122 / 486
第七章 教会編
第182話 異端審問官③
しおりを挟む
「……です。……なぜ……です。……何故なのですか! ロプト神様ァァァァ!」
フェロー王国の王都、大司教ソテルが管理する教区教会の礼拝堂にソテルの絶叫が響き渡る。
大司教ソテルは、ロプト神の神託を受け、サンミニアート・アルモンテ聖国のドミニカ修道会を襲撃。異端審問官を見習いごと殲滅した。
そして今日、ソテルの信仰するロプト神のお言葉を頂戴しようと、神託スキルを発動するも全く音沙汰がない。神託スキルを賜わって以来、初めての出来事に衝撃を受け、教区教会内にいる修道士が畏怖する中、十字架に祈りを捧げながら絶叫していた。
当の本人ソテルは、真剣に祈っている。
ただ、心の声がそのまま口から出てしまっているだけだ。
「異端審問官殲滅……異端審問官殲滅……異端審問官殲滅……ッ!」
そしてソテルは思い至る。
まだ異端審問官長ドミニカたちが生きている事に……。
「異端審問官殲滅……。まだ異端審問官は生きている。ロプト神様は私が中途半端に神託を実行してしまった事にお怒りなのですね……。異端審問官を殲滅するまでロプト神様の神託は賜われない。そういう事なのですね!」
実際はこれ以上、余計な神託をしない様、眠りについているだけなのだが、ソテルにはそれを知る由もない。
ソテルの心が冷静さを取り戻す。
「ああ、ああっ! 残りの異端審問官たちも速やかに殲滅致します。もう少々、お待ち下さいませ。」
ソテルはゆっくり立ち上がると、狂喜の笑みを浮かべ異端審問官長ドミニカのいるユートピア商会に向かう。
「待っていなさいドミニカ……神はあなたの魂を御求めになっています。すぐに神の御許へと送り届けて差し上げましょう。」
血の涙を流しながら絶叫していたソテルが急に笑顔を取り戻した事に安堵した修道士たちは、今日もまた血で塗れた礼拝堂の掃除を行う。
ソテルが呟いていた異端審問官殲滅という言葉に、空恐ろしい思いを抱きながら……。
――場所は変わって悠斗邸。
邸内に複数の精霊の反応を捉えた屋敷神が邸宅内を探っていると、ルチアが目覚めた事に気付く。
「どうやらお客様がお目覚めになったようです。おや、精霊を顕現させているようですね。」
屋敷神は悠斗邸最強の守護者の一柱だ。この邸宅で起こるすべての事をリアルタイムで把握する事ができる。
「精霊?」
「はい。どうやら状況把握に努めているようですが……精霊視点で何があったのか話を聞いています。とはいえ、あのような物言いでは伝わるものも伝わりません。丁度食事もできた所ですし、私たちも参りましょう。」
「俺もっ?」
「当然でございます。本邸宅の主人なのですから……。」
屋敷神は配膳台に食事を並べると、それを怪我をして倒れていた修道士の元へと運んでいく。
「それでは、失礼致します。」
屋敷神は、ドアをノックし扉を開けると、配膳台を修道士のいるベッドの横まで運んでいく。俺も屋敷神に続きドアを潜ると、そこには顔色の良くなった修道士の姿があった。
「おはようございます。お客様、体調に問題はありませんでしょうか?」
屋敷神が配膳をしながら尋ねると、修道士は俯き黙りこくってしまう。
「ああ、失礼致しました。自己紹介が遅れてしまい申し訳ございません。ご紹介申し上げます。こちらが我が主、佐藤悠斗様でございます。」
「佐藤悠斗と申します。どうぞよろしくお願いします。」
「そして私は佐藤悠斗様にお仕えしている執事の屋敷神と申します。以後お見知りおきを……。」
修道士の女性は目をパチクリさせると、こちらの自己紹介につられるように口を開く。
「私は聖モンテ教会の修道士、ルチアと申します。悠斗様、屋敷神様。私の事を助けて頂きありがとうございます。助けて頂いて恐縮なのですが、ここはどちらでしょうか。私はサンミニアート・アルモンテ聖国の修道院を訪れていた所、大司教ソテル様によってスヴロイ領の森の中に連れてこられて今に至るのですが……。」
「ここはフェロー王国の王都にある悠斗様の邸宅です。スヴロイ領からですと王都からフェリーを使って1日の距離があります。そしてサンミニアート・アルモンテ聖国についてですが、こちらについては何分地理に精通しておりませんものでして、お力になれず申し訳ございません。」
「そうですか……。」
聖モンテ教会の修道士ルチアは少し落ち込んだような声で呟く。
無理もない。日本の自宅で寛いでいたら、突然攫われ、気付けばニューヨークでした。
そんな様な話だ。
あれ? 俺自身も日本の公園でカツアゲされ、気付けばこの世界ウェークに来ていたし、境遇だけ見ると同じようなものか?
「まずはお食事をお摂り下さい。聖モント教の教区教会は王都にもありますし、スヴロイ領まででよろしければ送り届ける事もできます。それ以上は少し難しいですが。何でしたら暫くの間、こちらで生活をして貰っても構いません。」
スラム街出身の従業員も悠斗邸敷地内に住んでいる。
邸宅内は部屋も広いし、子供たちも最近ではあまり帰って来る事が少なくなった。
空いている部屋ならいくらでもある。
悠斗が慣れない敬語混じりの言葉を口にすると、ルチアが少しだけ微笑みを浮かべる。
「ありがとうございます。それではお言葉に甘えさせて頂きたく存じます。」
ルチアは屋敷神からフォークとスプーンを受け取ると、配膳された食事に手を伸ばす。
今回用意した食事はカレーである。
毎週末の朝食に出すメニューで、ユートピア商会の従業員に大人気のメニューだ。
今でも朝と昼は従業員たちと飲食を共にしている。
ルチアは初めて見るカレーに興味津々のようだ。
何かを確かめるかのようにルーを混ぜたり、カレーの匂いを嗅いだりしている。
そして意を決して、カレーを口に運ぶと一言「美味しい。」と呟いた。
当然の事である。
屋敷神の作るカレーは絶品なのだ。
常日頃から研究に研究を重ねており、毎週違う味のカレーを俺たちに提供してくれている。
「それでは、何か御用がありましたらそちらの鈴でお呼び下さい。」
「はい。色々と気を使って下さりありがとうございます。」
「それでは失礼します。」
悠斗と共に部屋から出ると屋敷神が、神妙な顔を浮かべる。
「これは侵入者でしょうか? 少し厄介な事になってきましたね……。」
屋敷神の目には、悠斗邸、そしてユートピア商会に爆発物と思わしき物を投げ入れている男たちの姿が映る。屋敷神は悠斗に聞こえない様にそう呟くと、すぐさま土地神の援護に向かう事に決めた。
「悠斗様。申し訳ございません。急遽、用が出来てしまいました。大変恐縮ではありますが、私はこちらにて失礼させて頂きたく存じます。」
いつもであれば魔法陣でロキかカマエルの階層に送り込めばいいだけなのだが、今回はそうはいかない。なにせカマエルの階層は一時的に封鎖している。そしてロキの階層には、ロキが眠りについているため勝手に送り込む事もできない。
屋敷神は「仕方がありませんね。」と呟くと悠斗にペコリと会釈をして立ち去る。
悠斗邸とユートピア商会に異端審問官の魔の手が差し掛かっていた。
フェロー王国の王都、大司教ソテルが管理する教区教会の礼拝堂にソテルの絶叫が響き渡る。
大司教ソテルは、ロプト神の神託を受け、サンミニアート・アルモンテ聖国のドミニカ修道会を襲撃。異端審問官を見習いごと殲滅した。
そして今日、ソテルの信仰するロプト神のお言葉を頂戴しようと、神託スキルを発動するも全く音沙汰がない。神託スキルを賜わって以来、初めての出来事に衝撃を受け、教区教会内にいる修道士が畏怖する中、十字架に祈りを捧げながら絶叫していた。
当の本人ソテルは、真剣に祈っている。
ただ、心の声がそのまま口から出てしまっているだけだ。
「異端審問官殲滅……異端審問官殲滅……異端審問官殲滅……ッ!」
そしてソテルは思い至る。
まだ異端審問官長ドミニカたちが生きている事に……。
「異端審問官殲滅……。まだ異端審問官は生きている。ロプト神様は私が中途半端に神託を実行してしまった事にお怒りなのですね……。異端審問官を殲滅するまでロプト神様の神託は賜われない。そういう事なのですね!」
実際はこれ以上、余計な神託をしない様、眠りについているだけなのだが、ソテルにはそれを知る由もない。
ソテルの心が冷静さを取り戻す。
「ああ、ああっ! 残りの異端審問官たちも速やかに殲滅致します。もう少々、お待ち下さいませ。」
ソテルはゆっくり立ち上がると、狂喜の笑みを浮かべ異端審問官長ドミニカのいるユートピア商会に向かう。
「待っていなさいドミニカ……神はあなたの魂を御求めになっています。すぐに神の御許へと送り届けて差し上げましょう。」
血の涙を流しながら絶叫していたソテルが急に笑顔を取り戻した事に安堵した修道士たちは、今日もまた血で塗れた礼拝堂の掃除を行う。
ソテルが呟いていた異端審問官殲滅という言葉に、空恐ろしい思いを抱きながら……。
――場所は変わって悠斗邸。
邸内に複数の精霊の反応を捉えた屋敷神が邸宅内を探っていると、ルチアが目覚めた事に気付く。
「どうやらお客様がお目覚めになったようです。おや、精霊を顕現させているようですね。」
屋敷神は悠斗邸最強の守護者の一柱だ。この邸宅で起こるすべての事をリアルタイムで把握する事ができる。
「精霊?」
「はい。どうやら状況把握に努めているようですが……精霊視点で何があったのか話を聞いています。とはいえ、あのような物言いでは伝わるものも伝わりません。丁度食事もできた所ですし、私たちも参りましょう。」
「俺もっ?」
「当然でございます。本邸宅の主人なのですから……。」
屋敷神は配膳台に食事を並べると、それを怪我をして倒れていた修道士の元へと運んでいく。
「それでは、失礼致します。」
屋敷神は、ドアをノックし扉を開けると、配膳台を修道士のいるベッドの横まで運んでいく。俺も屋敷神に続きドアを潜ると、そこには顔色の良くなった修道士の姿があった。
「おはようございます。お客様、体調に問題はありませんでしょうか?」
屋敷神が配膳をしながら尋ねると、修道士は俯き黙りこくってしまう。
「ああ、失礼致しました。自己紹介が遅れてしまい申し訳ございません。ご紹介申し上げます。こちらが我が主、佐藤悠斗様でございます。」
「佐藤悠斗と申します。どうぞよろしくお願いします。」
「そして私は佐藤悠斗様にお仕えしている執事の屋敷神と申します。以後お見知りおきを……。」
修道士の女性は目をパチクリさせると、こちらの自己紹介につられるように口を開く。
「私は聖モンテ教会の修道士、ルチアと申します。悠斗様、屋敷神様。私の事を助けて頂きありがとうございます。助けて頂いて恐縮なのですが、ここはどちらでしょうか。私はサンミニアート・アルモンテ聖国の修道院を訪れていた所、大司教ソテル様によってスヴロイ領の森の中に連れてこられて今に至るのですが……。」
「ここはフェロー王国の王都にある悠斗様の邸宅です。スヴロイ領からですと王都からフェリーを使って1日の距離があります。そしてサンミニアート・アルモンテ聖国についてですが、こちらについては何分地理に精通しておりませんものでして、お力になれず申し訳ございません。」
「そうですか……。」
聖モンテ教会の修道士ルチアは少し落ち込んだような声で呟く。
無理もない。日本の自宅で寛いでいたら、突然攫われ、気付けばニューヨークでした。
そんな様な話だ。
あれ? 俺自身も日本の公園でカツアゲされ、気付けばこの世界ウェークに来ていたし、境遇だけ見ると同じようなものか?
「まずはお食事をお摂り下さい。聖モント教の教区教会は王都にもありますし、スヴロイ領まででよろしければ送り届ける事もできます。それ以上は少し難しいですが。何でしたら暫くの間、こちらで生活をして貰っても構いません。」
スラム街出身の従業員も悠斗邸敷地内に住んでいる。
邸宅内は部屋も広いし、子供たちも最近ではあまり帰って来る事が少なくなった。
空いている部屋ならいくらでもある。
悠斗が慣れない敬語混じりの言葉を口にすると、ルチアが少しだけ微笑みを浮かべる。
「ありがとうございます。それではお言葉に甘えさせて頂きたく存じます。」
ルチアは屋敷神からフォークとスプーンを受け取ると、配膳された食事に手を伸ばす。
今回用意した食事はカレーである。
毎週末の朝食に出すメニューで、ユートピア商会の従業員に大人気のメニューだ。
今でも朝と昼は従業員たちと飲食を共にしている。
ルチアは初めて見るカレーに興味津々のようだ。
何かを確かめるかのようにルーを混ぜたり、カレーの匂いを嗅いだりしている。
そして意を決して、カレーを口に運ぶと一言「美味しい。」と呟いた。
当然の事である。
屋敷神の作るカレーは絶品なのだ。
常日頃から研究に研究を重ねており、毎週違う味のカレーを俺たちに提供してくれている。
「それでは、何か御用がありましたらそちらの鈴でお呼び下さい。」
「はい。色々と気を使って下さりありがとうございます。」
「それでは失礼します。」
悠斗と共に部屋から出ると屋敷神が、神妙な顔を浮かべる。
「これは侵入者でしょうか? 少し厄介な事になってきましたね……。」
屋敷神の目には、悠斗邸、そしてユートピア商会に爆発物と思わしき物を投げ入れている男たちの姿が映る。屋敷神は悠斗に聞こえない様にそう呟くと、すぐさま土地神の援護に向かう事に決めた。
「悠斗様。申し訳ございません。急遽、用が出来てしまいました。大変恐縮ではありますが、私はこちらにて失礼させて頂きたく存じます。」
いつもであれば魔法陣でロキかカマエルの階層に送り込めばいいだけなのだが、今回はそうはいかない。なにせカマエルの階層は一時的に封鎖している。そしてロキの階層には、ロキが眠りについているため勝手に送り込む事もできない。
屋敷神は「仕方がありませんね。」と呟くと悠斗にペコリと会釈をして立ち去る。
悠斗邸とユートピア商会に異端審問官の魔の手が差し掛かっていた。
1
お気に入りに追加
8,256
あなたにおすすめの小説
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
パーティーから追放され婚約者を寝取られ家から勘当、の三拍子揃った元貴族は、いずれ竜をも倒す大英雄へ ~もはやマイナスからの成り上がり英雄譚~
一条おかゆ
ファンタジー
貴族の青年、イオは冒険者パーティーの中衛。
彼はレベルの低さゆえにパーティーを追放され、さらに婚約者を寝取られ、家からも追放されてしまう。
全てを失って悲しみに打ちひしがれるイオだったが、騎士学校時代の同級生、ベガに拾われる。
「──イオを勧誘しにきたんだ」
ベガと二人で新たなパーティーを組んだイオ。
ダンジョンへと向かい、そこで自身の本当の才能──『対人能力』に気が付いた。
そして心機一転。
「前よりも強いパーティーを作って、前よりも良い婚約者を貰って、前よりも格の高い家の者となる」
今までの全てを見返すことを目標に、彼は成り上がることを決意する。
これは、そんな英雄譚。
俺は善人にはなれない
気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
公国の後継者として有望視されていたが無能者と烙印を押され、追放されたが、とんでもない隠れスキルで成り上がっていく。公国に戻る?いやだね!
秋田ノ介
ファンタジー
主人公のロスティは公国家の次男として生まれ、品行方正、学問や剣術が優秀で、非の打ち所がなく、後継者となることを有望視されていた。
『スキル無し』……それによりロスティは無能者としての烙印を押され、後継者どころか公国から追放されることとなった。ロスティはなんとかなけなしの金でスキルを買うのだが、ゴミスキルと呼ばれるものだった。何の役にも立たないスキルだったが、ロスティのとんでもない隠れスキルでゴミスキルが成長し、レアスキル級に大化けしてしまう。
ロスティは次々とスキルを替えては成長させ、より凄いスキルを手にしていき、徐々に成り上がっていく。一方、ロスティを追放した公国は衰退を始めた。成り上がったロスティを呼び戻そうとするが……絶対にお断りだ!!!!
小説家になろうにも掲載しています。
外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~
そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」
「何てことなの……」
「全く期待はずれだ」
私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。
このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。
そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。
だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。
そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。
そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど?
私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。
私は最高の仲間と最強を目指すから。
外れスキル『レベル分配』が覚醒したら無限にレベルが上がるようになったんだが。〜俺を追放してからレベルが上がらなくなったって?知らん〜
純真
ファンタジー
「普通にレベル上げした方が早いじゃない。なんの意味があるのよ」
E級冒険者ヒスイのスキルは、パーティ間でレベルを移動させる『レベル分配』だ。
毎日必死に最弱モンスター【スライム】を倒し続け、自分のレベルをパーティメンバーに分け与えていた。
そんなある日、ヒスイはパーティメンバーに「役立たず」「足でまとい」と罵られ、パーティを追放されてしまう。
しかし、その晩にスキルが覚醒。新たに手に入れたそのスキルは、『元パーティメンバーのレベルが一生上がらなくなる』かわりに『ヒスイは息をするだけでレベルが上がり続ける』というものだった。
そのレベルを新しいパーティメンバーに分け与え、最強のパーティを作ることにしたヒスイ。
『剣聖』や『白夜』と呼ばれるS級冒険者と共に、ヒスイの名は世界中に轟いていく――。
「戯言を。貴様らがいくら成長したところで、私に! ましてや! 魔王様に届くはずがない! 生まれながらの劣等種! それが貴様ら人間だ!」
「――本当にそうか、確かめてやるよ。この俺出来たてホヤホヤの成長をもってな」
これは、『弱き者』が『強き者』になる――ついでに、可愛い女の子と旅をする物語。
※この作品は『小説家になろう』様、『カクヨム』様にも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。