僕らはミステリー愛好会! ~シリーズ全三話収録~

村崎けい子

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第二の条件:伏線があること

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 第二に重要なのが、伏線。
 トリックというからには、何らかの〝種〟があるものだろう? 種は、しっかり用意したほうがいい。
〝ミスリードの要素〟〝本当は○○――その可能性を示すもの〟
 特に後者は大切にしないとね。何なら、勘の良い読者には一読目で気付かれてしまっても構わないと思うんだ。寧ろ、バレることを恐れて消極的になると――結末を知った上で読んでも伏線に気付いてもらえない、とか、結末が唐突に感じられて もやっとしたまま終わってしまうことになる。 
 でも、まあ―― 
「単に驚かせることが目的ならさ。情報を極力少なくして、バレるようなことを書かなければいいよね」
 呟いた僕に、勇と忠宏が反応した。 
「不意打ちみたいなものか」
「バトルものだと、自分より強い相手にもダメージ与えること出来るよね」
 ニュアンス的に合ってるのかは分からないけれど。〝衝撃を与える〟って意味では、近いかもしれない。
「そういうのは やっぱ、卑怯だと俺は思うな。トリックの設定からして納得いかねぇものだってあるのに、伏線すらないんじゃ、話が成り立たねぇ」
「え~、そうなの~? 勇は厳しいなぁ。不意打ちだって、立派な戦略の一つだと思うよ。啓太は? 」 
「フェアじゃない気はするなぁ。少なくとも〝推理小説〟においてはね」

 因みに、推理小説とミステリー。厳密にはイコールじゃないと、僕は思ってる。
〝ミステリー〟という大まかなジャンルの中に〝推理小説〟がある感じ。 
 推理小説には、謎解きの要素は勿論、しっかりした答えも用意されていないといけないと思うんだ。
 でも、ミステリーはさ、つまり〝謎〟ってことだろう? 何らかの謎が提示されてさえいれば。明確な答えは なかったとしても、それだけで もう〝ミステリー〟っていえそうな気がするんだ。
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