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本編
19.リシャが潰れちゃいます
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声のする方を見てみると、そこにいたのはレニとハニカ様だった。
目の前に迫ってきていた狼は白い光に弾かれ大きな音を立てて倒れた。
さっき感じた眩い光は、私を取り囲むように白く光っている。
目の前で伸びている狼を見つめながら、それはレニとハニカ様がこの一瞬でかけてくれた保護魔法だということに気づいた。
「リシャ大丈夫!?」
いつの間にか2人は傍に来ていて、レニが心配そうに私の顔を覗き込んでいる。
「うん、なんとか大丈夫……」
そう答えるとハニカ様が手を取ってくれたので、支えられながら気力を振り絞って立ち上がったけれど、震えが止まらなかった。
私のその様子を見たハニカ様は心配そうに見つめてくる。その顔は蒼白で、傍から見たら彼の方が襲われたんじゃないかと思うくらいだ。
私は慌てて、必死に笑顔を取り繕いながら声を振り絞った。
「ありがとうござ」
言い終わらない内に体を引き寄せられ、気づけば私はハニカ様の腕の中にいた。
「良かった……!!」
ハニカ様は絞り出すような声で言った。
扉の方からは次々と足音や声が聞こえてきて、かなりの人が集まって来てしまっているようだった。
すごい音と光だったものね……。
段々と冷静さを取り戻して来た私は、ハニカ様に抱き締められているこの状況にどうしていいか分からなかった。
すぐ隣にいるレニに助けを求めようと顔を向けると、彼女は私の焦る様子を見て少し笑いながら口を開こうとした。
その瞬間、レニは私の後方の人集りを見て、一瞬凍りついたような表情を浮かべた。
ただならぬ様子に何が起きたのか確認したいけれど、ハニカ様の力は思いの外強く動けない。
我に返ったレニが慌ててハニカ様に訴える。
「ふ、副所長! リシャが潰れちゃいます!」
ハニカ様はその言葉で我に返ったように、パッと私を離した。
「す、すみません、リシャ様」
こんなに慌てるハニカ様なんて初めて見た気がする。なんだかいろいろ突然すぎて思考が追いつかない。
だけど、レニとハニカ様が来てくれたお陰で私は助かったんだ。
安堵感を覚えると同時に、改めて2人に感謝の気持ちが湧いてくる。
しかし、こんな大騒ぎになってしまうなんて。
そんなことを思いながら人集りに顔を向けると、ナジェが立っているのが目に入った。
その顔はひどく悲しげだ。
私は心臓を掴まれたような気持ちになった。こんな顔をする彼なんて、一度も見たことがない。
なんでそんな顔してるの……?
「リシャ、怪我してる!」
レニの悲鳴に近い言葉にハッとして自分の体を見回し、腕の傷に気づいた。そういば少しヒリヒリする。
「すぐに治すね」
そう言ってレニは私の肩に手をかけた。
「?」
「魔法をかけたり共有するときは触れないといけないの」
あれ?手と髪を触るんじゃなくてもいいのかな?
「触れる場所は決まってないの?」
「うん、どこでもいいのよ」
ふと、この前ナジェに魔法で怪我を治して貰ったときのことを思い出した。
彼に髪を撫でられた感触や温かい大きな手に包み込まれた心地よい記憶が蘇り、思わず赤面する。
私ってば、こんな状況でそんなことを思い出してるなんて。
ハッと我に返って、先程ナジェがいた方を見るが、彼の姿はもう無かった。
目の前に迫ってきていた狼は白い光に弾かれ大きな音を立てて倒れた。
さっき感じた眩い光は、私を取り囲むように白く光っている。
目の前で伸びている狼を見つめながら、それはレニとハニカ様がこの一瞬でかけてくれた保護魔法だということに気づいた。
「リシャ大丈夫!?」
いつの間にか2人は傍に来ていて、レニが心配そうに私の顔を覗き込んでいる。
「うん、なんとか大丈夫……」
そう答えるとハニカ様が手を取ってくれたので、支えられながら気力を振り絞って立ち上がったけれど、震えが止まらなかった。
私のその様子を見たハニカ様は心配そうに見つめてくる。その顔は蒼白で、傍から見たら彼の方が襲われたんじゃないかと思うくらいだ。
私は慌てて、必死に笑顔を取り繕いながら声を振り絞った。
「ありがとうござ」
言い終わらない内に体を引き寄せられ、気づけば私はハニカ様の腕の中にいた。
「良かった……!!」
ハニカ様は絞り出すような声で言った。
扉の方からは次々と足音や声が聞こえてきて、かなりの人が集まって来てしまっているようだった。
すごい音と光だったものね……。
段々と冷静さを取り戻して来た私は、ハニカ様に抱き締められているこの状況にどうしていいか分からなかった。
すぐ隣にいるレニに助けを求めようと顔を向けると、彼女は私の焦る様子を見て少し笑いながら口を開こうとした。
その瞬間、レニは私の後方の人集りを見て、一瞬凍りついたような表情を浮かべた。
ただならぬ様子に何が起きたのか確認したいけれど、ハニカ様の力は思いの外強く動けない。
我に返ったレニが慌ててハニカ様に訴える。
「ふ、副所長! リシャが潰れちゃいます!」
ハニカ様はその言葉で我に返ったように、パッと私を離した。
「す、すみません、リシャ様」
こんなに慌てるハニカ様なんて初めて見た気がする。なんだかいろいろ突然すぎて思考が追いつかない。
だけど、レニとハニカ様が来てくれたお陰で私は助かったんだ。
安堵感を覚えると同時に、改めて2人に感謝の気持ちが湧いてくる。
しかし、こんな大騒ぎになってしまうなんて。
そんなことを思いながら人集りに顔を向けると、ナジェが立っているのが目に入った。
その顔はひどく悲しげだ。
私は心臓を掴まれたような気持ちになった。こんな顔をする彼なんて、一度も見たことがない。
なんでそんな顔してるの……?
「リシャ、怪我してる!」
レニの悲鳴に近い言葉にハッとして自分の体を見回し、腕の傷に気づいた。そういば少しヒリヒリする。
「すぐに治すね」
そう言ってレニは私の肩に手をかけた。
「?」
「魔法をかけたり共有するときは触れないといけないの」
あれ?手と髪を触るんじゃなくてもいいのかな?
「触れる場所は決まってないの?」
「うん、どこでもいいのよ」
ふと、この前ナジェに魔法で怪我を治して貰ったときのことを思い出した。
彼に髪を撫でられた感触や温かい大きな手に包み込まれた心地よい記憶が蘇り、思わず赤面する。
私ってば、こんな状況でそんなことを思い出してるなんて。
ハッと我に返って、先程ナジェがいた方を見るが、彼の姿はもう無かった。
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