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……誰?
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こぢんまりとした空間の教室内には、アリシア様の他にほんの数名しかいなかった。
……いくら特別クラスだからって、まさかこれだけってことはないわよね?
扉が開いたことで教室内の視線が私たちに集中してしまった。
「お、おはようございます」
注目を集めた気まずさはあるものの、一応朝の挨拶をしてから教室内に足を踏み入れる。
空席を探して教室内を見渡すと、前方の窓際に皆で並んで座れそうな空席を見つけたのでそちらに移動をはじめると、一人の生徒がこちらへ駆け寄ってきた。えっ……誰⁉︎
「おう、おはよう! なあ、今日は聖獣様を連れてきてないのか⁉︎」
無造作に散らした短いオレンジの髪をした少年が、琥珀色の瞳をキラキラと輝かせ私たちを見つめている。
私が突然のことに戸惑っていると、セイが少し警戒を滲ませた表情で私たちを庇うように前へ進み出た。
「ああ。他の護衛と同様、授業に連れてくることはない」
「ええー? そうなのかぁ。特別クラスで一緒のクラスになるってわかって、すっげー楽しみにしてたのに」
少年はチェッと少し拗ねたように口を尖らせて言った。
「あ、俺はエイドリアン・ネルソン、エイディーって呼んでくれ。騎士団長の次男だ。よろしくな!」
思い出したように自己紹介をすると、にぱっと笑顔で手を差し出した。
ネルソン騎士団長と言えば、王国騎士団を束ねる一番偉い人だ。確か侯爵家だったはず。
ネルソン侯爵家の殆どが騎士を目指すという脳筋一族だとお父様は言っていたけれど……確かに腹芸はできなさそうな印象だ。
セイは拍子抜けした様子でその手を握った。
「……セイノシン・シキシマだ。セイでいい。よろしく」
「セイノゥシ……? えっと、セイ、だな? うん、覚えた!」
ぶんぶんと握った手を振った彼は、私たちを見た。おっと、私たちも自己紹介しなくちゃだわね。
「クリステア・エリスフィードですわ。よろしくお願いいたします」
「まっ、マリエル・メイヤーです! よろしくお願いします!」
私とマリエルちゃんが会釈だけすると、エイディー様ことエイドリアン様は「よろしくな!」と笑顔で応じた。
「あのさ俺、すっげー聖獣様に興味があってさ! 将来は騎士になりたいんだけど、聖獣様か大型の魔獣と契約して、そいつを俺の騎獣にして戦いたいんだ。だって、そのほうがかっこいいだろ?」
「……そうかな?」
捲し立てるエイディー様に対して、セイが気のなさそうな返事をする。
セイとしては、ヤハトゥールを発つ際、彼の護衛にと神龍から遣わされたヤハトゥールの聖獣である四神獣の皆様と契約するより、故郷のヤハトゥールで命を狙われる事なく平和な日常を送りたかっただろうからなあ。
気持ちはわからないでもない。
私も、変に目立つより地味に平穏に過ごしたかったから。
あ、もちろん今は真白たちのいない生活とか考えられないからね?
ノーモフモフ、ノーライフ! だから。
とはいえ、エイディー様の言い分もわからないわけじゃない。
前世のオタク脳な自分が「うんうん、それな!」って頷いてるもの。
マリエルちゃんもきっと同じ想いに違いない。
「絶対そうだって! ドリスタン王国の建国記の初代国王みたいに、悪者を蹴散らすんだ!」
……ここに黒銀がいなくてよかった。
もし今の話を聞いてたら「我は悪者ではないし、蹴散らされてなどおらん!」って反論しかねないもの。
そうなったら、建国記に書かれているレオン様と闘ったフェンリルが黒銀だと知られてしまう。ひえっ!
それは何としても避けたい。
だって面倒事にしかならない気がするもの。
「在学中に契約できるといいですわね」
私は微笑みながらそう答えた。
笑って誤魔化す。前世で培った処世術で乗り切るっきゃない!
「まったく、先程から騒がしくて敵いませんわ。もうすぐ授業が始まりましてよ?」
後ろの席から咎める声が聞こえた。アリシア様だ。
「ンだよ、アリー。これから同級生としてやってくんだから仲良くやりたいだろ?」
「ッ! 幼馴染だからって、馴れ馴れしくアリーなどと呼ばないでくださいませ! それに、学園は生徒たちが力を競い、切磋琢磨する場なのですから、仲良くする必要なんてな……」
「ごめんな、あいつチビの頃から知ってるんだけどさ、最近はガミガミうるせーの」
エイディー様はアリシア様を無視して私たちに謝罪した。
チビの頃からって……私たち、まだ十歳よ?
幼馴染だというのは話の内容と気安さからうかがえるけど、そのデリカシーのなさはアリシア様にとって火に油を注ぐことに……
「ガミガミとはなんですの⁉︎」
ほらぁ。アリシア様が真っ赤になって立ち上がったじゃないの。
彼女が怒りにまかせてそのままこちらに向かってこようとしたその時、扉が開いた。
「はいはい、席について~出席をとるよ」
ニール先生といかにも魔法使いといったローブ姿のお爺さんが……って、マーレン師⁉︎
私が唖然としていると、マーレン師は悪戯が成功したかのようにニヤリと笑い、ニール先生に「ほれ、はよ進まんか」と杖でニール先生を小突きながら教壇に進んだ。
私たちは慌てて空いている席に着いて、ピシッと姿勢を正し教壇に注目した。
え、ニール先生とマーレン師がどうしてここに⁇
「ええと、今日から新入生の君たちは各クラスに振り分けられて勉強するわけだけど……」
ニール先生がガシガシと頭を掻きながら話を続ける。
「この特別クラスの担当は僕、魔物学担当ニールと魔法学の権威、マーレン先生になります。よろしく」
ニール先生がそう言ったと同時に後ろの席からガタッと立ち上がる音がした。
「マ、マーレン先生が⁉︎ 数年前に引退したきり、復帰の予定はないと聞いて諦めていたのに……ッ!」
声の聞こえたほうへ振り向くと、瓶底メガネの濃い青色の柔らかそうな猫っ毛の髪をした少年が頬を紅潮させ、喜色満面といった様子で凝視していた。
「あー、えっと……ちょうどいいから、君から自己紹介してくれる?」
ニール先生の言葉で、自分が注目を浴びていることに気づくと、彼はスンッ……と無表情になり、ボソボソッと「ロニー・ウィラード。魔法学と魔導具を学びにきました」とだけ言って着席してからは、ジッと前を見据えて……というか、マーレン師を見つめていた。
……なんだか、変わった子ね。
ウィラード伯爵家といえば、強力な魔法の使い手を多く輩出する家系だったはず。
魔法学を学びにと言っていたし、きっと憧れの魔法学の権威であるマーレン師を見て気が昂っちゃったんだね。うん。
なんとなく、ニール先生と同じ空気を纏っているように感じるのは気のせいだ、きっと。
「えーと、それじゃあ次は……」
ニール先生はロニー様の様子を気にすることなく、次の自己紹介を誰にしようかと視線をめぐらせている。
……同類っぽいから気にならないってやつなのかしら?
---------------------------
コミカライズ版「転生令嬢は庶民の味に飢えている」第22話はお読みいただけましたでしょうか?
2022年2月まで休載となります。
……が! 待望の3巻が12月下旬刊行予定!
描き下ろし番外編も収録予定ですのでお見逃しなくー! 私も今から楽しみです!
……いくら特別クラスだからって、まさかこれだけってことはないわよね?
扉が開いたことで教室内の視線が私たちに集中してしまった。
「お、おはようございます」
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空席を探して教室内を見渡すと、前方の窓際に皆で並んで座れそうな空席を見つけたのでそちらに移動をはじめると、一人の生徒がこちらへ駆け寄ってきた。えっ……誰⁉︎
「おう、おはよう! なあ、今日は聖獣様を連れてきてないのか⁉︎」
無造作に散らした短いオレンジの髪をした少年が、琥珀色の瞳をキラキラと輝かせ私たちを見つめている。
私が突然のことに戸惑っていると、セイが少し警戒を滲ませた表情で私たちを庇うように前へ進み出た。
「ああ。他の護衛と同様、授業に連れてくることはない」
「ええー? そうなのかぁ。特別クラスで一緒のクラスになるってわかって、すっげー楽しみにしてたのに」
少年はチェッと少し拗ねたように口を尖らせて言った。
「あ、俺はエイドリアン・ネルソン、エイディーって呼んでくれ。騎士団長の次男だ。よろしくな!」
思い出したように自己紹介をすると、にぱっと笑顔で手を差し出した。
ネルソン騎士団長と言えば、王国騎士団を束ねる一番偉い人だ。確か侯爵家だったはず。
ネルソン侯爵家の殆どが騎士を目指すという脳筋一族だとお父様は言っていたけれど……確かに腹芸はできなさそうな印象だ。
セイは拍子抜けした様子でその手を握った。
「……セイノシン・シキシマだ。セイでいい。よろしく」
「セイノゥシ……? えっと、セイ、だな? うん、覚えた!」
ぶんぶんと握った手を振った彼は、私たちを見た。おっと、私たちも自己紹介しなくちゃだわね。
「クリステア・エリスフィードですわ。よろしくお願いいたします」
「まっ、マリエル・メイヤーです! よろしくお願いします!」
私とマリエルちゃんが会釈だけすると、エイディー様ことエイドリアン様は「よろしくな!」と笑顔で応じた。
「あのさ俺、すっげー聖獣様に興味があってさ! 将来は騎士になりたいんだけど、聖獣様か大型の魔獣と契約して、そいつを俺の騎獣にして戦いたいんだ。だって、そのほうがかっこいいだろ?」
「……そうかな?」
捲し立てるエイディー様に対して、セイが気のなさそうな返事をする。
セイとしては、ヤハトゥールを発つ際、彼の護衛にと神龍から遣わされたヤハトゥールの聖獣である四神獣の皆様と契約するより、故郷のヤハトゥールで命を狙われる事なく平和な日常を送りたかっただろうからなあ。
気持ちはわからないでもない。
私も、変に目立つより地味に平穏に過ごしたかったから。
あ、もちろん今は真白たちのいない生活とか考えられないからね?
ノーモフモフ、ノーライフ! だから。
とはいえ、エイディー様の言い分もわからないわけじゃない。
前世のオタク脳な自分が「うんうん、それな!」って頷いてるもの。
マリエルちゃんもきっと同じ想いに違いない。
「絶対そうだって! ドリスタン王国の建国記の初代国王みたいに、悪者を蹴散らすんだ!」
……ここに黒銀がいなくてよかった。
もし今の話を聞いてたら「我は悪者ではないし、蹴散らされてなどおらん!」って反論しかねないもの。
そうなったら、建国記に書かれているレオン様と闘ったフェンリルが黒銀だと知られてしまう。ひえっ!
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だって面倒事にしかならない気がするもの。
「在学中に契約できるといいですわね」
私は微笑みながらそう答えた。
笑って誤魔化す。前世で培った処世術で乗り切るっきゃない!
「まったく、先程から騒がしくて敵いませんわ。もうすぐ授業が始まりましてよ?」
後ろの席から咎める声が聞こえた。アリシア様だ。
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「ごめんな、あいつチビの頃から知ってるんだけどさ、最近はガミガミうるせーの」
エイディー様はアリシア様を無視して私たちに謝罪した。
チビの頃からって……私たち、まだ十歳よ?
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「マ、マーレン先生が⁉︎ 数年前に引退したきり、復帰の予定はないと聞いて諦めていたのに……ッ!」
声の聞こえたほうへ振り向くと、瓶底メガネの濃い青色の柔らかそうな猫っ毛の髪をした少年が頬を紅潮させ、喜色満面といった様子で凝視していた。
「あー、えっと……ちょうどいいから、君から自己紹介してくれる?」
ニール先生の言葉で、自分が注目を浴びていることに気づくと、彼はスンッ……と無表情になり、ボソボソッと「ロニー・ウィラード。魔法学と魔導具を学びにきました」とだけ言って着席してからは、ジッと前を見据えて……というか、マーレン師を見つめていた。
……なんだか、変わった子ね。
ウィラード伯爵家といえば、強力な魔法の使い手を多く輩出する家系だったはず。
魔法学を学びにと言っていたし、きっと憧れの魔法学の権威であるマーレン師を見て気が昂っちゃったんだね。うん。
なんとなく、ニール先生と同じ空気を纏っているように感じるのは気のせいだ、きっと。
「えーと、それじゃあ次は……」
ニール先生はロニー様の様子を気にすることなく、次の自己紹介を誰にしようかと視線をめぐらせている。
……同類っぽいから気にならないってやつなのかしら?
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コミカライズ版「転生令嬢は庶民の味に飢えている」第22話はお読みいただけましたでしょうか?
2022年2月まで休載となります。
……が! 待望の3巻が12月下旬刊行予定!
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