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プロローグ
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「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・・」
くそっ!まるで歯が立たん!
私は仰向けになって荒い息を吐きながら、敵の強大さに絶望しそうになる。
それでもと思い歯を食いしばって体を起こそうとするが、もはや立ち上がることすら出来ない。
いや、そもそも私の両足はすでに切断されてしまっている。
そして左に視線を向けると、肩から千切れた左腕が血まみれになって転がっている。
残っているのは骨が砕けてボロボロになった右腕だけだ。
朦朧とした意識の中、空を覆う青白い光を見つめる。
水精どもめ!あんな化け物を創り出すとは・・・・
青白い光、いや悪魔がこの世界を焼き尽くすために創り出した巨大な塊はこの地表へと向かって落下してきている。
「くそ。ここまでか・・・・・・・・いや、まだだ!」
人々の希望を背負ったこの私は決して諦めるわけにはいかない!
たとえどんな事があろうとも!
「ぐがあぁぁぁぁあ!!」
私は最後の力を振り絞り、巨大な塊に向かってかろうじて残っている右手を突きだす。
神経が悲鳴を上げ激しい痛みに駆られるが、それを無視して照準を塊に向けたまま腕の角度を固定する。
そして自らのもてる全ての魔力を手のひらに収束させる。
もはや私の存在が燃え尽きてしまおうと構わない。
「うごおおおおおおおおおおおおおおおおおおおみおおおおおおお!!!!!」
収束させたエターナルで光を創り出し、さらにその光を鋭利な刃の形に変える。
そして天を覆う塊の中心点に向けて刃を発射する。
撃ち出した反動でぎりぎり形を保っていた右腕は赤黒い血しぶきを噴出しながら粉々になった。
血しぶきを顔面で受け止めながら最後の光の行方を見つめる。
頼む!!
だがそんな私の念をあざ笑うかのように、最後の光は巨大な塊に衝突するもその圧倒的な質量とエネルギーの前に無惨にも蒸発してしまった。
「・・・・、・・・・、・・・・、・・・・、・・・・だめか・・・・。」
もはや私にはどうすることも出来ない。
最期の呟きにはただの諦観だけでなく、私に希望を託してくれた人々への謝罪の念も込めた。
そして、そっと瞼を閉じる。
せめて最期の瞬間はあの忌々しい光ではなく、暗闇の中で迎えたい。
みんな、すまない・・・・。
ナレーション:その日、全ての生命は消滅した・・・・。
(CV:シナリオライター加藤)
くそっ!まるで歯が立たん!
私は仰向けになって荒い息を吐きながら、敵の強大さに絶望しそうになる。
それでもと思い歯を食いしばって体を起こそうとするが、もはや立ち上がることすら出来ない。
いや、そもそも私の両足はすでに切断されてしまっている。
そして左に視線を向けると、肩から千切れた左腕が血まみれになって転がっている。
残っているのは骨が砕けてボロボロになった右腕だけだ。
朦朧とした意識の中、空を覆う青白い光を見つめる。
水精どもめ!あんな化け物を創り出すとは・・・・
青白い光、いや悪魔がこの世界を焼き尽くすために創り出した巨大な塊はこの地表へと向かって落下してきている。
「くそ。ここまでか・・・・・・・・いや、まだだ!」
人々の希望を背負ったこの私は決して諦めるわけにはいかない!
たとえどんな事があろうとも!
「ぐがあぁぁぁぁあ!!」
私は最後の力を振り絞り、巨大な塊に向かってかろうじて残っている右手を突きだす。
神経が悲鳴を上げ激しい痛みに駆られるが、それを無視して照準を塊に向けたまま腕の角度を固定する。
そして自らのもてる全ての魔力を手のひらに収束させる。
もはや私の存在が燃え尽きてしまおうと構わない。
「うごおおおおおおおおおおおおおおおおおおおみおおおおおおお!!!!!」
収束させたエターナルで光を創り出し、さらにその光を鋭利な刃の形に変える。
そして天を覆う塊の中心点に向けて刃を発射する。
撃ち出した反動でぎりぎり形を保っていた右腕は赤黒い血しぶきを噴出しながら粉々になった。
血しぶきを顔面で受け止めながら最後の光の行方を見つめる。
頼む!!
だがそんな私の念をあざ笑うかのように、最後の光は巨大な塊に衝突するもその圧倒的な質量とエネルギーの前に無惨にも蒸発してしまった。
「・・・・、・・・・、・・・・、・・・・、・・・・だめか・・・・。」
もはや私にはどうすることも出来ない。
最期の呟きにはただの諦観だけでなく、私に希望を託してくれた人々への謝罪の念も込めた。
そして、そっと瞼を閉じる。
せめて最期の瞬間はあの忌々しい光ではなく、暗闇の中で迎えたい。
みんな、すまない・・・・。
ナレーション:その日、全ての生命は消滅した・・・・。
(CV:シナリオライター加藤)
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