クガイの剣 とある剣豪の異境活劇

永島ひろあき

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冥界の剣

第二十六話 解き放たれる者

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「わっ!?」

 背後から届いてきた轟音に、ハクラに抱えられたままのクムが思わず声を出した。

「ふむ、あのルリエンという魔族とクガイがかなり激しく戦っているようだな。クガイならそうそう遅れはとるまい。クム、私達はこのまま行くぞ。封印をかけ直せばあの女魔族も戦う理由がなくなるから退くであろう」

「はい!」

「良い返事だ」

 ハクラは短く答えて、流れ弾の火球と熱線を軽く直剣で弾く。白龍の加護を抜きにしてもこの程度の事を容易くこなす実力は、彼女の非凡さを表す一例だ。
 通路のあちこちに熱線と火球による焦げと斬撃や打撃の破壊痕が刻まれていて、戦端を開いてからの短時間で繰り広げられた戦闘の激しさを物語っている。

「ハクラさん! こちらです」

 ルリエンをクガイに任せ、通路に入ってからそれなりに時間が経過していたが、先んじて露払いをしていたクゼが目的地に到達したようだ。通路の向こうからハクラ達を呼ぶ声がする。先程まで止むことのなかった戦闘音が絶えており、どうやら脅威の排除に成功したようだ。
 冥業剣と禍羅漢の眠る封印の間の扉は開かれており、そこに少々衣服の乱れたラドウとクゼ、そして手傷を負ったセイケン、かなりの消耗が見て取れるウロトとゲンテツの姿がある。特にゲンテツは両腕に大きな火傷を負っており、灼烈との相性の悪さが窺い知れる。
 雷電轟鳴と灼骨炎戯を手に、ラドウはけらけら笑いながら部屋の奥を示す。

「いやあ、あの熱線はちょっと厄介だったね。ゲンテツ君がずいぶんと焦げちゃったよ。さあ、クムちゃん、あれが冥業剣さ。ここからでも見えるだろう? 冥業剣の鍔元にかけているところがあって、そこに君の持っている鍵を嵌めて刺し直して貰えれば、封印が堅固になるって寸法だ」

「はい。冥業剣の封印を直したら、もう一度鍵を外して貴方達無尽会にお預けします。好きなように調べて、研究なさってください。私は冥業剣の所有権を放棄しますので、代わりの封印と冥業剣の使い方が分かったら、貴方達のものです」

「はは、君も結構大胆だよね。それでもまあ、君を殺して所有権を奪う方が楽なんだけど……こらこら、クゼ殿、ハクラ殿、冗談なんだからそんなに殺気を飛ばさないでおくれよ。この土壇場でそんな空気を読まない真似はしないってば」

「ラドウ様、流石に今の発言はよろしくありませんでしたよ」

「セイケンまでそういうなんて、俺も反省しないとなあ。さてあんまり話してるとルリエンちゃんが追いついちゃうかもしれないし、手っ取り早くいこう。
 まずはなにか罠が残っているかもしれないから、そうら、灼海熱天しゃっかいねってん雷光千蛇らいこうせんじゃ!」

 ラドウの取った行動は実に大胆なだった。封印の間の入り口に立つと大上段に振り上げた二振りの仙術武具の出力を最大限に振り絞り、天にも届くような炎の海と雷光で出来た線引きの蛇が放たれる。

「わひゃ」

「ほう。仙術武具とやらは使い手に多少なり負担を強いる品のようだが、ここまで性能を引き出すか。クガイの言う通りだった」

 灼烈や大壊が潜んでいたとしても、一体残らず滅びるだけの炎と雷の暴れ狂う宴が終わるのを待ち、一行はラドウとクゼを先頭に封印の間へと進み、祭壇に突き立てられた冥業剣の元へと、いっそ呆気ない程簡単に辿り着く。
 ラドウの二つの奥義で仕掛けられていた罠が全て破壊できたのか、もともと仕込んでいなかったのかは、今となっては分からぬことだ。

 ハクラは祭壇の下まで辿り着いたところでクムを降ろし、肌を打つ冥業剣の力と溢れ出ている禍羅漢の瘴気に眦を険しくする。幸いクムに持たせたお守りはまだ無事に機能している。
 ひときわ神秘的な封印の間の雰囲気もあるが、本来、この世にあるはずのない冥界の剣を前に、ハクラばかりでなくクムやクゼ、ラドウも息を呑んでいた。

「これだけのものを使わねば封じられないのが魔王か。恐れ入るな」

 クゼの嘆息と共に零れた言葉は、この場に居るほとんどの者の内心を代弁するものだった。ウロトとゲンテツ、セイケン、ラドウが祭壇の周囲を囲み、冥業剣の前にはクムとハクラが並んで立ち、その後ろにクゼが立つ。
 手を伸ばせば届く位置にまで近づいて、改めて冥業剣を前にすればその紫水晶を思わせる色彩の美しさと輝きは、魂まで吸い込まれてしまうようだ。

「ハクラさん」

 冥業剣ばかりでなく祭壇もまた荘厳な雰囲気を持つ逸品だが、それを前にしてクムは困った顔でハクラを振り返る。ハクラもまたクムが何を言いたいのかすぐに察した。

「うむ。クムの手が届かんな。どれ、私がクムを持ち上げよう」

 ハクラは念の為、右手に直剣を握り続けており、左手をクムの腰に回してひょいっと持ち上げる。これでどうにかクムの手が冥業剣に届く。クムは首から下げた巾着袋に入れていた鍵を取り出し、向きを確かめつつ冥業剣の鍔元へと嵌め込んだ。

「よいしょ」

 カチッと小気味よい音を立てて母の形見は冥業剣に嵌まり、それを喜ぶように冥業剣が蛍のように淡い光をふわふわと浮かび上がらせる。

「わぁ、綺麗」

「あるべきところにあるべきものが戻った、という印象だな」

「なんだか喜んでいるような?」

「ほう。これほどの経験となれば意志を持つこともあるか。ではクム、冥業剣を深く刺し直すのだ。クゼよ、それでよいのだな?」

「ええ。ウチのお抱えの術士達が額を突き合わせて出した結論です。わずかに冥業剣の差し込みが緩んでしまったのが、封印の緩みとなったという見解ですから、逆をすれば封印が詰まる理屈です」

「で、では、いきます!」

 異様な緊張に硬くなっているクムが、おそるおそるかつて父の握った剣を掴む。おそらくラドウさえも緊張する中で、クムは冥業剣を握ったまましばらく動かなかった。
 まだ高さが足らなかったか、とハクラが少々的外れな心配をしていると、クムが冥業剣をわずかではあったが抜いてしまう。

「クムッ!」

 まさか禍羅漢の瘴気か、あるいは冥業剣を通じて操られたのかとハクラが叫ぶ中、クムは――

「えい!」

 と可愛らしい気合の声を出して、冥業剣を深々と祭壇に向けて突き込んだ。突然のことに思わずハクラやクゼを含め、誰もが固まる中、クムは再び冥業剣を持ち上げて勢いよく祭壇に突き刺す行為を繰り返す。

「こんな剣があるから! こんな中途半端に封印されているから! 私はあんな目に遭って! もう、もうもうもうもうもう!!」

「……元凶の剣を前にして鬱憤が爆発しただけか」

 頭から湯気を噴くような勢いで冥業剣を祭壇に突き刺すクムの言葉に、どうやら杞憂だったらしいとハクラは肩から力を抜く。
 祭壇の内部に封じられている禍羅漢には悪いが――いや、元凶なのだからいいか――これでクムの鬱憤が少しでも晴れればよし、とハクラはクムを止めない。
 まだ子供の年齢であるクムの見せた感情の爆発に、どことなく弛緩した雰囲気が漂い始めた頃になって、ようやくクムは気が晴れたようだった。

「ふう、満足満足。ごめんなさい、ハクラさん、皆さん。この剣を握ったらこうお腹の奥底からふつふつと煮え滾ってくるものがあって、つい」

 ふふふ、とはにかんだ笑みを浮かべて振り返るクムにつられてハクラも微笑し――直後、クムの手が冥業剣を抜いているのを目撃し、凍りついた。

「クム!」

「えっ、あ、え? わたし、剣……」

 ハクラは刹那の速さで行動した。左手でクムを抱き寄せて後方に跳躍しながら、“クムの首筋に繋がっていた透明な髪”を斬り払うのを同時にこなした。
 自分の体が意図しない動きをしたことに茫然とするクムは、冥業剣を握ったまま目まぐるしく視界が変化したものだから、状況の理解が遅れたのも仕方がない。代わりにクゼやラドウ達の動きは速い。

 冥業剣が完全に抜けきった直後に祭壇から噴火を連想する勢いで瘴気が噴き出し、見る間に封印の間を満たしてゆく。ハクラはそのまま後方へと跳躍を繰り返し、クゼ、ラドウ、セイケンがハクラと祭壇の間に入る。
 溢れる瘴気の質の高さに、全員の背筋が凍てつく中、封印の間の入り口から笑みを含む声が聞こえてきた。

「妖術・宿り髪……ふふふ、魔王陛下の瘴気に紛れていたのとこれまで赤髪だけを見せてきたのが幸いしたわね」

 封印の間の入り口にはクガイを振り切ったルリエンの姿があった。ただし無傷とはいかず、木刀の投擲で抉られた右肩に肘から砕けた左腕、左足も庇うように立っており、満身創痍の一歩手前といったところか。

「クガイを振り切ったか。だが今のお前ならばクムを抱えた私でも一刀で斬り伏せられるぞ。わざわざ姿を見せたのは失策だったな」

「ふふ、これでも逃げるくらいは……え、クム? クムってあのクム?」

「んん? あ、ルリカさん? 声を聴いた時に聞き覚えがあるなあとは思ったんですけど」

 冥業剣を抱えたままのクムを見て、ルリエンはこの場に似つかわしくないぽかんとした表情を浮かべ、おまけにクムを指さしている。
 クムもクムで半ば疑っていたようで、やっぱりという顔になる。クムに対してはルリカと名乗っていたようだが、こちらもルリエンと同じく偽名の一つだろう。

「なんだ、クム、知り合いか?」

「はい。屋台の常連さんです。でも十日くらい前から姿を見なくなったので、飽きられちゃったかなあって思っていたんですけど」

「……え、ちょっと待って。じゃあ、冥業剣の今の主ってクムなの?」

「はい。あのフウナンが私の父親だったみたいで、お母さんの形見がこの剣の鍵だったみたいで……」

「それは、まあ、不運ねえ」

 あまりにも急激にしみじみとした雰囲気に、ルリエンに仕掛けようとしていたウロトやセイケンも微妙に行動に出られず、急に屋台の幼い主とその常連客に戻ってしまった二人の間で視線をさ迷わせている。
 今なお彼らの背後では祭壇に大きな罅が走り、噴きだす瘴気の量が増している。一秒も無駄に出来る状況ではなく、なんとなく気まずい思いをしながらハクラが行動に出た。

「しんみりとしているところ悪いが、斬りかかるぞ」

 それでも一言置いたのは、有無を言わさずに動いてはクムの精神によろしくないと感じたからかもしれない。

「その必要はないわ。私はもうここからおさらばするし、それに魔王陛下が復活するというのに、私に構う余裕があって?」

 クムと言葉を交わしている間、穏やかな雰囲気に変わっていたルリエンが悪意だけで作られた笑みを浮かべていた。黒に染まる瞳は、ついに砕けた祭壇と溢れ出る白銀の光を映している。
 白銀の光に圧されるようにして、クゼ達がハクラの間近にまで飛び下がってくる。二人ともそろって余裕はなく、ラドウは笑みこそ維持しているが冷や汗を一筋、二筋ほど垂らしている。

「んん~ちょっとやばいかな、クゼ殿?」

「復活したものは仕方あるまい。もう一度封印し直すしかないが……」

 クゼの瞳は収まった白銀の光の中で浮かび上がる獣頭の巨漢を見ている。首から下を覆う煌びやかな鎧、雄々しく盛り上がる胸部に開いた穴とそこに輝く太陽の如き輝き。
 獅子とも狼ともつかぬ獣の顔が、封印の間に居る人間達をぐるりと見回す。かつて自分を封じた四人の姿はなく、代わりに冥業剣を握る少女――クムを見つけて、獣の顔でもそうと分かるくらいに訝しそうになる。

「浮世に戻って最初に目にするのがコレか」

 獣の頭にしては存外に流暢な発音の禍羅漢に驚いたのはクムだけで、他の戦いの心のある者は全て禍羅漢の息遣い、毛並みの動き、視線の全てに注意を払っている。何かを見落とせば死ぬ、見落とさなくても死にかねないと体と魂が叫んでいる。

「子供」

「! わわわ、私ですか」

「そうだ。何の因果かは知らぬがお前の持つ剣は、命ある者が触れてよい代物ではない。命が惜しくばすぐに手放せ。そしてこの俺に挑む危害のある者に委ねよ」

「で、でも、でもこれがないと貴方を封印できないから、私がある、主になっちゃっているから!」

 手放せないしそう簡単に委ねられないのだ、というクムの返事を聞き届け、禍羅漢は深く息を吐いた。呆れているようにも、嘆いているようにも聞こえる溜息だ。その溜息に続いて床を踏む足音が聞こえた。

「悪い、ルリエンに足止めを食らっちまった。……魔王は蘇ったか。やたらめったら強い瘴気が一気に溢れかえったから、分かりきっちゃいたが」

 クガイである。体のあちこちに赤い髪が未練のように巻き付いており、彼が口にした通りルリエンに深手を与えた代償に足を止められたようだ。彼の右手には愛用の木刀が取り戻されている。
 そしてルリエンはといえば、ハクラ達の意識が禍羅漢に引かれている間に姿をくらましていた。禍羅漢の復活という最低限の目的を果たしからだろう。

「クガイさん! あの、私」

「おうおう、泣くんじゃねえよ。あいつを外に出さず、ここでとっちめればそれで済む話さ。そうだろ、ハクラ」

「うむ。その通りだ。となればクムよ、お前はここから一刻も早く下がるのだ。今よりここは死地となるが故」

「あのでも、この剣がないとあの動物の頭の人を……」

「まあまあ、ここはひとつ彼らに任せてみようじゃないか。それにその剣は祭壇と組み合わせてこそ、禍羅漢を封印できるのだからね。冥業剣だけあっても封印は出来ないよ」

 唐突にこの場にはいなかった男の声がした。それもクムのすぐ後ろで聞こえてきたものだから、ハクラとクガイは咄嗟にそちらに切っ先を向ける。
 紙のように薄っぺらな声の主は、誰あろうヨウゼツである。刃を突き付けられて、降参だというように両手を上げている。
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