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善は急げ⁉︎
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授業が終わると、私たちはすぐに特別寮に戻って教材などを部屋に置いてからダミーの手荷物を持ち、正門へ急いだ。
前回同様、ミリアが手配していた我が家の馬車に乗り込み、屋敷へ向かった。
「うふふ、いよいよねぇ。楽しみだわぁ」
ルビィがウキウキとした声でマリエルちゃんの膝の上に座って脚をパタパタさせている。
「私は憂鬱でしかたないです……」
マリエルちゃんが落ち着かない様子でルビィの頭を撫でている。
「んもう、マリエルったら。いい加減腹括りなさいよね!」
ルビィはそう言うけれど、前世では命を賭けた闘いや命を奪うための武器というものに縁のない暮らしをしていた元日本人仲間としてはマリエルちゃんの気持ちがよくわかる。
私も今まで人に対して魔法攻撃したことがないので、いざという時に身を守るためとはいえ攻撃できるかというと自信がない。
障壁とか咄嗟に身を守ることはできるかもしれないけれど、明確な意思を持って人を傷つけたり殺めたりすることは難しいと思う。
そして、つい黒銀や真白にも人を傷つけてはいけないと言ってしまう。
けれど、本当は彼らにそれを強いてはいけないのだということもわかっている。
私を護るためなのだから。
私を悲しませないように我慢して、結果、二人に無理をさせているのはわかっている。
私のこだわりで二人を失うことになってはならないのに、前世の意識が待ったをかけてしまう。
私って、本当に甘ちゃんでダメな主人だわ。
ルビィは自分だけでマリエルちゃんを護れるとは思っていないから彼女に厳しいのかもしれない。
自分で自分の身を守れるようにしなさいよって。
私も、いざという時には黒銀と真白を助けられるくらい強くならなきゃ。
足手まといにはなりたくないもの。
『……くりすてあ?』
私を呼ぶ声に反応して視線を下ろすと、聖獣の姿で膝に抱かれていた真白が私を見上げていた。
「ん、なぁに? 真白」
ルビィとマリエルちゃんを見つめていたからやきもちかな? と思い、頭を撫でてあげると、真白はすりすりと頭を寄せてくるようにして気持ちよさそうに目を閉じる。
『……んーん、なんでもない。くりすてあは、おれがまもるから、あんしんしてね?』
う、もしや、私の決意が見透かされてる?
私も二人の主人としては頼りないから、頑張らないとなぁ……
差し当たり何をすれば良いのかわからないまま、悩む私たちを乗せた馬車は屋敷へ向かうのだった。
前回のようにお父様とお母様の出迎えはなかったものの、到着してすぐにお茶の用意ができていると言われ応接室に通された。
「おかえり、クリステア」
「おかえりなさい」
部屋に入って間もなく、お父様たちがやってきた。
「ただいま帰りました」
「お邪魔しております。今回もお世話になります」
「おっ、お邪魔してます! おおお世話になります!」
セイとマリエルちゃんがスッと立ち上がり挨拶すると、お父様は「よく来た」とにこやかに答え二人に座るよう促し、お母様とソファに座った。
「二人とも、クリステアがいつも世話になっているのだからここでは我が家のようにくつろいでくれたまえ」
「ありがとうございます」
「ああありがとうごじゃ、ござい、ます!」
マリエルちゃん……そろそろ慣れてもいいと思うよ?
「さて、ガルバノから注文していた品ができたと連絡が届いたわけだが……」
お父様の話によると、ティリエさん経由でお父様宛に直接魔導電話がかかってきたそうで。
「完成した魔導具の試運転のために、我が家の修練場を使いたいと言われたのだが……クリステア、其方らは一体何を作ったのだ? ルビィ様の身を飾るための杖を作ったのではなかったのか?」
うおっと。しまった、お父様にはルビィのおしゃれのためのステッキを作るとしか言ってなかった気がする。
てっきりこの手のことはお兄様が報告しているものとばかり思っていたから、気にもしていなかったのよね。
もしかしたら、お兄様はマリエルちゃんとルビィの注文品だから、報告していなかったのかもしれない。
「ええと、杖をお願いしたのですけど、使う素材が上質なものだったので、護身用の武器にもなるようにと、おじさまが……」
そこまで言うとお父様が眉間に皺を寄せて額に手を当てて大きなため息をついた。
「なるほどな……ティリエのやつ、大興奮ですごいものができた、週末には館に行くから修練場を使わせろと言いたいことだけ伝えて通信を切ったものだから、さっぱり要領を得なくてな……」
ティリエさん、あの時いなかったからどんなものか知らなかったんだろうなぁ。
きっとおじさまから現物を見せられて自分も試運転に立ち会いたいと思ったに違いない。
「まあいい。来るなと言ってもくるのが奴だ。暴走を止めるために私も同行しよう」
えっ?
「お、お父様もいらっしゃるのですか?」
「うむ。我が家の修練場を使うのであれば其方のような子供だけではなく我が家の関係者が立ち会わねばなるまい。加えて聖獣様に関わることとなれば私が適任であろう」
あー、ね。まあ確かにそうかもしれないけど……おじさまの店の裏庭で試運転せずに、我が家の広い修練場を使うような武器、なんですよね?
……お父様に叱られる未来しか見えないんですが。
いやいや。今回は私のじゃないから大丈夫だよね?
……だよね?
その日はそのまま王都の屋敷で夕食をいただき、就寝。
ちなみにふるっふるのスフレオムレツをナイフで切り開いてからいただくオムライスが出たので、マリエルちゃんもセイもすごく嬉しそうだった。
スフレタイプのオムレツなんて作って見せたことないのに、料理長の応用力が半端ない。
やるわね、料理長……!
翌朝。いつも通り早起きして朝ヨガを済ませた私は、朝食の前に黒銀と真白をお供に敷地内の小さな森へ採取に出かけた。
以前はスルーしていたけれど、魔法薬に使える薬草かあちこちに生えていたなと思い出したからだ。
「あっ、あった。ここにも!」
王都の屋敷では警備の兵たちが訓練に使っていることもあり、あまり敷地内で採取していなかったのよね。
薬草園が作れたらいいのだけれど、薬草によっては薬効が低くなるものがあり、自然に生えたものを採取するほうが良いとされている。
だから、学園内でも採取のために森を維持しているのだ。
もしかしたら、歴代のエリスフィード家の子どもたちはアデリア学園在籍中ここで薬草を採取したこともあるかもしれないわね。
まあ、卒業後も使えるわけだし私も根こそぎ取らないようにして増やす方法を考えよう。
マリエルちゃんたちも今度泊まりがけで採取にくるのも楽しいかも。
そんなことを考えながら、ある程度の量を確保した私は屋敷に戻るのだった。
朝食後、お父様の引率で転移部屋へ移動し、領地の館へ転移したら、ティリエさんたちがすでに待ち構えていた。
「あっクリステアちゃん! 来たわよ~!」
応接室でくつろぎながら紅茶を飲んでいたティリエさんがひらひらと私たちに向かって手を振る。
「またお前はこんなに早い時間に……」
ティリエさんは渋面を隠さないお父様を気にすることなく「まあいいじゃない。善は急げってね」とウインクした。強い。
ガルバノおじさまはいつも通り「おう、早くにすまんな」とお父様に誤りながらも、メイドに「酒はないか?」と朝から無茶振りしていた。通常運転過ぎる。
だけど、オーウェンさんは無精髭をさっぱりと剃り落とし、小綺麗な格好でソワソワと部屋の中を見渡していた。
「其方は?」
「私は魔導具師としてこの領地内に店を構えております、オーウェンと申します。お見知り置きを」
お父様がちらりとオーウェンさんに視線を送ると、バッと立ち上がり、貴族の礼で挨拶した。結構さまになっている。
「魔導具師オーウェン……その名は聞いたことがある。我が家でも其方の魔導具は重宝している。今後も精進するといい」
「はっ、ありがとうございます」
お父様は緊張した様子のオーウェンさんがソファに座るのを眺めながら「魔導具狂いか」とぼそりとつぶやいたのが聞こえた。
魔導具狂いって二つ名のついたオーウェンさんって、そんなに有名なのだろうか……
「それで? 試運転したいという魔導具はどれだ?」
お父様がそう言うと、ルビィが「ちょっと待ちなさいよ!」とマリエルちゃんの影から飛び出してきた。
ティリエさんが「えっ! 何このうさぎ……じゃない⁉︎ ちょ、もしかして噂のカーバンクル⁉︎」と驚いていたけれど、お父様が手を上げてそれを制し、ルビィを見つめた。
「ルビィ様、何か?」
「何か、じゃないわよ。あのねぇ、これはワタシが頼んだものよ。まず私に見せるのが道理でしょうが」
ルビィがお父様の前に立ち、ダンダン! と床を踏み鳴らす。
「ふむ。確かに。これは私の落ち度でしたな。しかし、我が家の修練場を使うのであれば私も責任者としてどんなものか検分する必要がございます」
「……ふーん、一理あるわね。まあいいわ。オーウェン、完成したものをお見せなさいな」
ルビィがテシテシと軽く足でリズムをとりながら納得し、くるりと振り向いてオーウェンさんに命令した。
「はい! こちらです!」
オーウェンさんがソファの脇に置いていたトランクから木箱を取り出し、パカリと蓋を開けると、布張りの箱の中には色とりどりの魔石が使われた美しい杖が鎮座していた。
---------------------------
申し訳ありません、長くなりそうなので続きはまた次回に……!
二月八日に無事文庫版「転生令嬢は庶民の味に飢えている」四巻が発売されました!
文庫版は巻末に書き下ろし番外編が収録されております。
四巻はあざとかわいいもふもふ視点のお話ですよ~( ´ ▽ ` )
ちなみに一巻はミリア、二巻はティリエさん、三巻はマリエル視点の書き下ろしが収録されております。
これらが読めるのは文庫版だけですのでぜひぜひ~!
前回同様、ミリアが手配していた我が家の馬車に乗り込み、屋敷へ向かった。
「うふふ、いよいよねぇ。楽しみだわぁ」
ルビィがウキウキとした声でマリエルちゃんの膝の上に座って脚をパタパタさせている。
「私は憂鬱でしかたないです……」
マリエルちゃんが落ち着かない様子でルビィの頭を撫でている。
「んもう、マリエルったら。いい加減腹括りなさいよね!」
ルビィはそう言うけれど、前世では命を賭けた闘いや命を奪うための武器というものに縁のない暮らしをしていた元日本人仲間としてはマリエルちゃんの気持ちがよくわかる。
私も今まで人に対して魔法攻撃したことがないので、いざという時に身を守るためとはいえ攻撃できるかというと自信がない。
障壁とか咄嗟に身を守ることはできるかもしれないけれど、明確な意思を持って人を傷つけたり殺めたりすることは難しいと思う。
そして、つい黒銀や真白にも人を傷つけてはいけないと言ってしまう。
けれど、本当は彼らにそれを強いてはいけないのだということもわかっている。
私を護るためなのだから。
私を悲しませないように我慢して、結果、二人に無理をさせているのはわかっている。
私のこだわりで二人を失うことになってはならないのに、前世の意識が待ったをかけてしまう。
私って、本当に甘ちゃんでダメな主人だわ。
ルビィは自分だけでマリエルちゃんを護れるとは思っていないから彼女に厳しいのかもしれない。
自分で自分の身を守れるようにしなさいよって。
私も、いざという時には黒銀と真白を助けられるくらい強くならなきゃ。
足手まといにはなりたくないもの。
『……くりすてあ?』
私を呼ぶ声に反応して視線を下ろすと、聖獣の姿で膝に抱かれていた真白が私を見上げていた。
「ん、なぁに? 真白」
ルビィとマリエルちゃんを見つめていたからやきもちかな? と思い、頭を撫でてあげると、真白はすりすりと頭を寄せてくるようにして気持ちよさそうに目を閉じる。
『……んーん、なんでもない。くりすてあは、おれがまもるから、あんしんしてね?』
う、もしや、私の決意が見透かされてる?
私も二人の主人としては頼りないから、頑張らないとなぁ……
差し当たり何をすれば良いのかわからないまま、悩む私たちを乗せた馬車は屋敷へ向かうのだった。
前回のようにお父様とお母様の出迎えはなかったものの、到着してすぐにお茶の用意ができていると言われ応接室に通された。
「おかえり、クリステア」
「おかえりなさい」
部屋に入って間もなく、お父様たちがやってきた。
「ただいま帰りました」
「お邪魔しております。今回もお世話になります」
「おっ、お邪魔してます! おおお世話になります!」
セイとマリエルちゃんがスッと立ち上がり挨拶すると、お父様は「よく来た」とにこやかに答え二人に座るよう促し、お母様とソファに座った。
「二人とも、クリステアがいつも世話になっているのだからここでは我が家のようにくつろいでくれたまえ」
「ありがとうございます」
「ああありがとうごじゃ、ござい、ます!」
マリエルちゃん……そろそろ慣れてもいいと思うよ?
「さて、ガルバノから注文していた品ができたと連絡が届いたわけだが……」
お父様の話によると、ティリエさん経由でお父様宛に直接魔導電話がかかってきたそうで。
「完成した魔導具の試運転のために、我が家の修練場を使いたいと言われたのだが……クリステア、其方らは一体何を作ったのだ? ルビィ様の身を飾るための杖を作ったのではなかったのか?」
うおっと。しまった、お父様にはルビィのおしゃれのためのステッキを作るとしか言ってなかった気がする。
てっきりこの手のことはお兄様が報告しているものとばかり思っていたから、気にもしていなかったのよね。
もしかしたら、お兄様はマリエルちゃんとルビィの注文品だから、報告していなかったのかもしれない。
「ええと、杖をお願いしたのですけど、使う素材が上質なものだったので、護身用の武器にもなるようにと、おじさまが……」
そこまで言うとお父様が眉間に皺を寄せて額に手を当てて大きなため息をついた。
「なるほどな……ティリエのやつ、大興奮ですごいものができた、週末には館に行くから修練場を使わせろと言いたいことだけ伝えて通信を切ったものだから、さっぱり要領を得なくてな……」
ティリエさん、あの時いなかったからどんなものか知らなかったんだろうなぁ。
きっとおじさまから現物を見せられて自分も試運転に立ち会いたいと思ったに違いない。
「まあいい。来るなと言ってもくるのが奴だ。暴走を止めるために私も同行しよう」
えっ?
「お、お父様もいらっしゃるのですか?」
「うむ。我が家の修練場を使うのであれば其方のような子供だけではなく我が家の関係者が立ち会わねばなるまい。加えて聖獣様に関わることとなれば私が適任であろう」
あー、ね。まあ確かにそうかもしれないけど……おじさまの店の裏庭で試運転せずに、我が家の広い修練場を使うような武器、なんですよね?
……お父様に叱られる未来しか見えないんですが。
いやいや。今回は私のじゃないから大丈夫だよね?
……だよね?
その日はそのまま王都の屋敷で夕食をいただき、就寝。
ちなみにふるっふるのスフレオムレツをナイフで切り開いてからいただくオムライスが出たので、マリエルちゃんもセイもすごく嬉しそうだった。
スフレタイプのオムレツなんて作って見せたことないのに、料理長の応用力が半端ない。
やるわね、料理長……!
翌朝。いつも通り早起きして朝ヨガを済ませた私は、朝食の前に黒銀と真白をお供に敷地内の小さな森へ採取に出かけた。
以前はスルーしていたけれど、魔法薬に使える薬草かあちこちに生えていたなと思い出したからだ。
「あっ、あった。ここにも!」
王都の屋敷では警備の兵たちが訓練に使っていることもあり、あまり敷地内で採取していなかったのよね。
薬草園が作れたらいいのだけれど、薬草によっては薬効が低くなるものがあり、自然に生えたものを採取するほうが良いとされている。
だから、学園内でも採取のために森を維持しているのだ。
もしかしたら、歴代のエリスフィード家の子どもたちはアデリア学園在籍中ここで薬草を採取したこともあるかもしれないわね。
まあ、卒業後も使えるわけだし私も根こそぎ取らないようにして増やす方法を考えよう。
マリエルちゃんたちも今度泊まりがけで採取にくるのも楽しいかも。
そんなことを考えながら、ある程度の量を確保した私は屋敷に戻るのだった。
朝食後、お父様の引率で転移部屋へ移動し、領地の館へ転移したら、ティリエさんたちがすでに待ち構えていた。
「あっクリステアちゃん! 来たわよ~!」
応接室でくつろぎながら紅茶を飲んでいたティリエさんがひらひらと私たちに向かって手を振る。
「またお前はこんなに早い時間に……」
ティリエさんは渋面を隠さないお父様を気にすることなく「まあいいじゃない。善は急げってね」とウインクした。強い。
ガルバノおじさまはいつも通り「おう、早くにすまんな」とお父様に誤りながらも、メイドに「酒はないか?」と朝から無茶振りしていた。通常運転過ぎる。
だけど、オーウェンさんは無精髭をさっぱりと剃り落とし、小綺麗な格好でソワソワと部屋の中を見渡していた。
「其方は?」
「私は魔導具師としてこの領地内に店を構えております、オーウェンと申します。お見知り置きを」
お父様がちらりとオーウェンさんに視線を送ると、バッと立ち上がり、貴族の礼で挨拶した。結構さまになっている。
「魔導具師オーウェン……その名は聞いたことがある。我が家でも其方の魔導具は重宝している。今後も精進するといい」
「はっ、ありがとうございます」
お父様は緊張した様子のオーウェンさんがソファに座るのを眺めながら「魔導具狂いか」とぼそりとつぶやいたのが聞こえた。
魔導具狂いって二つ名のついたオーウェンさんって、そんなに有名なのだろうか……
「それで? 試運転したいという魔導具はどれだ?」
お父様がそう言うと、ルビィが「ちょっと待ちなさいよ!」とマリエルちゃんの影から飛び出してきた。
ティリエさんが「えっ! 何このうさぎ……じゃない⁉︎ ちょ、もしかして噂のカーバンクル⁉︎」と驚いていたけれど、お父様が手を上げてそれを制し、ルビィを見つめた。
「ルビィ様、何か?」
「何か、じゃないわよ。あのねぇ、これはワタシが頼んだものよ。まず私に見せるのが道理でしょうが」
ルビィがお父様の前に立ち、ダンダン! と床を踏み鳴らす。
「ふむ。確かに。これは私の落ち度でしたな。しかし、我が家の修練場を使うのであれば私も責任者としてどんなものか検分する必要がございます」
「……ふーん、一理あるわね。まあいいわ。オーウェン、完成したものをお見せなさいな」
ルビィがテシテシと軽く足でリズムをとりながら納得し、くるりと振り向いてオーウェンさんに命令した。
「はい! こちらです!」
オーウェンさんがソファの脇に置いていたトランクから木箱を取り出し、パカリと蓋を開けると、布張りの箱の中には色とりどりの魔石が使われた美しい杖が鎮座していた。
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申し訳ありません、長くなりそうなので続きはまた次回に……!
二月八日に無事文庫版「転生令嬢は庶民の味に飢えている」四巻が発売されました!
文庫版は巻末に書き下ろし番外編が収録されております。
四巻はあざとかわいいもふもふ視点のお話ですよ~( ´ ▽ ` )
ちなみに一巻はミリア、二巻はティリエさん、三巻はマリエル視点の書き下ろしが収録されております。
これらが読めるのは文庫版だけですのでぜひぜひ~!
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