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軌跡への遁走曲《フーガ》
スキル【特技】とアーツ【技術】
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「アーツ、ね……」
マリスから出た言葉をぼそりと呟く。
聞きなれない言葉だけど、この世界にも研鑽によって
得られる技術があるものだと少しだけホッとする。
ただ、マリスの言葉だとあまり発達して無い感じだね。
それも当然か、スキルとやらの方が圧倒的に楽に修得できるなら
そっちの方が広まるのは火を見るよりも明らかだ。
「まぁ、【アーツ】にも【スキル】にない強みはいくつか持ってるけどね
修得に色々制限がある【スキル】と比べて【アーツ】は極端な話
努力をし続ければ誰にでも覚えることが出来るものだし、それに何より
同じような効果の【スキル】と【アーツ】なら【アーツ】の方が
強力なのが大半だからね
それでも【スキル】の覚えやすさの方がメリットとしては勝るけど」
ふむ、スキルとアーツではそんな違いがあるんだ。
「後、【アーツ】に関しては【スキル】の様に名前の表記が出ないのも
あまり習得者がいない原因の1つかな
冒険者は特にだけど、手っ取り早く自分の強さのアピールが出来るからね
『あいつあんな強い【スキル】覚えてるのか!?』ってな感じでね」
マリスは一通り説明した後、ふっと軽く息を吐く。
成程、名前の表記云々は未だにピンとこないけど
レベルと同じくスキルも分かり易い強さの指針になるって事だね。
だけどアーツは強力ではあるけど見た目が分かりにくい上に
修得も手間と時間がかかると、そう言う事だね。
「そっか、この世界の人達が私の動きで驚いていたのって………」
「ええ、マスターは【スキル】を使用した様な動きをしていたのに
全く表記に出ていなかった、と言うのもあります
尤も、それだけではありませんが」
私の言葉にリーゼが答える。
となると私って意図せずに奇襲を仕掛けてる事になってるみたいだね。
何かその内卑怯呼ばわりさせそうな気がするけど、こっちもデメリットを
背負ってるし、何より戦いではいかに相手の不意を突くのが重要だから
文句を言われても困るんだけどね。
「取り合えず私達がどんなスキルを持ってて
それがどんな効果を持っているかを教えておくわ。
私とコイツのはレンにとってそこまで重要じゃないけど
リーゼのは覚えておいた方がいいとは思う」
「……そだね、頑張ってみるよ」
スキルを覚える、という事は勉強するって事だよね。
む~、正直勉強は苦手だけどこれは必要だろうし覚えておかないと。
しかしこの世界について勉強しないといけない事が増えていくなぁ。
未だに文字も読み書きできるレベルで覚えてないし、頑張らないと。
私は少しだけうんざりしながらも、フィル達からスキルの説明を
聞いていった……。
………
………………
………………………
「あ゛~~~、疲れた~~~」
夕食前と同じようにベッドに突っ伏す私。
つくづく勉強は苦手だ、机にじっと座って話を聞く事自体は嫌いじゃないけど
それが自分で理解や実践できない事だともやもやしてしまう。
今回のスキルとやらも、フィル達には悪いけど半分も覚えることが出来なかった。
特にフィルやマリスの使っているらしき何たら詠唱だの何たらの加護だの
正直教えられてもピンとこない、まぁ私自身魔法自体に
あまり理解できてないのもあるんだろうけど。
でも、リーゼのスキルの方はなんとなく理解が出来たのは救いかな
何せスキルの名前に殆ど『龍』の名前がついてたからね。
【龍の吐炎】とか【竜の咆哮】とかそのまんまだったし
流石の私もストンと頭に入った。
後、スキルってのは戦闘用だけじゃないって言うのは驚いた。
フィルとリーゼは戦闘用っぽい名前のスキルだらけだったんだけど、マリスは
【彫刻】や【薬品調合】なんて言う
まるで職人のような名前のスキルを結構持ってたみたい。
けど、【早起き】や【ぶら下がり】なんてこんなのがスキルなの!?って感じの
スキルもいっぱい持ってたんだよね……フィルが呆れた顔してたから
名前通りのあまり役に立ちそうもないスキルなんだろうけど。
そんな風に夕飯を終えたあと2時間くらいスキルの講義を受けた訳だけど
正直疲れた……あまりリアの前で格好悪い姿を晒したくはないけど
それ以上に疲労感が体を支配してしまってる。
「……レン、疲れたの?」
夕食前と全く同じ言葉、同じ表情でリアが尋ねてくる。
「あはは……流石にね
勉強は苦手なんだよ、私」
強がる余裕もなく苦笑で返す。
格好悪いなぁとは思うけど仕方ない、勉強が苦手なのは事実だし
ここで下手な虚勢を張ってボロを出してしまうとそっちの方が格好悪い。
苦手な物は苦手と開き直った方がリアにとっても印象はいい筈だ。
……まぁ、格好悪いのには変わりないけど。
「……レンにも、苦手なものあったんだ」
少し意外そうな表情をしてをちょこんと首を傾げるリア。
「そりゃあるよ、私もれっきとした人間だし女の子だもの
勉強は苦手だし、足の多い虫は見るだけで気持ち悪くなっちゃうしね」
ベッドから体を起こし、お道化た感じでリアに言う。
……言った通り多足昆虫は生理的に見ただけで怖気が走る程嫌いだったりする。
ユージスさんの虫料理を見た時はフィルの手前何とか我慢してたけど
私1人だったら気分悪くなって吐いてたかもしれない、それぐらい嫌いなんだよね。
「……そっか」
リアはそう短く呟くとぽすっといきなり抱き着いてくる。
「わっと!?」
いきなりの事に驚きながらもリアを抱きとめる。
「レンにも苦手な物があったんだ、そっか……」
私の胸に顔を埋めながら、少しだけ嬉しそうな声色で呟くリア。
その嬉しそうな声色に困惑する、これって私に苦手な物があって嬉しいって事?
そうだとしたらなんかえらく失礼だねリア、私を怖いもの無しの
無鉄砲女とでも思ってたって事になるんだけど……
少しだけむっとするも、嬉しそうに私に抱き着いてる様子のリアを見て
それもすぐに霧散する、まぁ……良く分からないけど
リアが喜んでるならいっか。
抱き着いたリアの頭を撫でながらたちまち今後の事を考える。
ロテールさんの依頼は完了した扱いになってて、依頼料及び
王国領土内の行動許可証がロテールさんの名前で発行されてた。
エウジェニーさんは大層驚いてたけど、良かったわねと言って
許可証を渡してくれた、まぁ前代未聞もいい所だろうしね。
これで目的の1つ、王国内にある『勇者の足跡』へ調査に行ける様に
なった訳だけど……流石に直ぐに向かう訳にはいかないかな。
フィルの銃の扱いに関しては暫くゼーレンさんに教えを請わなくちゃ
いけないだろうし、ロテールさんの依頼の件もいくら依頼完了と
認めてくれたと言えど流石に1日だけでハイおしまいとする訳にもいかない。
何故か慕ってくれる騎士の子達にも悪いし、最低でも1週間は
毎日顔を出して鍛錬を手伝ってあげないといけないだろう。
それに何より王国に来てドタバタし過ぎた、帝都でもあまりのんびりした
記憶は無いけど王国に来てからは1日が濃すぎる、正直1か月以上
動き回ってたような感覚だ。
首無しの討伐報酬と売却金、そして今回の依頼で
暫くお金の心配もなくなったし、仲間にお伺いは立てないとだけど
1か月くらいはゆっくり過ごすべきだろう。
それにリアの出自の事とか、折角有力そうな手掛かりも手に入ったんだし
王国内でじっくり情報収集しないとね。
「……そうと決まれば、先ずは完全に読み書き出来る様にならないとね
いつまでもみんなに頼りっぱなしって言うのもいい加減情けないしね」
未だ抱き着いたリアの頭を撫でながら、私は誰に聞かせるでもなくそう呟いた。
マリスから出た言葉をぼそりと呟く。
聞きなれない言葉だけど、この世界にも研鑽によって
得られる技術があるものだと少しだけホッとする。
ただ、マリスの言葉だとあまり発達して無い感じだね。
それも当然か、スキルとやらの方が圧倒的に楽に修得できるなら
そっちの方が広まるのは火を見るよりも明らかだ。
「まぁ、【アーツ】にも【スキル】にない強みはいくつか持ってるけどね
修得に色々制限がある【スキル】と比べて【アーツ】は極端な話
努力をし続ければ誰にでも覚えることが出来るものだし、それに何より
同じような効果の【スキル】と【アーツ】なら【アーツ】の方が
強力なのが大半だからね
それでも【スキル】の覚えやすさの方がメリットとしては勝るけど」
ふむ、スキルとアーツではそんな違いがあるんだ。
「後、【アーツ】に関しては【スキル】の様に名前の表記が出ないのも
あまり習得者がいない原因の1つかな
冒険者は特にだけど、手っ取り早く自分の強さのアピールが出来るからね
『あいつあんな強い【スキル】覚えてるのか!?』ってな感じでね」
マリスは一通り説明した後、ふっと軽く息を吐く。
成程、名前の表記云々は未だにピンとこないけど
レベルと同じくスキルも分かり易い強さの指針になるって事だね。
だけどアーツは強力ではあるけど見た目が分かりにくい上に
修得も手間と時間がかかると、そう言う事だね。
「そっか、この世界の人達が私の動きで驚いていたのって………」
「ええ、マスターは【スキル】を使用した様な動きをしていたのに
全く表記に出ていなかった、と言うのもあります
尤も、それだけではありませんが」
私の言葉にリーゼが答える。
となると私って意図せずに奇襲を仕掛けてる事になってるみたいだね。
何かその内卑怯呼ばわりさせそうな気がするけど、こっちもデメリットを
背負ってるし、何より戦いではいかに相手の不意を突くのが重要だから
文句を言われても困るんだけどね。
「取り合えず私達がどんなスキルを持ってて
それがどんな効果を持っているかを教えておくわ。
私とコイツのはレンにとってそこまで重要じゃないけど
リーゼのは覚えておいた方がいいとは思う」
「……そだね、頑張ってみるよ」
スキルを覚える、という事は勉強するって事だよね。
む~、正直勉強は苦手だけどこれは必要だろうし覚えておかないと。
しかしこの世界について勉強しないといけない事が増えていくなぁ。
未だに文字も読み書きできるレベルで覚えてないし、頑張らないと。
私は少しだけうんざりしながらも、フィル達からスキルの説明を
聞いていった……。
………
………………
………………………
「あ゛~~~、疲れた~~~」
夕食前と同じようにベッドに突っ伏す私。
つくづく勉強は苦手だ、机にじっと座って話を聞く事自体は嫌いじゃないけど
それが自分で理解や実践できない事だともやもやしてしまう。
今回のスキルとやらも、フィル達には悪いけど半分も覚えることが出来なかった。
特にフィルやマリスの使っているらしき何たら詠唱だの何たらの加護だの
正直教えられてもピンとこない、まぁ私自身魔法自体に
あまり理解できてないのもあるんだろうけど。
でも、リーゼのスキルの方はなんとなく理解が出来たのは救いかな
何せスキルの名前に殆ど『龍』の名前がついてたからね。
【龍の吐炎】とか【竜の咆哮】とかそのまんまだったし
流石の私もストンと頭に入った。
後、スキルってのは戦闘用だけじゃないって言うのは驚いた。
フィルとリーゼは戦闘用っぽい名前のスキルだらけだったんだけど、マリスは
【彫刻】や【薬品調合】なんて言う
まるで職人のような名前のスキルを結構持ってたみたい。
けど、【早起き】や【ぶら下がり】なんてこんなのがスキルなの!?って感じの
スキルもいっぱい持ってたんだよね……フィルが呆れた顔してたから
名前通りのあまり役に立ちそうもないスキルなんだろうけど。
そんな風に夕飯を終えたあと2時間くらいスキルの講義を受けた訳だけど
正直疲れた……あまりリアの前で格好悪い姿を晒したくはないけど
それ以上に疲労感が体を支配してしまってる。
「……レン、疲れたの?」
夕食前と全く同じ言葉、同じ表情でリアが尋ねてくる。
「あはは……流石にね
勉強は苦手なんだよ、私」
強がる余裕もなく苦笑で返す。
格好悪いなぁとは思うけど仕方ない、勉強が苦手なのは事実だし
ここで下手な虚勢を張ってボロを出してしまうとそっちの方が格好悪い。
苦手な物は苦手と開き直った方がリアにとっても印象はいい筈だ。
……まぁ、格好悪いのには変わりないけど。
「……レンにも、苦手なものあったんだ」
少し意外そうな表情をしてをちょこんと首を傾げるリア。
「そりゃあるよ、私もれっきとした人間だし女の子だもの
勉強は苦手だし、足の多い虫は見るだけで気持ち悪くなっちゃうしね」
ベッドから体を起こし、お道化た感じでリアに言う。
……言った通り多足昆虫は生理的に見ただけで怖気が走る程嫌いだったりする。
ユージスさんの虫料理を見た時はフィルの手前何とか我慢してたけど
私1人だったら気分悪くなって吐いてたかもしれない、それぐらい嫌いなんだよね。
「……そっか」
リアはそう短く呟くとぽすっといきなり抱き着いてくる。
「わっと!?」
いきなりの事に驚きながらもリアを抱きとめる。
「レンにも苦手な物があったんだ、そっか……」
私の胸に顔を埋めながら、少しだけ嬉しそうな声色で呟くリア。
その嬉しそうな声色に困惑する、これって私に苦手な物があって嬉しいって事?
そうだとしたらなんかえらく失礼だねリア、私を怖いもの無しの
無鉄砲女とでも思ってたって事になるんだけど……
少しだけむっとするも、嬉しそうに私に抱き着いてる様子のリアを見て
それもすぐに霧散する、まぁ……良く分からないけど
リアが喜んでるならいっか。
抱き着いたリアの頭を撫でながらたちまち今後の事を考える。
ロテールさんの依頼は完了した扱いになってて、依頼料及び
王国領土内の行動許可証がロテールさんの名前で発行されてた。
エウジェニーさんは大層驚いてたけど、良かったわねと言って
許可証を渡してくれた、まぁ前代未聞もいい所だろうしね。
これで目的の1つ、王国内にある『勇者の足跡』へ調査に行ける様に
なった訳だけど……流石に直ぐに向かう訳にはいかないかな。
フィルの銃の扱いに関しては暫くゼーレンさんに教えを請わなくちゃ
いけないだろうし、ロテールさんの依頼の件もいくら依頼完了と
認めてくれたと言えど流石に1日だけでハイおしまいとする訳にもいかない。
何故か慕ってくれる騎士の子達にも悪いし、最低でも1週間は
毎日顔を出して鍛錬を手伝ってあげないといけないだろう。
それに何より王国に来てドタバタし過ぎた、帝都でもあまりのんびりした
記憶は無いけど王国に来てからは1日が濃すぎる、正直1か月以上
動き回ってたような感覚だ。
首無しの討伐報酬と売却金、そして今回の依頼で
暫くお金の心配もなくなったし、仲間にお伺いは立てないとだけど
1か月くらいはゆっくり過ごすべきだろう。
それにリアの出自の事とか、折角有力そうな手掛かりも手に入ったんだし
王国内でじっくり情報収集しないとね。
「……そうと決まれば、先ずは完全に読み書き出来る様にならないとね
いつまでもみんなに頼りっぱなしって言うのもいい加減情けないしね」
未だ抱き着いたリアの頭を撫でながら、私は誰に聞かせるでもなくそう呟いた。
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