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お勉強どうします?
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食後の片付けは聖獣の皆が引き受けてくれたので、私はミリアにお茶の支度をお願いしてセイやマリエルちゃんと一緒に談話室へ移動した。
「クリステアさん、ごちそうさまでした。とっても美味しかったです!」
「どういたしまして」
マリエルちゃんはいつも美味しそうにたくさん食べてくれるので見ていて気持ちがいい。
でも「小鳥のように少食であるのが望ましい」のが貴族のご令嬢なんだよね……?
私も人のことは言えないけどさ。
「ええと、それで、予習というか……授業についてなのだけど」
「はい。なんでしょう?」
私の対面のソファーに座ったマリエルちゃんはこてん、と首を傾げた。くっ、かわいい。
「昨日は試験で、今日は初めての授業だったわけじゃない? ……二人はどう思った?」
私が質問すると、マリエルちゃんは「あー」というような表情をして腕を組んだ。
「うーん……そうですねぇ。ひとことで言えば……チョロい?」
「ちょろ……?」
「あっ! い、いえ簡単でしたね!」
セイが聞きなれない言葉に反応すると、マリエルちゃんは慌てて訂正した。
これこれ、マリエルさんや。貴族のご令嬢がチョロいとか言っちゃダメでしょ。気持ちはわかるけど。
「やっぱり。簡単だったわよね」
「うん。確かに、計算問題は簡単だったな。語学などの読み書きについては、ドリスタン王国の国民ではないから多少不利に感じたが、まったくわからないわけでもないしな」
セイも頷きながら同意した。
セイはヤハトゥール人だから、そもそも言葉が違うのに。ドリスタン語でも読み書きができるのだからすごいと思う。
前世でいうところのバイリンガルってやつよね。
年齢を考えると優秀な部類に入るだろう。
「ええ……そうよね」
基本的に貴族の子は入学前に家庭教師をつけていることが多い。足し算引き算などの簡単な計算問題なら難なくこなせるだろう。
サボり常習犯だと掛け算割り算あたりは怪しくなってきたりするかもしれないけどね。
マリエルちゃん曰く、計算関係は商人の子のほうが得意なことが多いそう。
歴史や地理など社会的な内容に関しては貴族のほうがしっかり教え込まれているけれど、剣技や護身術などの体力勝負的なことは基礎体力の差で平民が一歩リードすることもある、と。なるほどね。
「四則計算や語学などの一般教養については問題ないとして、私の場合、今後は歴史やマナー学でつまづきそうな気がします」
とはマリエルちゃん談。地理についてはメイヤー男爵がマリエルちゃんを仕事であちこち連れ回った記憶から、なんとなく頭に入っているそうだ。
なんて羨ましい……私は地図と睨めっこしながら各領地の気候や特産など必死に覚えたっていうのに。
歴史はマナー学はメイヤー家が貴族になってからの期間が短いため、最低限のことを覚えるのが精一杯だったそう。家庭教師はお金がもったいないから雇わなかったそうだ。
マリエルちゃんは前世で社会人として過ごした素地があるわけだから、普通の子どもと比べたら、ちょっと頑張ればどっちもなんとかなると思う。
「大丈夫。マナー学についてわからないことがあれば私がサポートするわ」
ふふ……スパルタで有名なレティア先生仕込みですからね。うふふふふ……
「わあ、ありがとうござ……ん? なんだか悪寒が」
「あら、風邪の引き始めだといけないわ。ミリア、お茶を淹れ替えてちょうだい」
「かしこまりました」
マリエルちゃんがブルッと震えたのでミリアに急いで温かいお茶を淹れてもらった。
「俺も歴史やマナー学かな。語学も少し不安があるが、それは勉強と日常会話でなんとかなるだろう」
「私で教えられることならお手伝いするわ」
「わ、私も!」
「それは助かる」
うーむ、二人とも一般教養については概ね問題なさそう。
理解度によっては、私が教師役に回ろうかと思っていたけど。
「クリステアさん、来週から正式にクラス分けされるまでは基礎的な内容の講義ばかりのはずです。個々のレベルに合わせて本格的に学べるのはそれからですよ」
「そうね……」
アデリア学園は基本的に魔力持ちであれば入学資格ありとして入学試験は行わない。
しかし、入学前から子に家庭教師をつけている貴族や商家では、事前に我が子がどの程度学習内容を理解しているか申告するために、成績表のようなものを学園に提出している。
「うちの子はこれこれこのようにできる子なので、クラス分けは上位のクラスになるよう考慮してよね!」という嘆願書みたいなものらしい。だけど、学園は成績表を受け取ってもあくまで参考程度で、鵜呑みにはしない。
便宜上、成績表と呼ばれているけれど、単に家庭教師によるお墨付き状みたいなものだから。
親の権力によるゴリ押しや買収で成績を改ざんしている可能性は否定できないものね。
だから学園では入学してすぐ適正テストを行い、その成績を元にクラス分けするのだ。
親の見栄で実力より上のクラスに入れられたところで、落ちこぼれちゃうだけだもんね。
入学前にテストをしないのは、そういった不正から子どもを守るためなのと、遠くの領地の子もいるからそうそう王都まで行き来できないことを考慮してのことだそう。
成績が悪くても最低限の単位をとれば、卒業はできるわけだし。
私? 私は前世を思い出してから頑張ったおかげで家庭教師から「成績優秀である」とお墨付きをいただいてるわよ。えっへん。
お父様の圧力による成績表の不正はない……はず。うん。
だって、家庭教師のほとんどは「教えることがなくなった」と言って他の家庭教師先を探すために予定より早く屋敷を離れてしまったもの。
マナー学のレティア先生の授業は記憶が戻ってからついつい面倒になってサボっていたからか余計な補習までさせられたけど、それでも予定より早く修了していた。私も前世の記憶が戻るまでは社交界に憧れていたから真面目に勉強してたしね。
一番長く屋敷に残っていたのは魔法学のマーレン師だ。
私が魔法についてあれこれ知りたがったのと、魔力制御が下手で魔法を嫌っていたはずの私がすっかり魔法に目覚めたもんだから、マーレン師が面白がって色々教えこんだからね……その都度繰り広げられる長~い講義を聞くのは本当に大変だったわ。
……というわけで、家庭教師からの成績表とテスト結果を総合して、私は座学のほとんどが免除になることを期待している。
実習は受けないといけないだろうけどね。
……はあ、カリキュラムに関してはクラス分けが決まるまではっきりしないのがもどかしいわぁ。
「お二人とも、今日の授業の復習や予習はどうします? 予習だけでもしておきます?」
「……暇だったので授業中にテキストをざっと流し読みしたんですけど、私は特にしなくても大丈夫です」
マリエルちゃん、暇を持て余してテキスト読破したのか、すごいな……私はそれすら面倒でぼんやり授業を聞き流してたわ。
私も後で明日の分だけ確認しておこうっと。
「俺は語学で少しわからないところがあったから、そこを教えてほしいかな」
「あら、どこかしら?」
「ええと、この表現なんだが……」
「ああ、それは……」
それからの時間は私とマリエルちゃんでセイの家庭教師をして過ごしたのだった。
---------------------------
皆様、GWはお出かけを控えておうち時間を楽しみましょう。
本作は書籍が全四巻、文庫版(番外編書き下ろしのおまけつき)は現在二巻まで発売中。コミカライズ版は四月初めに二巻が発売されました!電子書籍でも配信中です!
是非ともおうち時間のお供に加えてやってくださいませ~( ´ ▽ ` )
「クリステアさん、ごちそうさまでした。とっても美味しかったです!」
「どういたしまして」
マリエルちゃんはいつも美味しそうにたくさん食べてくれるので見ていて気持ちがいい。
でも「小鳥のように少食であるのが望ましい」のが貴族のご令嬢なんだよね……?
私も人のことは言えないけどさ。
「ええと、それで、予習というか……授業についてなのだけど」
「はい。なんでしょう?」
私の対面のソファーに座ったマリエルちゃんはこてん、と首を傾げた。くっ、かわいい。
「昨日は試験で、今日は初めての授業だったわけじゃない? ……二人はどう思った?」
私が質問すると、マリエルちゃんは「あー」というような表情をして腕を組んだ。
「うーん……そうですねぇ。ひとことで言えば……チョロい?」
「ちょろ……?」
「あっ! い、いえ簡単でしたね!」
セイが聞きなれない言葉に反応すると、マリエルちゃんは慌てて訂正した。
これこれ、マリエルさんや。貴族のご令嬢がチョロいとか言っちゃダメでしょ。気持ちはわかるけど。
「やっぱり。簡単だったわよね」
「うん。確かに、計算問題は簡単だったな。語学などの読み書きについては、ドリスタン王国の国民ではないから多少不利に感じたが、まったくわからないわけでもないしな」
セイも頷きながら同意した。
セイはヤハトゥール人だから、そもそも言葉が違うのに。ドリスタン語でも読み書きができるのだからすごいと思う。
前世でいうところのバイリンガルってやつよね。
年齢を考えると優秀な部類に入るだろう。
「ええ……そうよね」
基本的に貴族の子は入学前に家庭教師をつけていることが多い。足し算引き算などの簡単な計算問題なら難なくこなせるだろう。
サボり常習犯だと掛け算割り算あたりは怪しくなってきたりするかもしれないけどね。
マリエルちゃん曰く、計算関係は商人の子のほうが得意なことが多いそう。
歴史や地理など社会的な内容に関しては貴族のほうがしっかり教え込まれているけれど、剣技や護身術などの体力勝負的なことは基礎体力の差で平民が一歩リードすることもある、と。なるほどね。
「四則計算や語学などの一般教養については問題ないとして、私の場合、今後は歴史やマナー学でつまづきそうな気がします」
とはマリエルちゃん談。地理についてはメイヤー男爵がマリエルちゃんを仕事であちこち連れ回った記憶から、なんとなく頭に入っているそうだ。
なんて羨ましい……私は地図と睨めっこしながら各領地の気候や特産など必死に覚えたっていうのに。
歴史はマナー学はメイヤー家が貴族になってからの期間が短いため、最低限のことを覚えるのが精一杯だったそう。家庭教師はお金がもったいないから雇わなかったそうだ。
マリエルちゃんは前世で社会人として過ごした素地があるわけだから、普通の子どもと比べたら、ちょっと頑張ればどっちもなんとかなると思う。
「大丈夫。マナー学についてわからないことがあれば私がサポートするわ」
ふふ……スパルタで有名なレティア先生仕込みですからね。うふふふふ……
「わあ、ありがとうござ……ん? なんだか悪寒が」
「あら、風邪の引き始めだといけないわ。ミリア、お茶を淹れ替えてちょうだい」
「かしこまりました」
マリエルちゃんがブルッと震えたのでミリアに急いで温かいお茶を淹れてもらった。
「俺も歴史やマナー学かな。語学も少し不安があるが、それは勉強と日常会話でなんとかなるだろう」
「私で教えられることならお手伝いするわ」
「わ、私も!」
「それは助かる」
うーむ、二人とも一般教養については概ね問題なさそう。
理解度によっては、私が教師役に回ろうかと思っていたけど。
「クリステアさん、来週から正式にクラス分けされるまでは基礎的な内容の講義ばかりのはずです。個々のレベルに合わせて本格的に学べるのはそれからですよ」
「そうね……」
アデリア学園は基本的に魔力持ちであれば入学資格ありとして入学試験は行わない。
しかし、入学前から子に家庭教師をつけている貴族や商家では、事前に我が子がどの程度学習内容を理解しているか申告するために、成績表のようなものを学園に提出している。
「うちの子はこれこれこのようにできる子なので、クラス分けは上位のクラスになるよう考慮してよね!」という嘆願書みたいなものらしい。だけど、学園は成績表を受け取ってもあくまで参考程度で、鵜呑みにはしない。
便宜上、成績表と呼ばれているけれど、単に家庭教師によるお墨付き状みたいなものだから。
親の権力によるゴリ押しや買収で成績を改ざんしている可能性は否定できないものね。
だから学園では入学してすぐ適正テストを行い、その成績を元にクラス分けするのだ。
親の見栄で実力より上のクラスに入れられたところで、落ちこぼれちゃうだけだもんね。
入学前にテストをしないのは、そういった不正から子どもを守るためなのと、遠くの領地の子もいるからそうそう王都まで行き来できないことを考慮してのことだそう。
成績が悪くても最低限の単位をとれば、卒業はできるわけだし。
私? 私は前世を思い出してから頑張ったおかげで家庭教師から「成績優秀である」とお墨付きをいただいてるわよ。えっへん。
お父様の圧力による成績表の不正はない……はず。うん。
だって、家庭教師のほとんどは「教えることがなくなった」と言って他の家庭教師先を探すために予定より早く屋敷を離れてしまったもの。
マナー学のレティア先生の授業は記憶が戻ってからついつい面倒になってサボっていたからか余計な補習までさせられたけど、それでも予定より早く修了していた。私も前世の記憶が戻るまでは社交界に憧れていたから真面目に勉強してたしね。
一番長く屋敷に残っていたのは魔法学のマーレン師だ。
私が魔法についてあれこれ知りたがったのと、魔力制御が下手で魔法を嫌っていたはずの私がすっかり魔法に目覚めたもんだから、マーレン師が面白がって色々教えこんだからね……その都度繰り広げられる長~い講義を聞くのは本当に大変だったわ。
……というわけで、家庭教師からの成績表とテスト結果を総合して、私は座学のほとんどが免除になることを期待している。
実習は受けないといけないだろうけどね。
……はあ、カリキュラムに関してはクラス分けが決まるまではっきりしないのがもどかしいわぁ。
「お二人とも、今日の授業の復習や予習はどうします? 予習だけでもしておきます?」
「……暇だったので授業中にテキストをざっと流し読みしたんですけど、私は特にしなくても大丈夫です」
マリエルちゃん、暇を持て余してテキスト読破したのか、すごいな……私はそれすら面倒でぼんやり授業を聞き流してたわ。
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