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第1章 城塞都市マカロン
第31話 神々の邂逅
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どこまでも続く暗い闇。そんな闇の中、体育座りでその場所に引き篭もる神に、テールスは話しかける。
『こんにちは、お久しぶり、初めまして。大地創造の神、テールスです。今日は、この世界、エデンの主神である、あなたに話があってここに来ました……』
この世界、エデンの主神の名はアレス。戦闘時の狂乱が神格化された神で、恩恵をもたらす神というよりは、荒ぶる神として畏怖されているエデンの神。
アレスは、テールスに視線を向けると、面倒臭そうな表情を浮かべ俯いた。
『――なんの用? ボクは別にあんたに用なんてないんだけど……。って、えっ? ちょっと待って⁉︎ ふぐっ‼︎』
体育座りのまま不貞腐れ気味にそう言うアレスの頭を掴み持ち上げると、テールスは笑顔を浮かべたまま、アレスの鼻の穴にバナナ2本を突っ込んだ。
『――調子に乗るのもいい加減にしましょうね? あなたに用はなくても、こっちにはあるんですよ』
『ふいまへんでした』
真顔に次ぐ真顔。
テールスが怒っていることを察したアレスは、頭を掴まれたまま、秒で謝罪する。
『――謝罪は不要です。今すぐ私とヒナタを元の世界に戻しなさい。あなたですよね? 私たちをこの世界に置き去りにするよう仕向けたのは……』
地球から別世界エデンへの試験移行。これは、地球の温暖化や放射能による環境汚染が進みいよいよヤバくなった時を見越して行われた神々の実験。
そして、それを持ち掛けてきたのは他でもない。目の前にいるエデンの主神、アレスだ。
『いや、だって暇だったから……』
アレスの言葉を聞き、テールスの手に力が入る。
メリメリメリ……。(テールスがアレスの頭を締め上げる音)
万力で締められたかのような、テールスのアイアンクローを受け、アレスはもんどり打つ。
『……喧嘩を売ってるんですか? 調子に乗るのもいい加減にしましょうね?』
おかしいと思っていたのだ。
実験的に行われた地球からエデンへの転移。
カウントダウン中、時間軸が急にズレ、60秒カウントが1秒カウントになったり、個人を転移させたと思えば、家ごと転移してしまったり、ヤバいと思って転移実験を中断、ヒナタを元の世界に転移させようと思えば、なぜか、ヒナタのいた家とその家の中にいた巨大魚だけが転移されてくるし、このままでは拙いと思いヒナタを救うため、単身エデンに乗り込めば、地球への繋がりを断たれるし……。
すべて、この世界の主神であるアレスがやったとすれば説明が付く。
と、いうより、この世界の主神以外、不可能だ。
『おや……?』
返事がないことを不審に思いテールスがアレスに視線を向ける。
すると、アレスは泡を噴いて気絶していた。
『……気絶してしまいましたか。困りましたね』
こんな軟弱な神でもエデンの主神。
『しかし、よく分かりましたよ。なぜ、この世界がゴブリンの侵攻を受けているのか……。その理由がね』
淀みの浄化。歪みの修正。
アレスは、この世界の主神として課せられる役割のほとんどを放棄している。
そうでなくては、歪みの淀みが世界の至る所に発生するはずがない。
人間にスキルを与え、自分たちで淀みを処理させようとしているのがなによりの証拠だ。
『……ふふふっ、バレちゃしょうがない。そうさ、ボクは楽が――ぶへっ!?』
『おっと、どうやらまだ寝ぼけているようですね。今、なにを言おうとしたのですか?』
アレスの頭を勢いよく地面に叩き付けると、テールスは軽く手を払った。
『ひ、酷いじゃないか! 親父にも地面に顔を叩き付けられたことがないのにっ!』
『そうですか。随分と過保護に育てられたのですね。そのねじ曲がった性根、親父さんに代わり、この私が叩き直して差し上げましょう。ほら、ママですよー。ちゃんとお片付けしないとダメでしょう? メッ!ですよー』
ポキポキと関節を鳴らしながらテールスが近付くと、アレスは酷く狼狽する。
『(――な、なにがメッ!ですよー、だ……。冗談じゃない!)ちょっと待って! わ、わかった! それじゃあ、交渉しよう‼︎』
アレスの言葉を聞き、テールスはピタリと止まる。
『……交渉ですか?』
『あ、ああ、そうだ。交渉だ!』
アレスはスキルを与えることで、人間にゴブリンの対処させている。
そして、スキルを与えるということは、自分の力を分け与えるということ。
つまり、今のアレスは人間以上神以下の力しか持ち合わせていない。
圧倒的劣勢からの交渉。
しかし、これを覆す手段がない訳ではない。
アレスが醸し出す謎の自信……。
それを感じ取ったテールスは、ため息を吐く。
『(――なにやら、碌でもないことを考えていそうですね……)いいでしょう。それで、交渉の内容は?』
テールスがそう尋ねると、アレスは拍子抜けした表情を浮かべる。
『……え? いいのか?』
『ええ、構いませんよ? それで、私たちを元いた世界に戻すことと引き換えにあなたはなにを望むのです?』
すると、アレスはニヤリと笑う。
『そうだな……。それじゃあ、ゴブリンキングだ。人間の代わりにこの世界に存在するゴブリンキングを倒してくれ』
『ゴブリンキングを……。ですか?』
ゴブリンキング。
直訳すると、ゴブリンの王様だ。
『ああ……』
アレスは腕を組みながら言う。
『……勘違いしているかもしれないが、これでもボクはこの世界を気に入っているんだ。それに、この世界のために、なにもしていない訳じゃない。人間を始めとした動植物が生きやすいよう、きちんと環境を整えて上げている』
『上げている……。ね……』
主神に課せられた義務を、恩着せがましく上から目線で『上げている』とは恐れ入った。
この世界は、主神であるアレスが作り上げたアクアリウム。
アレスのやっていることは、アクアリウムの管理が面倒臭くなり、『自分たちの住む場所の掃除くらい自分たちでしろ』と、アクアリウム内に棲む魚に掃除をする力を与えたに過ぎない。
その結果、どうなったのかは、今のエデンを見れば明らかだ。
掃除する力を与えられた魚たちは、自分たちの住む場所だけ綺麗に掃除し、それ以外の場所を掃除することはない。
結果として、掃除されなかった場所が淀み、今の状況を作り上げている。
結局の所、アクアリウム全体の掃除ができるのは、エデンという名のアクアリウムの管理者であるアレス以外いないのである。
そのことを理解していないのか、理解していて、戯言を言っているのかはわからないが、アレスは歪みや淀みの主原因がゴブリンキングにあると考えているようだ。
『わかりました。ゴブリンキングを倒せばよろしいのですね?』
テールスがそう確認すると、アレスは満足そうな表情で頷く。
『ああ、もちろんさ。君がゴブリンキングを倒すことができたら君と枢木ヒナタ君の2人を無事、元いた世界に帰すことを約束するよ』
神は嘘をつかない。
アレスが主神として駄目駄目だとしても、その一点だけは信じられる。
『いいでしょう。ただし、こちらから出す条件も一つ飲んでいただきます。それで? ゴブリンキングはどこにいるのです?』
そう尋ねると、アレスは宙から地図を取り出す。
そして、ゴブリンキングのいる場所を指し示した。
『えーっとね。マカロンの近くにいるゴブリンキングは……、おっ? どうやら、このゴブリンの森の最奥にいるみたい。良かったね。今いる場所の近くじゃん!』
『そうですか……。わかりました』
テールスが承諾の意を示すと、アレスはニヤリと笑う。
(はい。言質、ゲーット!)
神は嘘をつかないし、約束を破らない。
承諾の意を示した時点で、テールスがマカロンに存在するゴブリンキングを倒さなくてはならなくなった。
(テールス、君はちゃんとボクの話を聞いていたのかな? ボクは「この世界に存在するゴブリンキングを倒してくれ」とお願いしたんだよ?)
テールスは、勘違いしているようだが、ゴブリンキングは一体だけではない。
ゴブリンキングはこの世界に複数存在する。
(これで、ボクがなにもしなくても、テールスが世界を綺麗にしてくれるという訳だ。君が考えの浅い神で助かったよ。ボクに危害を加えた異世界の神よ。散々使い倒した後で、ボロ雑巾のように捨ててやる)
アレスが内心でほくそ笑んでいる時、ゴブリンキングを倒すと豪語したテールスもまた内心でほくそ笑んでいた。
(――彼は私が「この世界に存在するゴブリンキング」という言葉をスルーしたとでも思っているのでしょうか? もしそうだとしたら、実に浅はかですね……)
今のアレスは、どの神よりも弱い。
それこそ、この世界の主神であることが嘘のような弱さだ。
にも関わらず、この世界の主神として存在していられるのは、力を分け与えた人間の信仰心を……。死んで魂となった人間が還る場所をアレスがいる場所と定めているからに他ならない。
死んだ人間の魂がアレスの下に還ることによる魂の循環。それにより、アレスは力を保っている。
ならば、その魂の循環を壊し、テールスに魂が還るよう仕向ける。
そうすることにより、アレスの力を削り主神の座を手に入れる。
アレスには、私たちを元の世界に帰す気など更々ない。ならば、帰したいと思わせるまでのこと……。
『あはは……。あははははっ……』
『うふふ……。うふふふふっ……』
どこまでも続く闇の中。
アレスとテールスは互いに視線を交わすと、相手に気付かれぬようほくそ笑んだ。
★第一部・完★
あとがき
ここまで読んで頂きありがとうございます。
本作はこの話をもって、第一部完結となります。
果たして、ヒナタとテールスは元の世界に戻ることができるのでしょうか。
「面白かった」「第二部も頑張れ!」という方は、ぜひ作品のお気に入り登録をして本作を応援して頂けると幸いです。
よろしくお願いします。
びーぜろ
『こんにちは、お久しぶり、初めまして。大地創造の神、テールスです。今日は、この世界、エデンの主神である、あなたに話があってここに来ました……』
この世界、エデンの主神の名はアレス。戦闘時の狂乱が神格化された神で、恩恵をもたらす神というよりは、荒ぶる神として畏怖されているエデンの神。
アレスは、テールスに視線を向けると、面倒臭そうな表情を浮かべ俯いた。
『――なんの用? ボクは別にあんたに用なんてないんだけど……。って、えっ? ちょっと待って⁉︎ ふぐっ‼︎』
体育座りのまま不貞腐れ気味にそう言うアレスの頭を掴み持ち上げると、テールスは笑顔を浮かべたまま、アレスの鼻の穴にバナナ2本を突っ込んだ。
『――調子に乗るのもいい加減にしましょうね? あなたに用はなくても、こっちにはあるんですよ』
『ふいまへんでした』
真顔に次ぐ真顔。
テールスが怒っていることを察したアレスは、頭を掴まれたまま、秒で謝罪する。
『――謝罪は不要です。今すぐ私とヒナタを元の世界に戻しなさい。あなたですよね? 私たちをこの世界に置き去りにするよう仕向けたのは……』
地球から別世界エデンへの試験移行。これは、地球の温暖化や放射能による環境汚染が進みいよいよヤバくなった時を見越して行われた神々の実験。
そして、それを持ち掛けてきたのは他でもない。目の前にいるエデンの主神、アレスだ。
『いや、だって暇だったから……』
アレスの言葉を聞き、テールスの手に力が入る。
メリメリメリ……。(テールスがアレスの頭を締め上げる音)
万力で締められたかのような、テールスのアイアンクローを受け、アレスはもんどり打つ。
『……喧嘩を売ってるんですか? 調子に乗るのもいい加減にしましょうね?』
おかしいと思っていたのだ。
実験的に行われた地球からエデンへの転移。
カウントダウン中、時間軸が急にズレ、60秒カウントが1秒カウントになったり、個人を転移させたと思えば、家ごと転移してしまったり、ヤバいと思って転移実験を中断、ヒナタを元の世界に転移させようと思えば、なぜか、ヒナタのいた家とその家の中にいた巨大魚だけが転移されてくるし、このままでは拙いと思いヒナタを救うため、単身エデンに乗り込めば、地球への繋がりを断たれるし……。
すべて、この世界の主神であるアレスがやったとすれば説明が付く。
と、いうより、この世界の主神以外、不可能だ。
『おや……?』
返事がないことを不審に思いテールスがアレスに視線を向ける。
すると、アレスは泡を噴いて気絶していた。
『……気絶してしまいましたか。困りましたね』
こんな軟弱な神でもエデンの主神。
『しかし、よく分かりましたよ。なぜ、この世界がゴブリンの侵攻を受けているのか……。その理由がね』
淀みの浄化。歪みの修正。
アレスは、この世界の主神として課せられる役割のほとんどを放棄している。
そうでなくては、歪みの淀みが世界の至る所に発生するはずがない。
人間にスキルを与え、自分たちで淀みを処理させようとしているのがなによりの証拠だ。
『……ふふふっ、バレちゃしょうがない。そうさ、ボクは楽が――ぶへっ!?』
『おっと、どうやらまだ寝ぼけているようですね。今、なにを言おうとしたのですか?』
アレスの頭を勢いよく地面に叩き付けると、テールスは軽く手を払った。
『ひ、酷いじゃないか! 親父にも地面に顔を叩き付けられたことがないのにっ!』
『そうですか。随分と過保護に育てられたのですね。そのねじ曲がった性根、親父さんに代わり、この私が叩き直して差し上げましょう。ほら、ママですよー。ちゃんとお片付けしないとダメでしょう? メッ!ですよー』
ポキポキと関節を鳴らしながらテールスが近付くと、アレスは酷く狼狽する。
『(――な、なにがメッ!ですよー、だ……。冗談じゃない!)ちょっと待って! わ、わかった! それじゃあ、交渉しよう‼︎』
アレスの言葉を聞き、テールスはピタリと止まる。
『……交渉ですか?』
『あ、ああ、そうだ。交渉だ!』
アレスはスキルを与えることで、人間にゴブリンの対処させている。
そして、スキルを与えるということは、自分の力を分け与えるということ。
つまり、今のアレスは人間以上神以下の力しか持ち合わせていない。
圧倒的劣勢からの交渉。
しかし、これを覆す手段がない訳ではない。
アレスが醸し出す謎の自信……。
それを感じ取ったテールスは、ため息を吐く。
『(――なにやら、碌でもないことを考えていそうですね……)いいでしょう。それで、交渉の内容は?』
テールスがそう尋ねると、アレスは拍子抜けした表情を浮かべる。
『……え? いいのか?』
『ええ、構いませんよ? それで、私たちを元いた世界に戻すことと引き換えにあなたはなにを望むのです?』
すると、アレスはニヤリと笑う。
『そうだな……。それじゃあ、ゴブリンキングだ。人間の代わりにこの世界に存在するゴブリンキングを倒してくれ』
『ゴブリンキングを……。ですか?』
ゴブリンキング。
直訳すると、ゴブリンの王様だ。
『ああ……』
アレスは腕を組みながら言う。
『……勘違いしているかもしれないが、これでもボクはこの世界を気に入っているんだ。それに、この世界のために、なにもしていない訳じゃない。人間を始めとした動植物が生きやすいよう、きちんと環境を整えて上げている』
『上げている……。ね……』
主神に課せられた義務を、恩着せがましく上から目線で『上げている』とは恐れ入った。
この世界は、主神であるアレスが作り上げたアクアリウム。
アレスのやっていることは、アクアリウムの管理が面倒臭くなり、『自分たちの住む場所の掃除くらい自分たちでしろ』と、アクアリウム内に棲む魚に掃除をする力を与えたに過ぎない。
その結果、どうなったのかは、今のエデンを見れば明らかだ。
掃除する力を与えられた魚たちは、自分たちの住む場所だけ綺麗に掃除し、それ以外の場所を掃除することはない。
結果として、掃除されなかった場所が淀み、今の状況を作り上げている。
結局の所、アクアリウム全体の掃除ができるのは、エデンという名のアクアリウムの管理者であるアレス以外いないのである。
そのことを理解していないのか、理解していて、戯言を言っているのかはわからないが、アレスは歪みや淀みの主原因がゴブリンキングにあると考えているようだ。
『わかりました。ゴブリンキングを倒せばよろしいのですね?』
テールスがそう確認すると、アレスは満足そうな表情で頷く。
『ああ、もちろんさ。君がゴブリンキングを倒すことができたら君と枢木ヒナタ君の2人を無事、元いた世界に帰すことを約束するよ』
神は嘘をつかない。
アレスが主神として駄目駄目だとしても、その一点だけは信じられる。
『いいでしょう。ただし、こちらから出す条件も一つ飲んでいただきます。それで? ゴブリンキングはどこにいるのです?』
そう尋ねると、アレスは宙から地図を取り出す。
そして、ゴブリンキングのいる場所を指し示した。
『えーっとね。マカロンの近くにいるゴブリンキングは……、おっ? どうやら、このゴブリンの森の最奥にいるみたい。良かったね。今いる場所の近くじゃん!』
『そうですか……。わかりました』
テールスが承諾の意を示すと、アレスはニヤリと笑う。
(はい。言質、ゲーット!)
神は嘘をつかないし、約束を破らない。
承諾の意を示した時点で、テールスがマカロンに存在するゴブリンキングを倒さなくてはならなくなった。
(テールス、君はちゃんとボクの話を聞いていたのかな? ボクは「この世界に存在するゴブリンキングを倒してくれ」とお願いしたんだよ?)
テールスは、勘違いしているようだが、ゴブリンキングは一体だけではない。
ゴブリンキングはこの世界に複数存在する。
(これで、ボクがなにもしなくても、テールスが世界を綺麗にしてくれるという訳だ。君が考えの浅い神で助かったよ。ボクに危害を加えた異世界の神よ。散々使い倒した後で、ボロ雑巾のように捨ててやる)
アレスが内心でほくそ笑んでいる時、ゴブリンキングを倒すと豪語したテールスもまた内心でほくそ笑んでいた。
(――彼は私が「この世界に存在するゴブリンキング」という言葉をスルーしたとでも思っているのでしょうか? もしそうだとしたら、実に浅はかですね……)
今のアレスは、どの神よりも弱い。
それこそ、この世界の主神であることが嘘のような弱さだ。
にも関わらず、この世界の主神として存在していられるのは、力を分け与えた人間の信仰心を……。死んで魂となった人間が還る場所をアレスがいる場所と定めているからに他ならない。
死んだ人間の魂がアレスの下に還ることによる魂の循環。それにより、アレスは力を保っている。
ならば、その魂の循環を壊し、テールスに魂が還るよう仕向ける。
そうすることにより、アレスの力を削り主神の座を手に入れる。
アレスには、私たちを元の世界に帰す気など更々ない。ならば、帰したいと思わせるまでのこと……。
『あはは……。あははははっ……』
『うふふ……。うふふふふっ……』
どこまでも続く闇の中。
アレスとテールスは互いに視線を交わすと、相手に気付かれぬようほくそ笑んだ。
★第一部・完★
あとがき
ここまで読んで頂きありがとうございます。
本作はこの話をもって、第一部完結となります。
果たして、ヒナタとテールスは元の世界に戻ることができるのでしょうか。
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