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Episode1 動き出すパズルのピース
Episode1−1 〜とある研究施設にて〜
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《とある研究施設にて》
コンクリートの壁が永遠に続くこの研究施設ではある人物が眠っていた。検査室N―174。そこにある人物は眠っていた。検査室の中は殺風景でこれまたコンクリートの壁で覆われていた。部屋はおよそ6畳半といったところで決して広いといった訳では無いが、人が眠れるベッド1つさえあれば十分であった。検査室N―174には1人の女性、いや青年、いや女性であろうか?どちらとも言い難い中性的な人物が眠っていた。腰程まである長い銀色の髪をベッドいっぱいに広げ、その人物は眠っていた。
検査室N―174には出入り口は存在しなく、ただ1つ小さな除き窓だけがあった。検査室の中から外の様子は伺え無いものの、外からは検査室の中を存分に眺める事が出来た。現に今、中性的な人物が眠っている検査室N―174を1人の白衣を着た女性が眺めていた。女性の名は星宮冥美(ほしみやめいび)。この研究施設において『重要』な役割を担う女性である。冥美は白衣のポケットからスマホを取り出すと長く美しい漆黒の髪を翻しながらある人物に電話をかけ始めた。
「こちら星宮。現在検査室N―174の前。森羅に異常は見られない。応答せよ」
『森羅』とは何の事か。察するに恐らくは検査室の中に眠る人物の名であろう。冥美が喋り終えるとスマホの向こうから相手の声が微かに聞こえて来た。
「ありがとう。んで、星宮ってどっちの?冥美かい?それとも…」
「ちょっと!!今冗談言ってる場合じゃ無いでしょ?!星宮冥美に決まっているじゃない!!あの人は今それどころじゃ無いんだから…」
「ごめんごめん。そうだったね。冗談を言ってる場合では無かった。今の僕達の状況じゃ冗談1つ言えやしないんだ…。すまないね冥美。もう良いよ。A―1に戻って来て」
そして会話は終わりを迎えた。情報の多さに私達にとっては何の事かさっぱりであったが、冥美の顔は深刻であった。この会話で分かった事は、検査室で眠る人物が『森羅』と呼ばれている事。そして、冥美の他にも『星宮』の姓を名乗る者がいるという事。それから冥美や電話の相手を含め、この研究施設が何かしらの深刻な事態を迎えている事。
「もうっ!!なんでこうなるのっ!!」
冥美は右手で髪の毛をぐしゃぐしゃと掻き回した。あまりの苛立ちからそのままの勢いで冥美は壁を思いっきり蹴った。
「痛っっ!!」
コンクリートの壁は彼女が思っているよりも硬く険しく冷たかった。まるで彼女の全てを否定するかのように。
「もうこんな日々はごめんだ…」
冥美が誰にも聞かれていないと思いポツリと弱音をこぼした時、検査室の人物『森羅』は目を醒ました。
コンクリートの壁が永遠に続くこの研究施設ではある人物が眠っていた。検査室N―174。そこにある人物は眠っていた。検査室の中は殺風景でこれまたコンクリートの壁で覆われていた。部屋はおよそ6畳半といったところで決して広いといった訳では無いが、人が眠れるベッド1つさえあれば十分であった。検査室N―174には1人の女性、いや青年、いや女性であろうか?どちらとも言い難い中性的な人物が眠っていた。腰程まである長い銀色の髪をベッドいっぱいに広げ、その人物は眠っていた。
検査室N―174には出入り口は存在しなく、ただ1つ小さな除き窓だけがあった。検査室の中から外の様子は伺え無いものの、外からは検査室の中を存分に眺める事が出来た。現に今、中性的な人物が眠っている検査室N―174を1人の白衣を着た女性が眺めていた。女性の名は星宮冥美(ほしみやめいび)。この研究施設において『重要』な役割を担う女性である。冥美は白衣のポケットからスマホを取り出すと長く美しい漆黒の髪を翻しながらある人物に電話をかけ始めた。
「こちら星宮。現在検査室N―174の前。森羅に異常は見られない。応答せよ」
『森羅』とは何の事か。察するに恐らくは検査室の中に眠る人物の名であろう。冥美が喋り終えるとスマホの向こうから相手の声が微かに聞こえて来た。
「ありがとう。んで、星宮ってどっちの?冥美かい?それとも…」
「ちょっと!!今冗談言ってる場合じゃ無いでしょ?!星宮冥美に決まっているじゃない!!あの人は今それどころじゃ無いんだから…」
「ごめんごめん。そうだったね。冗談を言ってる場合では無かった。今の僕達の状況じゃ冗談1つ言えやしないんだ…。すまないね冥美。もう良いよ。A―1に戻って来て」
そして会話は終わりを迎えた。情報の多さに私達にとっては何の事かさっぱりであったが、冥美の顔は深刻であった。この会話で分かった事は、検査室で眠る人物が『森羅』と呼ばれている事。そして、冥美の他にも『星宮』の姓を名乗る者がいるという事。それから冥美や電話の相手を含め、この研究施設が何かしらの深刻な事態を迎えている事。
「もうっ!!なんでこうなるのっ!!」
冥美は右手で髪の毛をぐしゃぐしゃと掻き回した。あまりの苛立ちからそのままの勢いで冥美は壁を思いっきり蹴った。
「痛っっ!!」
コンクリートの壁は彼女が思っているよりも硬く険しく冷たかった。まるで彼女の全てを否定するかのように。
「もうこんな日々はごめんだ…」
冥美が誰にも聞かれていないと思いポツリと弱音をこぼした時、検査室の人物『森羅』は目を醒ました。
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