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他大陸から
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彼らに捕まったと思われる男女は港街を拠点とする冒険者なのだそうな。
彼らの強さと、彼女たちが使う魔法に付いて訊かれたり、遊びで暴行されたそうだ。
魔法の無い大陸から来たのか?
ロイルさんも来たので檻水槽に出した連中が着ていた服や乗り物を見せたが知らないと言う。
そもそもロイルさんの居た大陸では魔法は適性が有れば使えるしお金を出せば教わることが出来たので魔法に付いて知る為に誘拐をする必要はないし。
「この大陸と、ロイルさんのところ、それと魔王が居たとされる以外の陸地から来たんですかね?」
「そしてそこは魔法が無いのか? でもこんな物が作れると」
と言って、こんこんと騎士団の訓練場へ出した木の乗り物を叩く。
「船なんでしょうけど、なんでこんな形なんですかね?」
「わからんな」
2人で考えていると騎士がやってきた。
「その船、海の中に潜れるらしいぞ」
「海の中に?」
「その為甲板を囲っているのか?」
「そもそもなんで海の中を進む必要が? 普通の船じゃダメなんですか?」
「見つかりたくないことをしてたんだろうな」
ああ、そう言うことか。
そういえばクラーケンの卵が有ったがそれか?
「クラーケンについて彼らは何か言ってましたか?」
「何も言ってないな。何かあるのか?」
港街の領主が言っていた最近までクラーケンが出ることはなかったことと、あいつらを収納した時にクラーケンの卵が増えていたことを騎士に伝える。
「わからないと思って黙っているのか?」
「もしかしたら卵は船に産み付けられた物で彼らが持ち込んだわけではないのかも知れませんけど」
「それも聞いてみるか」
騎士は部屋を出て行った。尋問再開かな。
「仮に彼らがクラーケンを沖に放したとして何が目的なんでしょう?」
「封じ込めとかか? だが元から遠洋に出る船は無かったんだろ?」
「ええ」
大型魔獣が居るから沖に出られないと聞いている。
でも、それらしいのは見てないんだよな。
もしかしたらクラーケンに喰われたのかも知れない。一度詳しく聞いてみるか。
特に何か言われているわけでもないので夕刻の鐘が鳴ったので城から出ることにする。
騎士団が倒して希望者全員に配っても半分以上余ったクラーケンを収納し、同級生の商会を訪ねてお裾分けをする。
足1本で冷凍室がいっぱいになってしまった。
「海で何か起きてるのかしらね?」
「どうしてそう思う?」
「他国で首長竜の死体が漁船の網に引っ掛かった話が有るのよ」
「首長竜の死体が?」
「身体中穴だらけだったとかでどんな魔物にやられたのかって話題になってたわ」
穴だらけか。
確かあの船が動いたとき、騎士か冒険者が槍の穂先が見えるとか言っていたな。
「役に立った?」
「ああ、少し気になることが増えた。あと、首長竜の死体がかかったのはどの辺りかわかるか?」
西の海か。
港街の沖に居たのが殺されて海流でそちらに流れたのかね。
*
王都の屋敷に一泊し、帰ったらドゥーンハルト領に帰るので用意しておいてと水の精霊とリリーナに伝えてから城に向かう。
「クラーケンは奴等が孵化させたと自白した」
「やはりですか。それと、首長竜に付いて何か聞いてますか?」
「首長竜?」
「あいつらの船に付いている武器で殺した可能性が有る首長竜の死体を漁船が引き上げたそうですよ」
「ほう」
尋問をしている馴染みの騎士と話す。
首長竜のことは知り合いの商会から知ったことを伝えると彼は商業ギルドへ人をやった。
「わりと離れたところだな」
「聞いた時は海流に乗って流れて行ったのかと思いましたが、もしかしたら別の船の可能性も有りますね」
「あれだけではない可能性か。陸の近くに来るのはあの船だけで沖に行けば船団が居るかも知れないか」
なるほど。
あの船が複数有る以外にもそんなことが考えられるのか。
「魔車の群れが来たのも西だったな」
「そうですが、彼らの仕業だと?」
「たまたまかも知れないがな。クラーケンの話を考えると奴等はその時にはこの大陸沖に居たわけだろう?」
「そうですが、彼らは魔車のこと知ってたんですかね?」
「それは、どうだろうな。考え過ぎかもしれん」
正午の鐘がなったので家に帰ろうとしたところ陛下に呼ばれて魔車の被害にあった国へ行くことになった。
可能性をつぶす為らしいがこの人が無駄なことをするとは思えないんだよな…。
そもそも俺が眠っている間に調査は終わらせていると思うし。
俺に見せる為? わからないな。
念の為に食料を買い込む。
2人を領都の屋敷に置き、ライナスさんや商業ギルドに頼まれた物を置いた後西の国へ向かう。
予感は働かないがあまり当てにはしない。
彼らの強さと、彼女たちが使う魔法に付いて訊かれたり、遊びで暴行されたそうだ。
魔法の無い大陸から来たのか?
ロイルさんも来たので檻水槽に出した連中が着ていた服や乗り物を見せたが知らないと言う。
そもそもロイルさんの居た大陸では魔法は適性が有れば使えるしお金を出せば教わることが出来たので魔法に付いて知る為に誘拐をする必要はないし。
「この大陸と、ロイルさんのところ、それと魔王が居たとされる以外の陸地から来たんですかね?」
「そしてそこは魔法が無いのか? でもこんな物が作れると」
と言って、こんこんと騎士団の訓練場へ出した木の乗り物を叩く。
「船なんでしょうけど、なんでこんな形なんですかね?」
「わからんな」
2人で考えていると騎士がやってきた。
「その船、海の中に潜れるらしいぞ」
「海の中に?」
「その為甲板を囲っているのか?」
「そもそもなんで海の中を進む必要が? 普通の船じゃダメなんですか?」
「見つかりたくないことをしてたんだろうな」
ああ、そう言うことか。
そういえばクラーケンの卵が有ったがそれか?
「クラーケンについて彼らは何か言ってましたか?」
「何も言ってないな。何かあるのか?」
港街の領主が言っていた最近までクラーケンが出ることはなかったことと、あいつらを収納した時にクラーケンの卵が増えていたことを騎士に伝える。
「わからないと思って黙っているのか?」
「もしかしたら卵は船に産み付けられた物で彼らが持ち込んだわけではないのかも知れませんけど」
「それも聞いてみるか」
騎士は部屋を出て行った。尋問再開かな。
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「封じ込めとかか? だが元から遠洋に出る船は無かったんだろ?」
「ええ」
大型魔獣が居るから沖に出られないと聞いている。
でも、それらしいのは見てないんだよな。
もしかしたらクラーケンに喰われたのかも知れない。一度詳しく聞いてみるか。
特に何か言われているわけでもないので夕刻の鐘が鳴ったので城から出ることにする。
騎士団が倒して希望者全員に配っても半分以上余ったクラーケンを収納し、同級生の商会を訪ねてお裾分けをする。
足1本で冷凍室がいっぱいになってしまった。
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「どうしてそう思う?」
「他国で首長竜の死体が漁船の網に引っ掛かった話が有るのよ」
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「身体中穴だらけだったとかでどんな魔物にやられたのかって話題になってたわ」
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西の海か。
港街の沖に居たのが殺されて海流でそちらに流れたのかね。
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「首長竜?」
「あいつらの船に付いている武器で殺した可能性が有る首長竜の死体を漁船が引き上げたそうですよ」
「ほう」
尋問をしている馴染みの騎士と話す。
首長竜のことは知り合いの商会から知ったことを伝えると彼は商業ギルドへ人をやった。
「わりと離れたところだな」
「聞いた時は海流に乗って流れて行ったのかと思いましたが、もしかしたら別の船の可能性も有りますね」
「あれだけではない可能性か。陸の近くに来るのはあの船だけで沖に行けば船団が居るかも知れないか」
なるほど。
あの船が複数有る以外にもそんなことが考えられるのか。
「魔車の群れが来たのも西だったな」
「そうですが、彼らの仕業だと?」
「たまたまかも知れないがな。クラーケンの話を考えると奴等はその時にはこの大陸沖に居たわけだろう?」
「そうですが、彼らは魔車のこと知ってたんですかね?」
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可能性をつぶす為らしいがこの人が無駄なことをするとは思えないんだよな…。
そもそも俺が眠っている間に調査は終わらせていると思うし。
俺に見せる為? わからないな。
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