「完結しました!」【R18】『イケメン男子高校生を飼っています。~アラサー女の欲望コンプリート日誌2024~』【こども食堂応援企画参加作品】

ぽよぽよ

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第4話「出会い」

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第4話「出会い」

 大阪府に二か所ある免許試験センターのうちの一つ、門真運転試験場の最寄り駅となる京阪電車の古川橋駅の南側ロータリーに派手なメタリックピンクのベンツが停まっていた。
 メルセデスベンツSクラスロングのW222型をベースにホイールベースを200ミリ伸ばし、後部座席の快適性に特化した最高級モデルであるメルセデスのサブブランド「マイバッハ」のS650。2019年に発表された2代目のモデルで、初代マイバッハの6000万円台の車両価格と比較すると半額以下になったとはいえ、新車価格で2930万円の限定モデルは、高級車マニアには憧れの的の一台である。
 
 細身で大柄な体にスリムなブラックのブランドものスーツに大きな襟の真っ赤なシャツにややきつめのメイクを施し、大きなサングラスをかけた佐久間蛍(さくまけい)は、左ハンドルの運転席に座り、天井の電動ルーフを開き、青い空を見上げていた。
 (あー、明日の夜は、社長とか…。きっとええ食事用意してくれてるんやろなぁ。美味しいもん食べておいしいお酒飲んだら、一緒に温泉か…・はぁ、仕事と思って頑張らなしゃあぁいなぁ…。)とため息をついた。
 身長168センチで体重は49キロ。スリーサイズは78、58、83。よく言えばスレンダーな「モデル体型」、悪く言えば、男を引き付ける魅力に欠けた、前後の凹凸ボリュームに掛けた「ガリペタ体形」…。
 顔は標準以上の「かわいこちゃん」ではあるが、周りの男からは「AK●」に居そう!」と呼ばれる都度、「はいはい、特別美人でもなければめちゃくちゃかわいいわけでもないってことやな!」とひねくれて受け取ってしまう29歳…。
 最後に彼氏がいたのは、26歳の時。「豊胸手術を考えてみいへんか?」と言われたのをきっかけに暴力沙汰の大喧嘩となり、その後3年間、特定の彼氏はいない。

 前彼と別れた直後に、勤め先の事業縮小に伴う、リストラに逢い、仕方なく、場繋ぎにと時給1500円でスナックでアルバイトしているときに、今の社長兼愛人の黒瀬叶(くろせかのう)に知り合ったのだった。30歳年上の黒瀬は、彼氏というよりは、父親のような感覚で、優しく蛍に接してくれていた。
 黒瀬は、門真を本社として、大阪府内で5か所の事務所を構える金融業者の代表だった。5つ下の妻との愛は冷めており、自身も糖尿病からくる「ED」を患っており、「性的不能者」を公言していた。
 何度か、店外で食事に誘われ、ある日、泊りの温泉旅行に誘われた。店外デートの度に高級な食事と高額の小遣いをくれる黒瀬に対し、「少しのお返し」のつもりで「OK」の返事をして、一緒に部屋付属する露天風呂に入った。黒瀬は、20代の蛍の身体を大変喜んだが、下半身は起き上がることはなかった。それ以来、月に1度か2度のペッティングの約束で黒瀬の会社に主に運転手役の庶務係と愛人役ということで、月50万の手当をもらっている。
 (まぁ、私を縛るでもなく、ペッティングもさらっとしたものやし、黒瀬社長のキャラは嫌いやないからこれはこれでええか…)と思うようになり、早3年…。今の、愛車「S650」は新車で買えば2930万円だが、黒瀬の知り合いの自動車ブローカーから、「この「マイバッハ」、名義変更できへん金融物やねん。実は「事故車起こし」のニコイチやねんけど、うちの修理代未払で「幣の中」入ってしもて15年は出てけえへんから、なんぼかで引き取ってくれへんか?」と言われ、黒瀬が「蛍の日頃の足に」と350万で引き取ったのだった。
 
 「黒瀬社長、私、国産車で十分ですよ!ちょっと、私には贅沢すぎて…。」と遠慮したのだが、「350万やったら国産車より安いがな。まあ、わしの送迎もしてもらうからこれくらいの方がカッコつくやろ!まあ、ボディーの溶接あと隠すためのラメ入りのピンクのカラーは「ご愛敬」ってな!まあ、蛍ちゃんには似合うと思うで!遠慮せんと受け取ったってや。蛍ちゃんも「速く」て「でかい」車好きやろ!」と人懐っこい顔で言われると断る理由もなかった。

 (あー、この車で黒瀬社長といろんな温泉行ったなー!どこ行っても目立ちすぎることを除けば、ほんま最高の車やなぁ…。)と愛おしくハンドルを撫でた瞬間、「ガン、ガガガガガ、バキッ!」という音が運転席側の側面で響き、左斜め前に自転車と男の子が倒れた。

 「おい、何処に目をつけてチャリ走らせとんねん!きっちり片付けてもらで!」
凄んで蛍が歩道に降りると、スマホを左手に握ったまま、門真工科高校柔道部と文字の入った大きなスポーツバッグを背負った背の高い男の子が自転車と一緒に倒れていた。
「ちょっと、お兄ちゃん、大丈夫か?頭打ってへんか?」
ふと、怒りを忘れて倒れていた男の子に肩に手を差し伸べた。
「すみません、ちょっとスマホに気をとられてしまって…。」
振り返った男の子は予想してなかった、色白のイケメンだった。バッグにある「柔道部」の文字から、「ごつい男」を想像していたが、真っ黒なナチュラルヘアーのツーブロックに鼻筋が通り、切れ長の二重にきりっとした眉…。(わっ、私の「どストライク」やっ!これは逃したらあかんよな!)蛍は、心の中で微笑んだ。



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