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【王太子視点】この出会いは必然か6
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カレーを食べ終え、皆にデザートが配られた。
「これは…氷菓か?この暑い時期によく用意したな。」
器までひんやりと凍っている。溶けにくいようにという配慮だろうか。細部にまで気を配っているのだな…。
「魔法で冷やしながら作り、即座にインベントリに入れておきましたから…。冷たさはできた時のままですわ。」
「そうか、お前インベントリ持ちだったな。お前の歳では珍しい能力だな。」
わずか9歳でインベントリに加え、水魔法の応用である氷魔法まで巧みに操るとは…入学したら教師どもが大騒ぎするかもしれんな。
そんなことを考えながらあいすくりーむとやらを口にした。
む…美味い。さっきまでの熱が嘘のようにすうっと引いていく…。甘さも控えめでいくらでもいけそうだ。
…ふむ、この緑色がマッチャ、白いのがばにらで?はちみつを?ほう?やってみよう。おかわり…ない?冷たいものの食べ過ぎはよくない?
…俺の身体を気遣ってのことか…わかった。また今度食べさせてくれ。
翌朝もクリステア嬢自らが作った朝食を振舞ってくれた。サンドイッチという、様々な具をパンで挟むというものだった。
まず驚いたのがパンだ。手に取ると極上のベッドのようにふんわりと柔らかい。これもクリステア嬢が開発したという。このパンはいい。レシピを売って貰おう。
中に挟まっている具も素晴らしい。
卵とマヨネーズの相性は抜群だな。野菜とハムのも美味かった。生のトマトが甘くて美味いなんて衝撃だった。
それに照り焼きとやらが、今まで食べたことない美味さだった。あれはまた食べたい。
食後はノーマンとクリステア嬢の3人で紅茶を楽しみながら会話することにした。なんだかんだでクリステア嬢とあまり会話できていないからな。
お茶受けとして出された焼き菓子もクリステア嬢が焼いたものらしい。刻んだ木の実が混ぜ込まれていて、サクサクとした食感も、香ばしさも素晴らしい。あとを引く美味さだな。
「ひゃっ!?」
ん?クリステア嬢、どうした?さっきから浮かない顔をしていたと思ったらいきなり…。そうか、朝食を作るために早起きをして、体調を崩したと…俺たちのために無理をさせたんだな、すまない。ゆっくり休んでくれ…あ、また会話できなかった…。
「…レイ殿下、クリステアに変なちょっかいをかけないでくださいね?ただでさえ貴方は惚れっぽいんですから。クリステアには誠実で包容力のある男と結婚させますので殿下には手を出させませんよ?」
「おい、俺は…。」
「初対面の日のこと、忘れてませんよ?」
「…あれは、その、若気の至りってやつだろ…。」
「貴方まだ13歳でしょうが…。とにかく、殿下だろうとクリステアにちょっかいは許しません。」
…目下のところ、ノーマンが一番の障害か…なんともでかい障害だな。…さらに後衛にはエリスフィード公爵という、かなりでかい障害が控えているわけだが。
「まあ、殿下の場合、度重なる失言をどうにかしないことには権力狙いのご令嬢くらいしか落とすことは難しいかと存じますがね。」
フッと鼻で笑いながら俺をみるノーマン。ぐっ…図星なだけに何も言えん。
しかし、言いたい放題だな。このシスコンめ…っ!
「これは…氷菓か?この暑い時期によく用意したな。」
器までひんやりと凍っている。溶けにくいようにという配慮だろうか。細部にまで気を配っているのだな…。
「魔法で冷やしながら作り、即座にインベントリに入れておきましたから…。冷たさはできた時のままですわ。」
「そうか、お前インベントリ持ちだったな。お前の歳では珍しい能力だな。」
わずか9歳でインベントリに加え、水魔法の応用である氷魔法まで巧みに操るとは…入学したら教師どもが大騒ぎするかもしれんな。
そんなことを考えながらあいすくりーむとやらを口にした。
む…美味い。さっきまでの熱が嘘のようにすうっと引いていく…。甘さも控えめでいくらでもいけそうだ。
…ふむ、この緑色がマッチャ、白いのがばにらで?はちみつを?ほう?やってみよう。おかわり…ない?冷たいものの食べ過ぎはよくない?
…俺の身体を気遣ってのことか…わかった。また今度食べさせてくれ。
翌朝もクリステア嬢自らが作った朝食を振舞ってくれた。サンドイッチという、様々な具をパンで挟むというものだった。
まず驚いたのがパンだ。手に取ると極上のベッドのようにふんわりと柔らかい。これもクリステア嬢が開発したという。このパンはいい。レシピを売って貰おう。
中に挟まっている具も素晴らしい。
卵とマヨネーズの相性は抜群だな。野菜とハムのも美味かった。生のトマトが甘くて美味いなんて衝撃だった。
それに照り焼きとやらが、今まで食べたことない美味さだった。あれはまた食べたい。
食後はノーマンとクリステア嬢の3人で紅茶を楽しみながら会話することにした。なんだかんだでクリステア嬢とあまり会話できていないからな。
お茶受けとして出された焼き菓子もクリステア嬢が焼いたものらしい。刻んだ木の実が混ぜ込まれていて、サクサクとした食感も、香ばしさも素晴らしい。あとを引く美味さだな。
「ひゃっ!?」
ん?クリステア嬢、どうした?さっきから浮かない顔をしていたと思ったらいきなり…。そうか、朝食を作るために早起きをして、体調を崩したと…俺たちのために無理をさせたんだな、すまない。ゆっくり休んでくれ…あ、また会話できなかった…。
「…レイ殿下、クリステアに変なちょっかいをかけないでくださいね?ただでさえ貴方は惚れっぽいんですから。クリステアには誠実で包容力のある男と結婚させますので殿下には手を出させませんよ?」
「おい、俺は…。」
「初対面の日のこと、忘れてませんよ?」
「…あれは、その、若気の至りってやつだろ…。」
「貴方まだ13歳でしょうが…。とにかく、殿下だろうとクリステアにちょっかいは許しません。」
…目下のところ、ノーマンが一番の障害か…なんともでかい障害だな。…さらに後衛にはエリスフィード公爵という、かなりでかい障害が控えているわけだが。
「まあ、殿下の場合、度重なる失言をどうにかしないことには権力狙いのご令嬢くらいしか落とすことは難しいかと存じますがね。」
フッと鼻で笑いながら俺をみるノーマン。ぐっ…図星なだけに何も言えん。
しかし、言いたい放題だな。このシスコンめ…っ!
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