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06 勇者とらぶらぶしちゃうな
しおりを挟む俺はただいま身分を隠し、勇者に近づいて勇者ご一行パーティの魔術師として参加しているが、その正体というのは魔族でありさらに言えばその中の魔王なんてものをやっている存在であったりする。
そんな事情もあって俺はそこら辺の認識阻害ローブも見破れるし、人間用の手枷足枷は簡単に破壊できドラゴンが半日眠る効果のある睡眠薬ものも数十分程度しか効かない。つまり大抵の魔法道具は俺には効かないわけだ。
……はずなのだが。
「ん、……ぅん」
案の定、あれから宿に戻っても俺の身体はますます火照り疼いて堪らなくなっていった。
食事をする余裕もなく、部屋に引きこもったが俺の息子はずっとムラムラモリモリと元気な状態で、1人ベッドに潜りこんで暫く経つが一向に落ち着く気配はなくずっと熱を抱き続けている。
あのお節介バーサンどれだけ強力な媚薬を作ったのだ。
魔族の身体の俺でこれ程の効果ということはこんなもの人間が摂取したら身体はじけ飛ぶのではないだろうか。
「すごいね、本当に効果があるとは」
「ぎぅばーとなんてきらいだ」
「そんなこと言わないで」
ベッドに潜る俺と、ベッドに座りポンポンと俺の背中を撫でるギルバート。構図としては拗ねる息子をそれを慰めるお母さんである。
頭がおかしくなるくらいに、エロい事がしたくてしかたない。
もそもそと出したくてたまらないと主張するそれに手を伸ばすが、理性のギリギリのところですぐ近くにギルバートがいる事を思い出す。
「ぎるばぁと、でてって」
「なんで?」
「……おれヌくからでてって」
「いやだ。見たい」
「なんで」
エロい事がしたいのに、ギルバートはジッと俺を見ていて離れてくれない。自分の思い通りにいかない歯がゆさと、自分の身体が自分のモノではないように熱く、理性が吹っ飛ぶ限界の状態で頭がおかしくなりそうだ。ギリギリの状態の俺の目からは、勝手にボタボタと涙が溢れてくる。
めそめそと泣きながら勃起している男の姿は、端から見ると実に滑稽に映ることだろう。
「なん、でいじわるす、るの」
「意地悪じゃ無い。泣かないで」
のそりと俺が横になるベッドの上にあがると、ギルバートは俺の涙をつたう頬をべろりと舐めた。
ああ、ギルバートまでなんだかおかしくなったのだと思った。
べしょべしょと泣きじゃくる俺のベッドの中に自分も入ってきて、いつもの抱き枕扱いするような抱き方ではなくぴったりと俺の身体にくっつき、ギルバートの片手は迷うこと無く俺の下半身に延びてきてゆるゆると俺の主張するそいつに触れる。
「なに、してんの」
「マオくるしいでしょ?してあげる」
「や、……はずか、し……ッん」
ギルバートが触れる前から透明な液体で既に濡れていたそいつは、彼の手の動きに合わせてちゅぷちゅぷと厭らしい音をたてる。
自分が触る感覚と異なる扱い方で、いつもとは違って動きが予想出来ない分不意に訪れる快感にビクビクと腰が揺れる。
「腰揺れてる。えっちだね、マオ」
「ち、が……」
「ちがくないよ。あ、乳首は桃色だ。可愛い」
「ひゃあぁ」
ギルバートに上半身の服もいつの間にかまくり上げられると、片方の手でくにくにと乳首を摘まれた。
俺が反応し思わず声を上げると、そのことを気に入ったのか執拗に攻めてくる。
優しく触れて、急に摘ままれを繰り返され続けギルバートに触れられてぷっくりと腫れたピンク色のそいつは、ピンッと爪先ではねられると身体がビクビクと痙攣し、大きく仰け反った。
ああ、だめだ。頭おかしくなってる。乳首も、ちんこも気持ちよすぎてどうにかなってしまいそうだ。
「やめ、って、ッぁ……イ、っひゃ、う」
「いいよ。いっぱい気持ちよくなって」
よだれと涙でぐじゃぐじゃな顔でギルバートの顔を見ると、俺を診る彼の瞳の奥にも熱があるようにかんじた。ドロリとした、まるで欲情している男の姿に見えて薬の影響というのは恐ろしいと感じる。己の視界に入るものまで全て、己の都合良く見えてしまうのだろう。
「ぁ、ぁんッ……んんん、ぎぅ、ぎぅばぁと…ぉっ」
「ふふ、はぁい。」
じゅぷじゅぷと俺のモノを扱う彼の手と、乳首に触れる手、そして密着している事で俺の身体に当たっている彼の下半身の熱を感じながら、彼の手で何度も何度も果てた。
・
・
・
「こっちを向いてよ、マオ」
「……」
「気持ちよかったでしょう?俺結構上手い方だとおもうんだけど」
「……上手い上手くないとかの話では無い」
これは男のプライドの話なのだ。
薬の効果が落ち着く頃には、俺は散々ギルバートの手淫でイかされ彼の手の中に精液を何度も放っていた。パーティメンバーである彼に、ぐちゃぐちゃになっている自分を見られた事がとても恥ずかしい。顔なんて暫く見られたものではない。
「マオ可愛かったから大丈夫だって、見て。俺マオで勃っちゃった」
「ますます見たくないわ!」
何が一体大丈夫な話なのか。
まだ同じベッドに居るギルバートはゴリッと俺の尻にあたるように膨らんだソレを押し当ててくる。
この宿はツインベッドなのだから、自分のベッドに戻ってほしい。というか今俺達が寝てるベッドのシーツは精液と汗と涙で汚れているからギルバートが移動しないなら俺が反対側のベッドに移りたい。
「マオはエッチな姿見られたのが恥ずかしいの?媚薬飲ませられた事を怒ってるの?」
「どっちも」
「じゃあ前者は可愛かったから大丈夫だよ、後者はオシオキだから仕方ありません」
「おしおき?」
そうだと頷く彼にどういうことだと壁に向けていた顔を少しだけギルバートに向ける。
「俺を置いて密輸団のアジトに突入した罰と、その他諸々」
その他諸々が激しく気になる。え?俺他にもギルバート怒らせるような事しているの?というかギルバートいつ怒ってたのいつでも笑顔だから分かりづらいのだけれどずっと怒ってたのか?
しかし、密輸団のアジトをつけてまんまと捕まり結果として助けて貰うことなってしまった事は改めて申し訳ない事をしたと思う。
ギルバートの過去を思えば、相談出来る状態では無かったのだが、それはこちら側の都合でしか無く、彼にとってみればパーティメンバーが目を離した隙に勝手に面倒ごとに首を突っ込み、それにドラゴンの助けが無ければ自分自身が最悪の事態に陥っていたかもしれない状況だった。
「ごめん」
ギルバートへの配慮が足りていなかったかもと、彼の目を見て謝るとギルバート瞳を細めて微笑んだ。
「今度からなにかあれば俺をちゃんと道連れにすること。いいね?マオ」
「……善処します」
「ん?」
「承知いたしました!!」
だからその何かあれば聖剣で脅そうとする癖、勘弁してくれ。
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