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静かな森大作戦①
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◇◇◇
~デート前日~
「佐奈、どうしようどれが良いかな!?」
「どれ着たって栞里は可愛いから大丈夫だよぉ」
「今はそういうの求めてないのッ!」
今日は昼間から家へ佐奈に来てもらい、明日の準備を手伝ってもらっていた。
「もう五月だしだいぶ暖かくなって来たから、少し涼しめの格好が良いかな!? でもまだ季節的には春なんだし、ちょっと羽織るくらいのものも必要だよね? このワンピースとか大丈夫? でも倉敷くんはどういう格好が好み何だろうやっぱり男の子はスカートの方が好き? それとも意外とボーイッシュな格好の方が好みなのかな。そしたらスカートよりパンツスタイルの方が良いだろうし、いっそのことショーパンとかの方が良いかな。この前男子がショーパン好きって言ってたの聞こえたし……でもタイツは履きたいなそれでも良いのかな。あ、このロングスカートはどうだろちょっと清楚狙いすぎ感は否めないけど、やっぱり何だかんだこういう方が男の子とのデートには向いてるよね? あぁでもこれにするとしたら上はどうしよう、春なんだし肩出しのでも着る? それはちょっと狙いすぎかなでもなぁ」
「栞里ちゃん、乙女してるねぇ」
「佐奈も一緒に考えてぇ!」
なんか、のほほんと佐奈が私を見ているけれど、私はそれどころじゃない~! はぁ金欠だから結局新しいお洋服買えなかったし、もう持ってるやつで勝負しなきゃいけないんだけど、今まで男の子とデートなんてしたことないから、今ある服で大丈夫かどうか……。あぁどうしよう!
「はっ!? 髪型もどうするかまだ決めてないや! いつも通りじゃダメだよね? 巻く? 毛先だけでもちょっと巻いちゃう? あぁどうしよう~!」
「ん~、春だね~」
「佐奈ぁ~!」
結局、この日は佐奈に一日中付き合ってもらいました。
◇◇◇
~デート当日~
天気は快晴、最高気温も24度とまさにデート日和!
待ち合わせ場所は絵里香さんのお店『カフェ Quiet Forest』のある、私の最寄り駅。その改札前に私は立っていた。
昨日佐奈と一緒に散々服を選んでいた私は、結局黒のスニーカーに淡いピンクのプリーツスカート、少し首元の開いたボーダーのTシャツにデニムのジャケットと、かなりカジュアルなチョイスになっていた。
佐奈曰く、「あんまり気合い入れすぎても引かれるよ」とのこと。髪も毛先にウェーブを少し入れるだけ、アクセサリーもさりげない程度の小物をチョイス。それで十分らしい。本当何だろうか。
しかし、もう待ち合わせ場所に来てしまったのだから仕方がない。これで勝負するしかないのだ!
「あと……30分……」
腕時計に視線を移すと、時計の針は11時半を指していた。待ち合わせは12時。緊張しすぎて早起きをした私は、準備も早々に終わり、居ても立っても居られず家を出て来てしまったのだ。
「うぅ……きき緊張するよぉ……」
人生初のデート。いつかはこういう日が自分にも来るのかもと思っていたが、想像していたよりも早く来てしまった。まぁ倉敷くんはこの前のお昼のお詫びとして来るのであって、デートとは思っていないだろうけど、それでも私にとってはきっと大事な思い出となる一日なのだ。緊張しないわけがない。
この後のことを考えただけで足が震える。いつも学校では目を合わせるだけで、挨拶するだけで緊張する私が、二人きりで食事? 本当に大丈夫なの? ちゃんとお話できるの? 何も喋れず、愛想を尽かされたらどうしよう……。
ただ待っていると、どんどん悪い方へ考えてしまう。私の悪い癖だ。後30分のうちに気持ちを整えよう。
「そう、悪いことばかり考えてちゃダメ。良いことを考えて気持ちを高めなきゃ」
倉敷くんも着きそうになったら連絡するって言ってたし、それまでは自分を鼓舞していよう!
「今日はデート今日をどれだけ楽しみにしていたの私。いつもはあんまりちゃんと喋れなかったけど、今日は倉敷くんといっぱいお喋りするんだ。今日はデートなんだ、……今日の私はちゃんと可愛くできているかな? 倉敷くんの可愛いって思ってくれるかな? 思ってくれたら嬉しいな、緊張するけど、楽しみだな~……——」
「あ、あの、俺もすごい楽しみだった……よ?」
「——……え?」
「お、おはよ神泉さん。その、今日の格好すっすごく可愛いよ! おお俺もデートだと思ってるから、そそその、今日はよろしくね!」
「え、えあ、は……はい……?」
聞か……れて……た? 聞かれて……た? 聞かれてた聞かれてた聞かれてた……。うわあああああああああああああ!?
恥ずか死ぃぃぃぃぃぃぃぃぃああああぁぁぁあぁぁああぁ!
こうして、私の人生初デートの火ぶたは切って落とされたのだった。
~デート前日~
「佐奈、どうしようどれが良いかな!?」
「どれ着たって栞里は可愛いから大丈夫だよぉ」
「今はそういうの求めてないのッ!」
今日は昼間から家へ佐奈に来てもらい、明日の準備を手伝ってもらっていた。
「もう五月だしだいぶ暖かくなって来たから、少し涼しめの格好が良いかな!? でもまだ季節的には春なんだし、ちょっと羽織るくらいのものも必要だよね? このワンピースとか大丈夫? でも倉敷くんはどういう格好が好み何だろうやっぱり男の子はスカートの方が好き? それとも意外とボーイッシュな格好の方が好みなのかな。そしたらスカートよりパンツスタイルの方が良いだろうし、いっそのことショーパンとかの方が良いかな。この前男子がショーパン好きって言ってたの聞こえたし……でもタイツは履きたいなそれでも良いのかな。あ、このロングスカートはどうだろちょっと清楚狙いすぎ感は否めないけど、やっぱり何だかんだこういう方が男の子とのデートには向いてるよね? あぁでもこれにするとしたら上はどうしよう、春なんだし肩出しのでも着る? それはちょっと狙いすぎかなでもなぁ」
「栞里ちゃん、乙女してるねぇ」
「佐奈も一緒に考えてぇ!」
なんか、のほほんと佐奈が私を見ているけれど、私はそれどころじゃない~! はぁ金欠だから結局新しいお洋服買えなかったし、もう持ってるやつで勝負しなきゃいけないんだけど、今まで男の子とデートなんてしたことないから、今ある服で大丈夫かどうか……。あぁどうしよう!
「はっ!? 髪型もどうするかまだ決めてないや! いつも通りじゃダメだよね? 巻く? 毛先だけでもちょっと巻いちゃう? あぁどうしよう~!」
「ん~、春だね~」
「佐奈ぁ~!」
結局、この日は佐奈に一日中付き合ってもらいました。
◇◇◇
~デート当日~
天気は快晴、最高気温も24度とまさにデート日和!
待ち合わせ場所は絵里香さんのお店『カフェ Quiet Forest』のある、私の最寄り駅。その改札前に私は立っていた。
昨日佐奈と一緒に散々服を選んでいた私は、結局黒のスニーカーに淡いピンクのプリーツスカート、少し首元の開いたボーダーのTシャツにデニムのジャケットと、かなりカジュアルなチョイスになっていた。
佐奈曰く、「あんまり気合い入れすぎても引かれるよ」とのこと。髪も毛先にウェーブを少し入れるだけ、アクセサリーもさりげない程度の小物をチョイス。それで十分らしい。本当何だろうか。
しかし、もう待ち合わせ場所に来てしまったのだから仕方がない。これで勝負するしかないのだ!
「あと……30分……」
腕時計に視線を移すと、時計の針は11時半を指していた。待ち合わせは12時。緊張しすぎて早起きをした私は、準備も早々に終わり、居ても立っても居られず家を出て来てしまったのだ。
「うぅ……きき緊張するよぉ……」
人生初のデート。いつかはこういう日が自分にも来るのかもと思っていたが、想像していたよりも早く来てしまった。まぁ倉敷くんはこの前のお昼のお詫びとして来るのであって、デートとは思っていないだろうけど、それでも私にとってはきっと大事な思い出となる一日なのだ。緊張しないわけがない。
この後のことを考えただけで足が震える。いつも学校では目を合わせるだけで、挨拶するだけで緊張する私が、二人きりで食事? 本当に大丈夫なの? ちゃんとお話できるの? 何も喋れず、愛想を尽かされたらどうしよう……。
ただ待っていると、どんどん悪い方へ考えてしまう。私の悪い癖だ。後30分のうちに気持ちを整えよう。
「そう、悪いことばかり考えてちゃダメ。良いことを考えて気持ちを高めなきゃ」
倉敷くんも着きそうになったら連絡するって言ってたし、それまでは自分を鼓舞していよう!
「今日はデート今日をどれだけ楽しみにしていたの私。いつもはあんまりちゃんと喋れなかったけど、今日は倉敷くんといっぱいお喋りするんだ。今日はデートなんだ、……今日の私はちゃんと可愛くできているかな? 倉敷くんの可愛いって思ってくれるかな? 思ってくれたら嬉しいな、緊張するけど、楽しみだな~……——」
「あ、あの、俺もすごい楽しみだった……よ?」
「——……え?」
「お、おはよ神泉さん。その、今日の格好すっすごく可愛いよ! おお俺もデートだと思ってるから、そそその、今日はよろしくね!」
「え、えあ、は……はい……?」
聞か……れて……た? 聞かれて……た? 聞かれてた聞かれてた聞かれてた……。うわあああああああああああああ!?
恥ずか死ぃぃぃぃぃぃぃぃぃああああぁぁぁあぁぁああぁ!
こうして、私の人生初デートの火ぶたは切って落とされたのだった。
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