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第1章 アースからの旅立ち
2.男が女に!?性転換の恐怖と悦楽のはざまで・・・
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目の前のスクリーンに映し出された宇宙戦艦の船体や旗には、宇宙海賊「アマゾネス」の古代女戦士を象った紋章が掲げられていた。
アマゾネス・・。それは宇宙を股にかけた女どもばかりで構成された略奪集団のことだ。根こそぎ何もかも簒奪し、彼女達が通り過ぎた後で残った物は、魚の骨一本と男性用パンツ一枚のみだったという恐ろしい?伝説が伝わっている。
「なんで、海賊風情が、俺の船に用があるというのだ!?。何も金目の物はないはずだが・・。」といきり立っていたが、ともかく交渉してみることにした。
「こちらは、アマゾネス船団麾下レッド戦隊のビライ艦長だ。乗組員代表の者はいるか?。」と先方から交信を呼び掛けてきた。「こちらはライトニング号の船長バラクーダだ。何の用か?。」
「引き渡していただきたい物があるのだ。貴艇が前に立ち寄ったフィールダ星雲マーモンドで受け取ったキューブをこちらへ渡してもらいたい。」
「キューブ!?。そんな物は当方には無い。」とバラクーダが即座に否定した。だが、海賊の女艦長は冷ややかだった。
「いや、君らがマーモンドで依頼主からその品を運ぶよう、頼まれていることは分かっているのだ。ただちに引き渡せ。さもないと不本意だが、力づくでという事になる。」
「知らねえなー、そんな物。そういや、マーモンドでこちらに光線銃をぶっ放してきた奴らがいたが、お前らか?。だとしたら、仮にそんな物があったとしても、尚更渡せねえな。てか、力づくでやるならやってみな~、このオシリペンペ~ン♬と。」とおどけた様子を見せ、あくまで強気のこの男にはどこか自信でもあるのか。さすがに相手の態度もムッとしたものになっていく。
「それによ、さっきからオタク、なに見せびらかしてんのよ、まったくこれだから、トーシローは。」
「ハア?、な、なにを私が見せびらかしてると言うのだ!。」と半ば怒りモードで怪訝そうに問う女艦長。
「決まってるだろ、さっきからオタクの顔よりデカク、これ見よがしに映ってるアンタのオッパイだよ。すげえ、巨乳じゃねーかよ。サイズは軽くFはありますって自己主張してんじゃねえか。こちらにはキューブなんて大そうな物ねえけど、オタクにはそんなイイ物あんだから、それで我慢できねえのかよ?。」とさんざん挑発とも取れるトンデモ発言を行うバラクーダ。しかし、実際に巨乳かどうかは客観的には判定しかねる・・と思われる。
女艦長も気にはなるのかしげしげと自分の胸を見つつ、しかしやがて顔を真っ赤にして案の定、烈火のごとく怒り出した。
「なっ・・ムムウッ・・・バカにしおって!どこまでもしらを切る気なのだな。それでは実力行使としよう!。」と言うとスクリーンからパッと消えてしまった。隣で青ざめた顔のベニステラがバラクーダの顔を覗き込む。
「ほ、本当に大丈夫なのかい、あんな大見得きっちゃってえ・・。」と心配そうだ。しかし、当のバラクーダ本人はいたって平気な様子で不安なそぶりすら見せなかった。
「しっかし、借金取りどころか海賊に狙われてたとは、気づきもしなかったぜ。でもキューブって言ってたっけなそう言えば・・。」とバラクーダはスペルナの他に極秘の品物として、手の平サイズのキューブ状の立方体を預かっていた事を思い出した。確かにその正六面体形の金属製立方体を依頼主から極秘扱いで預っていたのだ。
しかし、その機能だとか預かることが何を意味するのかも全く知らされず、ただ配送先に渡して欲しいという依頼だった。ましてや何故、海賊がこれを狙うのか、思い当たる節も無かった。バラクーダは急いでキューブをポケットにしまい込むと白兵戦覚悟でビームライフルとビームサーベルを装着する。先方の戦艦からは威嚇射撃がなされている。ライトニング号も素早い速度と小回りの良さでは負けないつもりであったが、敵の包囲網から逃れられるかは未知数だった。一方的な威嚇射撃が終わると小型艇が続々と戦艦から発進してくる。すごい数だ。こちらは接舷されない様、逃げ回るしかない。とはいえ、バラクーダには戦い方があると思っていた。幾筋もの光線砲撃をかいくぐりながら、亜空間航行モードに突入する。突然、宇宙空間の視界からライトニング号の姿がフッと消え、海賊達の戦艦の1隻の背後に突然、瞬間移動する。背後から光線砲で奇襲攻撃をかける。こちらも戦艦ほどの火力は無いものの、相手の小回りが効かないことを逆手に奇襲や変化をつけた攻撃を与えられやすい。その結果、戦艦1隻は連続的に瞬間移動を繰り返す奇襲作戦が功を奏し、突発的な光線砲によるダメージを与え続けることで完全に沈黙した。
だが、海賊達もさすがに戦闘のプロだけに応戦も上手かった。戦艦からさらに何十という数の小型艇が発進されていく。小回りには同じ小回りの効く艇で対応しようというわけだ。散々やりあったあげく、ついに十数隻の小型艇に取り囲まれ、シールドホールダーという超強力な電磁気ネットに取り巻かれて身動きがとれない状況に追い込まれてしまった。
やがて数時間後。白兵戦もあわやかと思われたが、蓋を開けてみれば多勢に無勢で敵うはずもなく、アッサリと捕縛の身となったのであった。
こうしてバラクーダ達は、身柄を戦艦に監禁されて海賊達の本拠地であるアマゾネーラ星へと連行されることになった。ライトニング号も戦艦に収容されて一緒に運ばれることとなった。
やがて、長距離宇宙空間量子テレポーテーション航行によっておよそ30分後には、アマゾネーラ星へと到着する。アマゾネーラ星の中枢首都フェミネットへと連行されるのだ。巨大な軍事基地で降ろされ、バラクーダ達はそこで身体検査を受ける。だが彼が最初にポケットへ忍ばせていたキューブはどこへやったのか、全く見つからなかった。
当然、尋問を受けるものの「そんな大人のオモチャ持ってない!。」だの「オタクら目が悪いか、アタマが悪いんじゃない?持っていないって言ってる言葉理解できないの?。」などと悪態をつく有様で、てんで話にならず結局バラクーダとベニステラ、それにアンドロイドのスペルナの2人と1体は、そろって一つの牢屋へ閉じ込められてしまった。
「閉じ込めやがって!。そのうち脱走してやるからな。」とまだ強気な調子のバラクーダ。ベニステラも長年、彼と一緒にやっているせいか、こういう経験には場慣れしている様で落ち着き払っている。
「でも、バラクーダ、アンタが持ってるのかい、キューブってやつは?。」と訊いてくる。
「ああ、そうだ。実はちゃんと別の所に隠してあったんだよ。捕まる直前にな。」
「そう・・・でも一体、どこに?。」
バラクーダは、つかつかといきなりアンドロイドのスペルナに近寄ると突然、彼女の体の胸の部分に手をあてがい、服の中に手を突っ込んでまさぐる様にオッパイの谷間を揉みしだきだした。
「あ・・、あっはぁ~・・か、仮マスター、な、なんだか恥ずかしいデス・・、いや、やめてくだ・・。」と顔を赤らめ、しまいにはグッタリとなったスペルナを押し倒し、さらに覆いかぶさるバラクーダ。
ドカッ、と鈍い音がしてすかさずベニステラの脳天かかと落としが彼の頭上に炸裂する。
「イ、イテテッ、何すんだよ~。」と頭をさするバラクーダ。見るとその手には例のキューブが握られていた。
「アンタ、どこにソレ隠してたのよ。」とジト目で視線が厳しいベニステラに対し、バラクーダはやや平然とした顔つきで、「スペルナの体内は一種の異次元隠し金庫にもなるんだ。エックス線やレントゲン装置でも引っ掛からないのさ。ま、こういう事態だから、一旦利用させてもらったというわけだ。」
金属製の手の平に入るサイズの正六面体型立方体だが、一体どんな秘密が隠されている物なのだろうか。立方体の面をいろいろ弄くっているうちに、ルービックキューブの様に各面の色が一致するとキューブ全体が光り輝き始めた。光がさらに輝きを増していき、一瞬まばゆい光芒に包まれる。そして光がすぐに消えていった。手で両目を覆っていたベニステラが、再びキューブの方をゆっくりと見た途端、信じられない光景が目に飛び込んできた。さっきまでキューブを手にしていたバラクーダの姿はもうどこにも無く、そこには一人の若い見知らぬ女性が立っていたのだ。ただよく見ると、服装や身に着けている物だけは彼の物だった。
「え・・・ええええっ!?。」驚くベニステラ。立っている女性は、背が高くスラリと細身の女だったが、麗しい程の眉目秀麗の美人で肌の色は雪の様に白く整った清楚な顔立ちで、全く非の打ち所が無いと言っても過言ではない女だった。どこから現れたのか想像もできず、唾を飲み込んでしばらく立ちすくんでいたベニステラだったが、ようやく我に返った様に改めて彼女を見つめ直す。
「ア、アナタは誰?どこから来たの?。」
「あ、あれっ!?、オレ・・・お、女になっちゃったあ・・・。」と胸の膨らみを自分の手でしかと抱きしめる。
「あ、アソコも無い・・・。どうなっちゃったんだ、オレ!?。」とさらにズボンの股間の中を覗き込む。体だけではなく、声色も完全に女性のものになっている。
「あ、アナタ、バラクーダ?。バラクーダなの?。」
しばし茫然自失となっていたバラクーダの女性変異に皆、一瞬戸惑ってしまった様子だ。
だが、変化はそれだけではなかった。バラクーダ女性型をしばし眺めていたベニステラだったが、やがてウットリとした表情に豹変したかと思うとバラクーダ女性型にいきなり突然、抱きついた。
「アアっ、なんて素敵なお姉さま・・・。あ、アタシを抱いてっ!!。」と彼・彼女?を手放そうとしなくなってしまった。
「カ、仮マスター、いいえ、もうアタシの理想のご主人様ですわっ、バラクーダさまあ~💛💛💛。一生かわいがってくださいっ!。」となぜか磁石が鉄を吸い寄せるがごとく、スペルナまでおかしくなって、女バラクーダにひしと抱きついてくる。
どうやら、女に変異した彼には、同じ?女性を引き寄せる不思議な何らかの悪魔的な魅了パワーが働いているかの様だった。
「お、おいおい、オレだよオレ!。バラクーダだよって、もう!。アッ、こらっ、抱きつくなよ、ウザイよ~。」とまるでオレオレ詐欺みたいな声音で、抱きつかれた方も何とか振りほどこうとするが、狂った様にあるいは憑りつかれたかのごとく、女達は女になった彼を放そうとはしない。
一体、どういう変化が彼等の身に起こってしまったのか、この時のバラクーダ達には考えるすべも余裕も何も無かったのであった。
アマゾネス・・。それは宇宙を股にかけた女どもばかりで構成された略奪集団のことだ。根こそぎ何もかも簒奪し、彼女達が通り過ぎた後で残った物は、魚の骨一本と男性用パンツ一枚のみだったという恐ろしい?伝説が伝わっている。
「なんで、海賊風情が、俺の船に用があるというのだ!?。何も金目の物はないはずだが・・。」といきり立っていたが、ともかく交渉してみることにした。
「こちらは、アマゾネス船団麾下レッド戦隊のビライ艦長だ。乗組員代表の者はいるか?。」と先方から交信を呼び掛けてきた。「こちらはライトニング号の船長バラクーダだ。何の用か?。」
「引き渡していただきたい物があるのだ。貴艇が前に立ち寄ったフィールダ星雲マーモンドで受け取ったキューブをこちらへ渡してもらいたい。」
「キューブ!?。そんな物は当方には無い。」とバラクーダが即座に否定した。だが、海賊の女艦長は冷ややかだった。
「いや、君らがマーモンドで依頼主からその品を運ぶよう、頼まれていることは分かっているのだ。ただちに引き渡せ。さもないと不本意だが、力づくでという事になる。」
「知らねえなー、そんな物。そういや、マーモンドでこちらに光線銃をぶっ放してきた奴らがいたが、お前らか?。だとしたら、仮にそんな物があったとしても、尚更渡せねえな。てか、力づくでやるならやってみな~、このオシリペンペ~ン♬と。」とおどけた様子を見せ、あくまで強気のこの男にはどこか自信でもあるのか。さすがに相手の態度もムッとしたものになっていく。
「それによ、さっきからオタク、なに見せびらかしてんのよ、まったくこれだから、トーシローは。」
「ハア?、な、なにを私が見せびらかしてると言うのだ!。」と半ば怒りモードで怪訝そうに問う女艦長。
「決まってるだろ、さっきからオタクの顔よりデカク、これ見よがしに映ってるアンタのオッパイだよ。すげえ、巨乳じゃねーかよ。サイズは軽くFはありますって自己主張してんじゃねえか。こちらにはキューブなんて大そうな物ねえけど、オタクにはそんなイイ物あんだから、それで我慢できねえのかよ?。」とさんざん挑発とも取れるトンデモ発言を行うバラクーダ。しかし、実際に巨乳かどうかは客観的には判定しかねる・・と思われる。
女艦長も気にはなるのかしげしげと自分の胸を見つつ、しかしやがて顔を真っ赤にして案の定、烈火のごとく怒り出した。
「なっ・・ムムウッ・・・バカにしおって!どこまでもしらを切る気なのだな。それでは実力行使としよう!。」と言うとスクリーンからパッと消えてしまった。隣で青ざめた顔のベニステラがバラクーダの顔を覗き込む。
「ほ、本当に大丈夫なのかい、あんな大見得きっちゃってえ・・。」と心配そうだ。しかし、当のバラクーダ本人はいたって平気な様子で不安なそぶりすら見せなかった。
「しっかし、借金取りどころか海賊に狙われてたとは、気づきもしなかったぜ。でもキューブって言ってたっけなそう言えば・・。」とバラクーダはスペルナの他に極秘の品物として、手の平サイズのキューブ状の立方体を預かっていた事を思い出した。確かにその正六面体形の金属製立方体を依頼主から極秘扱いで預っていたのだ。
しかし、その機能だとか預かることが何を意味するのかも全く知らされず、ただ配送先に渡して欲しいという依頼だった。ましてや何故、海賊がこれを狙うのか、思い当たる節も無かった。バラクーダは急いでキューブをポケットにしまい込むと白兵戦覚悟でビームライフルとビームサーベルを装着する。先方の戦艦からは威嚇射撃がなされている。ライトニング号も素早い速度と小回りの良さでは負けないつもりであったが、敵の包囲網から逃れられるかは未知数だった。一方的な威嚇射撃が終わると小型艇が続々と戦艦から発進してくる。すごい数だ。こちらは接舷されない様、逃げ回るしかない。とはいえ、バラクーダには戦い方があると思っていた。幾筋もの光線砲撃をかいくぐりながら、亜空間航行モードに突入する。突然、宇宙空間の視界からライトニング号の姿がフッと消え、海賊達の戦艦の1隻の背後に突然、瞬間移動する。背後から光線砲で奇襲攻撃をかける。こちらも戦艦ほどの火力は無いものの、相手の小回りが効かないことを逆手に奇襲や変化をつけた攻撃を与えられやすい。その結果、戦艦1隻は連続的に瞬間移動を繰り返す奇襲作戦が功を奏し、突発的な光線砲によるダメージを与え続けることで完全に沈黙した。
だが、海賊達もさすがに戦闘のプロだけに応戦も上手かった。戦艦からさらに何十という数の小型艇が発進されていく。小回りには同じ小回りの効く艇で対応しようというわけだ。散々やりあったあげく、ついに十数隻の小型艇に取り囲まれ、シールドホールダーという超強力な電磁気ネットに取り巻かれて身動きがとれない状況に追い込まれてしまった。
やがて数時間後。白兵戦もあわやかと思われたが、蓋を開けてみれば多勢に無勢で敵うはずもなく、アッサリと捕縛の身となったのであった。
こうしてバラクーダ達は、身柄を戦艦に監禁されて海賊達の本拠地であるアマゾネーラ星へと連行されることになった。ライトニング号も戦艦に収容されて一緒に運ばれることとなった。
やがて、長距離宇宙空間量子テレポーテーション航行によっておよそ30分後には、アマゾネーラ星へと到着する。アマゾネーラ星の中枢首都フェミネットへと連行されるのだ。巨大な軍事基地で降ろされ、バラクーダ達はそこで身体検査を受ける。だが彼が最初にポケットへ忍ばせていたキューブはどこへやったのか、全く見つからなかった。
当然、尋問を受けるものの「そんな大人のオモチャ持ってない!。」だの「オタクら目が悪いか、アタマが悪いんじゃない?持っていないって言ってる言葉理解できないの?。」などと悪態をつく有様で、てんで話にならず結局バラクーダとベニステラ、それにアンドロイドのスペルナの2人と1体は、そろって一つの牢屋へ閉じ込められてしまった。
「閉じ込めやがって!。そのうち脱走してやるからな。」とまだ強気な調子のバラクーダ。ベニステラも長年、彼と一緒にやっているせいか、こういう経験には場慣れしている様で落ち着き払っている。
「でも、バラクーダ、アンタが持ってるのかい、キューブってやつは?。」と訊いてくる。
「ああ、そうだ。実はちゃんと別の所に隠してあったんだよ。捕まる直前にな。」
「そう・・・でも一体、どこに?。」
バラクーダは、つかつかといきなりアンドロイドのスペルナに近寄ると突然、彼女の体の胸の部分に手をあてがい、服の中に手を突っ込んでまさぐる様にオッパイの谷間を揉みしだきだした。
「あ・・、あっはぁ~・・か、仮マスター、な、なんだか恥ずかしいデス・・、いや、やめてくだ・・。」と顔を赤らめ、しまいにはグッタリとなったスペルナを押し倒し、さらに覆いかぶさるバラクーダ。
ドカッ、と鈍い音がしてすかさずベニステラの脳天かかと落としが彼の頭上に炸裂する。
「イ、イテテッ、何すんだよ~。」と頭をさするバラクーダ。見るとその手には例のキューブが握られていた。
「アンタ、どこにソレ隠してたのよ。」とジト目で視線が厳しいベニステラに対し、バラクーダはやや平然とした顔つきで、「スペルナの体内は一種の異次元隠し金庫にもなるんだ。エックス線やレントゲン装置でも引っ掛からないのさ。ま、こういう事態だから、一旦利用させてもらったというわけだ。」
金属製の手の平に入るサイズの正六面体型立方体だが、一体どんな秘密が隠されている物なのだろうか。立方体の面をいろいろ弄くっているうちに、ルービックキューブの様に各面の色が一致するとキューブ全体が光り輝き始めた。光がさらに輝きを増していき、一瞬まばゆい光芒に包まれる。そして光がすぐに消えていった。手で両目を覆っていたベニステラが、再びキューブの方をゆっくりと見た途端、信じられない光景が目に飛び込んできた。さっきまでキューブを手にしていたバラクーダの姿はもうどこにも無く、そこには一人の若い見知らぬ女性が立っていたのだ。ただよく見ると、服装や身に着けている物だけは彼の物だった。
「え・・・ええええっ!?。」驚くベニステラ。立っている女性は、背が高くスラリと細身の女だったが、麗しい程の眉目秀麗の美人で肌の色は雪の様に白く整った清楚な顔立ちで、全く非の打ち所が無いと言っても過言ではない女だった。どこから現れたのか想像もできず、唾を飲み込んでしばらく立ちすくんでいたベニステラだったが、ようやく我に返った様に改めて彼女を見つめ直す。
「ア、アナタは誰?どこから来たの?。」
「あ、あれっ!?、オレ・・・お、女になっちゃったあ・・・。」と胸の膨らみを自分の手でしかと抱きしめる。
「あ、アソコも無い・・・。どうなっちゃったんだ、オレ!?。」とさらにズボンの股間の中を覗き込む。体だけではなく、声色も完全に女性のものになっている。
「あ、アナタ、バラクーダ?。バラクーダなの?。」
しばし茫然自失となっていたバラクーダの女性変異に皆、一瞬戸惑ってしまった様子だ。
だが、変化はそれだけではなかった。バラクーダ女性型をしばし眺めていたベニステラだったが、やがてウットリとした表情に豹変したかと思うとバラクーダ女性型にいきなり突然、抱きついた。
「アアっ、なんて素敵なお姉さま・・・。あ、アタシを抱いてっ!!。」と彼・彼女?を手放そうとしなくなってしまった。
「カ、仮マスター、いいえ、もうアタシの理想のご主人様ですわっ、バラクーダさまあ~💛💛💛。一生かわいがってくださいっ!。」となぜか磁石が鉄を吸い寄せるがごとく、スペルナまでおかしくなって、女バラクーダにひしと抱きついてくる。
どうやら、女に変異した彼には、同じ?女性を引き寄せる不思議な何らかの悪魔的な魅了パワーが働いているかの様だった。
「お、おいおい、オレだよオレ!。バラクーダだよって、もう!。アッ、こらっ、抱きつくなよ、ウザイよ~。」とまるでオレオレ詐欺みたいな声音で、抱きつかれた方も何とか振りほどこうとするが、狂った様にあるいは憑りつかれたかのごとく、女達は女になった彼を放そうとはしない。
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