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第45話「顔射」
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第45話「顔射」
「あっ、凪君、嫌っ!あかんっ!」
と蛍が両手で顔を隠そうとしたが、一瞬間に合わず凪の栗の花臭い白濁液が、蛍の唇から鼻にかけて目まで飛んだ。無意識のうちに蛍の顔に「嫌悪」の表情が浮かんだ。凪は、発射後、3度右手で「ぴー」をこすって、ようやく蛍の顔を見る余裕ができた。
「螢さん、よかったです。入れることはできませんでしたけど、気持ちよく発射することが…、」
と言いかけた瞬間、
「すみません、すみません!螢さん、ごめんなさい!ぼ、僕何しでかしてしまったんやろ!すみません。本当にすみません…。」
と螢の上から飛びのき、布団の横で土下座した。
「はーっ…。」
蛍は、思わず長い溜息をついてしまい、(あっ、ここはため息ついたらあかんやろ。それに私、今、凄い嫌な顔してたんとちゃうか?顔にかけられるのは嫌やけど、今の凪君にそれを言うたったらあかんよな…。わー、土下座までさせてしもた。落ち込ませてしもたかな…?)と気を取り直し凪に優しく声をかけた。
「凪君、土下座はええから、とりあえずティッシュ取ってくれへん。目までかかってるから目空けられへんねん。」
「は、はいっ、すみません、すぐに持ってきます。」
と布団で滑って一回転んで、テレビ台に置かれたティッシュボックス取ってきて、5枚抜き取ると「螢さん、拭き取りますから、目をぎゅっとしてください。」と言い、3回に分けて、目、鼻から頬、そして口周りと一回拭いた後、もう一度、目の周りを拭き取った。
蛍がゆっくりと目を開けると、そこには凪の泣き顔があった。(あーあ、やっぱり泣いてたわ。また「捨てないでください。」って言われるんやろな…)と思った瞬間、予想通り、再び土下座をして
「螢さん、すみませんでした。螢さんの「H」なところと、素敵な「声」で暴走してしまいました。やっちゃいけないと思いつつ、螢さんの「素敵さ」に負けて、「理性」よりも「本能」が前に出てしまいました。すみません、すみません。嫌わないでください。どうかお願いします。」
と3分にわたり謝り続けられた。
「まあ、そんなに謝らんでもええよ。私こそ、一瞬嫌な顔してしもてごめんな。顔にかけられんの好きやないねん。確認しておきたいねんけど髪までは飛んでへんのかな?」
と尋ねると、凪は必死になって答えた。
「大丈夫です。いや、大丈夫って僕が言うことやないですけど、顔にかかった分は、さっき全部拭き取りました。髪にはかかってないです。」
「じゃあ、ええよ。ただ、今後は顔にかけるんは止めてな。鼻とかに入ったら、ずっと匂いが残ってるような気がするやろうし、何ちゅうても、顔射したんは、凪君が最初やからな。最初の「顔射」が凪君でよかったわ。まあ、これで最後にしては欲しいけどな。でも思ってたほどの嫌悪感はあれへんかったから気にせんとってな。
まあ、凪君が気持ち良くなってくれたんやったら、私はそれでええねや。昨日も言ったけど、セックス無しでも私は凪君と居れたらええねんからな。カラカラカラ。まあ、朝ごはんまでに内湯でひとっ風呂浴びとこか。」
蛍に促されて、凪も泣き止んだ。宿の利用案内を読むと、朝は6時から内湯はやっているとの事だった。フロントに連絡をしたが「貸し切り湯」は朝はやってないという事だったので、1階まで一緒に降りると、男女別々の暖簾をくぐった。
ひとりになると、蛍は急に現実に戻った。(あー、おしっこするとこ見られて、オナニーまでして…、顔にかけられてもあかん…。うーん、どないしたら元の凪君に戻るんかなぁ…)と深いため息をつくと、横の洗い場にいた壮年の女性に声をかけられた。
「あなた、悩み事でもあるの?そんなに美人やのに、大きなため息なんかついて…。悩み事があるなら聞いてあげるで。赤の他人やからこそ、話せることもあるやろ。ちょっと「重たいオーラ」が出てるでなぁ…」
(えっ、「オーラ」っていきなり何?もしかしてへんなおばちゃんやったらどうしよう?)と横を見ると、見た目からやさしさが溢れる、少しぽっちゃりしたおばちゃんで、窓から入る日光の影響なのか「後光」が差しているようにも見えた。
その微笑みは、どこかで目にしたような気がして、頭の中の記憶を整理してみた。(あっ、お寺の「菩薩」さんの微笑みや!)と思った瞬間、蛍の頬を大量の涙が伝った。
「あらあら、そんなに辛いものをしょってるの?まあ、幸いふたりだし、湯船でゆっくり話を聞かせてもらおうかねぇ。」
と優しく声をかけられると、蛍は何の疑心感も抱かず
「お願いします…。実は、…、」
と湯船に移動すると、この2日間のことを話し始めた。
「あっ、凪君、嫌っ!あかんっ!」
と蛍が両手で顔を隠そうとしたが、一瞬間に合わず凪の栗の花臭い白濁液が、蛍の唇から鼻にかけて目まで飛んだ。無意識のうちに蛍の顔に「嫌悪」の表情が浮かんだ。凪は、発射後、3度右手で「ぴー」をこすって、ようやく蛍の顔を見る余裕ができた。
「螢さん、よかったです。入れることはできませんでしたけど、気持ちよく発射することが…、」
と言いかけた瞬間、
「すみません、すみません!螢さん、ごめんなさい!ぼ、僕何しでかしてしまったんやろ!すみません。本当にすみません…。」
と螢の上から飛びのき、布団の横で土下座した。
「はーっ…。」
蛍は、思わず長い溜息をついてしまい、(あっ、ここはため息ついたらあかんやろ。それに私、今、凄い嫌な顔してたんとちゃうか?顔にかけられるのは嫌やけど、今の凪君にそれを言うたったらあかんよな…。わー、土下座までさせてしもた。落ち込ませてしもたかな…?)と気を取り直し凪に優しく声をかけた。
「凪君、土下座はええから、とりあえずティッシュ取ってくれへん。目までかかってるから目空けられへんねん。」
「は、はいっ、すみません、すぐに持ってきます。」
と布団で滑って一回転んで、テレビ台に置かれたティッシュボックス取ってきて、5枚抜き取ると「螢さん、拭き取りますから、目をぎゅっとしてください。」と言い、3回に分けて、目、鼻から頬、そして口周りと一回拭いた後、もう一度、目の周りを拭き取った。
蛍がゆっくりと目を開けると、そこには凪の泣き顔があった。(あーあ、やっぱり泣いてたわ。また「捨てないでください。」って言われるんやろな…)と思った瞬間、予想通り、再び土下座をして
「螢さん、すみませんでした。螢さんの「H」なところと、素敵な「声」で暴走してしまいました。やっちゃいけないと思いつつ、螢さんの「素敵さ」に負けて、「理性」よりも「本能」が前に出てしまいました。すみません、すみません。嫌わないでください。どうかお願いします。」
と3分にわたり謝り続けられた。
「まあ、そんなに謝らんでもええよ。私こそ、一瞬嫌な顔してしもてごめんな。顔にかけられんの好きやないねん。確認しておきたいねんけど髪までは飛んでへんのかな?」
と尋ねると、凪は必死になって答えた。
「大丈夫です。いや、大丈夫って僕が言うことやないですけど、顔にかかった分は、さっき全部拭き取りました。髪にはかかってないです。」
「じゃあ、ええよ。ただ、今後は顔にかけるんは止めてな。鼻とかに入ったら、ずっと匂いが残ってるような気がするやろうし、何ちゅうても、顔射したんは、凪君が最初やからな。最初の「顔射」が凪君でよかったわ。まあ、これで最後にしては欲しいけどな。でも思ってたほどの嫌悪感はあれへんかったから気にせんとってな。
まあ、凪君が気持ち良くなってくれたんやったら、私はそれでええねや。昨日も言ったけど、セックス無しでも私は凪君と居れたらええねんからな。カラカラカラ。まあ、朝ごはんまでに内湯でひとっ風呂浴びとこか。」
蛍に促されて、凪も泣き止んだ。宿の利用案内を読むと、朝は6時から内湯はやっているとの事だった。フロントに連絡をしたが「貸し切り湯」は朝はやってないという事だったので、1階まで一緒に降りると、男女別々の暖簾をくぐった。
ひとりになると、蛍は急に現実に戻った。(あー、おしっこするとこ見られて、オナニーまでして…、顔にかけられてもあかん…。うーん、どないしたら元の凪君に戻るんかなぁ…)と深いため息をつくと、横の洗い場にいた壮年の女性に声をかけられた。
「あなた、悩み事でもあるの?そんなに美人やのに、大きなため息なんかついて…。悩み事があるなら聞いてあげるで。赤の他人やからこそ、話せることもあるやろ。ちょっと「重たいオーラ」が出てるでなぁ…」
(えっ、「オーラ」っていきなり何?もしかしてへんなおばちゃんやったらどうしよう?)と横を見ると、見た目からやさしさが溢れる、少しぽっちゃりしたおばちゃんで、窓から入る日光の影響なのか「後光」が差しているようにも見えた。
その微笑みは、どこかで目にしたような気がして、頭の中の記憶を整理してみた。(あっ、お寺の「菩薩」さんの微笑みや!)と思った瞬間、蛍の頬を大量の涙が伝った。
「あらあら、そんなに辛いものをしょってるの?まあ、幸いふたりだし、湯船でゆっくり話を聞かせてもらおうかねぇ。」
と優しく声をかけられると、蛍は何の疑心感も抱かず
「お願いします…。実は、…、」
と湯船に移動すると、この2日間のことを話し始めた。
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