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特別寮に戻った私たちは、それぞれ自室に荷物を置いて私服に着替えてから食堂に向かうことにした。
階段の途中でセイと別れ、自室の解除用の魔石に触れてから扉を開けた。
「ただいま」
『くりすてあ~! おかえりっ』
自室の扉を開けると、聖獣姿の真白がテテテッと駆け寄ってきたので、私は咄嗟にしゃがんで受け止めた。うう、かわいい!
「ただいま、真白」
「クリステア様、お帰りなさいませ」
「主、今日は遅かったのだな」
同じく聖獣姿の黒銀は後からノシノシとやってきて目の前で人型に変化した。
床に置いた私の荷物を手にした黒銀は後に続いてきたミリアにそれを渡し、私の手を取り立ち上がらせた。
「二人とも、ただいま。ええ、授業の後に学園長室に寄ったから遅くなってしまったの」
「学園長室に?」
「そうなのよ。それで、二人にお願いがあって。……ひとまず着替えるから、その後食堂で話すわ」
「うむ?」
『うん……?』
歯切れの悪い言葉に戸惑う二人が追求してこないように、私は抱えていた真白を黒銀に渡した。
「ミリア、着替えは私一人で大丈夫だから先に食堂に向かってちょうだい」
「かしこまりました」
私はミリアが寝室にある勉強机に私の荷物を置いてから食堂へ。
私は着替えるために寝室の扉を閉めると、思わずハア……とため息をついた。
在校生や教師に聖獣として二人を見せることになったって伝えるの、やだなぁ……
二人のことだから、きっとお願いすれば二つ返事で聞いてくれるんだろうけど。
私が二人を見せ物みたいに扱うのは嫌なのよね……
でも、こんな暗い雰囲気でいたら、変に心配して無理させちゃうから気をつけなきゃ。
モヤモヤしつつもクローゼットに向かい、手早く着替えを済ませてから寝室を出た。
「お待たせ。さあ食堂に行きましょうか」
努めて明るく振る舞いながら声をかけると、二人はソファーに座って私を待っていた。
「うん! いこう、くりすてあ」
人型に変化していた真白がパッと立ち上がり、笑顔で私の手を取った。
黒銀は私をじっと見つめてから「うむ」と短く返事をして立ち上がった。
うーむ、二人にはカラ元気だってバレてそう……
それでも、二人が特に追求してこなかったので、とりあえずご飯を食べてから!と気持ちを切り替えて食堂に向かうことにした。
食堂ではセイたちがすでに準備を始めていた。
「遅くなってごめんなさい」
インベントリから割烹着を取り出しサッと身につけて厨房に入った。
「いや、俺たちも今きたところだ。ご飯はもう炊けてるそうだけど、他はどうする?」
ご飯は朱雀様が準備してくださっているから本当にありがたい。
私は手をしっかり洗ってから、メニューを考える。
正直言うと、お披露目のことで頭がいっぱいで、あまり手のかかることはしたくない。
だけど、こういう時こそちゃんと作らないと。
お味噌汁の具は……そうね、玉ねぎとナスにしよう。
私は黒銀と真白の二人に具材のカットをお願いした。
ナスは5ミリ幅の輪切り、玉ねぎは薄切りに。
カットできたら作り置きの出汁を鍋に注ぎ、沸騰したら具材を入れて、火が通ればお味噌を溶き入れるようにお願いした。
よし、今度は……オーク肉を取り出し、バラ肉にあたる部位を薄切りに。
醤油にお酒、砂糖を混ぜ合わせておいてタレは完成、と。
それからご飯を俵型ににぎり、それにオーク肉の薄切りを巻きつける。
これはセイと白虎様、朱雀様にも手伝ってもらう。
それを大量に作ったら、熱したフライパンに油をひいて、お肉の巻き終わりを下にして入れ、全体に焼き色がついてお肉に火が通るまで加熱。
弱火にしてから作っておいたタレを回しかけ、照りが出てから全体になじむまで加熱して火から下ろす。
できたら大皿に盛って、白ゴマをぱらりとふりかけて肉巻きおにぎりの完成だ。
「おおっ、美味そ~!」
白虎様の手がのびる前に、私はサッとインベントリに収納した。
「おわっ? なんでしまっちまうんだよ⁉︎」
「皆で熱々をいただきましょうね?」
空振りに終わってしまって不満をもらす白虎様に笑顔で答えてから残りを焼いていく。
「トラ! お前はまた……こっちに来い!」
セイがつまみ食いしようとした白虎様を引きずって厨房から出て行った。
「おお~い、お嬢! なんとかしてくれ!」
白虎様が情け無い声で私に助けを求めるけれど、残念! 白虎様のご主人はセイだからね?
「ここはもう大丈夫ですから、ごゆっくり」
私がにっこり笑って見送ると、食堂からスパーン! という良い音と、白虎様の「いでえええっ!」という叫び声が聞こえた。
セイの鉄扇制裁は痛そうだからねぇ……
「びゃっこは、ばかだね」
「うむ、我もそう思う」
お味噌汁を火から下ろした二人が呆れたように話しているのに思わず笑ってしまった。
うん、なんだか元気出てきたかも。
お腹空いてるとろくなことを考えないものだし。
美味しいものを食べて、話はそれからだ。
「うっめええぇ!」
鉄扇制裁を受けた白虎様は懲りた様子も見せず、並べられた肉巻きおにぎりを自分の取り皿に山盛りにして席についてから「いただきまっす!」と手を合わせるや否や、すぐに肉巻きおにぎりを手にして齧り付いた。
「こら、トラお前ちゃんと箸を使わんか!」
白虎様は右手におにぎり、左手に味噌汁のお椀を持ち、文字通りガツガツと食べていた。
「そうですわよ。まったく、品のない……」
朱雀様は優雅なお箸使いで食べていたけれど、すごい勢いで肉巻きおにぎりが消えていった。
「びゃっこはもうすこしおちつくべき」
「此奴は昔からこうだからな。無理だろう」
何気に皆ひどい。
でも肉巻きおにぎりは手掴みだと手がベタベタになるからおすすめしないよ?
クリア魔法があるからすぐにきれいにできるけど、その都度クリア魔法かけるの面倒だよね?
そう思っていたら、ミリアが濡らした手ぬぐいを持ってきた。
さすがミリア、気が利くぅ!
「お? あんがとな!」
ニパッと笑う白虎様は口元までベタベタになっていた。
「……お前はちゃんとせんか!」
横に座っていたセイが、ミリアから濡れ手ぬぐいを取り、白虎様の顔にべチン! と押し付けた。
「んぶっ⁉︎」
「トラは美味いメシに対する敬意が足らんのだ、まったく」
プンプン怒るセイに、白虎様はふてくされながら口元を拭った。
「んだよ、美味いからちゃんと美味いって言ってんだろぉ?」
「そういう問題じゃない!」
そんな二人のやりとりがおかしくてたまらなかった。
食後、片付けを終えてから談話室に移動した私たちは、ミリアに淹れてもらったお茶をいただきながら学園長室での話を皆に伝えた。
「学園の連中が聖獣見たさに学園長に訴えて、お前らに俺たちを見せ物にするよう命令したってことか?」
「違う、学園長は俺たちにお願いしたんだ」
「たいして変わんねぇだろ。騒ぎになるからって特別寮に引きこもるようにって言っといて今度は見せ物かよ」
白虎様はソファーの背もたれにドサッともたれかかってお茶をすすった。
「私たちは主を護るために学園にいるだけであって、有象無象の好奇心を満たすためにいるのではないのですけれどね」
朱雀様は呆れたように言って、羊羹に手を伸ばした。
「まったくだ。我らが姿を見せたとて何の益もあるまいに」
黒銀はそう言って二つ目のどら焼きに齧り付いた。
「このさいだからうるさいやつらまとめてせいあつしちゃおうか?」
どら焼きをもぐもぐしながら真白が言った。
せいあつって……制圧⁉︎
真白、貴方いったい何をするつもりなの⁉︎
物騒なことはやめようね⁉︎
「皆にとって煩わしいことなのはわかっている。だが、そうしなければ愚かな輩が聖獣を見せろと特別寮に押しかける可能性があるかもしれない。そう危惧した学園長が俺たちを呼び出して生徒たちを納得させるために頼むと仰ったんだ」
湯呑みを両手で包むようにして、セイが皆を見る。それを見ていた私もセイに続いた。
「そうなの。学園長は生徒や先生方が私たちに詰め寄ったりしないよう配慮してくださったの。私としても皆が見せ物みたいになるのは嫌だけれど、これから学園生活を送るなら遅かれ早かれこういう依頼はあったと思うの」
なんなら、入学式の時に聖獣も一緒にお披露目!……とならなかったのが不思議なくらいだもの。
まあ、聖獣契約者がいるってことだけでも衝撃だったみたいだし、その上私たち二人とも複数契約だなんて知られたら、もっと騒ぎになってたはず。だから、あの時は聖獣契約者の紹介のみに留めたのだろう。
「うーん……まあ、俺たちの面が割れると動きにくくはなりそうだが……お前らがそれでかまわねぇなら俺はいいけど」
「え?」
いいの? 白虎様?
「そうですわね。そもそも私たちが動けば、その時点で目立たないわけがありませんもの。私も主がよいのでしたら構いませんわ」
え? 朱雀様も?
「我は主の意向に沿うのみ」
黒銀、え? そんなあっさり?
「うー……おれも、くりすてあがそうしたいなら、いいよ」
真白はやや不満そうだけど……
「皆……いいの?」
私が思わずそう聞くと、白虎様がニヤッと笑った。
「んー、そうだなぁ。はいわかりました、とすんなり言うこと聞くのもつまんねぇよなぁ?」
えっ……嫌な予感しかしないんですけど⁉︎
階段の途中でセイと別れ、自室の解除用の魔石に触れてから扉を開けた。
「ただいま」
『くりすてあ~! おかえりっ』
自室の扉を開けると、聖獣姿の真白がテテテッと駆け寄ってきたので、私は咄嗟にしゃがんで受け止めた。うう、かわいい!
「ただいま、真白」
「クリステア様、お帰りなさいませ」
「主、今日は遅かったのだな」
同じく聖獣姿の黒銀は後からノシノシとやってきて目の前で人型に変化した。
床に置いた私の荷物を手にした黒銀は後に続いてきたミリアにそれを渡し、私の手を取り立ち上がらせた。
「二人とも、ただいま。ええ、授業の後に学園長室に寄ったから遅くなってしまったの」
「学園長室に?」
「そうなのよ。それで、二人にお願いがあって。……ひとまず着替えるから、その後食堂で話すわ」
「うむ?」
『うん……?』
歯切れの悪い言葉に戸惑う二人が追求してこないように、私は抱えていた真白を黒銀に渡した。
「ミリア、着替えは私一人で大丈夫だから先に食堂に向かってちょうだい」
「かしこまりました」
私はミリアが寝室にある勉強机に私の荷物を置いてから食堂へ。
私は着替えるために寝室の扉を閉めると、思わずハア……とため息をついた。
在校生や教師に聖獣として二人を見せることになったって伝えるの、やだなぁ……
二人のことだから、きっとお願いすれば二つ返事で聞いてくれるんだろうけど。
私が二人を見せ物みたいに扱うのは嫌なのよね……
でも、こんな暗い雰囲気でいたら、変に心配して無理させちゃうから気をつけなきゃ。
モヤモヤしつつもクローゼットに向かい、手早く着替えを済ませてから寝室を出た。
「お待たせ。さあ食堂に行きましょうか」
努めて明るく振る舞いながら声をかけると、二人はソファーに座って私を待っていた。
「うん! いこう、くりすてあ」
人型に変化していた真白がパッと立ち上がり、笑顔で私の手を取った。
黒銀は私をじっと見つめてから「うむ」と短く返事をして立ち上がった。
うーむ、二人にはカラ元気だってバレてそう……
それでも、二人が特に追求してこなかったので、とりあえずご飯を食べてから!と気持ちを切り替えて食堂に向かうことにした。
食堂ではセイたちがすでに準備を始めていた。
「遅くなってごめんなさい」
インベントリから割烹着を取り出しサッと身につけて厨房に入った。
「いや、俺たちも今きたところだ。ご飯はもう炊けてるそうだけど、他はどうする?」
ご飯は朱雀様が準備してくださっているから本当にありがたい。
私は手をしっかり洗ってから、メニューを考える。
正直言うと、お披露目のことで頭がいっぱいで、あまり手のかかることはしたくない。
だけど、こういう時こそちゃんと作らないと。
お味噌汁の具は……そうね、玉ねぎとナスにしよう。
私は黒銀と真白の二人に具材のカットをお願いした。
ナスは5ミリ幅の輪切り、玉ねぎは薄切りに。
カットできたら作り置きの出汁を鍋に注ぎ、沸騰したら具材を入れて、火が通ればお味噌を溶き入れるようにお願いした。
よし、今度は……オーク肉を取り出し、バラ肉にあたる部位を薄切りに。
醤油にお酒、砂糖を混ぜ合わせておいてタレは完成、と。
それからご飯を俵型ににぎり、それにオーク肉の薄切りを巻きつける。
これはセイと白虎様、朱雀様にも手伝ってもらう。
それを大量に作ったら、熱したフライパンに油をひいて、お肉の巻き終わりを下にして入れ、全体に焼き色がついてお肉に火が通るまで加熱。
弱火にしてから作っておいたタレを回しかけ、照りが出てから全体になじむまで加熱して火から下ろす。
できたら大皿に盛って、白ゴマをぱらりとふりかけて肉巻きおにぎりの完成だ。
「おおっ、美味そ~!」
白虎様の手がのびる前に、私はサッとインベントリに収納した。
「おわっ? なんでしまっちまうんだよ⁉︎」
「皆で熱々をいただきましょうね?」
空振りに終わってしまって不満をもらす白虎様に笑顔で答えてから残りを焼いていく。
「トラ! お前はまた……こっちに来い!」
セイがつまみ食いしようとした白虎様を引きずって厨房から出て行った。
「おお~い、お嬢! なんとかしてくれ!」
白虎様が情け無い声で私に助けを求めるけれど、残念! 白虎様のご主人はセイだからね?
「ここはもう大丈夫ですから、ごゆっくり」
私がにっこり笑って見送ると、食堂からスパーン! という良い音と、白虎様の「いでえええっ!」という叫び声が聞こえた。
セイの鉄扇制裁は痛そうだからねぇ……
「びゃっこは、ばかだね」
「うむ、我もそう思う」
お味噌汁を火から下ろした二人が呆れたように話しているのに思わず笑ってしまった。
うん、なんだか元気出てきたかも。
お腹空いてるとろくなことを考えないものだし。
美味しいものを食べて、話はそれからだ。
「うっめええぇ!」
鉄扇制裁を受けた白虎様は懲りた様子も見せず、並べられた肉巻きおにぎりを自分の取り皿に山盛りにして席についてから「いただきまっす!」と手を合わせるや否や、すぐに肉巻きおにぎりを手にして齧り付いた。
「こら、トラお前ちゃんと箸を使わんか!」
白虎様は右手におにぎり、左手に味噌汁のお椀を持ち、文字通りガツガツと食べていた。
「そうですわよ。まったく、品のない……」
朱雀様は優雅なお箸使いで食べていたけれど、すごい勢いで肉巻きおにぎりが消えていった。
「びゃっこはもうすこしおちつくべき」
「此奴は昔からこうだからな。無理だろう」
何気に皆ひどい。
でも肉巻きおにぎりは手掴みだと手がベタベタになるからおすすめしないよ?
クリア魔法があるからすぐにきれいにできるけど、その都度クリア魔法かけるの面倒だよね?
そう思っていたら、ミリアが濡らした手ぬぐいを持ってきた。
さすがミリア、気が利くぅ!
「お? あんがとな!」
ニパッと笑う白虎様は口元までベタベタになっていた。
「……お前はちゃんとせんか!」
横に座っていたセイが、ミリアから濡れ手ぬぐいを取り、白虎様の顔にべチン! と押し付けた。
「んぶっ⁉︎」
「トラは美味いメシに対する敬意が足らんのだ、まったく」
プンプン怒るセイに、白虎様はふてくされながら口元を拭った。
「んだよ、美味いからちゃんと美味いって言ってんだろぉ?」
「そういう問題じゃない!」
そんな二人のやりとりがおかしくてたまらなかった。
食後、片付けを終えてから談話室に移動した私たちは、ミリアに淹れてもらったお茶をいただきながら学園長室での話を皆に伝えた。
「学園の連中が聖獣見たさに学園長に訴えて、お前らに俺たちを見せ物にするよう命令したってことか?」
「違う、学園長は俺たちにお願いしたんだ」
「たいして変わんねぇだろ。騒ぎになるからって特別寮に引きこもるようにって言っといて今度は見せ物かよ」
白虎様はソファーの背もたれにドサッともたれかかってお茶をすすった。
「私たちは主を護るために学園にいるだけであって、有象無象の好奇心を満たすためにいるのではないのですけれどね」
朱雀様は呆れたように言って、羊羹に手を伸ばした。
「まったくだ。我らが姿を見せたとて何の益もあるまいに」
黒銀はそう言って二つ目のどら焼きに齧り付いた。
「このさいだからうるさいやつらまとめてせいあつしちゃおうか?」
どら焼きをもぐもぐしながら真白が言った。
せいあつって……制圧⁉︎
真白、貴方いったい何をするつもりなの⁉︎
物騒なことはやめようね⁉︎
「皆にとって煩わしいことなのはわかっている。だが、そうしなければ愚かな輩が聖獣を見せろと特別寮に押しかける可能性があるかもしれない。そう危惧した学園長が俺たちを呼び出して生徒たちを納得させるために頼むと仰ったんだ」
湯呑みを両手で包むようにして、セイが皆を見る。それを見ていた私もセイに続いた。
「そうなの。学園長は生徒や先生方が私たちに詰め寄ったりしないよう配慮してくださったの。私としても皆が見せ物みたいになるのは嫌だけれど、これから学園生活を送るなら遅かれ早かれこういう依頼はあったと思うの」
なんなら、入学式の時に聖獣も一緒にお披露目!……とならなかったのが不思議なくらいだもの。
まあ、聖獣契約者がいるってことだけでも衝撃だったみたいだし、その上私たち二人とも複数契約だなんて知られたら、もっと騒ぎになってたはず。だから、あの時は聖獣契約者の紹介のみに留めたのだろう。
「うーん……まあ、俺たちの面が割れると動きにくくはなりそうだが……お前らがそれでかまわねぇなら俺はいいけど」
「え?」
いいの? 白虎様?
「そうですわね。そもそも私たちが動けば、その時点で目立たないわけがありませんもの。私も主がよいのでしたら構いませんわ」
え? 朱雀様も?
「我は主の意向に沿うのみ」
黒銀、え? そんなあっさり?
「うー……おれも、くりすてあがそうしたいなら、いいよ」
真白はやや不満そうだけど……
「皆……いいの?」
私が思わずそう聞くと、白虎様がニヤッと笑った。
「んー、そうだなぁ。はいわかりました、とすんなり言うこと聞くのもつまんねぇよなぁ?」
えっ……嫌な予感しかしないんですけど⁉︎
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