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ああ、悩ましい。

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ベーコンの件でお父様に質問しに行ったら、なぜかソーセージを作ることになったでござる。
何を言っているかわからないかもしれないが、私にもわからない。
「どうしてこうなった……」
燻製の流れでソーセージを連想してしまったのがいけなかった。
それに、あのままお父様の追求から逃れられるとは思わなかったし。
「ソーセージかぁ……どうしよう」
ソーセージは、いわゆる腸詰めだ。
塩漬け肉を挽いて、香辛料などで味付けをして腸……動物の内臓に詰めるのだ。
ええと、ウィンナーは羊、フランクフルトは豚、ボロニアソーセージは牛の腸を使ってたんだったかな。太さは違えどこれら全部ソーセージなんだよね。
焼いたソーセージの、噛むと同時に弾ける肉汁。ポトフに入れたり、おでんに入れたりしても美味しいし……あ、ソーセージがあればホットドッグも作れる!
ああ、思い出したらますます食べたくなっちゃった。
「でも、ハードルが高いよねぇ……」
ソーセージ……腸詰め……腸……そう、内臓を使うというのがネックなのだ。
この世界では、魔物の肉も食べられているだけでなく、畜産だって盛んだ。
牛型の魔物や猪型の魔物で比較的性格の穏やかなタイプのものを食用として飼いならしたのが最初だと聞いた。
初めは魔物だったそれらが家畜化し、今の畜産業に発展したらしいのよね。
前世のように品種改良とかはしていないけれど、徐々に扱いやすくなっていったんだって。
それなら、魔物の肉なんて食べなきゃいいのにって思うじゃない?
それでも食べるのには理由がある。
美味しいのだ。
それも、強い魔物ほど美味しいらしいのよね。
でもそういう魔物って、人も食べる種族もいるからそれを食べるのってどうなの? と思わないでもないんだけど……
強い魔物は魔力の高い生き物を好んで食べるといわれている。
もしかしたら私たち人間も、魔力の高い強い魔物の肉を求めているのかも……と、怖い想像をしてしまったのでふるふると頭を振り深く考えるのをやめた。
いけないいけない、思考が脱線した。
とにかく、どちらの肉も食べるけれど、基本的に内臓は解体後埋めるか焼却処分するのが普通だ、と簡単な解体ならできるというシンから聞いたことがある。
うーん、でも内臓ってちゃんと処理すれば美味しく食べられるのに、この世界では食べたことないのかな。
モツ煮込みとかホルモン焼きとかも大好物だった私としては、とてももったいないことだと思うんだけどな。
ならば、私が食べられるように布教を! ……と言いたいところだけれど、悪食令嬢という不名誉な二つ名を持つ私がそんなことをしたら、その地位を確固たるものにしてしまうこと請け合いだ。それはなんとしても回避したいところである。
「うーん……シンに相談してみようかな」
もしかしたら何か情報が手に入るかもしれないし。
思い立ったが吉日、私は調理場に向かうのだった。

--------------
お知らせ

現在、本作三巻の書籍化が進んでいるため、該当話をWEBから引き下げいたしました。
三巻の詳細についてはまた近況ボード等でお知らせいたしますね。

もうひとふんばり!色々お知らせができるよう頑張ります!
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