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第8話「シャワー」

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第8話「シャワー」

 目を潤ませて、七海に訴える拓海にすぐにでもキスして押し倒したい衝動に駆られた。しかし、主導権を握り続けるためには、流されてはいけないと思い、
「拓海君、ちょっとたばこの臭いがついてるから、先にシャワーしておいで。シャンプーは私のでよかったら使ってもらったらええからな。あと、「ぴー」もしっかり剥いて、「きれいきれい」してくるんやで。」
と「お預け」を命じた。(あー、機嫌損ねさせちゃったかな?)と拓海の顔を見たが、全然そんな様子はなく、
「わーい、七海さんがいつも入ってる浴室に入れるんですね!もう、それを想像しただけで、バキバキですよ!じゃあ、速攻でシャワーしてきまーす!」

 喜んで浴室の脱衣場に入っていく拓海を見送り、ふと、さっき履き替えた下着が洗濯物籠の一番上にのせたままにしていることを思い出し、「ごめん、ちょっと失礼するで!」と脱衣室のドアを開けると、すでに全裸になっていた拓海と目が合った。「ぴー」は皮を被っているが、すでに上を向いている。
「わっ、七海さん、何ですか!?」
と驚く拓海の前をそそくさと洗濯物籠の一番上にのっていたショーツとブラジャーをそっと下に押し込んだ。(あー、見られてしもてたかな?裏地にいやらしいシミ出来てたからちょっと恥ずかしいでなぁ…。)

 「あっ、七海さんの下着はちょっとしか見てないから大丈夫ですよ!」
と言う拓海に(何が「大丈夫」なんよ?「ちょっとしか見てない」っていうのは「ちょっとは見た」ってことやろ。うーん、裏地が上向いてたから、しっかり見られてんねやん!それで「ぴー」が大きくなってるんやったら恥ずかしすぎるわ。)少し逆切れ気味に、
「絶対、洗濯物籠あさったりせんとってや!そんなんしたら、あとでもう何もしたらへんからな!」
と言い脱衣所を飛び出た。

 すぐに浴室のドアの開け閉めの音と、シャワーの音が響きだし、改めて、昨晩、下の毛を揃えるのに使った剃刀も置き忘れていたことを思い出した。(あれっ、縮れ毛とか残ってへんやろな。もう今更、チェックできへんし…。あー、迂闊やったな…。)とため息を落とした。シャワーを浴びているのを確認し、バスタオルを脱衣所に置き、その旨の声をかけた。
「はーい、ありがとうございまーす!今頭洗ってるんで、もう3分で上がらせてもらいますよー!それにしても、すごくいい匂いしますねー!やっぱり美人のお風呂は違いますね!」
と無邪気に話しかけてくる。七海は、一気に赤面して、浴室のドア越しに言った。
「もう、あほなこと言ってんと、「ぴー」の皮の裏もきちんと洗うんやで!」

 言っていた通り、3分で拓海は浴室から出て、リビングにやってきた。Tシャツとトランクスで出て来ることを想像していたが、きちんとズボンに靴下まで身に着け、来た時の姿そのままの恰好だった。(ふーん、意外と落ち着いてんねんな!まあ、ご飯の前にちょっと抜いたるかな…)と思い、七海は尋ねた。
「拓海君、最初に何したい?希望を3つ言うてみ!」

 拓海は少し照れたそぶりを見せ、真っ赤になって言った。
「あの…、七海さんとキスしたいです。それから七海さんの匂いをかぎたいです。それから…」
そこで言葉は止まり、もじもじしている。
「ん?それから?匂い嗅ぐで終わってええの?「ぱっくん」とか「おっぱい揉む」とか私の大事なとこ見る」とかはええんかな?まあ、それやったらそれでも、私はええねんけどな。」
と少し意地悪に囁くと、拓海は真正面から視線を向け、両手を顔の前で合わし
「最後までさせてください!僕の「童貞」もらって欲しいんです!お願いします!」
と110度のお辞儀をした。

 七海は思わず噴き出した。
「ケラケラケラ!「処女をもらってください」ってセリフは効いたことあるけど「童貞もらって欲しい」っていうのは初めて聞いたな!拓海君、あんたなかなかおもろいな!山田君に座布団1枚持ってこさせなあかんな!」
 困った顔をしている拓海が何も言えないでいるのを見ると、更に意地悪したくなってしまい、拓海の耳元で囁いた。
「じゃあ、この後、「キス」して、「匂い」嗅いだら、ベッドで拓海君があおむけになって、私が騎乗位で乗っかったらお終いでええかな?おっぱいもおしりも揉み揉みせんでええんかな?私は、拓海君といっぱいイチャイチャしたかったんやけど、拓海君は意外とたんぱくやねんな。」

 「えっ、そ、そうやないんですよ。七海さんの全部を見たいですし、すべてを知りたいです。お願いします。どうか、最初から最後まで全部を経験させてください。」
と真っ赤になって言った。七海は軽くキスすると、優しく拓海に答えた。
「わかったよ。「意地悪」言うてごめんな。じゃあ、まずは裸になろか!」

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