43 / 50
厄介ごと
しおりを挟む
港街の領主と話し、馬車の魚?の探索をすることに決まった。
調査依頼と言うことで代金をもらうことになったのでお金じゃなくて空き家を紹介して欲しいとお願いしたら快く引き受けてくれた。
その際、貴方の家がここに出来てこの街に親しみを持ってくれるようになるなら、それは我が家の利益になるから願ってもないことだと隠すことなく言われる。
海の男は腹芸が苦手なので……と秘書らしき人が呆れてたが、こちらも気を遣わなくて良いので助かる。
ドゥーンハルト領の家と同じく港街の領主から使用人が派遣されることになり、彼らが連絡員となるから問題無いと街の門を通ることなく直接家に降りる許可も貰った。
何かと縁のある街だし、この街に家があるのは良いなと思う。
*
その日は領主邸で一泊し、次の日の早朝に海へ調査しに出る。
水の精霊とリリーナはどうするか迷ったが、彼女たちは港街を散策すると言うので領主に護衛を出してもらうことをお願いして1人で調査しに行くことにした。
過保護?な気もするけれど、2人だけで街を歩いていると暴漢が寄ってくる可能性高いからね。俺の不安を取り除く為にもお願いしたいところ。
「う~む、クラーケン居るなぁ」
沖に10分くらい行ったところでクラーケンの一族?を見つける。
全部で50以上は居るのだが何故こんなに繁殖してるのか謎である。
滅多に見ない海の魔物が大量に繁殖する理由ってなんだろう? 餌が有ることは当然としてクラーケンを捕食する魔物が居なくなったのが原因だろうか?
クラーケンを捕食する魔物ってなんだろう? それが居なくなったとして原因は何かって話だし、もしかしたら馬車のような大きさの魚?が何か関係しているのか?
それも気にしながらこの辺りを調査してみるか。
子供と思われるクラーケンを5匹ほど残し収納する。あと、ついでに海水を利用して氷の器を何個か作った。大型魔獣を窒息死させるのにこれを利用しようと思って。
穴を掘ることはまだ出来ないからね。
そのうち大地の精霊を収納したいと思っているのだけれど、水の精霊は何処にいるのか知らないって言うしなぁ。
その後、この辺りを見回しながらたまに大きめの魚を収納したりしている。
沖には漁船を襲うような魔物が居ると聞いているので海面から距離を取っているのだけれど、それらしき生き物は見つからない。
「そう言えば海の精霊を収納してことで魚になれるんだっけな…」
思い出してしまったがやる気にはならないんだよなぁ。
魚になったときに収納庫が使えるかわからないし、海の中で呼吸出来るかもわからない。
こんなことなら家の池で試してみれば良かったか。
まぁ、今日は海上だけ確認して帰ろう。
それから更に沖へと進む。
海は目印が無いのでどの辺りにいるのかわからないのが難点だな。
太陽が見えなければ帰る方向もわからなくなりそうだし。
帰る方向を指し示す魔道具とか城にあったりしないかな?
「あれか?」
海面に浮いている馬車のような大きさの魚らしい物を見つけた。
背鰭とか無いし進み方が魚には見えない、どちらかと言うと船のようにも見えるな。
もしかしたらそう言う魔物なのかも知れない。
「収納して陸で調べてみるか?」
俺1人で見るより、海に詳しい人が居た方がわかることも多いだろうしな。
俺はそれを収納して帰った。
何故かスキルが複数増えた。
もしかして漁船を襲って人を食べた??
*
「持ってきたと聞いたが」
「ええ、見付けたので収納してきました。ただ、全体を見ていないので何かはわからないままです。どこか、暴れても問題無い場所などありますか?」
「暴れても問題ない場所、何かあるか?」
「それでしたら街道沿いの砂丘などは如何でしょう」
秘書らしき人の提案で街の門から20分ぐらい歩いた所にある砂丘まで行くことになる。
それからその場で退治することになる可能性も有るので武装した騎士や冒険者なども連れて行く。
胃の中に人がいる可能性が有るがそのことを説明するには秘密にしてることを言わなくてはならないのでそれについては黙っておく。
中に入れた精霊の力を使えるようになる話は陛下や領主様に言っているのでもしかしたら気が付いてるかも知れないけれど、それほど関わりのない港街の領主に自分から言うことはないと思う。
*
「それじゃ出します」
出す場所に目印を描き、そこから少し離れて半分だけ囲うように人を配置し終わったので馬車のような魔物をだすことにする。
「なんだこれは?」
「魔物?」
「木の魔物?」
「魚と言うより船じゃないか?」
それを見た人たちが言う。
俺も似たような感想を持った。
船の甲板を木の傘で塞いだ物に馬車が乗っかっているような見える。
「これが海を泳いでいたのか?」
「ええ、海を泳いで居たところを収納したのですが、どう見ても生き物には思えませんね」
どうするかな、これ。
「動くぞ!」
「穴の中に槍の穂先が見える!」
「避けろ!」
慌てて収納した!
調査依頼と言うことで代金をもらうことになったのでお金じゃなくて空き家を紹介して欲しいとお願いしたら快く引き受けてくれた。
その際、貴方の家がここに出来てこの街に親しみを持ってくれるようになるなら、それは我が家の利益になるから願ってもないことだと隠すことなく言われる。
海の男は腹芸が苦手なので……と秘書らしき人が呆れてたが、こちらも気を遣わなくて良いので助かる。
ドゥーンハルト領の家と同じく港街の領主から使用人が派遣されることになり、彼らが連絡員となるから問題無いと街の門を通ることなく直接家に降りる許可も貰った。
何かと縁のある街だし、この街に家があるのは良いなと思う。
*
その日は領主邸で一泊し、次の日の早朝に海へ調査しに出る。
水の精霊とリリーナはどうするか迷ったが、彼女たちは港街を散策すると言うので領主に護衛を出してもらうことをお願いして1人で調査しに行くことにした。
過保護?な気もするけれど、2人だけで街を歩いていると暴漢が寄ってくる可能性高いからね。俺の不安を取り除く為にもお願いしたいところ。
「う~む、クラーケン居るなぁ」
沖に10分くらい行ったところでクラーケンの一族?を見つける。
全部で50以上は居るのだが何故こんなに繁殖してるのか謎である。
滅多に見ない海の魔物が大量に繁殖する理由ってなんだろう? 餌が有ることは当然としてクラーケンを捕食する魔物が居なくなったのが原因だろうか?
クラーケンを捕食する魔物ってなんだろう? それが居なくなったとして原因は何かって話だし、もしかしたら馬車のような大きさの魚?が何か関係しているのか?
それも気にしながらこの辺りを調査してみるか。
子供と思われるクラーケンを5匹ほど残し収納する。あと、ついでに海水を利用して氷の器を何個か作った。大型魔獣を窒息死させるのにこれを利用しようと思って。
穴を掘ることはまだ出来ないからね。
そのうち大地の精霊を収納したいと思っているのだけれど、水の精霊は何処にいるのか知らないって言うしなぁ。
その後、この辺りを見回しながらたまに大きめの魚を収納したりしている。
沖には漁船を襲うような魔物が居ると聞いているので海面から距離を取っているのだけれど、それらしき生き物は見つからない。
「そう言えば海の精霊を収納してことで魚になれるんだっけな…」
思い出してしまったがやる気にはならないんだよなぁ。
魚になったときに収納庫が使えるかわからないし、海の中で呼吸出来るかもわからない。
こんなことなら家の池で試してみれば良かったか。
まぁ、今日は海上だけ確認して帰ろう。
それから更に沖へと進む。
海は目印が無いのでどの辺りにいるのかわからないのが難点だな。
太陽が見えなければ帰る方向もわからなくなりそうだし。
帰る方向を指し示す魔道具とか城にあったりしないかな?
「あれか?」
海面に浮いている馬車のような大きさの魚らしい物を見つけた。
背鰭とか無いし進み方が魚には見えない、どちらかと言うと船のようにも見えるな。
もしかしたらそう言う魔物なのかも知れない。
「収納して陸で調べてみるか?」
俺1人で見るより、海に詳しい人が居た方がわかることも多いだろうしな。
俺はそれを収納して帰った。
何故かスキルが複数増えた。
もしかして漁船を襲って人を食べた??
*
「持ってきたと聞いたが」
「ええ、見付けたので収納してきました。ただ、全体を見ていないので何かはわからないままです。どこか、暴れても問題無い場所などありますか?」
「暴れても問題ない場所、何かあるか?」
「それでしたら街道沿いの砂丘などは如何でしょう」
秘書らしき人の提案で街の門から20分ぐらい歩いた所にある砂丘まで行くことになる。
それからその場で退治することになる可能性も有るので武装した騎士や冒険者なども連れて行く。
胃の中に人がいる可能性が有るがそのことを説明するには秘密にしてることを言わなくてはならないのでそれについては黙っておく。
中に入れた精霊の力を使えるようになる話は陛下や領主様に言っているのでもしかしたら気が付いてるかも知れないけれど、それほど関わりのない港街の領主に自分から言うことはないと思う。
*
「それじゃ出します」
出す場所に目印を描き、そこから少し離れて半分だけ囲うように人を配置し終わったので馬車のような魔物をだすことにする。
「なんだこれは?」
「魔物?」
「木の魔物?」
「魚と言うより船じゃないか?」
それを見た人たちが言う。
俺も似たような感想を持った。
船の甲板を木の傘で塞いだ物に馬車が乗っかっているような見える。
「これが海を泳いでいたのか?」
「ええ、海を泳いで居たところを収納したのですが、どう見ても生き物には思えませんね」
どうするかな、これ。
「動くぞ!」
「穴の中に槍の穂先が見える!」
「避けろ!」
慌てて収納した!
10
お気に入りに追加
187
あなたにおすすめの小説

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から「破壊神」と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
勇者パーティを追放された聖女ですが、やっと解放されてむしろ感謝します。なのにパーティの人たちが続々と私に助けを求めてくる件。
八木愛里
ファンタジー
聖女のロザリーは戦闘中でも回復魔法が使用できるが、勇者が見目麗しいソニアを新しい聖女として迎え入れた。ソニアからの入れ知恵で、勇者パーティから『役立たず』と侮辱されて、ついに追放されてしまう。
パーティの人間関係に疲れたロザリーは、ソロ冒険者になることを決意。
攻撃魔法の魔道具を求めて魔道具屋に行ったら、店主から才能を認められる。
ロザリーの実力を知らず愚かにも追放した勇者一行は、これまで攻略できたはずの中級のダンジョンでさえ失敗を繰り返し、仲間割れし破滅へ向かっていく。
一方ロザリーは上級の魔物討伐に成功したり、大魔法使いさまと協力して王女を襲ってきた魔獣を倒したり、国の英雄と呼ばれる存在になっていく。
これは真の実力者であるロザリーが、ソロ冒険者としての地位を確立していきながら、残念ながら追いかけてきた魔法使いや女剣士を「虫が良すぎるわ!」と追っ払い、入り浸っている魔道具屋の店主が実は憧れの大魔法使いさまだが、どうしても本人が気づかない話。
※11話以降から勇者パーティの没落シーンがあります。
※40話に鬱展開あり。苦手な方は読み飛ばし推奨します。
※表紙はAIイラストを使用。

リリゼットの学園生活 〜 聖魔法?我が家では誰でも使えますよ?
あくの
ファンタジー
15になって領地の修道院から王立ディアーヌ学園、通称『学園』に通うことになったリリゼット。
加護細工の家系のドルバック伯爵家の娘として他家の令嬢達と交流開始するも世間知らずのリリゼットは令嬢との会話についていけない。
また姉と婚約者の破天荒な行動からリリゼットも同じなのかと学園の男子生徒が近寄ってくる。
長女気質のダンテス公爵家の長女リーゼはそんなリリゼットの危うさを危惧しており…。
リリゼットは楽しい学園生活を全うできるのか?!

疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!
ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。
退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた!
私を陥れようとする兄から逃れ、
不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。
逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋?
異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。
この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?

初耳なのですが…、本当ですか?
あおくん
恋愛
侯爵令嬢の次女として、父親の仕事を手伝ったり、邸の管理をしたりと忙しくしているアニーに公爵家から婚約の申し込みが来た!
でも実際に公爵家に訪れると、異世界から来たという少女が婚約者の隣に立っていて…。

離婚したので冒険者に復帰しようと思います。
黒蜜きな粉
ファンタジー
元冒険者のアラサー女のライラが、離婚をして冒険者に復帰する話。
ライラはかつてはそれなりに高い評価を受けていた冒険者。
というのも、この世界ではレアな能力である精霊術を扱える精霊術師なのだ。
そんなものだから復職なんて余裕だと自信満々に思っていたら、休職期間が長すぎて冒険者登録試験を受けなおし。
周囲から過去の人、BBA扱いの前途多難なライラの新生活が始まる。
2022/10/31
第15回ファンタジー小説大賞、奨励賞をいただきました。
応援ありがとうございました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる