持ってその通り。大正解である。
それにしても、〔アッサルの槍〕の次は〔ゲイボルグ〕か……。
あの武器はヤバいかもしれない。
伝承にあるゲイボルグを模して作ったユートピア商会謹製のゲイボルグの特性は分裂。
槍を投げる事で無数の鏃が飛び出す設計上、一度限りしか使う事の出来ない使い捨てのネタ武器だ。
ただし、その分かなり高い威力が出る様設計している。
その威力は仮に一万の軍隊を相手にしても、ゲイボルグ一本を投げる事で壊滅状態に追い込む事ができる程。勿論、使い方を間違わなければだけど……。
ハッキリ言ってこんな所で使っていい代物ではない。
場合によってはヨルズルさん達にも被害が及ぶ可能性もある。
「ヨルズルさん。レイさん。マークさん! ゲイボルグが来ます! ドレークさんの背後から絶対に動かないで下さい!」
まあ、そもそもヨルズルさん達。ドレークさんの背後にある岩陰に隠れているから大丈夫だろうけど一応警告だけはしておく事にした。
「ゲイボルグ……。そうでした私にはまだこれがありました……」
ドレークさんは、〔アッサルの槍〕が腕にぶっ刺さった時、落としてしまった〔ゲイボルグ〕を拾うとニヤリと口を歪める。
「しかし、余裕ですね……。私が目の前にいるというのにヨルズル達に声をかけるだなんて……」
ハッキリ言って余裕だ。
〔影纏〕は物理・魔法攻撃の一切を無効化する。
俺が〔影纏〕を全身に纏っている以上、ドレークさんに勝ち目はない。そろそろ諦めてほしいものだ。
それにこの戦いに意味はない。
現にドレークさんの持つ防具は壊れ、一方的にダメージを負っている。
今の所、ドレークさんしか損をしていない。早くその事に気付いてほしい。
俺が考え事をしていると、無視をしていると感じたのだろう。
ドレークさんがこめかみに血管を浮き上がらせ、唇を震わせながら睨み付けてくる。
「……無視とはいい度胸です。ふふふっ……。私を無視した事、死んで後悔しなさい。死ねぇぇぇぇ! この糞餓鬼がぁぁぁぁ!」
そして〔ゲイボルグ〕の刃先をこちらに向けると怒鳴りながら〔ゲイボルグ〕を投擲してきた。
〔ゲイボルグ〕は鏃を分裂させると、俺に向かって降り注ぐ。廃坑内に鏃の雨が降り注いだ。
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