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や、やっちまったー⁉︎
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これ以上黙って見ていられないと思った私は慌てて止めようとしたマリエルちゃんの手をすり抜け、ツカツカとアリシア様の背後から声をかけた。
「まあ、おはようございます、アリシア様。教室までご一緒してもよろしくて?」
「クリステア様⁉︎ お、おはようございますわ……ええ、かまいませんことよ」
いきなり私が現れたことで少し驚いた様子のアリシア様だったけれど、私のいつもとは違うよそゆきの微笑みや口調、後ろから追いかけてきたマリエルちゃんたちの姿を見て私がわざと介入してきたのがわかったようで、すぐに乗ってきてくれた。
そんな私たちに先輩令嬢たちは焦りながらも制止した。
「お、お待ちなさい! アリシア様は私たちとお話の途中ですのよ?」
「お話、ですか? アリシア様……私、お邪魔でした?」
私がわざとらしく不安そうに問いかけると、アリシア様はかぶりを振った。
「いいえ。私はこの方たちから一方的に話しかけられていただけですわ。さ、授業に遅れますからまいりましょう。……先輩方、そこを通していただけますかしら?」
「なっ!」
先輩令嬢はアリシア様が自分に従わなかったことが気に入らないとばかりにアリシア様を睨みつけた。
むむ、まだ食い下がるか。
私は未だ退こうとしない集団に向かってズイッと前に出た。
「……そういえば、先程悪食令嬢って聞こえましたけれど。驚きましたわ、まだそんな噂が残っておりますのね?」
私に聞かれていたとわかり、その発言をした令嬢は明らかに「まずい!」といった反応を見せたけれど、すぐさま立ち直って強気の姿勢を見せた。
「あ……あら、噂ではなく真実でしょう? 貴族でありながら、自ら進んで家畜の餌を食べる令嬢だなんて、聞いたことありませんもの」
……うーん、それについては真実なだけに言い逃れできないのがつらいところ。
私が黙っていると、形勢逆転したとばかりに相手が勝ち誇ったような笑みを浮かべた。
「それどころか、家畜の餌を自ら料理して使用人に食べさせたとか。かわいそうに、使用人たちは貴女に逆らうことなどできずに家畜の餌を美味しいと言って貪らざるをえない状況に追い込まれるだなんて……」
よよよ、と泣き真似をするご令嬢にその取り巻きがうんうんと頷きながら同調した。
……使用人は皆、美味しいしお腹いっぱい食べられて腹持ちも良くて幸せだと言ってたんだけどな。
それがお世辞だったらすごく悲しいけれど、料理長たちの反応を思うとお世辞でもなんでもないし、なんなら私が厨房に入り、新しいレシピをお披露目するのを常に待っている節があるので私の勘違いじゃないと思うよ。
それに……
「ラースはもともとヤハトゥールから食用として輸入されてきたものが、ドリスタン王国では調理の仕方が分からなかったために飼料として転用されたのが始まりと聞いております。そもそも私たちが食べても何ら問題なく、美味しい穀物なのですよ? それに今では学園内のカフェでもラースを使ったメニューが人気なのですが、ご存知ありませんでした?」
まあ、そのメニューも私が伝授したものだけど。
にっこり笑顔で告げると、それが「え? そんなこともしらないのぉ?」という煽りと受けとったのか、顔を真っ赤にして「なっ、生意気な……!」と手にしていた扇子がギシッと軋むほど握りしめていた。
「……それに、ラースを使った料理はレイモンド王太子殿下も召し上がられたことがございますのよ? とても美味だとおかわりまでされましたもの」
ええそりゃもう。
初めこそ「お前が悪食令嬢か?」なんて揶揄されたけれど、すっかりカレーの虜になってしまったもの。
「な、なんですって⁉︎ 殿下が⁉︎」
「ええ。ああ、そうそう。ちょうど昨夜もお兄様と一緒に特別寮にいらっしゃったので夕食にご招待したばかりですの」
「ええっ⁉︎」
食べるために準備や後片付けを手伝わせてしまったことは内緒だけど。
ほら、それはお兄様と殿下のお二人の名誉のためにもね、うん。内緒にしとこう。
決して私が不敬なやつだと思われないようにしたいからじゃないよ?
二人の名誉のためだよ!
「昨夜もラースを使ったメニューでしたけれど、それも美味しいとおっしゃって私の契約聖獣たちと争うようにおかわりしてくださいましたわ」
「え……聖獣様と⁉︎」
よしよし、驚いてるわね。
聖獣と争って食べるほど美味しいんだってしっかりアピールできたわ。
「私を悪食令嬢と罵ることは、私の作った料理を美味しいとおっしゃった殿下を貶める行為……不敬と受け取られても仕方ありませんわよ?」
よし、これでトドメだ!
虎の威を借る狐ならぬ、殿下の威光を借る公爵令嬢ってところだけど、初対面で殿下が私を「悪食令嬢」呼ばわりしたことの非礼をこれでチャラにしたってことで許してほしい。
「な……っ! ふ、不敬だなんて、わ、私、そんなつもりでは……!」
先輩令嬢たちは青ざめた顔でカタカタと震えていた。
「ああ、今後はラースを召し上がられるのは家畜の餌を貪る行為だと、ある方に忠告されたのでもうお出しできませんと殿下にお断りした方がよろしいでしょうか? そうだわ、お名前を伺っても?」
にーっこりと笑顔で問いかけながら進み出ると、先輩令嬢たちはビクッとして私との距離を保つように後退った。
「ひっ! そ、そんな、そんなことはなさらなくてもよろしくてよ! 美味しいのでしたら、お好きなだけ召し上がられたらいかがかしら⁉︎ ああっ、授業に遅れてしまいますわね、し、失礼いたしますわ!」
「あ、お名前を……」
「名乗るほどの者ではございませんわあああぁ!」
引き留めようとするも、あっという間に廊下の角を曲がって姿が見えなくなってしまった。
「……いっちゃった」
肩をすくめて振り返ると、皆がぽかんとした顔で私を見ていた。
え、なにその反応。
「アリシア様、大丈夫でしたか?」
何はさておき、アリシア様の無事を確認しないとね。
「え、ええ。私は大丈夫ですわ……」
「よかった!」
「あの、クリステア様は大丈夫なのですか?」
「え?」
何が? きっちり追い返したし、全くのノーダメージなんだけど。
それに、殿下もラース……ごはんを召し上がられると聞いたからにはもう悪食令嬢なんて揶揄されることもなくなるだろうし。
大成功ってやつじゃない?
私がそう言うと、マリエルちゃんがあちゃーって顔をして私を見た。
え? 何かダメだった?
「あのですね、クリステアさん。先ほどの発言は殿下を夕食にご招待してクリステアさんの手料理を振る舞うほど親密な仲だと言っているようなものかと……」
「えっ?」
え、あれ? え? ちょっと待って?
「私、そんなつもりで言ったわけじゃ……」
「つもりはなくても、そのように聞こえましたわよ? 私はまあ……昨日誤解だとわかりましたのでクリステア様のことを信じますけれど」
アリシア様が呆れたように言った。
昨日の今日で誤解を招くような発言をしたのに……アリシア様、優しい!
「……もしかして、不用意な発言だったかしら?」
「ええ、それはもう」
アリシア様とマリエルちゃんが真顔で頷く。
や、やらかしたー⁉︎
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「クリステア様⁉︎ お、おはようございますわ……ええ、かまいませんことよ」
いきなり私が現れたことで少し驚いた様子のアリシア様だったけれど、私のいつもとは違うよそゆきの微笑みや口調、後ろから追いかけてきたマリエルちゃんたちの姿を見て私がわざと介入してきたのがわかったようで、すぐに乗ってきてくれた。
そんな私たちに先輩令嬢たちは焦りながらも制止した。
「お、お待ちなさい! アリシア様は私たちとお話の途中ですのよ?」
「お話、ですか? アリシア様……私、お邪魔でした?」
私がわざとらしく不安そうに問いかけると、アリシア様はかぶりを振った。
「いいえ。私はこの方たちから一方的に話しかけられていただけですわ。さ、授業に遅れますからまいりましょう。……先輩方、そこを通していただけますかしら?」
「なっ!」
先輩令嬢はアリシア様が自分に従わなかったことが気に入らないとばかりにアリシア様を睨みつけた。
むむ、まだ食い下がるか。
私は未だ退こうとしない集団に向かってズイッと前に出た。
「……そういえば、先程悪食令嬢って聞こえましたけれど。驚きましたわ、まだそんな噂が残っておりますのね?」
私に聞かれていたとわかり、その発言をした令嬢は明らかに「まずい!」といった反応を見せたけれど、すぐさま立ち直って強気の姿勢を見せた。
「あ……あら、噂ではなく真実でしょう? 貴族でありながら、自ら進んで家畜の餌を食べる令嬢だなんて、聞いたことありませんもの」
……うーん、それについては真実なだけに言い逃れできないのがつらいところ。
私が黙っていると、形勢逆転したとばかりに相手が勝ち誇ったような笑みを浮かべた。
「それどころか、家畜の餌を自ら料理して使用人に食べさせたとか。かわいそうに、使用人たちは貴女に逆らうことなどできずに家畜の餌を美味しいと言って貪らざるをえない状況に追い込まれるだなんて……」
よよよ、と泣き真似をするご令嬢にその取り巻きがうんうんと頷きながら同調した。
……使用人は皆、美味しいしお腹いっぱい食べられて腹持ちも良くて幸せだと言ってたんだけどな。
それがお世辞だったらすごく悲しいけれど、料理長たちの反応を思うとお世辞でもなんでもないし、なんなら私が厨房に入り、新しいレシピをお披露目するのを常に待っている節があるので私の勘違いじゃないと思うよ。
それに……
「ラースはもともとヤハトゥールから食用として輸入されてきたものが、ドリスタン王国では調理の仕方が分からなかったために飼料として転用されたのが始まりと聞いております。そもそも私たちが食べても何ら問題なく、美味しい穀物なのですよ? それに今では学園内のカフェでもラースを使ったメニューが人気なのですが、ご存知ありませんでした?」
まあ、そのメニューも私が伝授したものだけど。
にっこり笑顔で告げると、それが「え? そんなこともしらないのぉ?」という煽りと受けとったのか、顔を真っ赤にして「なっ、生意気な……!」と手にしていた扇子がギシッと軋むほど握りしめていた。
「……それに、ラースを使った料理はレイモンド王太子殿下も召し上がられたことがございますのよ? とても美味だとおかわりまでされましたもの」
ええそりゃもう。
初めこそ「お前が悪食令嬢か?」なんて揶揄されたけれど、すっかりカレーの虜になってしまったもの。
「な、なんですって⁉︎ 殿下が⁉︎」
「ええ。ああ、そうそう。ちょうど昨夜もお兄様と一緒に特別寮にいらっしゃったので夕食にご招待したばかりですの」
「ええっ⁉︎」
食べるために準備や後片付けを手伝わせてしまったことは内緒だけど。
ほら、それはお兄様と殿下のお二人の名誉のためにもね、うん。内緒にしとこう。
決して私が不敬なやつだと思われないようにしたいからじゃないよ?
二人の名誉のためだよ!
「昨夜もラースを使ったメニューでしたけれど、それも美味しいとおっしゃって私の契約聖獣たちと争うようにおかわりしてくださいましたわ」
「え……聖獣様と⁉︎」
よしよし、驚いてるわね。
聖獣と争って食べるほど美味しいんだってしっかりアピールできたわ。
「私を悪食令嬢と罵ることは、私の作った料理を美味しいとおっしゃった殿下を貶める行為……不敬と受け取られても仕方ありませんわよ?」
よし、これでトドメだ!
虎の威を借る狐ならぬ、殿下の威光を借る公爵令嬢ってところだけど、初対面で殿下が私を「悪食令嬢」呼ばわりしたことの非礼をこれでチャラにしたってことで許してほしい。
「な……っ! ふ、不敬だなんて、わ、私、そんなつもりでは……!」
先輩令嬢たちは青ざめた顔でカタカタと震えていた。
「ああ、今後はラースを召し上がられるのは家畜の餌を貪る行為だと、ある方に忠告されたのでもうお出しできませんと殿下にお断りした方がよろしいでしょうか? そうだわ、お名前を伺っても?」
にーっこりと笑顔で問いかけながら進み出ると、先輩令嬢たちはビクッとして私との距離を保つように後退った。
「ひっ! そ、そんな、そんなことはなさらなくてもよろしくてよ! 美味しいのでしたら、お好きなだけ召し上がられたらいかがかしら⁉︎ ああっ、授業に遅れてしまいますわね、し、失礼いたしますわ!」
「あ、お名前を……」
「名乗るほどの者ではございませんわあああぁ!」
引き留めようとするも、あっという間に廊下の角を曲がって姿が見えなくなってしまった。
「……いっちゃった」
肩をすくめて振り返ると、皆がぽかんとした顔で私を見ていた。
え、なにその反応。
「アリシア様、大丈夫でしたか?」
何はさておき、アリシア様の無事を確認しないとね。
「え、ええ。私は大丈夫ですわ……」
「よかった!」
「あの、クリステア様は大丈夫なのですか?」
「え?」
何が? きっちり追い返したし、全くのノーダメージなんだけど。
それに、殿下もラース……ごはんを召し上がられると聞いたからにはもう悪食令嬢なんて揶揄されることもなくなるだろうし。
大成功ってやつじゃない?
私がそう言うと、マリエルちゃんがあちゃーって顔をして私を見た。
え? 何かダメだった?
「あのですね、クリステアさん。先ほどの発言は殿下を夕食にご招待してクリステアさんの手料理を振る舞うほど親密な仲だと言っているようなものかと……」
「えっ?」
え、あれ? え? ちょっと待って?
「私、そんなつもりで言ったわけじゃ……」
「つもりはなくても、そのように聞こえましたわよ? 私はまあ……昨日誤解だとわかりましたのでクリステア様のことを信じますけれど」
アリシア様が呆れたように言った。
昨日の今日で誤解を招くような発言をしたのに……アリシア様、優しい!
「……もしかして、不用意な発言だったかしら?」
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