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先駆者がいた!
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やっぱりこの世界でもモツを食べる人がいたんだ!
それにしても、この世界ではなかなかハードルが高いであろう動物の内臓を食べるとは、なかなか豪胆だわね。
早くも有力な情報が得られるだなんて、料理長に聞いてみてよかったかもしれない。
「詳しくは私も存じ上げないのですが、元々貧民街の者が解体屋から解体後の臓物を処分する仕事を請け負っており、彼らがまだ食べられる部位を探して食べていたのが最初だと聞いております」
「貧民街?」
……王都にあるんだ。いや、王都だからこそあるのだろうと思うべきか。
領民の中には領地での重い税に耐えきれず、畑を放棄し職や一攫千金を求めて王都を目指す者が少なからずいるのだと家庭教師が言っていたっけ。
幸い、我がエリスフィード公爵領はそういったこともなく領民との関係も良好だと聞いていたから、その存在には半信半疑だったけれど本当にあるみたいね。
貧民街が本当にあるのなら、おそらく、臓物処理といった汚れ仕事が回されるのはよくあることなのだろう。
そして貧しい彼らは、ただで手に入るそれをどうにか食べられないだろうかと考えたに違いない。
なるほど、モツ料理は貧民街のグルメってことなのね。
「ええ。貧民街です。そのような存在はクリステア様のお耳に入れる内容ではないとは思ったのですが……続けても大丈夫ですか?」
料理長は貧民街と聞いて考え込んだ私を見て、不快に思ったかと誤解したようで、気遣わしげに私を見た。
「ええ、もちろんよ。続けてちょうだい」
「では失礼して……彼らは、どうにかそれを食べることはできないかと試行錯誤したそうですが、元々臭みがあり、処理を間違えるととんでもない異臭を放つため、食べられるのはほんのわずかだったそうです」
確かに内臓系はよーく洗って、臭みを取るために何かしら下処理が必要だものね。
部位によっては傷つけると臭くてとてもじゃないけど食べられないらしいし。
「わずかながらも無いよりはましとろくに味もつけられないまま食べていたようなのですが、そこへとある人物が現れたのだそうです」
「とある人物?」
「はい。その人物は身なりも良く、どう見ても貧民街の住人ではなかったそうです」
「えっ、まさか貴族が貧民街に……?」
それは追い剥ぎしてくださいと言わんばかりでは? 危ないんじゃないの?
「貴族かどうかはわかりませんが、その人物はあらゆる動物のことに詳しく、自分でも解体をするそうでかなりの知識を持っていたそうです」
「動物に詳しい……」
「ええ。その人物は解体して持ち帰ったばかりの魔物の臓物を譲って欲しいと、わざわざ出向いてきたとのことでして」
「えっ? わざわざ臓物のために?」
「はい。そして捨てるだけの魔物の臓物を買い取っていったそうです」
えええ、なんだかヤバい気配しかしないんだけど……
「その際に、その他の臓物の処理方法なども伝授していったそうで、住民は半信半疑でその通りに処理したのだとか。すると以前より食べられる部位が増え、その人物に感謝したとのことです」
んん? なんだか思いもよらぬ展開に……?
---------------------------
お知らせ
レジーナブックス様より拙作「転生令嬢は庶民の味に飢えている」三巻が、7月下旬に発売となります!
レジーナのサイトに刊行予定としてアップされております。書影掲載はしばしお待ちくださいませ( ´ ▽ ` )
http://www.regina-books.com/content/recentl
詳細な情報はまた解禁になりましたら都度近況ボード等でお知らせします。
……か、アルファポリスまたはレジーナのメルマガに登録されると私より早く情報が入るかも……? レジーナに登録していると、過去の発売時に発表した番外編のSSが読めるようです。
どれも主人公以外の視点で描く番外編となっております。
今回も……あるといいなと思ってます!
現在も諸々頑張っております٩( 'ω' )و
楽しいお知らせができるよう頑張ります!
何卒よろしくお願いいたします~!
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早くも有力な情報が得られるだなんて、料理長に聞いてみてよかったかもしれない。
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「貧民街?」
……王都にあるんだ。いや、王都だからこそあるのだろうと思うべきか。
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確かに内臓系はよーく洗って、臭みを取るために何かしら下処理が必要だものね。
部位によっては傷つけると臭くてとてもじゃないけど食べられないらしいし。
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「とある人物?」
「はい。その人物は身なりも良く、どう見ても貧民街の住人ではなかったそうです」
「えっ、まさか貴族が貧民街に……?」
それは追い剥ぎしてくださいと言わんばかりでは? 危ないんじゃないの?
「貴族かどうかはわかりませんが、その人物はあらゆる動物のことに詳しく、自分でも解体をするそうでかなりの知識を持っていたそうです」
「動物に詳しい……」
「ええ。その人物は解体して持ち帰ったばかりの魔物の臓物を譲って欲しいと、わざわざ出向いてきたとのことでして」
「えっ? わざわざ臓物のために?」
「はい。そして捨てるだけの魔物の臓物を買い取っていったそうです」
えええ、なんだかヤバい気配しかしないんだけど……
「その際に、その他の臓物の処理方法なども伝授していったそうで、住民は半信半疑でその通りに処理したのだとか。すると以前より食べられる部位が増え、その人物に感謝したとのことです」
んん? なんだか思いもよらぬ展開に……?
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