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【余話】ましろのケーキ
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本日更新が遅くなりまして申し訳ありません。急遽思い立っての番外編です。
新年の王都行きの前の頃のお話ということで……
少し早いですが、皆様メリークリスマス!
---------------------------
「ああ、ケーキが食べたい……」
ボソリと呟くと、私の膝でくつろいでいた真白が私を見上げてこてん、と首を傾げた。
『けーき?』
「そう。ふわふわで真っ白なケーキ」
普段ケーキといえばタルトみたいなものを作る程度。基本和菓子好きなので、それでもまあいいかと思っていた。だけど、もうすぐ新年を迎えるとなると思い出すのは前世でクリスマスに食べたケーキだ。
真っ赤な苺をたっぷり飾った、ふわふわスポンジのショートケーキ。
さして美味しくもないとわかっているのに、切り分ける時に「サンタさんの乗ってるとこー!」って、リクエストしてたっけ……
『ましろ? おれのなまえのけーき? おいしいの?』
『真白よ、主が食べたいと思うほどだ。さぞかし美味いものに違いないだろう』
真白の疑問に黒銀が愚問だとでも言いたげに答えた。
そ、そんなハードル上げられても困るんだけどな……
でもそうね、どうにかして真っ白なデコレーションケーキを作ってみたいな。
とはいえ、スポンジケーキはベーキングパウダーがないからなぁ……重曹でも代用できるかな? 探さなきゃ。
メレンゲでシフォンケーキも考えたけれど、あの真ん中が空洞の型がないのよねぇ。あの形じゃないと、生地の重さでへこんでしまうし……ガルバノおじさまに作ってもらおうかな。今回は諦めよう。
メレンゲ……あ、そうだ。パブロバはどうだろう?
外サクサク、中しっとりのメレンゲで作るケーキ。スポンジケーキではないけれど、ちょっとだけクリスマスケーキ気分が味わえるのではないだろうか。
「よーし、作ってみますか!」
そうと決まれば、善は急げとばかりに調理場へと向かう私なのだった。
「はあ……しんどい」
そうだった。前世と比べ、今は卵白を泡立てようと思えば泡立て器でシャカシャカと人力で頑張るしかないのだ。
ああ、電動ミキサーのあった前世が懐かしい……と嘆きつつ、ひたすらシャカシャカと卵白を泡立てる私。
「また何をおっ始めたのかと思えば何だ? 卵白だけ泡立てるのか? しゃーねえな、それよこせ。やってやるから」
「あ、ありがとう……」
大きなボウルを抱え、ヒイコラとメレンゲ作りに励む私を見かねてか、調理場の片付けをしながら様子を見ていたシンが加勢してくれた。ありがたや……
砂糖を数回に分けて入れながら泡立て、メレンゲを作る。コーンスターチに似た粉を加え、お酢の代わりにレモンっぽい柑橘類の絞り汁を入れて更に混ぜる。
天板にメレンゲを丸く広げて盛り、予熱した魔導オーブンに入れて焼く。
100度~130度くらいでゆっくり焼くのがいいんだっけ? 時間は60分くらいかな。
その間に残った卵黄でプリンを作っておこう。
ああそうだ、クリスマスケーキといえば生クリームでデコらなくては! と再度シンにお願いして生クリームを泡立ててもらう。シンも手慣れたもので、あっという間に角が立った。
シンもすっかり料理人として成長したなぁ……と感心した私は「さすがねぇ」と褒めたんだけど、シンったら「お嬢の世話をしてたらこのくらいできるようになる。というか、ならざるを得ない」ですって。解せぬ。
でもよく見たら、シンの耳が少し赤かった。もう、嬉しいなら憎まれ口叩かずに素直に喜んでよね。まったく!
オーブンの様子を見つつ、頃合いになったらフタを開けて粗熱をとり、デコレーションする。
生クリームをペタペタ。スポンジケーキと違い表面ががたついているから、無造作に盛るくらいがちょうどいい。
それから、散策の時に収穫してインベントリに保存しておいたベリー類とミントを飾って、完成!
うん、ちょっと不恰好だけど、なかなかのもんじゃない?
自室で食べようと思っていたけれど、功労者のシンにもご馳走しないとね、と思い、ミリアを呼んで紅茶を淹れてもらって調理場で皆と食べることにした。
「くりすてあ、これがおれのなまえのけーき?」
人型になった真白が、キラキラとした瞳でパブロバを見つめる。
「あのね、真白ではなく、真っ白なケーキって言ってただけで……これはパブロバって言うの」
「そっか……でもたしかにまっしろなけーきだね!」
「そうね。真っ白な生クリームのケーキだものね。やっぱり真白のケーキなのかもね」
「へへ。ねえ、たべてもいい?」
嬉しそうな真白にお預けなんてさせられないわ。
「ええ、食べましょう」
パブロバを切り分け、皆に配る。赤い大きなベリーの乗っかったのは、真白にあげようね。
そうして皆で食べたパブロバは、外はサクサクホロホロで、中はしっとりしてて、美味しいと好評だった。
泡立てるのは大変だけど、こうして喜んでもらえるなら、また今度作ってもいいかな。
……シンに手伝ってもらってね。
翌日、朝食の席。お父様の機嫌が大層悪かった。あれ……? 何かあった?
心なしかお母様も不機嫌そう……?
「クリステア」
「は、はいっ」
「其方、昨日何やら新作の菓子を作ったそうだが?」
「え? ……あ、ええ、まあ……」
……それって、パブロバのことだよね?
「何故出さない?」
「え? 何故と申されましても……」
思い立って作っただけだもの。別に新作ってつもりもなかったからね。それに大量に作るのはメレンゲ作りが大変だからやりたくなかったし……
「今までにない食感で、衝撃的だったと料理長がじま……いや絶賛していたそうだが?」
「……ええ?」
料理長めぇ……ものすごく物欲しそうに見つめていたから耐えられずにおすそ分けしたけれど、自慢とか……お父様に聴きつけられたらどうなるかわかってるでしょうに!
「今日の午後のティータイムは、期待しているからな」
「……はい」
「クリステア、私も楽しみにしているわね?」
「……ええ」
お父様とお母様から、にこやかに圧力をかけられた私は、料理長に泡立てマシーンになってもらうことを決意するのであった。
新年の王都行きの前の頃のお話ということで……
少し早いですが、皆様メリークリスマス!
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「ああ、ケーキが食べたい……」
ボソリと呟くと、私の膝でくつろいでいた真白が私を見上げてこてん、と首を傾げた。
『けーき?』
「そう。ふわふわで真っ白なケーキ」
普段ケーキといえばタルトみたいなものを作る程度。基本和菓子好きなので、それでもまあいいかと思っていた。だけど、もうすぐ新年を迎えるとなると思い出すのは前世でクリスマスに食べたケーキだ。
真っ赤な苺をたっぷり飾った、ふわふわスポンジのショートケーキ。
さして美味しくもないとわかっているのに、切り分ける時に「サンタさんの乗ってるとこー!」って、リクエストしてたっけ……
『ましろ? おれのなまえのけーき? おいしいの?』
『真白よ、主が食べたいと思うほどだ。さぞかし美味いものに違いないだろう』
真白の疑問に黒銀が愚問だとでも言いたげに答えた。
そ、そんなハードル上げられても困るんだけどな……
でもそうね、どうにかして真っ白なデコレーションケーキを作ってみたいな。
とはいえ、スポンジケーキはベーキングパウダーがないからなぁ……重曹でも代用できるかな? 探さなきゃ。
メレンゲでシフォンケーキも考えたけれど、あの真ん中が空洞の型がないのよねぇ。あの形じゃないと、生地の重さでへこんでしまうし……ガルバノおじさまに作ってもらおうかな。今回は諦めよう。
メレンゲ……あ、そうだ。パブロバはどうだろう?
外サクサク、中しっとりのメレンゲで作るケーキ。スポンジケーキではないけれど、ちょっとだけクリスマスケーキ気分が味わえるのではないだろうか。
「よーし、作ってみますか!」
そうと決まれば、善は急げとばかりに調理場へと向かう私なのだった。
「はあ……しんどい」
そうだった。前世と比べ、今は卵白を泡立てようと思えば泡立て器でシャカシャカと人力で頑張るしかないのだ。
ああ、電動ミキサーのあった前世が懐かしい……と嘆きつつ、ひたすらシャカシャカと卵白を泡立てる私。
「また何をおっ始めたのかと思えば何だ? 卵白だけ泡立てるのか? しゃーねえな、それよこせ。やってやるから」
「あ、ありがとう……」
大きなボウルを抱え、ヒイコラとメレンゲ作りに励む私を見かねてか、調理場の片付けをしながら様子を見ていたシンが加勢してくれた。ありがたや……
砂糖を数回に分けて入れながら泡立て、メレンゲを作る。コーンスターチに似た粉を加え、お酢の代わりにレモンっぽい柑橘類の絞り汁を入れて更に混ぜる。
天板にメレンゲを丸く広げて盛り、予熱した魔導オーブンに入れて焼く。
100度~130度くらいでゆっくり焼くのがいいんだっけ? 時間は60分くらいかな。
その間に残った卵黄でプリンを作っておこう。
ああそうだ、クリスマスケーキといえば生クリームでデコらなくては! と再度シンにお願いして生クリームを泡立ててもらう。シンも手慣れたもので、あっという間に角が立った。
シンもすっかり料理人として成長したなぁ……と感心した私は「さすがねぇ」と褒めたんだけど、シンったら「お嬢の世話をしてたらこのくらいできるようになる。というか、ならざるを得ない」ですって。解せぬ。
でもよく見たら、シンの耳が少し赤かった。もう、嬉しいなら憎まれ口叩かずに素直に喜んでよね。まったく!
オーブンの様子を見つつ、頃合いになったらフタを開けて粗熱をとり、デコレーションする。
生クリームをペタペタ。スポンジケーキと違い表面ががたついているから、無造作に盛るくらいがちょうどいい。
それから、散策の時に収穫してインベントリに保存しておいたベリー類とミントを飾って、完成!
うん、ちょっと不恰好だけど、なかなかのもんじゃない?
自室で食べようと思っていたけれど、功労者のシンにもご馳走しないとね、と思い、ミリアを呼んで紅茶を淹れてもらって調理場で皆と食べることにした。
「くりすてあ、これがおれのなまえのけーき?」
人型になった真白が、キラキラとした瞳でパブロバを見つめる。
「あのね、真白ではなく、真っ白なケーキって言ってただけで……これはパブロバって言うの」
「そっか……でもたしかにまっしろなけーきだね!」
「そうね。真っ白な生クリームのケーキだものね。やっぱり真白のケーキなのかもね」
「へへ。ねえ、たべてもいい?」
嬉しそうな真白にお預けなんてさせられないわ。
「ええ、食べましょう」
パブロバを切り分け、皆に配る。赤い大きなベリーの乗っかったのは、真白にあげようね。
そうして皆で食べたパブロバは、外はサクサクホロホロで、中はしっとりしてて、美味しいと好評だった。
泡立てるのは大変だけど、こうして喜んでもらえるなら、また今度作ってもいいかな。
……シンに手伝ってもらってね。
翌日、朝食の席。お父様の機嫌が大層悪かった。あれ……? 何かあった?
心なしかお母様も不機嫌そう……?
「クリステア」
「は、はいっ」
「其方、昨日何やら新作の菓子を作ったそうだが?」
「え? ……あ、ええ、まあ……」
……それって、パブロバのことだよね?
「何故出さない?」
「え? 何故と申されましても……」
思い立って作っただけだもの。別に新作ってつもりもなかったからね。それに大量に作るのはメレンゲ作りが大変だからやりたくなかったし……
「今までにない食感で、衝撃的だったと料理長がじま……いや絶賛していたそうだが?」
「……ええ?」
料理長めぇ……ものすごく物欲しそうに見つめていたから耐えられずにおすそ分けしたけれど、自慢とか……お父様に聴きつけられたらどうなるかわかってるでしょうに!
「今日の午後のティータイムは、期待しているからな」
「……はい」
「クリステア、私も楽しみにしているわね?」
「……ええ」
お父様とお母様から、にこやかに圧力をかけられた私は、料理長に泡立てマシーンになってもらうことを決意するのであった。
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