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報・連・相は大事ですよね…… その1
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ティリエさんの話によると、黒銀が冒険者ギルド内にあるティリエさんの執務室にいきなり転移してきたと思ったら、大量のオークを押し付け「これでしばらく素材には困るまい。よろしく頼むぞ」と何の説明もなく転移してしまったらしい。黒銀ェ……
「クリステア、ティリエも聞いていることだしちょうどよい。事の次第を説明しなさい」
「あっ! クリステアちゃあん! これってどういうことなのよぉ⁉︎」
ティリエさんはお父様の背後にいたために私の存在に気づいていなかったみたいね。
お父様が振り向いて私に声をかけるなり焦って問い詰めてきたよ。うわぁ……
「あの……私も状況を全て把握しきれていないので、詳しくは説明しかねるのですが……。昨夜、黒銀にレシピ開発のためにオークを狩ってきてほしいと頼んだのです。深夜のうちに狩に出ていたようなのですが、戻ってきたと思ったら、集落を見つけたとのことで、大量のオークを持ち帰ってきたのです」
「そう……やっぱり、集落ができていたのね? ……不味いわ。領地内のオークの増えるペースが早すぎる。どこかにダンジョンが発生する可能性が……ううん、もうできているのかも」
ティリエさんが真剣な表情でブツブツと冒険者に調査依頼をしなくては、と検討していた。
ええ? オークを狩ってきてと頼んだだけなのにこんなに大ごとに?
殲滅して焼き払っただけじゃダメだったの⁉︎
黒銀ー! 早く戻ってきてよおぉー!
「主、我を呼んだか?」
「おわぁっ⁉︎」
黒銀がいきなり転移で私の背後に立ったせいで、思わずびっくりしてレディにあるまじき変な叫び声をあげてしまったじゃないのっ!
「黒銀様、戻られたばかりのところを申し訳ないが、オークの件で教えていただきたいことがあるのだがよろしいか?」
お父様はさして驚いた様子もなく、黒銀に質問しはじめた。
「うん? オークなら先ほどエルフのところに納めてきたが? ……む、そこな玉に映し出されているのはそのエルフではないか」
「ああ! 黒銀様ぁ! あの大量のオークはどうなさったんです⁉︎ どこに集落があったのっ⁉︎」
魔導具ごしに黒銀の姿を認めたティリエさんが、助かったとばかりに矢継ぎ早に質問してきた。
「んん? なんだ、この面妖な玉は⁉︎ エルフの姿で話すとは……さては此奴、この玉に閉じ込められたか?」
……黒銀、空気読もう?
確かにこの魔導具は気になるかもしれないけど今は緊急事態ってやつだからね⁉︎
「黒銀、これは遠くにいる相手と会話するための魔導具だそうよ。とりあえずこれについての疑問は置いといて、オークについて教えてあげてちょうだい?」
そう、魔導具ことは私も気になるけど、お父様やティリエさんの慌てぶりから鑑みるに、ちょっとまずいことになってるんじゃない?
「オークについて? ……集落があったから殲滅して巣は焼き払った。それで問題なかろう? 数体でよいとのことだったが、集落は殲滅すべしと聞いていたから、主の希望に添えなかったのは遺憾だが……」
いやいや、そこは問題ないからね?
むしろ、私の希望だからって集落を放置するのはNGだからね?
「いや、黒銀様の判断は正しい。オークの集落は殲滅し焼き払うのが最善。我々が問題視しているのはオークの増えるペースだ。領地内でそこまで頻繁に集落ができるのは異常とも言える。どこかにダンジョンが発生している可能性はないかと危惧しているのだ」
そんな危険性があるなんて知らなかったから「ほうほう、殲滅したの。黒銀よくやったね! そんなにたくさんいらなかったけどね⁉︎」くらいにしか考えてなかったよ……あわわ。
すぐにでもお父様に報告しないといけなかったんだ……
---------------------------
8/8にコミカライズの連載がスタートした漫画「転生令嬢は庶民の味に飢えている」第1話はもうお読みいただけましたでしょうか?
お待ちかねの第2話は9/12(木)に公開予定です!
毎月第2木曜更新予定ですのでお楽しみに( ´ ▽ ` )
「クリステア、ティリエも聞いていることだしちょうどよい。事の次第を説明しなさい」
「あっ! クリステアちゃあん! これってどういうことなのよぉ⁉︎」
ティリエさんはお父様の背後にいたために私の存在に気づいていなかったみたいね。
お父様が振り向いて私に声をかけるなり焦って問い詰めてきたよ。うわぁ……
「あの……私も状況を全て把握しきれていないので、詳しくは説明しかねるのですが……。昨夜、黒銀にレシピ開発のためにオークを狩ってきてほしいと頼んだのです。深夜のうちに狩に出ていたようなのですが、戻ってきたと思ったら、集落を見つけたとのことで、大量のオークを持ち帰ってきたのです」
「そう……やっぱり、集落ができていたのね? ……不味いわ。領地内のオークの増えるペースが早すぎる。どこかにダンジョンが発生する可能性が……ううん、もうできているのかも」
ティリエさんが真剣な表情でブツブツと冒険者に調査依頼をしなくては、と検討していた。
ええ? オークを狩ってきてと頼んだだけなのにこんなに大ごとに?
殲滅して焼き払っただけじゃダメだったの⁉︎
黒銀ー! 早く戻ってきてよおぉー!
「主、我を呼んだか?」
「おわぁっ⁉︎」
黒銀がいきなり転移で私の背後に立ったせいで、思わずびっくりしてレディにあるまじき変な叫び声をあげてしまったじゃないのっ!
「黒銀様、戻られたばかりのところを申し訳ないが、オークの件で教えていただきたいことがあるのだがよろしいか?」
お父様はさして驚いた様子もなく、黒銀に質問しはじめた。
「うん? オークなら先ほどエルフのところに納めてきたが? ……む、そこな玉に映し出されているのはそのエルフではないか」
「ああ! 黒銀様ぁ! あの大量のオークはどうなさったんです⁉︎ どこに集落があったのっ⁉︎」
魔導具ごしに黒銀の姿を認めたティリエさんが、助かったとばかりに矢継ぎ早に質問してきた。
「んん? なんだ、この面妖な玉は⁉︎ エルフの姿で話すとは……さては此奴、この玉に閉じ込められたか?」
……黒銀、空気読もう?
確かにこの魔導具は気になるかもしれないけど今は緊急事態ってやつだからね⁉︎
「黒銀、これは遠くにいる相手と会話するための魔導具だそうよ。とりあえずこれについての疑問は置いといて、オークについて教えてあげてちょうだい?」
そう、魔導具ことは私も気になるけど、お父様やティリエさんの慌てぶりから鑑みるに、ちょっとまずいことになってるんじゃない?
「オークについて? ……集落があったから殲滅して巣は焼き払った。それで問題なかろう? 数体でよいとのことだったが、集落は殲滅すべしと聞いていたから、主の希望に添えなかったのは遺憾だが……」
いやいや、そこは問題ないからね?
むしろ、私の希望だからって集落を放置するのはNGだからね?
「いや、黒銀様の判断は正しい。オークの集落は殲滅し焼き払うのが最善。我々が問題視しているのはオークの増えるペースだ。領地内でそこまで頻繁に集落ができるのは異常とも言える。どこかにダンジョンが発生している可能性はないかと危惧しているのだ」
そんな危険性があるなんて知らなかったから「ほうほう、殲滅したの。黒銀よくやったね! そんなにたくさんいらなかったけどね⁉︎」くらいにしか考えてなかったよ……あわわ。
すぐにでもお父様に報告しないといけなかったんだ……
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8/8にコミカライズの連載がスタートした漫画「転生令嬢は庶民の味に飢えている」第1話はもうお読みいただけましたでしょうか?
お待ちかねの第2話は9/12(木)に公開予定です!
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