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第八章 フェロー王国動乱編
第223話 採用面接
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ユートピア商会エストゥロイ支部を設立する為に、従業員募集のチラシ配りをしてから一日が過ぎた。
翌日、従業員達と共に食事を摂ると、ユートピア商会エストゥロイ支部に向かう事にする。
王都に初めて商会を設立した時も、従業員募集のチラシを配った翌日にはチラシを見た方々が邸宅の前に列を成して待っていた。
今の時間は午前8時。
面接開始までまだ時間があるが、もう人が並んでいるかもしれない。
俺は土地神と共にウキウキ気分でユートピア商会エストゥロイ支部に向かうと案の定多くの人が邸宅前に列を成して並んでいた。服装を見る限り、集まってくれた人の多くはスラム民の様だ。列には小さい子供まで並んでいる。
エストゥロイ領でもスラム民というだけで仕事に就くのが難しいのだろう。
こんなにも優秀な能力を持っているのに勿体ない事だ。
俺は笑顔を浮かべたまま邸宅の扉を潜ると、鎮守神や土地神と共に面接用の椅子を並べていく。
そして面接の時間。
午前9時になると邸宅の玄関口を開け総勢200名ものスラム民を順番に邸宅内の椅子に案内していく。
途中、何名かは鎮守神の〔自動防御〕スキルに弾かれ、入る事ができないというアクシデントに見舞われたが面接試験は恙なく進んでいった。
「皆様、本日は当商会の面接にお集まり頂きありがとうございます。まずは、簡単な自己紹介をしてもらおうと思います。まずは名前と年齢、出身と特技について教えて下さい。自己紹介後に簡単な質問をさせて頂きます。では、そちらの方から順番にお願いします。」
そういうと、俺は一番右端に座っている子供に視線を向ける。
「はい! マナ12歳。スラム出身です! 特技は、鑑定。あと体がとっても丈夫です。よろしくお願いします!」
流石スラム出身。鑑定スキルを使う事ができる様だ。
俺がマナ君に〔鑑定〕スキルを利用すると次のようなステータスが表示された。
--------------------------------------
マナ Lv:1
年齢:12歳
性別:男
種族:人族
STR(物理):5 DEX(器用):40
ATK(攻撃):10 AGI(素早):30
VIT(生命):10 RES(抵抗):20
DEF(防御):20 LUK(幸運):20
MAG(魔力):10 INT(知力):20
スキル:鑑定Lv:2、病気耐性Lv:5
--------------------------------------
流石、スラム出身者というだけあって、〔鑑定〕と〔病気耐性〕のスキルを持っている。
「はい。マナ君ですね。マナ君はスラム出身とのことですが、面接を受けに来てくれた理由を教えて下さい」
俺がそう口にするとマナ君は元気よく言葉を返してくれる。
「はい! 昨日、スラムで配られたチラシを見て受けにきました! もし受かったら一生懸命働きたいと思います」
うん。今のは質問が悪かった。
そりゃそうか。といった内容の返事が返ってくる。
とはいえ、仕事への気概も感じられ、スキルも保持している。そもそも、鎮守神の自動防御を突破し、〔鑑定〕スキルを保持している時点で不合格はありえない。
とりあえず合格っと……。
俺は心のノートにそう書き込むと、次の方に自己紹介を促す。
「ありがとうございます。それでは、次の方お願いします。」
「はい。私はビアと申します。年齢は25歳で、スラム出身です。特技は裁縫です。よろしくお願いします。」
この方もスラム出身の様だ。
正直、スラム出身というだけで採用してもいい気がしてきた。
どちらにしろ、悪意がある人はこの場にいない様だし……。
そんな気分で面接を受ける事、半日……。
「つ、疲れたー」
新たに採用した従業員の方々にはその場で合否を告げ、社宅住まいを希望する者には支度金として白金貨3枚を、社宅住まいを希望しなかった者には白金貨5枚を渡す事にした。
「お疲れ様です悠斗様」
邸宅内にあるダイニングにぐだっていると土地神がお茶をテーブルに置く。
「ああ、土地神。ありがとう」
「それにしても、本日だけで200人を超える人材が集まるとは思いもしませんでしたね」
そう。今日採用した従業員数は総勢232人。その殆どがスラム出身者だった。
募集予定の200人を少しオーバーしてしまったけど問題はない……はず。
〔鑑定〕や〔病気耐性〕スキルを持つ従業員は何人いてもいい。
「本当だね。それもこれもスラムにチラシ配りをしてくれた鎮守神のお陰かな」
「そんな事はございません。チラシ配りと共に行った食事の配給や万能薬の配布が功を奏したのでしょう。全て悠斗様の行いの賜物です」
土地神と話していると、鎮守神が顕現する。
土地神や屋敷神と同じく、鎮守神も敷地内であればどこからでも顕現する事ができる様だ。
「それでユートピア商会エストゥロイ支部の営業はいつから始めるつもりですかな? お望みであれば今すぐにでも始める事ができますが……」
ユートピア商会エストゥロイ支部の営業は、2週間後を予定している。
というのも従業員を育てるのに多少なりとも時間が必要となる為だ。
それに、これまでずっと働きっ放しだった為か旅行もいいけど少しだけ働きたいと言ってくれている従業員もいる。
「一応、営業は2週間後を予定しているよ。それ迄の間に従業員達を育てないとね」
新しい従業員の教育は土地神と鎮守神に任せ、俺は新しい従業員達を少しずつ引き連れ迷宮内でレベリングをする事にしようと思っている。
「左様でございますか。微力ながら私もお手伝いさせて頂きたく存じます」
「うん。よろしくね」
ユートピア商会エストゥロイ支部の営業まであと2週間。
この短い時間。やる事は山ほどある。
翌日、従業員達と共に食事を摂ると、ユートピア商会エストゥロイ支部に向かう事にする。
王都に初めて商会を設立した時も、従業員募集のチラシを配った翌日にはチラシを見た方々が邸宅の前に列を成して待っていた。
今の時間は午前8時。
面接開始までまだ時間があるが、もう人が並んでいるかもしれない。
俺は土地神と共にウキウキ気分でユートピア商会エストゥロイ支部に向かうと案の定多くの人が邸宅前に列を成して並んでいた。服装を見る限り、集まってくれた人の多くはスラム民の様だ。列には小さい子供まで並んでいる。
エストゥロイ領でもスラム民というだけで仕事に就くのが難しいのだろう。
こんなにも優秀な能力を持っているのに勿体ない事だ。
俺は笑顔を浮かべたまま邸宅の扉を潜ると、鎮守神や土地神と共に面接用の椅子を並べていく。
そして面接の時間。
午前9時になると邸宅の玄関口を開け総勢200名ものスラム民を順番に邸宅内の椅子に案内していく。
途中、何名かは鎮守神の〔自動防御〕スキルに弾かれ、入る事ができないというアクシデントに見舞われたが面接試験は恙なく進んでいった。
「皆様、本日は当商会の面接にお集まり頂きありがとうございます。まずは、簡単な自己紹介をしてもらおうと思います。まずは名前と年齢、出身と特技について教えて下さい。自己紹介後に簡単な質問をさせて頂きます。では、そちらの方から順番にお願いします。」
そういうと、俺は一番右端に座っている子供に視線を向ける。
「はい! マナ12歳。スラム出身です! 特技は、鑑定。あと体がとっても丈夫です。よろしくお願いします!」
流石スラム出身。鑑定スキルを使う事ができる様だ。
俺がマナ君に〔鑑定〕スキルを利用すると次のようなステータスが表示された。
--------------------------------------
マナ Lv:1
年齢:12歳
性別:男
種族:人族
STR(物理):5 DEX(器用):40
ATK(攻撃):10 AGI(素早):30
VIT(生命):10 RES(抵抗):20
DEF(防御):20 LUK(幸運):20
MAG(魔力):10 INT(知力):20
スキル:鑑定Lv:2、病気耐性Lv:5
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流石、スラム出身者というだけあって、〔鑑定〕と〔病気耐性〕のスキルを持っている。
「はい。マナ君ですね。マナ君はスラム出身とのことですが、面接を受けに来てくれた理由を教えて下さい」
俺がそう口にするとマナ君は元気よく言葉を返してくれる。
「はい! 昨日、スラムで配られたチラシを見て受けにきました! もし受かったら一生懸命働きたいと思います」
うん。今のは質問が悪かった。
そりゃそうか。といった内容の返事が返ってくる。
とはいえ、仕事への気概も感じられ、スキルも保持している。そもそも、鎮守神の自動防御を突破し、〔鑑定〕スキルを保持している時点で不合格はありえない。
とりあえず合格っと……。
俺は心のノートにそう書き込むと、次の方に自己紹介を促す。
「ありがとうございます。それでは、次の方お願いします。」
「はい。私はビアと申します。年齢は25歳で、スラム出身です。特技は裁縫です。よろしくお願いします。」
この方もスラム出身の様だ。
正直、スラム出身というだけで採用してもいい気がしてきた。
どちらにしろ、悪意がある人はこの場にいない様だし……。
そんな気分で面接を受ける事、半日……。
「つ、疲れたー」
新たに採用した従業員の方々にはその場で合否を告げ、社宅住まいを希望する者には支度金として白金貨3枚を、社宅住まいを希望しなかった者には白金貨5枚を渡す事にした。
「お疲れ様です悠斗様」
邸宅内にあるダイニングにぐだっていると土地神がお茶をテーブルに置く。
「ああ、土地神。ありがとう」
「それにしても、本日だけで200人を超える人材が集まるとは思いもしませんでしたね」
そう。今日採用した従業員数は総勢232人。その殆どがスラム出身者だった。
募集予定の200人を少しオーバーしてしまったけど問題はない……はず。
〔鑑定〕や〔病気耐性〕スキルを持つ従業員は何人いてもいい。
「本当だね。それもこれもスラムにチラシ配りをしてくれた鎮守神のお陰かな」
「そんな事はございません。チラシ配りと共に行った食事の配給や万能薬の配布が功を奏したのでしょう。全て悠斗様の行いの賜物です」
土地神と話していると、鎮守神が顕現する。
土地神や屋敷神と同じく、鎮守神も敷地内であればどこからでも顕現する事ができる様だ。
「それでユートピア商会エストゥロイ支部の営業はいつから始めるつもりですかな? お望みであれば今すぐにでも始める事ができますが……」
ユートピア商会エストゥロイ支部の営業は、2週間後を予定している。
というのも従業員を育てるのに多少なりとも時間が必要となる為だ。
それに、これまでずっと働きっ放しだった為か旅行もいいけど少しだけ働きたいと言ってくれている従業員もいる。
「一応、営業は2週間後を予定しているよ。それ迄の間に従業員達を育てないとね」
新しい従業員の教育は土地神と鎮守神に任せ、俺は新しい従業員達を少しずつ引き連れ迷宮内でレベリングをする事にしようと思っている。
「左様でございますか。微力ながら私もお手伝いさせて頂きたく存じます」
「うん。よろしくね」
ユートピア商会エストゥロイ支部の営業まであと2週間。
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