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精霊の影響
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海の精霊を帰しに行く時に氷の精霊に会えないかと水の精霊に話したら驚きの事実を知る。
「氷の器が欲しいなら自分で作れば良いんじゃないの?」
「俺には無理だろ」
「氷の精霊を入れたでしょう?」
「入れた」
「入れたら力使えるようになるでしょう?」
「…へ?」
試したら氷の精霊がやっていたように水を凍らせることが出来た。
「もしかして水の精霊の力も使えるのか?」
「前から使ってたでしょう?」
「前から?」
「泥水を綺麗にしてたでしょう?」
あれは水の精霊を収納したことで出来るようになったのか…。
色々質問した。
湖に水を入れて帰ってきた時に水の精霊が言った力に馴染むというのは、氷の精霊の力を扱えるようにする為に使いやすい身体に作り変えると言った意味だった。
元々水の精霊の力を使えるよう身体が変化していたのだが、雪の精霊の力は水の精霊よりも強いのでより強い身体が必要だった。そこで収納庫に蓄えられている魔力や人から手に入れたスキルを消費してより精霊の力を使い易くなる身体へと作り変えられたそうだ。
「収納庫に魔力が溜まっていた?」
「機能を維持するの為に外から魔力取り入れているみたい」
そんな力が有ったのか…。
中に入れた生き物が生きているのとか時間が経過しない為に必要だからとかなのか?
「魔力を消費したことで何か困ったことが起きていないのか?」
「特にないと思うわ、それに今は戻ってるわ」
「スキルを消費したのは?」
「使ってないスキルが精霊力に変わったみたいだから大丈夫だと思うわ」
スキルを精霊力に変えた?
しかも俺の意思でやったわけでもなく普段から使ってないから良いだろうと何かが勝手に判断した?
なんだそれ、大丈夫なのか?
「海の精霊を収納した影響も出るのか?」
「海の精霊はまだ幼いから大丈夫よ、海の精霊に出来ることをあなたも出来るようになるだけだわ」
それは良かった。
海の精霊の力を使う為に普段使っているスキルを精霊力に変えられて、穴が掘れなくなっていたりしたら困るからな。
それも魚になれる能力と引き換えにじゃ…。
海の精霊は海水じゃなくても問題ないようで今は庭の池にいる。
完全な人の姿になれば普通に地面を歩けるのだが、本人が水の中が好きなようで色彩鯉に混ざって泳いでいる。
「花の精霊を収納庫に入れたらどうなる?」
「そうね、中身を全部その場に出して持ってるスキルを全部失い、数ヶ月寝込むかも?」
「そんなにか」
「花の精霊は強いのよ」
会って話すだけで良かったとしみじみ思う。
スキルを集めれば収納庫に蓄えられている魔力の消費は少なくなるんじゃないかと言うので、積極的に盗賊狩りをしていこうか。
なんなら普通の人も入れたい。
*
「難民を連れてきたいと聞いたが?」
「ええ、ドゥーンハルト領はまだまだ人手が足りないですからね。魔車の森に襲われて住処を無くした人たちを受け入れられないかと」
「何故今になってそう思った?」
我が家の庭に休みに来た陛下に話をしてみる。
盗賊以外で収納に入れられそうな人をと考えた時に魔車の森に襲われた人が居たのを思い出したので彼等をこの国に連れて来ることは出来ないかと思ったんだ。
街の人を収納して即出したりしようかとも考えたけどどうしても違和感残るだろうし、普段はそんなに街へ出ない俺が急に出たらおかしいからね。一応貴族子息なので街をぶらぶらするのはあまりよろしくないし。
「前から考えてはいましたが、新年を迎える忙しい時に陛下の仕事を増やすわけにもいかないと思いまして」
うわ、疑いの目だ。
「まぁ良い、こちらで書類は用意する。ついでに魔車の森が産まれた場所を見て来てくれ」
「はい」
それから近衛騎士のような鎧や衣装を作って貰えないかと頼んだ。
俺の身体は同じ歳に比べてもそんなに大きいほうじゃないので見ただけでこの国の者だとわかると助かるからと。
…自国の街でも疑われるくらいだしな。
「面白そうだな、俺が考えてやる」
いや、専門の人に任せて欲しいんだけど。
「不服そうだな」
「そんなことは有りません」
付き人の人が俺は知らないみたいな顔して首を振ったのが気になる…。
「氷の器が欲しいなら自分で作れば良いんじゃないの?」
「俺には無理だろ」
「氷の精霊を入れたでしょう?」
「入れた」
「入れたら力使えるようになるでしょう?」
「…へ?」
試したら氷の精霊がやっていたように水を凍らせることが出来た。
「もしかして水の精霊の力も使えるのか?」
「前から使ってたでしょう?」
「前から?」
「泥水を綺麗にしてたでしょう?」
あれは水の精霊を収納したことで出来るようになったのか…。
色々質問した。
湖に水を入れて帰ってきた時に水の精霊が言った力に馴染むというのは、氷の精霊の力を扱えるようにする為に使いやすい身体に作り変えると言った意味だった。
元々水の精霊の力を使えるよう身体が変化していたのだが、雪の精霊の力は水の精霊よりも強いのでより強い身体が必要だった。そこで収納庫に蓄えられている魔力や人から手に入れたスキルを消費してより精霊の力を使い易くなる身体へと作り変えられたそうだ。
「収納庫に魔力が溜まっていた?」
「機能を維持するの為に外から魔力取り入れているみたい」
そんな力が有ったのか…。
中に入れた生き物が生きているのとか時間が経過しない為に必要だからとかなのか?
「魔力を消費したことで何か困ったことが起きていないのか?」
「特にないと思うわ、それに今は戻ってるわ」
「スキルを消費したのは?」
「使ってないスキルが精霊力に変わったみたいだから大丈夫だと思うわ」
スキルを精霊力に変えた?
しかも俺の意思でやったわけでもなく普段から使ってないから良いだろうと何かが勝手に判断した?
なんだそれ、大丈夫なのか?
「海の精霊を収納した影響も出るのか?」
「海の精霊はまだ幼いから大丈夫よ、海の精霊に出来ることをあなたも出来るようになるだけだわ」
それは良かった。
海の精霊の力を使う為に普段使っているスキルを精霊力に変えられて、穴が掘れなくなっていたりしたら困るからな。
それも魚になれる能力と引き換えにじゃ…。
海の精霊は海水じゃなくても問題ないようで今は庭の池にいる。
完全な人の姿になれば普通に地面を歩けるのだが、本人が水の中が好きなようで色彩鯉に混ざって泳いでいる。
「花の精霊を収納庫に入れたらどうなる?」
「そうね、中身を全部その場に出して持ってるスキルを全部失い、数ヶ月寝込むかも?」
「そんなにか」
「花の精霊は強いのよ」
会って話すだけで良かったとしみじみ思う。
スキルを集めれば収納庫に蓄えられている魔力の消費は少なくなるんじゃないかと言うので、積極的に盗賊狩りをしていこうか。
なんなら普通の人も入れたい。
*
「難民を連れてきたいと聞いたが?」
「ええ、ドゥーンハルト領はまだまだ人手が足りないですからね。魔車の森に襲われて住処を無くした人たちを受け入れられないかと」
「何故今になってそう思った?」
我が家の庭に休みに来た陛下に話をしてみる。
盗賊以外で収納に入れられそうな人をと考えた時に魔車の森に襲われた人が居たのを思い出したので彼等をこの国に連れて来ることは出来ないかと思ったんだ。
街の人を収納して即出したりしようかとも考えたけどどうしても違和感残るだろうし、普段はそんなに街へ出ない俺が急に出たらおかしいからね。一応貴族子息なので街をぶらぶらするのはあまりよろしくないし。
「前から考えてはいましたが、新年を迎える忙しい時に陛下の仕事を増やすわけにもいかないと思いまして」
うわ、疑いの目だ。
「まぁ良い、こちらで書類は用意する。ついでに魔車の森が産まれた場所を見て来てくれ」
「はい」
それから近衛騎士のような鎧や衣装を作って貰えないかと頼んだ。
俺の身体は同じ歳に比べてもそんなに大きいほうじゃないので見ただけでこの国の者だとわかると助かるからと。
…自国の街でも疑われるくらいだしな。
「面白そうだな、俺が考えてやる」
いや、専門の人に任せて欲しいんだけど。
「不服そうだな」
「そんなことは有りません」
付き人の人が俺は知らないみたいな顔して首を振ったのが気になる…。
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