僕らはミステリー愛好会! ~シリーズ全三話収録~

村崎けい子

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目指せ!同好会昇格

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「そういえばさ、今は僕たち「愛好会」だけど……もし、公に何か結果を出せれば、「同好会」として認めてくれるって、木村先生が言ってたんだ」
「お、マジか! 」
「じゃあさ、僕らでミステリー小説作って、コンテストに応募してみるとか」
 僕が担任の先生からの言葉を伝えると、勇も忠宏も俄かに興味を示した。

 僕たちの通う中学では、正式な部として活動が認められているものの他にも それに準ずる「同好会」なるものが存在する。正式でないとはいえ、「同好会」には部室が与えられるし、活動費だって少しは出してもらえるらしい。
 自称「ミステリー愛好会」から、晴れて「ミステリー同好会」に昇格できるってわけだ。

「よし、やろうぜ! 」
「うん、やろう! 」
 張り切る勇と忠宏に、僕も何だかワクワクしてくる。
 僕たちは、翌日からの放課後を、ミステリー小説の作成に費やすことにして、教室を後にした。


 家に着いた僕は、早速 パソコンに向かい、応募できそうなコンテストの検索を始めた。
 コンテスト情報はいくつもあったけれど、どうせならジャンルを「ミステリー」に絞ったものがいい。しかも、大人も参加できる一般部門では分が悪いから、小中学生や高校生限定のものがいい――となれば、数は限られてくる。というか殆どなかった。
 そんな中、一つだけピッタリなのを見つけた。
「これだっ! 」
 僕は思わずガッツポーズしていた。
 それは「県内 中学生 小説コンテスト」――しっかりミステリー部門もあるらしい。これを逃せば、当分それらしいものには出会えないだろう。
 但し、締め切りは今週末。今日は既に火曜日だから、明日からの三日間で仕上げるしかない。
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