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バレた!
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「よう、イディカのことは何とかなったっぽいな」
「レオン様……もう、驚かせないでくださいよ。それに、調理場まで押しかけるのは遠慮していただけません?」
「すまんすまん。んで、美味いもんは食えるのか?」
そう言って周囲を見渡しながら聞いてくる。人の話を聞けーっ!
「……今から作るところです。レオン様はお父様と一緒に待っていらしてくださいませ」
「何だよ~他国の王族がいるのに俺はいちゃダメってのか?」
ダメですよ。
そもそも他国の王子様が我が家の調理場にいるってこと自体がダメダメだし、我が国を象徴する聖獣様がそこに参戦ってもっとダメでしょ……
「……レオン様?」
「え? ……あ」
カルド殿下とティカさんが怪訝そうな目をレオン様と私に向けていた。
しまった……カルド殿下たちの前ではレオという偽名で呼んでたんだった。
「レオン……ドリスタン王国建国の聖獣と同じ名……それに、クリステア嬢がただの冒険者相手に様付け……まさか」
「も、もしかして……聖獣レオン、ご本人? っすかぁ⁉︎」
二人が驚愕しているのを見て、レオン様がいたずらが成功したみたいな表情でニヤッと笑った。
「バレたか」
「「はああああああぁぁぁ⁉︎」」
調理場に二人の驚愕の叫びが響いたのは言うまでもない。
「……色々とデタラメすぎる……」
「殿下、これはあれっすよ。ドリスタン王国では貴族でも令嬢は料理したり、聖獣様とランチしたりする習慣があったりするんすよ、きっと」
「そ、そうなのか?」
んなわけないでしょ。
私のほうをチラッと見るカルド殿下に向かってふるふると首を横に振る。
「カルド殿下、エリスフィード公爵家は代々王族との婚姻も多いので聖獣レオン様とも懇意にしているのですよ」
「お父様!」
調理場での騒ぎを聞きつけたようで、お父様が乗り込んできた。
「いや、別にそう言う意味じゃな……」
「そうですよね? レオン様?」
「あー、うん。そうだな? そういうことだ、うん」
あれ? 意外と素直に引き下がったぞ?
「そう言うわけで、レオン様は私と一緒に別室で完成を待つとしましょうか」
「おう、そうだな。お嬢、ゆっくり作っててくれ」
「はあ」
そう言っていそいそとお父様の後ろについていくレオン様を見送ると気づいてしまった。
お父様の背後に控えていた執事が、お父様がコレクションしていた秘蔵のお酒を数本、抱えているのを……
猫にまたたび、レオン様に美味しいお酒、ってこと?
お父様の貴重なコレクションは尊い犠牲になったらしい……
「ええと、気を取り直して再開しましょうか」
「お、おう」
「そ、そっすね……」
呆然と見送っていたカルド殿下たちを再起動すべく声をかけると、何とか気を取り直したようでのろのろと動き始めた。
「色々と聞きたいことは山積みだが……とりあえず何を作る?」
「そっすね、色々気になるっすけど、聞いたら後悔しそうな気もするんで。まずは作るっすよ」
ええはい、このまま何も聞かないでいてくださると大変助かるのですが。
「そうですね……それではまず最初に簡単なチャーハンから作りましょうか」
「ちゃーはん?」
「はい。ラースでも作るのですが、炊いたイディカを炒めたものです」
私は料理長に卵や鶏肉、玉ねぎやにんじんなどの根菜をはじめとした野菜をいくつか用意するようお願いした。
イディカだけでお腹いっぱいにならないよう、具材たっぷりにしておかないとね。
他におかずがあるなら、シンプルに卵とネギとチャーシュー(またはベーコン)だけでも十分美味しいんだけどね。
「先に炊いていた冷めたイディカを使います。野菜や肉など、具材は何でも構いません。できるだけイディカと同じくらいの大きさに近くなるよう細かく刻んでください」
私の説明に合わせて、料理長が手早く野菜を刻んでいく。
他の料理人が鶏肉の皮を取り除き、できるだけ小さくカットしてくれた。
その隙に私はシンを呼び寄せて次のメニューの材料の準備を頼んでおく。
「熱したフライパンに油を馴染ませ、火が通りにくいものから順に炒めていきます」
ジャッと細かく刻まれた具材が鍋の上で踊るのをカルド殿下とティカさんが真剣な眼差しで見つめる。
ティカさんはそれに加えてガシガシとノールックでメモまで取っている。ちゃんと書けてるのかな? 速記的なあれなの?
「具材に火が通ったら、一旦別の皿に取り出しておいて、油を引き直して溶いておいた卵を注ぎ入れます」
料理長が私の説明通りに卵をフライパンに流し込むとじゅわわ……と卵が固まっていく。
「卵が半熟……固まらないうちにイディカを投入し、卵を絡ませるように炒め合わせます」
横に控えていたイディカを盛った皿をさっと手に取り、投下。
「別皿に取り出していた具材を戻し、混ぜ合わせて全体に馴染んだら醤油……あ、これはヤハトゥールの調味料ですが、魚醤でもいいと思います。それを鍋ふちに回しかけて、味を馴染ませ、味を見ながら塩コショウで調えて完成です」
醤油の焦げる香りが食欲をそそる、具沢山チャーハンの出来上がり!
「卵を混ぜ合わせるタイミングが難しければ、あらかじめ溶いた卵とイディカを混ぜておいても美味しくできますよ」
いわゆる黄金チャーハンだ。私はどっちも好きだけど、ラースの場合は混ぜておいたほうがご飯がパラパラになっていいような気がする。
「おお……!」
「う、美味そうっすね」
「昼食にも出す予定ですが、ちょっとだけ試食しましょうか」
料理長が小皿に取り分けてその場の全員に配る。
「初のイディカ料理……ちゃーはん……ありがたくいただく」
「いただくっす!」
二人は宣言してすぐさまスプーンを口に運んだ。
どれどれ、私もいただきますかねっと。
おお、いい感じにパラっと炒められてる。卵もほどよく絡んで美味しそう。
鍋振りは身体強化してても、やっぱり料理長や大人が作るほうが上手な気がする。
「う……っま」
「これ本当にイディカ使ってるんっすか……?」
二人が目をキラキラさせてチャーハンを見つめている。
私も遅まきながらチャーハンをぱくり。
おお、イディカを使ったからとはいえ、パラパラ感が完璧、さすが料理長。
そして香りがすごい。
これは前世でもインディカ米の中でも高級な香り米として名高いジャスミン米に匹敵、いやそれ以上かも。
いやこれ美味しいわ。
「これは素晴らしいですね。公爵家でもイディカを取り入れるようお館様に進言いたしましょう」
料理長がそう言ったことで、これはいけると確信したのか、カルド殿下たちが視線を交わし頷きあった。
「よし、クリステア嬢! 次の料理にとりかかるぞ!」
……え、めっちゃノリノリなんですが。
次も美味しいの作らないといけないプレッシャーががが。
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「すまんすまん。んで、美味いもんは食えるのか?」
そう言って周囲を見渡しながら聞いてくる。人の話を聞けーっ!
「……今から作るところです。レオン様はお父様と一緒に待っていらしてくださいませ」
「何だよ~他国の王族がいるのに俺はいちゃダメってのか?」
ダメですよ。
そもそも他国の王子様が我が家の調理場にいるってこと自体がダメダメだし、我が国を象徴する聖獣様がそこに参戦ってもっとダメでしょ……
「……レオン様?」
「え? ……あ」
カルド殿下とティカさんが怪訝そうな目をレオン様と私に向けていた。
しまった……カルド殿下たちの前ではレオという偽名で呼んでたんだった。
「レオン……ドリスタン王国建国の聖獣と同じ名……それに、クリステア嬢がただの冒険者相手に様付け……まさか」
「も、もしかして……聖獣レオン、ご本人? っすかぁ⁉︎」
二人が驚愕しているのを見て、レオン様がいたずらが成功したみたいな表情でニヤッと笑った。
「バレたか」
「「はああああああぁぁぁ⁉︎」」
調理場に二人の驚愕の叫びが響いたのは言うまでもない。
「……色々とデタラメすぎる……」
「殿下、これはあれっすよ。ドリスタン王国では貴族でも令嬢は料理したり、聖獣様とランチしたりする習慣があったりするんすよ、きっと」
「そ、そうなのか?」
んなわけないでしょ。
私のほうをチラッと見るカルド殿下に向かってふるふると首を横に振る。
「カルド殿下、エリスフィード公爵家は代々王族との婚姻も多いので聖獣レオン様とも懇意にしているのですよ」
「お父様!」
調理場での騒ぎを聞きつけたようで、お父様が乗り込んできた。
「いや、別にそう言う意味じゃな……」
「そうですよね? レオン様?」
「あー、うん。そうだな? そういうことだ、うん」
あれ? 意外と素直に引き下がったぞ?
「そう言うわけで、レオン様は私と一緒に別室で完成を待つとしましょうか」
「おう、そうだな。お嬢、ゆっくり作っててくれ」
「はあ」
そう言っていそいそとお父様の後ろについていくレオン様を見送ると気づいてしまった。
お父様の背後に控えていた執事が、お父様がコレクションしていた秘蔵のお酒を数本、抱えているのを……
猫にまたたび、レオン様に美味しいお酒、ってこと?
お父様の貴重なコレクションは尊い犠牲になったらしい……
「ええと、気を取り直して再開しましょうか」
「お、おう」
「そ、そっすね……」
呆然と見送っていたカルド殿下たちを再起動すべく声をかけると、何とか気を取り直したようでのろのろと動き始めた。
「色々と聞きたいことは山積みだが……とりあえず何を作る?」
「そっすね、色々気になるっすけど、聞いたら後悔しそうな気もするんで。まずは作るっすよ」
ええはい、このまま何も聞かないでいてくださると大変助かるのですが。
「そうですね……それではまず最初に簡単なチャーハンから作りましょうか」
「ちゃーはん?」
「はい。ラースでも作るのですが、炊いたイディカを炒めたものです」
私は料理長に卵や鶏肉、玉ねぎやにんじんなどの根菜をはじめとした野菜をいくつか用意するようお願いした。
イディカだけでお腹いっぱいにならないよう、具材たっぷりにしておかないとね。
他におかずがあるなら、シンプルに卵とネギとチャーシュー(またはベーコン)だけでも十分美味しいんだけどね。
「先に炊いていた冷めたイディカを使います。野菜や肉など、具材は何でも構いません。できるだけイディカと同じくらいの大きさに近くなるよう細かく刻んでください」
私の説明に合わせて、料理長が手早く野菜を刻んでいく。
他の料理人が鶏肉の皮を取り除き、できるだけ小さくカットしてくれた。
その隙に私はシンを呼び寄せて次のメニューの材料の準備を頼んでおく。
「熱したフライパンに油を馴染ませ、火が通りにくいものから順に炒めていきます」
ジャッと細かく刻まれた具材が鍋の上で踊るのをカルド殿下とティカさんが真剣な眼差しで見つめる。
ティカさんはそれに加えてガシガシとノールックでメモまで取っている。ちゃんと書けてるのかな? 速記的なあれなの?
「具材に火が通ったら、一旦別の皿に取り出しておいて、油を引き直して溶いておいた卵を注ぎ入れます」
料理長が私の説明通りに卵をフライパンに流し込むとじゅわわ……と卵が固まっていく。
「卵が半熟……固まらないうちにイディカを投入し、卵を絡ませるように炒め合わせます」
横に控えていたイディカを盛った皿をさっと手に取り、投下。
「別皿に取り出していた具材を戻し、混ぜ合わせて全体に馴染んだら醤油……あ、これはヤハトゥールの調味料ですが、魚醤でもいいと思います。それを鍋ふちに回しかけて、味を馴染ませ、味を見ながら塩コショウで調えて完成です」
醤油の焦げる香りが食欲をそそる、具沢山チャーハンの出来上がり!
「卵を混ぜ合わせるタイミングが難しければ、あらかじめ溶いた卵とイディカを混ぜておいても美味しくできますよ」
いわゆる黄金チャーハンだ。私はどっちも好きだけど、ラースの場合は混ぜておいたほうがご飯がパラパラになっていいような気がする。
「おお……!」
「う、美味そうっすね」
「昼食にも出す予定ですが、ちょっとだけ試食しましょうか」
料理長が小皿に取り分けてその場の全員に配る。
「初のイディカ料理……ちゃーはん……ありがたくいただく」
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二人は宣言してすぐさまスプーンを口に運んだ。
どれどれ、私もいただきますかねっと。
おお、いい感じにパラっと炒められてる。卵もほどよく絡んで美味しそう。
鍋振りは身体強化してても、やっぱり料理長や大人が作るほうが上手な気がする。
「う……っま」
「これ本当にイディカ使ってるんっすか……?」
二人が目をキラキラさせてチャーハンを見つめている。
私も遅まきながらチャーハンをぱくり。
おお、イディカを使ったからとはいえ、パラパラ感が完璧、さすが料理長。
そして香りがすごい。
これは前世でもインディカ米の中でも高級な香り米として名高いジャスミン米に匹敵、いやそれ以上かも。
いやこれ美味しいわ。
「これは素晴らしいですね。公爵家でもイディカを取り入れるようお館様に進言いたしましょう」
料理長がそう言ったことで、これはいけると確信したのか、カルド殿下たちが視線を交わし頷きあった。
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