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意識
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ベッドに寝転がるも、目がさえてしまって眠れない。ひとまず目を瞑ってみるものの、気になってしまってスマホを手に取ってはらろあとのメッセージ画面を見返していた。
数回のやり取りと、通話履歴。スクロールもせず1画面に納まっているその画面を何度も何度も眺める。それだけで幸せになれるなんて、我ながらコスパがいい。
いい加減寝ようと思ってスマホを置き、瞼をぎゅっと閉じるが、頭の中で少ない彼との会話を繰り返してしまう。音楽をかけても、らろあの声が耳にこびりついて離れなかった。
気づけばカーテンの向こうが明るくなっていた。その頃には眠気の方が勝って、うとうとと眠ったり起きたりを繰り返す。そろそろ眠れそうだな、と思った時にスマホの通知が鳴った。
画面を見れば、もう朝の8時になっている。今日が日曜日でなかったら慌てているところだ。寝不足でしょぼしょぼする目をこすって通知を確認すると、らろあからのメッセージが届いていた。
あくびをしながらスマホを見ていたのに、途端に意識が覚醒した。『おはよ~』とだけ書かれた簡素な一言が私の心臓を跳ねさせる。『おはよ』と返すと、すぐに相手が入力中の表示がされた。
『起きるの早いね、今日学校?』
『ううん、休み』
『そっか~、俺は仕事。行ってきます』
行ってらっしゃい、と打ちかけてなんだか恋人のやり取りみたいだとどぎまぎする。意識すると恥ずかしくなり、打ち込んだ言葉を消して『がんばって』と送った。それ以降の返信はない。少し時間を置いてから、ツイートの通知が届いた。
『おはよう!今日は仕事~、帰ってきたらまた配信するね』
いつも通りにいいねを押す。さっきまで個人的なやり取りをしていたのに、誰でも見られるSNSでまた挨拶を返すのは変な感じがしてリプライは送れなかった。
らろあのフォロワーがこのツイートを見るより前に、彼と2人でやり取りをしている事実が嬉しかった。嬉しいと同時に、もしかすると私だけではないのかもしれないとふと思う。
1か月ほど見ていなかった間に、サクラともこういうやり取りをしていたかもしれない。それにわざわざらろあのアカウントがあるということは、「らろあ」としてのやり取りがあるということだ。彼はコラボをしたことはないけれど、SNSで他の配信者と話をしているのは知っている。コラボしないだけで、裏では何か関係があるのだろうか。
昨日初めて話した程度の関係のくせに、そんな考えが一気に押し寄せた。別にらろあが誰と話していようと私には関係ないのに、1度考え始めると気になってしょうがない。
もしかするとこれから、私よりも彼のことを見るリスナーが増えれば、こんな風にやり取りをする人間が増えていくのかもしれない。そもそも自分がどうして彼に個人的なやり取りをしてもらえたのかもわからなかった。
寝不足の頭で考え事のなんてするべきではないのはわかっている。それに私はらろあの人間関係に口を出す権利はない。
「……恋人だったらよかったのにな」
思わず漏れた独り言に、自分で驚いた。らろあと恋人になるなんてあり得ないことなのに、何を考えているんだろう。
でも、もしかしたらという考えがぐるぐると渦巻いた。今までは配信者とリスナーの関係だったけれど、そもそもただの視聴者は配信者と通話なんてできない。それなら少しくらいチャンスがあるんじゃないだろうか。
そこまで考えて、いやいやと首を振った。考えすぎだし、調子に乗りすぎている。寝てないからこんなことを考えるんだと枕に顔をうずめた。
顔が熱い。らろあをそんな風に意識したせいか、それとも自分のそんな考えが恥ずかしいのか、もはや自分ではわからなかった。
数回のやり取りと、通話履歴。スクロールもせず1画面に納まっているその画面を何度も何度も眺める。それだけで幸せになれるなんて、我ながらコスパがいい。
いい加減寝ようと思ってスマホを置き、瞼をぎゅっと閉じるが、頭の中で少ない彼との会話を繰り返してしまう。音楽をかけても、らろあの声が耳にこびりついて離れなかった。
気づけばカーテンの向こうが明るくなっていた。その頃には眠気の方が勝って、うとうとと眠ったり起きたりを繰り返す。そろそろ眠れそうだな、と思った時にスマホの通知が鳴った。
画面を見れば、もう朝の8時になっている。今日が日曜日でなかったら慌てているところだ。寝不足でしょぼしょぼする目をこすって通知を確認すると、らろあからのメッセージが届いていた。
あくびをしながらスマホを見ていたのに、途端に意識が覚醒した。『おはよ~』とだけ書かれた簡素な一言が私の心臓を跳ねさせる。『おはよ』と返すと、すぐに相手が入力中の表示がされた。
『起きるの早いね、今日学校?』
『ううん、休み』
『そっか~、俺は仕事。行ってきます』
行ってらっしゃい、と打ちかけてなんだか恋人のやり取りみたいだとどぎまぎする。意識すると恥ずかしくなり、打ち込んだ言葉を消して『がんばって』と送った。それ以降の返信はない。少し時間を置いてから、ツイートの通知が届いた。
『おはよう!今日は仕事~、帰ってきたらまた配信するね』
いつも通りにいいねを押す。さっきまで個人的なやり取りをしていたのに、誰でも見られるSNSでまた挨拶を返すのは変な感じがしてリプライは送れなかった。
らろあのフォロワーがこのツイートを見るより前に、彼と2人でやり取りをしている事実が嬉しかった。嬉しいと同時に、もしかすると私だけではないのかもしれないとふと思う。
1か月ほど見ていなかった間に、サクラともこういうやり取りをしていたかもしれない。それにわざわざらろあのアカウントがあるということは、「らろあ」としてのやり取りがあるということだ。彼はコラボをしたことはないけれど、SNSで他の配信者と話をしているのは知っている。コラボしないだけで、裏では何か関係があるのだろうか。
昨日初めて話した程度の関係のくせに、そんな考えが一気に押し寄せた。別にらろあが誰と話していようと私には関係ないのに、1度考え始めると気になってしょうがない。
もしかするとこれから、私よりも彼のことを見るリスナーが増えれば、こんな風にやり取りをする人間が増えていくのかもしれない。そもそも自分がどうして彼に個人的なやり取りをしてもらえたのかもわからなかった。
寝不足の頭で考え事のなんてするべきではないのはわかっている。それに私はらろあの人間関係に口を出す権利はない。
「……恋人だったらよかったのにな」
思わず漏れた独り言に、自分で驚いた。らろあと恋人になるなんてあり得ないことなのに、何を考えているんだろう。
でも、もしかしたらという考えがぐるぐると渦巻いた。今までは配信者とリスナーの関係だったけれど、そもそもただの視聴者は配信者と通話なんてできない。それなら少しくらいチャンスがあるんじゃないだろうか。
そこまで考えて、いやいやと首を振った。考えすぎだし、調子に乗りすぎている。寝てないからこんなことを考えるんだと枕に顔をうずめた。
顔が熱い。らろあをそんな風に意識したせいか、それとも自分のそんな考えが恥ずかしいのか、もはや自分ではわからなかった。
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