166 / 486
第八章 フェロー王国動乱編
第222話 説得に失敗する内務大臣
しおりを挟む
「スカーリ様。ティンドホルマー魔法学園に到着致しました」
「うむ。ご苦労」
内務大臣はティンドホルマー魔法学園前に馬車を付けると、馬車から降り門の前へと足を運ぶ。
すると門番が内務大臣一行に立ち塞がった。
「内務大臣のスカーリだ。理事会または学園長と話がしたい。さっさと呼んでまいれ」
「恐れ入りますが、お約束は頂いておりますでしょうか? 現在、理事は会議中。学園長は授業中となります。約束を頂いていない場合、申し訳ございませんが、会議又は授業が終るまでお待ち頂く事になります」
内務大臣である自分が態々、学園まで足を運んでやったというのにこの対応。
「貴様……。私が誰か分かっていての発言か?」
「はい。内務大臣のスカーリ様です」
理事や学園長ならず門番にまで軽く見られている事に憤りを覚える。
しかし門番の態度に変化はない。
これは重症だな……。
内務大臣は呆れて物も言えない様な表情を浮かべる。
内務大臣が態々、こんな所まで足を運ぶのだ。
学園にとって重要な話を持ってきたと何故わからない?
門番の個人的な見解で、会議や授業が終わるまで待てとは……。この門番は常識というものを知らないらしい。
門番を睨み付けていると、目の端にグレナ・ディーン学園長の姿を捉える。
「なんだ。すぐそこに学園長がいるではないか」
遠目で表情を窺う限り非常に機嫌が良さそうだ。
ニコニコとした表情で何かをしている。
うん?
いま何か光らなかったか?
ズカン! という音も聞こえる。
しかし、そんな轟音鳴り響く中にいても学園長は楽しげな表情を浮かべている。
王城で会った時とは全然違う。
話し合いをするなら今がチャンスなのではないかという気持ちが高まっていく。
すると何を思ったのか門番が立ち塞がってきた。
「いま学園長は授業中です。あと半刻ほどお待ち下さい」
そして先程と全く変わらない発言を繰り返す。
内務大臣は余りの話の通じなさ加減に怒りを覚えると、門番に向かって怒鳴りつけた。
「ふざけるなっ! 私を誰だと思っている。私はこの国の内務大臣スカーリ様だぞ! 理事と学園長に用があると言っている! さっさと呼んでまいれっ!」
しかし、いくら怒鳴り声を上げても暖簾に腕押し。
門番は全く動じた様子がない。
「大変申し訳ございませんが、お断りさせて頂きます。理事と学園長から内務大臣がこちらにいらしても中には通さない様仰せつかっておりますし、約束が無いと言うのであれば尚更です」
それどころか平然とした表情でとんでもない事を呟いた。
「なぁっ! なにっ! 理事と学園長がそんな馬鹿な事を言う筈が……」
内務大臣は以前、王城であった事を思い返す。
もしかしてあれは、学園長の虫の居所が悪かっただけではなかったのか……。
ティンドホルマー第二魔法学園の創設は、魔法学園側にとってもメリットがある事。
そう信じて疑わなかったからこそ、魔法学園との関係改善を申し出たのにこれでは話が違う。
だとしたら拙い。非常に拙い状況だ。
こんな事になる位ならユートピア商会の土地を接収する為の理由付けとして、ティンドホルマー第二魔法学園の創設など言わなければよかった。
そういえば、グレナ・ディーン学園長には以前『貴様ッ! この私が上申し、陛下が決定した事に異を唱えるのか! ティンドホルマー魔法学園の学園長とはいえタダではすまんぞ!』とそんな事を言ってしまった気がする。
ま、まずいッ……!
「な、何とかしなければ……何とかしなければ私の責任になってしまう」
大量の汗を流し、ふらつきながら呟くと門番が声を上げた。
「それ以上近寄らないで頂けますか? これ以上はいかに内務大臣とはいえ武力行使させて頂きます」
しかし、内務大臣は止まらない。
内務大臣の頭は保身の事で一杯だ。今どのような行動に移っているか、自分ですら把握していない。
「スカーリ様!」
自身を呼ぶ声に正気を取り戻した内務大臣が顔を上げると、騎士が門番を取り押えていた。
「スカーリ様。ご無事ですかっ!」
どうやら、門番により武力行使されそうになっていた所を騎士が助けてくれたらしい。
「……ああ、問題ない」
そう呟き前に視線を向けると、そこには開かれた校門の姿が目に映る。
厄介な門番は騎士が取り押えたまま……。
これは……もしやチャンスなのではないか?
騎士に取り押さえられたままの門番を二度見すると、騎士に「よくやった!」と大声で呟く。
そこからの行動は速かった。
門番のいない校門を通り抜けると、グラウンドで授業中のグレナ・ディーン学園長の元へと走り出す。
あれだけ機嫌が良さそうなのだ。今ならきっとティンドホルマー第二魔法学園創設の話も快く受けてくれるに違いない。
「グレナ・ディーン学園長。今日は大切な話が……グギャッツ!」
グラウンドに入った所でそう叫ぶと、とんでもない威力の魔法が内務大臣に命中する。
実際には、的当ての授業中に的に向かって生徒が魔法を発動しただけだが、内務大臣はそうは思わなかった。
「ぐ、ぐぐぐっ。一体何が……。攻撃、そうか私は攻撃されたのか……」
内務大臣は怒りの形相で起き上がると、自身に対して魔法を当ててきた生徒を睨みつけ恫喝する。
「き、貴様かっ! いきなり私を攻撃するなぞどういうつもりだ! 内務大臣に対する攻撃、これは重罪だぞ! わかっているのかっ!」
「あなたこそ、今のご自身の立場を分かっているのですか?」
「なんだ貴様はっ! あっ……」
後ろから声を掛けられた内務大臣は怒りの形相で怒鳴りつける。
すると、そこには怒りを通り越して笑顔となってしまった学園長の姿があった。
「グ、グレナ・ディーン学園長……。違うのです。今この子供が私に攻撃を……」
必死の弁解をしようにも言葉が出てこない。
グレナ・ディーン学園長は笑顔の表情を貼り付けたまま、懐から書類を取り出すと内務大臣に向かって放り投げる。
「グ、グレナ・ディーン学園長……。これは……?」
「ティンドホルマー魔法学園のエストゥロイ領移転の方針稟議が通りました」
学園長の言葉を聞いた内務大臣は、大量の汗を流しながら呟く。
「お、お待ち下さ……」
「今まで大変お世話になりました。国王陛下にはそのようにお伝え下さい。……さあ皆さん教室に戻りますよ」
必要な事だけ言い放つと、学園長は内務大臣に背を向け、子供達と共に教室へと戻っていった。
「うむ。ご苦労」
内務大臣はティンドホルマー魔法学園前に馬車を付けると、馬車から降り門の前へと足を運ぶ。
すると門番が内務大臣一行に立ち塞がった。
「内務大臣のスカーリだ。理事会または学園長と話がしたい。さっさと呼んでまいれ」
「恐れ入りますが、お約束は頂いておりますでしょうか? 現在、理事は会議中。学園長は授業中となります。約束を頂いていない場合、申し訳ございませんが、会議又は授業が終るまでお待ち頂く事になります」
内務大臣である自分が態々、学園まで足を運んでやったというのにこの対応。
「貴様……。私が誰か分かっていての発言か?」
「はい。内務大臣のスカーリ様です」
理事や学園長ならず門番にまで軽く見られている事に憤りを覚える。
しかし門番の態度に変化はない。
これは重症だな……。
内務大臣は呆れて物も言えない様な表情を浮かべる。
内務大臣が態々、こんな所まで足を運ぶのだ。
学園にとって重要な話を持ってきたと何故わからない?
門番の個人的な見解で、会議や授業が終わるまで待てとは……。この門番は常識というものを知らないらしい。
門番を睨み付けていると、目の端にグレナ・ディーン学園長の姿を捉える。
「なんだ。すぐそこに学園長がいるではないか」
遠目で表情を窺う限り非常に機嫌が良さそうだ。
ニコニコとした表情で何かをしている。
うん?
いま何か光らなかったか?
ズカン! という音も聞こえる。
しかし、そんな轟音鳴り響く中にいても学園長は楽しげな表情を浮かべている。
王城で会った時とは全然違う。
話し合いをするなら今がチャンスなのではないかという気持ちが高まっていく。
すると何を思ったのか門番が立ち塞がってきた。
「いま学園長は授業中です。あと半刻ほどお待ち下さい」
そして先程と全く変わらない発言を繰り返す。
内務大臣は余りの話の通じなさ加減に怒りを覚えると、門番に向かって怒鳴りつけた。
「ふざけるなっ! 私を誰だと思っている。私はこの国の内務大臣スカーリ様だぞ! 理事と学園長に用があると言っている! さっさと呼んでまいれっ!」
しかし、いくら怒鳴り声を上げても暖簾に腕押し。
門番は全く動じた様子がない。
「大変申し訳ございませんが、お断りさせて頂きます。理事と学園長から内務大臣がこちらにいらしても中には通さない様仰せつかっておりますし、約束が無いと言うのであれば尚更です」
それどころか平然とした表情でとんでもない事を呟いた。
「なぁっ! なにっ! 理事と学園長がそんな馬鹿な事を言う筈が……」
内務大臣は以前、王城であった事を思い返す。
もしかしてあれは、学園長の虫の居所が悪かっただけではなかったのか……。
ティンドホルマー第二魔法学園の創設は、魔法学園側にとってもメリットがある事。
そう信じて疑わなかったからこそ、魔法学園との関係改善を申し出たのにこれでは話が違う。
だとしたら拙い。非常に拙い状況だ。
こんな事になる位ならユートピア商会の土地を接収する為の理由付けとして、ティンドホルマー第二魔法学園の創設など言わなければよかった。
そういえば、グレナ・ディーン学園長には以前『貴様ッ! この私が上申し、陛下が決定した事に異を唱えるのか! ティンドホルマー魔法学園の学園長とはいえタダではすまんぞ!』とそんな事を言ってしまった気がする。
ま、まずいッ……!
「な、何とかしなければ……何とかしなければ私の責任になってしまう」
大量の汗を流し、ふらつきながら呟くと門番が声を上げた。
「それ以上近寄らないで頂けますか? これ以上はいかに内務大臣とはいえ武力行使させて頂きます」
しかし、内務大臣は止まらない。
内務大臣の頭は保身の事で一杯だ。今どのような行動に移っているか、自分ですら把握していない。
「スカーリ様!」
自身を呼ぶ声に正気を取り戻した内務大臣が顔を上げると、騎士が門番を取り押えていた。
「スカーリ様。ご無事ですかっ!」
どうやら、門番により武力行使されそうになっていた所を騎士が助けてくれたらしい。
「……ああ、問題ない」
そう呟き前に視線を向けると、そこには開かれた校門の姿が目に映る。
厄介な門番は騎士が取り押えたまま……。
これは……もしやチャンスなのではないか?
騎士に取り押さえられたままの門番を二度見すると、騎士に「よくやった!」と大声で呟く。
そこからの行動は速かった。
門番のいない校門を通り抜けると、グラウンドで授業中のグレナ・ディーン学園長の元へと走り出す。
あれだけ機嫌が良さそうなのだ。今ならきっとティンドホルマー第二魔法学園創設の話も快く受けてくれるに違いない。
「グレナ・ディーン学園長。今日は大切な話が……グギャッツ!」
グラウンドに入った所でそう叫ぶと、とんでもない威力の魔法が内務大臣に命中する。
実際には、的当ての授業中に的に向かって生徒が魔法を発動しただけだが、内務大臣はそうは思わなかった。
「ぐ、ぐぐぐっ。一体何が……。攻撃、そうか私は攻撃されたのか……」
内務大臣は怒りの形相で起き上がると、自身に対して魔法を当ててきた生徒を睨みつけ恫喝する。
「き、貴様かっ! いきなり私を攻撃するなぞどういうつもりだ! 内務大臣に対する攻撃、これは重罪だぞ! わかっているのかっ!」
「あなたこそ、今のご自身の立場を分かっているのですか?」
「なんだ貴様はっ! あっ……」
後ろから声を掛けられた内務大臣は怒りの形相で怒鳴りつける。
すると、そこには怒りを通り越して笑顔となってしまった学園長の姿があった。
「グ、グレナ・ディーン学園長……。違うのです。今この子供が私に攻撃を……」
必死の弁解をしようにも言葉が出てこない。
グレナ・ディーン学園長は笑顔の表情を貼り付けたまま、懐から書類を取り出すと内務大臣に向かって放り投げる。
「グ、グレナ・ディーン学園長……。これは……?」
「ティンドホルマー魔法学園のエストゥロイ領移転の方針稟議が通りました」
学園長の言葉を聞いた内務大臣は、大量の汗を流しながら呟く。
「お、お待ち下さ……」
「今まで大変お世話になりました。国王陛下にはそのようにお伝え下さい。……さあ皆さん教室に戻りますよ」
必要な事だけ言い放つと、学園長は内務大臣に背を向け、子供達と共に教室へと戻っていった。
1
お気に入りに追加
8,256
あなたにおすすめの小説
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
パーティーから追放され婚約者を寝取られ家から勘当、の三拍子揃った元貴族は、いずれ竜をも倒す大英雄へ ~もはやマイナスからの成り上がり英雄譚~
一条おかゆ
ファンタジー
貴族の青年、イオは冒険者パーティーの中衛。
彼はレベルの低さゆえにパーティーを追放され、さらに婚約者を寝取られ、家からも追放されてしまう。
全てを失って悲しみに打ちひしがれるイオだったが、騎士学校時代の同級生、ベガに拾われる。
「──イオを勧誘しにきたんだ」
ベガと二人で新たなパーティーを組んだイオ。
ダンジョンへと向かい、そこで自身の本当の才能──『対人能力』に気が付いた。
そして心機一転。
「前よりも強いパーティーを作って、前よりも良い婚約者を貰って、前よりも格の高い家の者となる」
今までの全てを見返すことを目標に、彼は成り上がることを決意する。
これは、そんな英雄譚。
俺は善人にはなれない
気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。
母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)
いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。
全く親父の奴!勝手に消えやがって!
親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。
俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。
母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。
なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな?
なら、出ていくよ!
俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ!
これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。
カクヨム様にて先行掲載中です。
不定期更新です。
公国の後継者として有望視されていたが無能者と烙印を押され、追放されたが、とんでもない隠れスキルで成り上がっていく。公国に戻る?いやだね!
秋田ノ介
ファンタジー
主人公のロスティは公国家の次男として生まれ、品行方正、学問や剣術が優秀で、非の打ち所がなく、後継者となることを有望視されていた。
『スキル無し』……それによりロスティは無能者としての烙印を押され、後継者どころか公国から追放されることとなった。ロスティはなんとかなけなしの金でスキルを買うのだが、ゴミスキルと呼ばれるものだった。何の役にも立たないスキルだったが、ロスティのとんでもない隠れスキルでゴミスキルが成長し、レアスキル級に大化けしてしまう。
ロスティは次々とスキルを替えては成長させ、より凄いスキルを手にしていき、徐々に成り上がっていく。一方、ロスティを追放した公国は衰退を始めた。成り上がったロスティを呼び戻そうとするが……絶対にお断りだ!!!!
小説家になろうにも掲載しています。
外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~
そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」
「何てことなの……」
「全く期待はずれだ」
私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。
このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。
そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。
だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。
そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。
そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど?
私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。
私は最高の仲間と最強を目指すから。
外れスキル『レベル分配』が覚醒したら無限にレベルが上がるようになったんだが。〜俺を追放してからレベルが上がらなくなったって?知らん〜
純真
ファンタジー
「普通にレベル上げした方が早いじゃない。なんの意味があるのよ」
E級冒険者ヒスイのスキルは、パーティ間でレベルを移動させる『レベル分配』だ。
毎日必死に最弱モンスター【スライム】を倒し続け、自分のレベルをパーティメンバーに分け与えていた。
そんなある日、ヒスイはパーティメンバーに「役立たず」「足でまとい」と罵られ、パーティを追放されてしまう。
しかし、その晩にスキルが覚醒。新たに手に入れたそのスキルは、『元パーティメンバーのレベルが一生上がらなくなる』かわりに『ヒスイは息をするだけでレベルが上がり続ける』というものだった。
そのレベルを新しいパーティメンバーに分け与え、最強のパーティを作ることにしたヒスイ。
『剣聖』や『白夜』と呼ばれるS級冒険者と共に、ヒスイの名は世界中に轟いていく――。
「戯言を。貴様らがいくら成長したところで、私に! ましてや! 魔王様に届くはずがない! 生まれながらの劣等種! それが貴様ら人間だ!」
「――本当にそうか、確かめてやるよ。この俺出来たてホヤホヤの成長をもってな」
これは、『弱き者』が『強き者』になる――ついでに、可愛い女の子と旅をする物語。
※この作品は『小説家になろう』様、『カクヨム』様にも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。