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軌跡への遁走曲《フーガ》
給仕と羞恥と
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「フィル、その格好………」
バニーガールもどきの格好で出てきたフィルに驚いて思わず
私は問いかける。
黒いレオタードに網タイツを履いていて、格好はカジノとかで
居そうなバニーガールそのものだ。
ただ、頭の耳飾りは兎じゃなくて猫の耳をちょっと長くしたような物で
飾りの尻尾も長めの動物のモノだ、この世界の動物なのかな?
それにしたってフィルの身体の線が見事に出てしまってる。
流石にリーゼ程じゃないけど出る所はしっかり出てるし
細く締まってる所はきっちり細い。
………これで私とは年がほぼ変わらないって言うんだから
色々と残酷だよね、ホント。
「その格好って………まぁ確かに変わった衣装だけど
似合ってないかしら?個人的には可愛いとは思ってるけど」
だけど意外な事にフィルは恥ずかしがるそぶりも見せず
身体を捻りながら着こなしのチェックをしてる。
あれ?意外と気に入ってる?
てっきり卑猥な格好をさせるなとか言って
怒るかと思ってたんだけど………
「フィル、恥ずかしくないの?」
再びフィルに聞いてみる、だけどフィルは心底意外そうな顔で
「ゼーレンの言う通り法衣に比べたらずっと布面積は大きいし
何より耳と尻尾が可愛いじゃない、恥ずかしい格好じゃないと思うんだけど」
フィルは首を傾げ聞き返して来る、ホントに恥ずかしくないみたいだ。
まぁあの下着に布を巻いただけの様なフィルの法衣に比べれば
ほぼレオタードなバニーガールの格好の方が露出は低いんだけど………
「ゼーレンの事だからもっと卑猥な格好かと思ったけど
これなら全然いいわね、後で売ってる所も聞きだして
レンにも着て貰うのも………」
「絶ッッッ対嫌だからね!!
それを着せてようとするならもう一緒に買い物行ってあげないからね!!」
恐ろしい事を口走ろうとするフィルを遮り全力で拒否する。
冗談じゃない、私にそんな恰好をさせようだなんてなけなしの
自尊心を粉々にするつもりなのか!!
「あ…うん、レンが嫌ならしないわ
………とても残念だけど」
私の全力拒否にフィルが心底残念そうに呟く。
そんなに私のプライドを粉々にしたいのかこの子は………
「まぁまぁそこまで卑屈にならなくてもいいじゃん
きちんと需要はあるんだからさ」
「うるさいよ!」
私の心境を察したらしいマリスが、ニヤニヤしながら肩を叩いて言ってくる。
それに思わずツッコミを入れる私、需要って大きなお世話だよ!
それにしたってこの子もこの子で何でこんなに察しがいいの………
「わ、私の事はどうでもいいから!
ほらフィル、その格好でゼーレンさんにお酌しないといけないんでしょ!?
なら早くしないとゼーレンさんの気が変わるかもしれないよ!?」
「あ…そうね、それじゃ行ってくるわ」
話の行き先が妙な事になってきたので強引に戻し
フィルをゼーレンさんの所に行く様に促し、フィルもあっさりそれを了承して
ゼーレンさんの所へ向かっていく。
………ふぅ、何とかバニーガールのコスプレをする羽目になりそうだったよ。
マリスはからかって来るけど、こんな色気のかけらもない寸胴女が
そんな恰好したって笑われるだけだよホント。
しかしそんな格好だって言うのに堂々と歩くねフィル、まぁ普段から
露出の多い法衣を着てるから肌を出す事に抵抗はあまりないのかもしれないけど
周囲の男性冒険者の視線がフィルに集中してるのは気付いてるのかな?
………なんか騒ぎにならないといいけど。
微妙な嫌な予感が沸き出てくるのを覚えつつ、私はフィル達を見守る事にした。
………
………………
………………………
「おいゼーレンさんよ、こんな別嬪さんをどこから連れて来た!?」
「ねーちゃんねーちゃん、そんな爺だけじゃなくて俺にも酌してくれよ!!」
「ギャッハハハハ!!今日の依頼はクソ詰まんなくてイライラしてたが
いい目の保養が出来て吹っ飛んだぜ!!」
あれから数十分後、ゼーレンさんの元へ行き約束通り酌をし始めたフィル。
ゼーレンさんはフィルの格好をひとしきり称賛した後、上機嫌な笑顔で
注がれた酒を飲み干していく。
そんな光景を周りの男性冒険者が放って置くはずも無く、2人のいる机に
数人の男性冒険者が遠慮なしに座って騒いでいた。
しかも周辺の机に座ってる男性冒険者もチラチラと見てる、中には
夫婦らしき冒険者もいて嫁さんに耳を引っ張られてる人もいた。
………嫌な予感的中、やっぱり騒ぎになったか。
「お主等、嬢ちゃんを見るなとは言わんが手出しはするなよ?
これは儂と嬢ちゃんが交わした正当な取引じゃ
悪いが酌をさせるのは諦めるんじゃな」
ゼーレンさんは冒険者達を牽制する様ににぃっと口角を上げて告げる。
けど目が笑ってないね、変な事をすればただじゃ済まさんと
脅しをかけてる感じだね。
肝心のフィルの方は周りの喧騒に目もくれずすまし顔のまま
お酒の入ったピッチャーを持ったまま立っている。
………フィル、我関せずって顔をしてるけど
内心相当イラついてるっぽいね、格好は恥ずかしくなくても
無遠慮な視線に晒されてるのは嫌なんだろう、まぁ私でも嫌だけど。
とは言え約束は約束なので我慢してる、終わった後盛大に愚痴られそうだけど。
「へっへっへ、そう言うなよゼーレン
こんな姉ちゃんを独り占めなんて勿体ないぜ」
しかしゼーレンさんの牽制も通じない酔っ払いもいる訳で
ニヤニヤとしながらフィルに近寄り肩を抱こうとする。
フィルがポーカーフェイスを崩し露骨に嫌な顔をする。
あ~、これは止めた方がいいかなと席を立とうとした瞬間
酔っ払いに向かって何かが飛んでいき、スコーンと
軽い音を立てて頭に直撃する。
「手を出すな、と言うたじゃろ
お主達が見るのは我慢して貰っとるが、手を出すとなると儂も黙っとらん
そういう約束じゃからの」
ゼーレンさんが酔っぱらいを睨みつけて言う。
どうやら酔っ払いに空になったジョッキを軽く投げつけたみたいだ。
「………っ、分かったよ
そこまで怒んなくてもいいじゃねぇか」
ジョッキを投げつけられた酔っ払いは渋々と自分の席に戻って行く。
一瞬激高されるかとも思ったけど、流石酔っ払っているとは言えど
ギルド内で揉め事を起こさない理性はあった様だね。
ホッとして浮かせかけた腰を下ろす、あの様子だと
フィルが酔っ払いに変に絡まれることは無さそうだね。
………尤も、見世物状態になってる状況には変わりは無いんだけど
ゼーレンさんとの約束とは言え少しフィルが可愛そうかな。
とは言え変わってあげられる程の度胸は流石にない、と言うか
フィルの後にバニーガールの格好をして出て行くなんて私にとっては
死に等しい行為だ、フィルには悪いけどそれだけは絶対に出来ない。
となれば………
私はギルドの喧騒から意識を切り離し埋没させ、彼女と連絡を取る。
テレパシーなんてやった事ないから感覚だけど、こんな感じでいいのかな?
『リーゼ、ちょっといいかな?』
『マスター?如何致しました?』
恐る恐るリーゼを呼びだしてみると、直ぐに返事が返ってくる。
よし、やり方はあってたみたいだ。
『悪いんだけど、今からリアを連れてギルドまで来てくれないかな?
大したことじゃないんだけど、ちょっと頼みたい事があってね
今大丈夫?』
『はい、丁度マスターに指示された鍛練を終えた所でしたので
リアもそちらに連れて行けばよろしいのですか?』
『うん、流石に昨日の今日で1人留守番させるのも可愛そうだしね
別に火急の要件って訳じゃないから、リアのペースに合わせて来てくれるかな?』
『了解しました、少々お待ちください』
よし、リーゼが来てくれるならこれで何とかなるかな。
リアをこんなとこに連れてくるのはちょっと気が引けるけど、そろそろ夕飯時だし
今日1日離れてたからご飯くらいは一緒にしないとね。
「レンお姉ちゃん、リーゼ呼んだんだ
………流石にフィルミールお姉ちゃんに我慢大会をさせ続けるのも酷だしね~
ゼーレン爺ちゃんも飲み相手が出来るし歓迎するとは思うよ」
私の様子から察したのかマリスがうんうんと頷きながら言って来る。
そろそろ男達の目の保養も十分だろうし、リーゼに適当な飲み比べを
けしかけさせて冒険者達を潰してもらおう、ゼーレンさんも落ち着いて
お酒を飲めるようになるしね。
私は死屍累々になってそうなギルドの惨状を思い浮かべて少しだけ吹き出し
あと少しで悉く潰される運命な酔っ払いたちを眺めていた。
バニーガールもどきの格好で出てきたフィルに驚いて思わず
私は問いかける。
黒いレオタードに網タイツを履いていて、格好はカジノとかで
居そうなバニーガールそのものだ。
ただ、頭の耳飾りは兎じゃなくて猫の耳をちょっと長くしたような物で
飾りの尻尾も長めの動物のモノだ、この世界の動物なのかな?
それにしたってフィルの身体の線が見事に出てしまってる。
流石にリーゼ程じゃないけど出る所はしっかり出てるし
細く締まってる所はきっちり細い。
………これで私とは年がほぼ変わらないって言うんだから
色々と残酷だよね、ホント。
「その格好って………まぁ確かに変わった衣装だけど
似合ってないかしら?個人的には可愛いとは思ってるけど」
だけど意外な事にフィルは恥ずかしがるそぶりも見せず
身体を捻りながら着こなしのチェックをしてる。
あれ?意外と気に入ってる?
てっきり卑猥な格好をさせるなとか言って
怒るかと思ってたんだけど………
「フィル、恥ずかしくないの?」
再びフィルに聞いてみる、だけどフィルは心底意外そうな顔で
「ゼーレンの言う通り法衣に比べたらずっと布面積は大きいし
何より耳と尻尾が可愛いじゃない、恥ずかしい格好じゃないと思うんだけど」
フィルは首を傾げ聞き返して来る、ホントに恥ずかしくないみたいだ。
まぁあの下着に布を巻いただけの様なフィルの法衣に比べれば
ほぼレオタードなバニーガールの格好の方が露出は低いんだけど………
「ゼーレンの事だからもっと卑猥な格好かと思ったけど
これなら全然いいわね、後で売ってる所も聞きだして
レンにも着て貰うのも………」
「絶ッッッ対嫌だからね!!
それを着せてようとするならもう一緒に買い物行ってあげないからね!!」
恐ろしい事を口走ろうとするフィルを遮り全力で拒否する。
冗談じゃない、私にそんな恰好をさせようだなんてなけなしの
自尊心を粉々にするつもりなのか!!
「あ…うん、レンが嫌ならしないわ
………とても残念だけど」
私の全力拒否にフィルが心底残念そうに呟く。
そんなに私のプライドを粉々にしたいのかこの子は………
「まぁまぁそこまで卑屈にならなくてもいいじゃん
きちんと需要はあるんだからさ」
「うるさいよ!」
私の心境を察したらしいマリスが、ニヤニヤしながら肩を叩いて言ってくる。
それに思わずツッコミを入れる私、需要って大きなお世話だよ!
それにしたってこの子もこの子で何でこんなに察しがいいの………
「わ、私の事はどうでもいいから!
ほらフィル、その格好でゼーレンさんにお酌しないといけないんでしょ!?
なら早くしないとゼーレンさんの気が変わるかもしれないよ!?」
「あ…そうね、それじゃ行ってくるわ」
話の行き先が妙な事になってきたので強引に戻し
フィルをゼーレンさんの所に行く様に促し、フィルもあっさりそれを了承して
ゼーレンさんの所へ向かっていく。
………ふぅ、何とかバニーガールのコスプレをする羽目になりそうだったよ。
マリスはからかって来るけど、こんな色気のかけらもない寸胴女が
そんな恰好したって笑われるだけだよホント。
しかしそんな格好だって言うのに堂々と歩くねフィル、まぁ普段から
露出の多い法衣を着てるから肌を出す事に抵抗はあまりないのかもしれないけど
周囲の男性冒険者の視線がフィルに集中してるのは気付いてるのかな?
………なんか騒ぎにならないといいけど。
微妙な嫌な予感が沸き出てくるのを覚えつつ、私はフィル達を見守る事にした。
………
………………
………………………
「おいゼーレンさんよ、こんな別嬪さんをどこから連れて来た!?」
「ねーちゃんねーちゃん、そんな爺だけじゃなくて俺にも酌してくれよ!!」
「ギャッハハハハ!!今日の依頼はクソ詰まんなくてイライラしてたが
いい目の保養が出来て吹っ飛んだぜ!!」
あれから数十分後、ゼーレンさんの元へ行き約束通り酌をし始めたフィル。
ゼーレンさんはフィルの格好をひとしきり称賛した後、上機嫌な笑顔で
注がれた酒を飲み干していく。
そんな光景を周りの男性冒険者が放って置くはずも無く、2人のいる机に
数人の男性冒険者が遠慮なしに座って騒いでいた。
しかも周辺の机に座ってる男性冒険者もチラチラと見てる、中には
夫婦らしき冒険者もいて嫁さんに耳を引っ張られてる人もいた。
………嫌な予感的中、やっぱり騒ぎになったか。
「お主等、嬢ちゃんを見るなとは言わんが手出しはするなよ?
これは儂と嬢ちゃんが交わした正当な取引じゃ
悪いが酌をさせるのは諦めるんじゃな」
ゼーレンさんは冒険者達を牽制する様ににぃっと口角を上げて告げる。
けど目が笑ってないね、変な事をすればただじゃ済まさんと
脅しをかけてる感じだね。
肝心のフィルの方は周りの喧騒に目もくれずすまし顔のまま
お酒の入ったピッチャーを持ったまま立っている。
………フィル、我関せずって顔をしてるけど
内心相当イラついてるっぽいね、格好は恥ずかしくなくても
無遠慮な視線に晒されてるのは嫌なんだろう、まぁ私でも嫌だけど。
とは言え約束は約束なので我慢してる、終わった後盛大に愚痴られそうだけど。
「へっへっへ、そう言うなよゼーレン
こんな姉ちゃんを独り占めなんて勿体ないぜ」
しかしゼーレンさんの牽制も通じない酔っ払いもいる訳で
ニヤニヤとしながらフィルに近寄り肩を抱こうとする。
フィルがポーカーフェイスを崩し露骨に嫌な顔をする。
あ~、これは止めた方がいいかなと席を立とうとした瞬間
酔っ払いに向かって何かが飛んでいき、スコーンと
軽い音を立てて頭に直撃する。
「手を出すな、と言うたじゃろ
お主達が見るのは我慢して貰っとるが、手を出すとなると儂も黙っとらん
そういう約束じゃからの」
ゼーレンさんが酔っぱらいを睨みつけて言う。
どうやら酔っ払いに空になったジョッキを軽く投げつけたみたいだ。
「………っ、分かったよ
そこまで怒んなくてもいいじゃねぇか」
ジョッキを投げつけられた酔っ払いは渋々と自分の席に戻って行く。
一瞬激高されるかとも思ったけど、流石酔っ払っているとは言えど
ギルド内で揉め事を起こさない理性はあった様だね。
ホッとして浮かせかけた腰を下ろす、あの様子だと
フィルが酔っ払いに変に絡まれることは無さそうだね。
………尤も、見世物状態になってる状況には変わりは無いんだけど
ゼーレンさんとの約束とは言え少しフィルが可愛そうかな。
とは言え変わってあげられる程の度胸は流石にない、と言うか
フィルの後にバニーガールの格好をして出て行くなんて私にとっては
死に等しい行為だ、フィルには悪いけどそれだけは絶対に出来ない。
となれば………
私はギルドの喧騒から意識を切り離し埋没させ、彼女と連絡を取る。
テレパシーなんてやった事ないから感覚だけど、こんな感じでいいのかな?
『リーゼ、ちょっといいかな?』
『マスター?如何致しました?』
恐る恐るリーゼを呼びだしてみると、直ぐに返事が返ってくる。
よし、やり方はあってたみたいだ。
『悪いんだけど、今からリアを連れてギルドまで来てくれないかな?
大したことじゃないんだけど、ちょっと頼みたい事があってね
今大丈夫?』
『はい、丁度マスターに指示された鍛練を終えた所でしたので
リアもそちらに連れて行けばよろしいのですか?』
『うん、流石に昨日の今日で1人留守番させるのも可愛そうだしね
別に火急の要件って訳じゃないから、リアのペースに合わせて来てくれるかな?』
『了解しました、少々お待ちください』
よし、リーゼが来てくれるならこれで何とかなるかな。
リアをこんなとこに連れてくるのはちょっと気が引けるけど、そろそろ夕飯時だし
今日1日離れてたからご飯くらいは一緒にしないとね。
「レンお姉ちゃん、リーゼ呼んだんだ
………流石にフィルミールお姉ちゃんに我慢大会をさせ続けるのも酷だしね~
ゼーレン爺ちゃんも飲み相手が出来るし歓迎するとは思うよ」
私の様子から察したのかマリスがうんうんと頷きながら言って来る。
そろそろ男達の目の保養も十分だろうし、リーゼに適当な飲み比べを
けしかけさせて冒険者達を潰してもらおう、ゼーレンさんも落ち着いて
お酒を飲めるようになるしね。
私は死屍累々になってそうなギルドの惨状を思い浮かべて少しだけ吹き出し
あと少しで悉く潰される運命な酔っ払いたちを眺めていた。
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