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城でのお話
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2人で昨日泊まったと言う娼館へ行きロイルさんが身請すると言う姉妹を引き取ることが書かれた紙と交換に代金を払う。
俺の感覚が麻痺してるのか人2人分の値段としては安いと感じてしまう。傷無し灰色狼の方が高いくらいだ。
娼館へ行くまでに話を聞くと、お姉さんが昨日初めて店に出たところをロイルが買ったらしい。そこでお姉さんの話を聞き、妹さんと2人合わせて身請することに決めたのだとか。
わざわざ言う気はないが騙されてる可能性もなくは無い、見た目はそんな感じしないけど。
軽めの食事をした後街から出て3人を収納し、寄り道せずに王都の城まで行く。
近くにいる人に陛下への取り次ぎを頼み、俺が来たのを知ってやってきた数人と話していたら部屋で待つようにと言われたので着替えてから移動する。
「会わせたい人がいると伺っていますが、何者ですか?」
部屋には顔見知りの女性が居て、陛下が来るまでに有る程度のことを知っておきたいそうで色々と聞かれる。
ロイルさんから聞いた話と俺が見たことと推測を話す。
他の大陸について特に反応が無かったので陛下周りでは知られていることなのだろう。
「神の声を聞く聖人ですか。教会からも人を呼んだ方が良いかしら?」
「本人はあまり会いたいとは思わなそうですけどね」
「それもそうね。その辺りは今後のこととして滞在先を用意するのが先でしょうか」
「分けますか?」
「一緒の方が良いでしょうね、国に対する印象は良くしておかないと」
残りの時間は港街で俺が買った物の話をしたら干物とお酒の話に食い付かれ後で売る約束をした。
*
しばらくして護衛を連れた陛下が部屋に入り、ロイルさんを出す。
「やっぱり収納庫での移動は転移と似ているね」
そんなことを言う。
それに対して興味深そうな顔をした陛下は俺の顔を見て何やら笑ったが何を考えたのかわからない。
収納庫は騎士団の輸送に使えそうだとか辺りか?
陛下と話すロイルさんの態度は、何というか普通だ。
次に外へ出るのは城の中になると説明していたのでそのことに対する驚きとかはないのはわかるのだけれど、他国とは言えその国の王と会って普通に話せるものなのだろうか?
神の声を聞く聖人、国王と同じくらいの立場なのかな。でもそんな人を放り出すものなのか? 部屋に居た全員が飛ばされたなら他の人に巻き込まれたとかなのだろうか、わからん。
そんなことを考えていたら話は終わった。
簡単な受け答えで終わったことから考えるに、俺がこの部屋で女性と港町の様子や酒の話している時に別室で大体のことが決まっていたのだろうなと思う。
ただ、ロイルさんが回復魔法を使えると言うことで多少修正されるかも知れない。
先程の話だと城で仕事を与えるとしか言っていなかったが、ロイルさんが訓練して回復魔法を使えるようになったと知った時に陛下の目が光った気がしたしおそらく地下の魔法研究所に連れて行かれる気がする。
あと、ロイルさんを収納したことで俺も使えるようになっているのではないかと思う。
もしかしたら神の声を聞く力も…、そっちは要らないな。
*
ロイルさん達は家が用意されるまでの間、うちの離れで寝泊まりすることになった。
この街で城の次に安全なところだからと言われたが、俺の知らない何かが有るのだろうか?
義父たちに話をしたら城から連絡が来ていたらしく、使っていない部屋に寝具や家具などが運び込まれていた。
今は使用人がお姉さんに調理器具や他の魔道具の使い方を教えているところだ。
俺が食事を取る時は両親と一緒なので離れで食べることはないのだが、ロイルさん達は自分たちで作って食べることになる。
一緒でも良いと両親は考えていたようなのだけれど、関節が錆びたのではないかと思われるような動きをするお姉さんを見てそれはやめようかと全員思ったからだ。
妹さんは普通だったので、ある程度世間を知ると貴族と会って話すのは緊張するみたいだな。
俺と水の精霊とロイルさんと義母は庭のベンチに座り、池の周りで遊んでいる妹さんを見ている。
妹さんを見る義母はなんだかいつもより楽しそうだ。
「明日は服を買わないとね」
そんなことを言っていた。
彼らはこのままここに住み続けることになったりするのだろうか?
それも良いのかな。
外国から来たロイルさんがうちと関係が有ると思われれば何か言う人も減るだろうし、学校卒業後にこの離れに誰も住まないよりは誰かがいた方が良いだろう。
俺の感覚が麻痺してるのか人2人分の値段としては安いと感じてしまう。傷無し灰色狼の方が高いくらいだ。
娼館へ行くまでに話を聞くと、お姉さんが昨日初めて店に出たところをロイルが買ったらしい。そこでお姉さんの話を聞き、妹さんと2人合わせて身請することに決めたのだとか。
わざわざ言う気はないが騙されてる可能性もなくは無い、見た目はそんな感じしないけど。
軽めの食事をした後街から出て3人を収納し、寄り道せずに王都の城まで行く。
近くにいる人に陛下への取り次ぎを頼み、俺が来たのを知ってやってきた数人と話していたら部屋で待つようにと言われたので着替えてから移動する。
「会わせたい人がいると伺っていますが、何者ですか?」
部屋には顔見知りの女性が居て、陛下が来るまでに有る程度のことを知っておきたいそうで色々と聞かれる。
ロイルさんから聞いた話と俺が見たことと推測を話す。
他の大陸について特に反応が無かったので陛下周りでは知られていることなのだろう。
「神の声を聞く聖人ですか。教会からも人を呼んだ方が良いかしら?」
「本人はあまり会いたいとは思わなそうですけどね」
「それもそうね。その辺りは今後のこととして滞在先を用意するのが先でしょうか」
「分けますか?」
「一緒の方が良いでしょうね、国に対する印象は良くしておかないと」
残りの時間は港街で俺が買った物の話をしたら干物とお酒の話に食い付かれ後で売る約束をした。
*
しばらくして護衛を連れた陛下が部屋に入り、ロイルさんを出す。
「やっぱり収納庫での移動は転移と似ているね」
そんなことを言う。
それに対して興味深そうな顔をした陛下は俺の顔を見て何やら笑ったが何を考えたのかわからない。
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陛下と話すロイルさんの態度は、何というか普通だ。
次に外へ出るのは城の中になると説明していたのでそのことに対する驚きとかはないのはわかるのだけれど、他国とは言えその国の王と会って普通に話せるものなのだろうか?
神の声を聞く聖人、国王と同じくらいの立場なのかな。でもそんな人を放り出すものなのか? 部屋に居た全員が飛ばされたなら他の人に巻き込まれたとかなのだろうか、わからん。
そんなことを考えていたら話は終わった。
簡単な受け答えで終わったことから考えるに、俺がこの部屋で女性と港町の様子や酒の話している時に別室で大体のことが決まっていたのだろうなと思う。
ただ、ロイルさんが回復魔法を使えると言うことで多少修正されるかも知れない。
先程の話だと城で仕事を与えるとしか言っていなかったが、ロイルさんが訓練して回復魔法を使えるようになったと知った時に陛下の目が光った気がしたしおそらく地下の魔法研究所に連れて行かれる気がする。
あと、ロイルさんを収納したことで俺も使えるようになっているのではないかと思う。
もしかしたら神の声を聞く力も…、そっちは要らないな。
*
ロイルさん達は家が用意されるまでの間、うちの離れで寝泊まりすることになった。
この街で城の次に安全なところだからと言われたが、俺の知らない何かが有るのだろうか?
義父たちに話をしたら城から連絡が来ていたらしく、使っていない部屋に寝具や家具などが運び込まれていた。
今は使用人がお姉さんに調理器具や他の魔道具の使い方を教えているところだ。
俺が食事を取る時は両親と一緒なので離れで食べることはないのだが、ロイルさん達は自分たちで作って食べることになる。
一緒でも良いと両親は考えていたようなのだけれど、関節が錆びたのではないかと思われるような動きをするお姉さんを見てそれはやめようかと全員思ったからだ。
妹さんは普通だったので、ある程度世間を知ると貴族と会って話すのは緊張するみたいだな。
俺と水の精霊とロイルさんと義母は庭のベンチに座り、池の周りで遊んでいる妹さんを見ている。
妹さんを見る義母はなんだかいつもより楽しそうだ。
「明日は服を買わないとね」
そんなことを言っていた。
彼らはこのままここに住み続けることになったりするのだろうか?
それも良いのかな。
外国から来たロイルさんがうちと関係が有ると思われれば何か言う人も減るだろうし、学校卒業後にこの離れに誰も住まないよりは誰かがいた方が良いだろう。
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