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ドナドナされました。
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「…やっばぁ…。ミリアがいる…。」
隠し通路の出入り口の側にある覗き窓から、こっそり自分の寝室内を伺うと、落ち着かない様子でウロウロするミリアの姿が見えた。てっきり邸内を探し回っているかと思っていたのに、当てが外れてしまった。
「んー…このままだと出られそうにないし、図書室から出るか…。」
そう判断すると、迷いなく別の方向に
歩き出した。
隠し通路の出入り口は当然クリステアの部屋だけではない。両親の寝室や執務室、件の図書室など、いくつかあった。
外へ通じる扉だけは、外敵からの侵入を警戒してか、何らかの方法なしには使えない仕様になっていたが…。
隠し通路をくまなく調べ上げたクリステアは、知り尽くした道を迷うことなく進んでいく。
調べはじめの頃に、迷い込んだ両親の寝室の扉から睦言が聞こえて非常に気まずい思いをしたので、もはや迷うことはない。
…お父様、お母様、私は妹でも弟でも構いませんことよ?頑張ってくださいませ…。
いらぬ応援をしてしまうクリステアだった。中身は大人なので。
---------------------------
そんなこんなで図書室に出られる扉にたどり着いた。こちらも念のため覗き窓から様子を伺う。
人の気配に気づき、ここもダメかと思ったが…。
「…え?シン?」
その人物はシンだった。しかも寝ている。
えっと…なんでシンがこんなところで寝てるの?
字は読めるとは聞いていたけど、使用人だから、図書室に近寄りはしないはず…こんなところで居眠り?
実はシンのサボりスポットだったのだろうか…知らなかった。よく今までニアミスしなかったな…。
ぐっすり寝ているようなので、こっそり抜け出せばいいか…と、遮音の魔法をかけてから、扉をそっと開ける。同様に扉をそっと閉め、抜き足差し足で眠るシンの横をすり抜け、図書室から出ようとする。
「おかえり、お嬢様。」
出入り口の扉を開けようとしたまさにその時、ガシッ!と頭を掴まれる感触。次第にギリギリと力が込められ、振り返れない。
「…えっと、シン…?あれ?寝てたんじゃ…?」
イヤ~な汗が流れる。
「寝たふりって、知ってるか?」
知ってますううぅ~!
やだー!シンさんたら演技派ァ!
アーッ!もおおぉ騙されたあぁ!!
「お前が忽然と消えたせいで、ミリアが動揺して大変だったんだぞ?」
と更に頭を掴む手に力が入る。
あっあっ、なんかデジャブってやつだコレーッ!あああああぁ!!!
ホンマすんませんでしたああああぁっ!!!!ピギャーッ!!!
---------------------------
「うぅ…シンはどうしてここがわかったの?」
普段近寄りもしないシンが、図書室にいる事自体おかしな話だ。
「俺とミリアがひと通り屋敷内をくまなく探した後に、前も行方不明だった時、お前が図書室から出てきたことをミリアが思い出したんだよ。」
あー…あの時か…。
「だから、もしかしたら…って思って、俺とミリアで別々に張ってたんだよ。」
ミリアは寝室内をウロウロして落ち着きがなかったが、シンはどこから出てくるかわからないから、油断させようと寝たふりをしていたそうだ。ぐぬぬ、策士めぇ…。
「この事は他の使用人は知らないから安心しろ。」
あっありがとうございます助かります!さすがシン!
「お館様にはもちろん報告するけどな。」
あっそれはありがたくないですむしろノーセンキューですぅ!ばかばかーっ!
そうして、またもや私は両親にドナドナされるのであった。
え、もうこの流れ、またデジャブくさいんですけど?もういいよ!この展開お腹いっぱいだよーっ!?!?
隠し通路の出入り口の側にある覗き窓から、こっそり自分の寝室内を伺うと、落ち着かない様子でウロウロするミリアの姿が見えた。てっきり邸内を探し回っているかと思っていたのに、当てが外れてしまった。
「んー…このままだと出られそうにないし、図書室から出るか…。」
そう判断すると、迷いなく別の方向に
歩き出した。
隠し通路の出入り口は当然クリステアの部屋だけではない。両親の寝室や執務室、件の図書室など、いくつかあった。
外へ通じる扉だけは、外敵からの侵入を警戒してか、何らかの方法なしには使えない仕様になっていたが…。
隠し通路をくまなく調べ上げたクリステアは、知り尽くした道を迷うことなく進んでいく。
調べはじめの頃に、迷い込んだ両親の寝室の扉から睦言が聞こえて非常に気まずい思いをしたので、もはや迷うことはない。
…お父様、お母様、私は妹でも弟でも構いませんことよ?頑張ってくださいませ…。
いらぬ応援をしてしまうクリステアだった。中身は大人なので。
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そんなこんなで図書室に出られる扉にたどり着いた。こちらも念のため覗き窓から様子を伺う。
人の気配に気づき、ここもダメかと思ったが…。
「…え?シン?」
その人物はシンだった。しかも寝ている。
えっと…なんでシンがこんなところで寝てるの?
字は読めるとは聞いていたけど、使用人だから、図書室に近寄りはしないはず…こんなところで居眠り?
実はシンのサボりスポットだったのだろうか…知らなかった。よく今までニアミスしなかったな…。
ぐっすり寝ているようなので、こっそり抜け出せばいいか…と、遮音の魔法をかけてから、扉をそっと開ける。同様に扉をそっと閉め、抜き足差し足で眠るシンの横をすり抜け、図書室から出ようとする。
「おかえり、お嬢様。」
出入り口の扉を開けようとしたまさにその時、ガシッ!と頭を掴まれる感触。次第にギリギリと力が込められ、振り返れない。
「…えっと、シン…?あれ?寝てたんじゃ…?」
イヤ~な汗が流れる。
「寝たふりって、知ってるか?」
知ってますううぅ~!
やだー!シンさんたら演技派ァ!
アーッ!もおおぉ騙されたあぁ!!
「お前が忽然と消えたせいで、ミリアが動揺して大変だったんだぞ?」
と更に頭を掴む手に力が入る。
あっあっ、なんかデジャブってやつだコレーッ!あああああぁ!!!
ホンマすんませんでしたああああぁっ!!!!ピギャーッ!!!
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「うぅ…シンはどうしてここがわかったの?」
普段近寄りもしないシンが、図書室にいる事自体おかしな話だ。
「俺とミリアがひと通り屋敷内をくまなく探した後に、前も行方不明だった時、お前が図書室から出てきたことをミリアが思い出したんだよ。」
あー…あの時か…。
「だから、もしかしたら…って思って、俺とミリアで別々に張ってたんだよ。」
ミリアは寝室内をウロウロして落ち着きがなかったが、シンはどこから出てくるかわからないから、油断させようと寝たふりをしていたそうだ。ぐぬぬ、策士めぇ…。
「この事は他の使用人は知らないから安心しろ。」
あっありがとうございます助かります!さすがシン!
「お館様にはもちろん報告するけどな。」
あっそれはありがたくないですむしろノーセンキューですぅ!ばかばかーっ!
そうして、またもや私は両親にドナドナされるのであった。
え、もうこの流れ、またデジャブくさいんですけど?もういいよ!この展開お腹いっぱいだよーっ!?!?
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