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許さないんだから!
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夕食後、皆で片付けを分担して手早く終わらせてから男子寮に戻るお兄様たちを見送った。
あの後、二人とも「いいからいいから」と言いながら後片付けまで手伝ってくださったのよね……王太子殿下に皿洗いさせた私は不敬罪に問われたりしない? 大丈夫?
王太子殿下に皿洗いさせて不敬罪に問われる公爵令嬢とか、意味不明なんだけど……
ちなみに、レイモンド王太子殿下はうっかりお皿を落として割ってしまって、慌てて「弁償する!」と金貨を出してきたので断るのに苦労したよ……
弁償するというお気持ちだけいただいて、お引き取り願った。
特別寮にある食器類は、お手伝い初心者の皆がガンガン割ってしまったこともあり、マリエルちゃんのお父様が経営しているメイヤー商会に手配していただいたお値打ち価格の量産品を大量購入しているので問題ない。
聖獣の皆様は器用だから食器の扱いはすぐに慣れたけど、ついつい力加減を間違えてうっかりヒビや欠けが……なんてこともあるし、ごく稀に余ったおかずを器に盛ってマジックボックスやインベントリに収納することもあるので、気兼ねなく使える安価なものに切り替えたのだ。
だから、金貨一枚なんて貰いすぎになっちゃうからいただけないよ。
別れ際お兄様にくれぐれもレイモンド王太子殿下が暴走して買ってきたりしないようにと念押ししておいたのできっと大丈夫だと信じたい。
お見送りを終えて、自室に戻ろうと階段に向かうと、ルビィが階段の手すりに座って待ち構えていた。
「クリステア、今ちょっといいかしら?」
「ルビィ? いいけど……ここで立ち話も何だから部屋に行きましょうか」
私がそう言ってルビィを抱き抱えると、私の背後にいた黒銀と真白から不穏な気配を察知した。
「カーバンクル風情が主に抱かれるなどと……!」
「くりすてあのだっこは、おれのとっけんなのに……!」
いやいやいや。
まったくもう、二人の独占欲の強さは相変わらずなんだから。
二人に釘を刺しておこうと思った矢先に、ルビィが大きな耳をピピッと震わせ上機嫌で言った。
「……あらぁ? どこからか激しい嫉妬を帯びた魔力を感じるわねぇ? うふふ、ゾクゾクして楽しいわぁ」
……ルビィの強心臓を緊張で噛み噛みになるマリエルちゃんに分けてあげてほしい。
自室に戻った私たちは、ミリアにお茶を頼んでソファに座った。
「それで……マリエルさん抜きで一体何のお話かしら?」
ルビィには野菜スティック、黒銀と真白にはどら焼きを出してあげてながら聞いた。
「うふふ、まあ大したことじゃないんだけど、さっきの話でちょーっとアナタの耳に入れておきたいことがあってね」
「さっきのって……」
「アナタやマリエルが狙われてるって話よ」
「ああ……」
トリ……トリ……さっき聞いたばかりなのになぁ。えーと、もうトリなんたらでいいや。
トリなんたらをはじめとして私やマリエルちゃんを取り込もうと画策してるって話よね。
そ新興貴族で男爵令嬢のマリエルちゃんは婚約者ならいざしらず、妾にしてやろうなどという不心得者もいるらしい。
「実際にサロン棟のロビーで揉めていたときもトリニアンのようなヘマをしないよう気をつけつつ、どうにかしてアナタたちと接触して自分たちの家に取り込めないか? なーんて考えてる子たちがいたもの」
げげ、トリなんたら以外にもやっぱりいたんだ。
「今日は女子会を優先したからあのまま放置したんだけど、今夜にでも偵察に行ってアナタのお兄様にその子たちの情報を流すつもりよ」
ルビィはそう言って人参スティックをぽりぽりと齧る。
「あ……ありがとうございます。でも、無理はしないで、ほどほどにしておいてくださいね。ルビィが誰かに危害を加えたりしたことがバレたら、主人であるマリエルさんが罰せられますからね」
「わかってるわよ。ワタシの姿は認識阻害魔法で見えないようにするし、アナタのお兄様にちょこ~っとだけ不利な情報を流すだけよ」
ルビィが設定している「ちょこっとだけ」のレベルが低いことを祈りつつ、頷いた。
私やマリエルちゃんには頼りになる聖獣がいるのだけれど、逆に過剰防衛になりやしないかとハラハラするので本当に、本当にほどほどにしてほしい。
「ああ、あと他にもね、アリーはアナタに負けたようだから、もはや敵ではない。だからこの機会に潰してやれ、なんて考えてるのもいたわよ」
「な……アリシア様を潰すですって⁉︎」
思わず立ち上がりそうになったけれど、膝に真白を載せていたのに気づいてかろうじて堪えた。
「うーん、学年を表すリボンの色がアナタたちとは違ったからきっと上級生ね」
「上級生……」
レイモンド王太子殿下の年齢を考えれば、アリシア様以外にも候補に挙がっているご令嬢は何人もいるだろうから、きっとその中のどなたかなのだろう。
私は婚約者候補なんて前々から否定しているし、アリシア様とお友達になって、漸く誤解がとけたと喜んでいたのに。
「やっとアリシア様と仲良くなれたばかりなのに……、貴族って、本当にめんどくさい……」
「ほんと、そうよねぇ。それで、言っておくけど、アナタたちはワタシたちで護るにしても、アリーまで護りきるのは無理よ」
「えっ」
「えっ、じゃないわよ。ワタシたちはあくまでも契約した主人を護るの。その周囲にいるのはオマケでしかないの。主人を悲しませないために多少動くことはあってもオマケを守って主人を護りきれなかったんじゃお話にならないもの」
「う……」
ルビィの言い分はもっともだ。
黒銀や真白もルビィの言葉にうんうんと頷いている。
「だからね、アリーには警戒するように伝えなさい。アリーなら相手も見当がつくでしょうからうまいことやるわよ」
「わかりました」
「マリエルに忠告させようと思ったけど『私ごときがそんなことアリシア様に言えるわけない!』って頑なに拒むから……」
じゃあよろしくね、と言ってルビィはソファからピョンと降り、帰っていった。
主人以外は護りきれないと言ってたけれど、こうして忠告してくれるあたり、アリシア様のこと気に入ってるんだろうなぁ。
それにしても、アリシア様を潰す……?
せっかくできたばかりのお友達を酷い目に合わせようなんて許さないんだから!
---------------------------
いつもコメントandエールポチッとありがとうございます!
励みになっておりますー!
あの後、二人とも「いいからいいから」と言いながら後片付けまで手伝ってくださったのよね……王太子殿下に皿洗いさせた私は不敬罪に問われたりしない? 大丈夫?
王太子殿下に皿洗いさせて不敬罪に問われる公爵令嬢とか、意味不明なんだけど……
ちなみに、レイモンド王太子殿下はうっかりお皿を落として割ってしまって、慌てて「弁償する!」と金貨を出してきたので断るのに苦労したよ……
弁償するというお気持ちだけいただいて、お引き取り願った。
特別寮にある食器類は、お手伝い初心者の皆がガンガン割ってしまったこともあり、マリエルちゃんのお父様が経営しているメイヤー商会に手配していただいたお値打ち価格の量産品を大量購入しているので問題ない。
聖獣の皆様は器用だから食器の扱いはすぐに慣れたけど、ついつい力加減を間違えてうっかりヒビや欠けが……なんてこともあるし、ごく稀に余ったおかずを器に盛ってマジックボックスやインベントリに収納することもあるので、気兼ねなく使える安価なものに切り替えたのだ。
だから、金貨一枚なんて貰いすぎになっちゃうからいただけないよ。
別れ際お兄様にくれぐれもレイモンド王太子殿下が暴走して買ってきたりしないようにと念押ししておいたのできっと大丈夫だと信じたい。
お見送りを終えて、自室に戻ろうと階段に向かうと、ルビィが階段の手すりに座って待ち構えていた。
「クリステア、今ちょっといいかしら?」
「ルビィ? いいけど……ここで立ち話も何だから部屋に行きましょうか」
私がそう言ってルビィを抱き抱えると、私の背後にいた黒銀と真白から不穏な気配を察知した。
「カーバンクル風情が主に抱かれるなどと……!」
「くりすてあのだっこは、おれのとっけんなのに……!」
いやいやいや。
まったくもう、二人の独占欲の強さは相変わらずなんだから。
二人に釘を刺しておこうと思った矢先に、ルビィが大きな耳をピピッと震わせ上機嫌で言った。
「……あらぁ? どこからか激しい嫉妬を帯びた魔力を感じるわねぇ? うふふ、ゾクゾクして楽しいわぁ」
……ルビィの強心臓を緊張で噛み噛みになるマリエルちゃんに分けてあげてほしい。
自室に戻った私たちは、ミリアにお茶を頼んでソファに座った。
「それで……マリエルさん抜きで一体何のお話かしら?」
ルビィには野菜スティック、黒銀と真白にはどら焼きを出してあげてながら聞いた。
「うふふ、まあ大したことじゃないんだけど、さっきの話でちょーっとアナタの耳に入れておきたいことがあってね」
「さっきのって……」
「アナタやマリエルが狙われてるって話よ」
「ああ……」
トリ……トリ……さっき聞いたばかりなのになぁ。えーと、もうトリなんたらでいいや。
トリなんたらをはじめとして私やマリエルちゃんを取り込もうと画策してるって話よね。
そ新興貴族で男爵令嬢のマリエルちゃんは婚約者ならいざしらず、妾にしてやろうなどという不心得者もいるらしい。
「実際にサロン棟のロビーで揉めていたときもトリニアンのようなヘマをしないよう気をつけつつ、どうにかしてアナタたちと接触して自分たちの家に取り込めないか? なーんて考えてる子たちがいたもの」
げげ、トリなんたら以外にもやっぱりいたんだ。
「今日は女子会を優先したからあのまま放置したんだけど、今夜にでも偵察に行ってアナタのお兄様にその子たちの情報を流すつもりよ」
ルビィはそう言って人参スティックをぽりぽりと齧る。
「あ……ありがとうございます。でも、無理はしないで、ほどほどにしておいてくださいね。ルビィが誰かに危害を加えたりしたことがバレたら、主人であるマリエルさんが罰せられますからね」
「わかってるわよ。ワタシの姿は認識阻害魔法で見えないようにするし、アナタのお兄様にちょこ~っとだけ不利な情報を流すだけよ」
ルビィが設定している「ちょこっとだけ」のレベルが低いことを祈りつつ、頷いた。
私やマリエルちゃんには頼りになる聖獣がいるのだけれど、逆に過剰防衛になりやしないかとハラハラするので本当に、本当にほどほどにしてほしい。
「ああ、あと他にもね、アリーはアナタに負けたようだから、もはや敵ではない。だからこの機会に潰してやれ、なんて考えてるのもいたわよ」
「な……アリシア様を潰すですって⁉︎」
思わず立ち上がりそうになったけれど、膝に真白を載せていたのに気づいてかろうじて堪えた。
「うーん、学年を表すリボンの色がアナタたちとは違ったからきっと上級生ね」
「上級生……」
レイモンド王太子殿下の年齢を考えれば、アリシア様以外にも候補に挙がっているご令嬢は何人もいるだろうから、きっとその中のどなたかなのだろう。
私は婚約者候補なんて前々から否定しているし、アリシア様とお友達になって、漸く誤解がとけたと喜んでいたのに。
「やっとアリシア様と仲良くなれたばかりなのに……、貴族って、本当にめんどくさい……」
「ほんと、そうよねぇ。それで、言っておくけど、アナタたちはワタシたちで護るにしても、アリーまで護りきるのは無理よ」
「えっ」
「えっ、じゃないわよ。ワタシたちはあくまでも契約した主人を護るの。その周囲にいるのはオマケでしかないの。主人を悲しませないために多少動くことはあってもオマケを守って主人を護りきれなかったんじゃお話にならないもの」
「う……」
ルビィの言い分はもっともだ。
黒銀や真白もルビィの言葉にうんうんと頷いている。
「だからね、アリーには警戒するように伝えなさい。アリーなら相手も見当がつくでしょうからうまいことやるわよ」
「わかりました」
「マリエルに忠告させようと思ったけど『私ごときがそんなことアリシア様に言えるわけない!』って頑なに拒むから……」
じゃあよろしくね、と言ってルビィはソファからピョンと降り、帰っていった。
主人以外は護りきれないと言ってたけれど、こうして忠告してくれるあたり、アリシア様のこと気に入ってるんだろうなぁ。
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