白宮の聖女

sara

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第八章 忠僕の契り

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 王城の数ある塔の一室に通された男は華美な家具が並ぶ部屋の奥、装飾をされた窓枠に腰掛ける男に礼をした。

「よく来たな」

 部屋の主である男は不敵に笑い、手を軽く差し出した。

「正直、お前の忠誠心をなめていたよ。本当に来るとはな」

 カガリは無表情で片膝をつき、その手の指輪に唇をおとす。
 おもむろに近づいてくるドロノワの顔を手に持っていた筒状の紙で阻止する。

「まず、これにサインを」

 王子は書類を受け取ると封を開け、目を通す。

「さすが用意周到だな。聖約の誓いを立てさせる訳か」

 聖約の誓いは神殿が人へ何かの見返りを約束する代わりに誓約させるときに使うもので、誓いに同意するとそれを破ることは出来なくなる。

「お前を神殿で燻らせておくのは惜しいな。王城に仕えれば重用されただろうに」

 そう言いながら内容を確認すると執務机で紙の下部に名前を書き込む。

「ほら。満足か」

 カガリはそれを受け取り、間違いなく名前が記されていることを確認した。

「服を脱げ」

 ドロノワの言葉にカガリは大人しく従う。上から順番に服を脱ぎ、シワにならないようにソファの背にかけた。眼鏡も外すと机に置く。

「中々いい体をしている」

 ドロノワは自分を服を脱ぎ散らかしながらベッドの方へ移動する。カガリが続いてベッドの近くに立つと甘い香りがした。カガリは薄く煙が立ち上るロウソク立てに目をやる。

「媚薬だ。お前もちゃんと楽しめるようにな」

 ドロノワはカガリの手首をつかみ、あっという間に組み敷いた。顎を掴み、強引に唇をふさぐ。

「ちゃんと準備はしてきたか?」

 王子は聖女の従者の首筋に舌を這わせながら問う。首元に吸い付くとかすかに抵抗した。

「素直に従えば可愛がってやる。私は男には優しいんだ」

 思うがままに跡を残す。平然を装っていても抵抗感があるのだろう躰を強張らせている。
 しばらく胸をなぶり、指で口内を侵した。胸の中心を口に含み、立たせるように愛撫してやる。中心は次第に固さを帯び、尖らせる。

「あの売女に可愛がってもらっているようだな。いやらしい」

 尖った先端を指で弾く。ピクリとどこかの筋肉が動いた。王子が従者の肉棒を掴んだが、まだ首をもたげているくらいだった。

「仕方ないなぁ。手伝ってやる」

 棒を全部咥えると口内でぐにぐにと遊んでやる。固さを増してくると吸って離してを繰り返し皮の中で滑るように前後に動く。口を離すと完全にそそり立った肉棒の完成だ。見上げるとカガリは自分の息を押し殺していた。

「俺を見下すとは」

 目の前の肉をまた口に入れると、くびれの下あたりに歯をたてる。カガリの体がビクリと反応した。場所を変え何度も歯をたてていくと徐々に躰が小さく震えてくる。

「薬が効いてきたようだな」

 甘噛みも感じるようになってきたカガリの太ももを強く噛んだ。歯型が残る程の痛みにカガリは苦痛の声を漏らす。

「交代だ」

 カガリに自分を差し出す。膝まづくと震える舌を出し、舐める。

「男を舐めるのは初めてだろう?」

 従者は不器用に舌先で肉棒を往復する。続けるうちに先端に透明な露が現れる。

「ほとばしりを舐めてみろ」

 従者が抵抗感を押さえて舐め取る。潮の様な味がした。王子は頭を掴むと肉棒を押し付け口をこじけた。自分を咥えさせると口内の壁をなぞるように回す。掴んだ頭の髪をぐちゃぐちゃに揉みながら息を深く吐き、腰を回すのを続ける。亀頭への刺激にが心地良い。たまに歯に当たるがそれもまた良い。
 それに満足すると急に喉の奥に突っ込んだ。カガリは激しく抵抗し、口から棒を吐き出すと苦しそうに嗚咽した。
 髪を掴んで上を向かせもう一度咥えさせる。
今度はそれ程奥まで入れずに出し入れする。

「もっと絞めろ。舌も使え」

 懸命に従うカガリの頭を次は撫で回す。ドロノワからも気持ちよさそうな吐息が聞こえ始める。腰を速め、くびれ周りが唇で刺激されるように小刻みに動く。口の中で固さを増し膨らんでいるのを感じ、カガリは恐怖を覚えて頭を引こうとするが王子の手がそれを許さない。
 王子は絶頂を迎えると奥に刺し込み果てた。喉に直接流れ込もうとする精液で咽て、激しく咳き込みながら吐き出す。涙目で見上げ睨みつけてくるカガリにドロノワは残忍な顔で告げる。

「ほら、尻を出せ」

 カガリは後ろを向き、四つん這いになった。その頭を押さえて尻を突き出す体勢にさせる。乱暴に双丘を広げて尻の穴を晒す。

「いい眺めだな」

 従者は屈辱に震えている。こいつは本当に嗜虐心をくすぐる。ドロノワは口の端を上げ笑みを浮かべた。そして、その尻に顔を埋めて深呼吸した。絞りに舌を伸ばす。舐めてやるとひくついた。香の効果か、準備の成果か。
 ドロノワはベットの脇から液体の入った瓶を取り出すと蓋を開け、カガリの肉の割れ目に向かって垂らした。急に冷たい液体を敏感な場所にかけられた躰はビクッと反応した。

「感謝しろ。ちゃんとほぐしてやる。初めはよく慣らさないと私も良くならないからな」

 液を塗りつけながら言う。何度も蕾の上を指でなぞると、より躰が反応するようになる。

「媚薬も入っているから良くなってきただろう」

 すでに香で熱くなっている躰だが、直接薬を塗りこまれた場所は小さな刺激を快感変えていく。試しに指先を入れてみると、すんなり咥えた。ゆっくり刺してみる。サガリが小さく呻いた。

「ほら、モノにも薬をすり込んでやる」

ドロノワは瓶の中身を自分の両手に出し右手で穴を、左手で陰茎を責め始めた。
  

 2箇所を刺激され流石に声が漏れる。穴はまだ感じないが薬で熱を持ち初め、しごかれる竿は強引な刺激にも情けなく感じた。続けられると、どちらが気持ちいいのか分からなくなってくる。
 指が増やされたが不思議と違和感なく受け入れ、快感も続く。ふいに手が止まり、指を引き抜かれるとカガリは崩れ落ちた。
 ドロノワはベッドの淵に腰かけるように座る。

「あっちを向いてここに座れ。自分で入れるんだ」

 その命令に震えながら立ち上がり、王子に背を向ける。脇腹に手を添えられるだけでも躰が反応した。後ろ手で肉棒を押さえ、穴に先端が当たるようにする。一拍おいて覚悟を決めるとゆっくり腰を下ろしていく。肉を押し広げられる感覚に鳥肌が立つ。

「息を止めるな。力を抜け。一番太い所を入れてしまえ」

 少し逃げ腰になると肩を押えて逃げなくされる。そして遂にすべてが納まった。


 カガリは腹の圧迫感に戸惑い、強く息を繰り返す。ドロノワは後ろ手をついて顔を天に向けた。

「わたしの形になるまで待ってやる」

 王子はカガリの前を弄び始め、肩や首筋に歯型や跡をつけて暇をつぶした。カガリの躰はすべての刺激が快感に変わってしまっていた。カガリは現実を受け入れたくなくて強く目を瞑った。
 喘ぐ声を押し殺せないのを確認すると遂にドロノワが動き始めた。棒への責めも続いている。

「ほら、こうするとすぐに後ろも良くなってくるぞ」

 もう理由もわからず躰が痙攣する。自分の肉棒が前兆もなく精液を吐き出した。

「尻に入れられてすぐ果てるとは、やはり才能があるな」

 次は尻だけを刺激される。果てたことなどお構いなしに律動は続く。


 不意に戸が開く音がして、瞼をあけると部屋の入口に誰かが立っているのが見えた。眼鏡をかけていないために視界がぼやけていたが、見慣れた姿に誰なのかは、すぐに解った。
 目を見開くカガリの耳元で

「中が絞まったぞ」

と王子が囁いた。




 
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