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軌跡への遁走曲《フーガ》
再生する脅威再び・IV
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「いつもながら唐突に現れるわねアンタ………」
王都にリアのお守りとして置いてきた筈のコイツが
目の前にいる事実にウンザリしながら呟く私。
と言うかいつもながらコイツの移動手段が謎過ぎるのよね………
大方また強引な術式を無理矢理起動して無茶やらかしてるんだろうけど。
イメルダの放った魔法も効果は無く、煙の中から首無しが姿を現した時は
流石に絶望感が頭がよぎったけど、コイツの能天気な笑い顔を見てると
そんなのはどこかに吹っ飛んでしまった。
「じゃが、流石にこの状況では有難いの
少し手詰まり感が出て来たところじゃったからな」
「この子が…貴方達の………仲間なの?」
コイツの姿を見てゼーレンとイメルダが口々に言う。
ゼーレンの方は兎も角イメルダは魔力を一気に使い過ぎたせいで
少し息を切らせ気味だ。
「おんや…これまた知らない人がいるね、レンお姉ちゃんも
着々と知り合いを増やしてるって感じだねぇ
フィルミールお姉ちゃん、うかうかしてると
レンお姉ちゃん取られちゃうかもよ~」
「何の話よ!!」
いきなりボケた事を言うコイツに盛大にツッコむ。
戦闘中にいきなり何言い出すのよコイツは………
「………中々に…変わった子…だね」
ほら、変な事言うからイメルダが面食らってる。
ゼーレンは愉快そうに笑ってるし、戦闘中だというのに緊張感が
感じられなくなってるんだけど。
って呆れてる場合じゃない、前線じゃ未だレンが戦ってるのに
私がコイツのせいで心をかき乱されちゃダメじゃない。
私は咳ばらいを1つ入れ、表情を引き締める。
「で、今度は何を企んで何をやらかすつもりなのよ」
緩みそうになった雰囲気を引き締める為私はわざと冷たく言い放つ。
だけどコイツは何処吹く風で
「んっふっふ~、前あのトロールと戦った後で
ちょーっと思いついたことがあってね、今からそれを試す所だよん
上手くいけばこの状況を何とか出来ると思うよ~」
そう言って懐から右手で宝石を取り出し、空中で制止させた後
何やら刻印を刻み始める。
それと同時に足元には魔法陣が出現し、開いた左手で魔法文字を描く。
相変わらず器用と言うレベルを超えた多重魔法制御だ、それを目の当たりにした
イメルダが目を見開いて息を呑む、魔法を扱うものとして当然の反応ね
何でコイツはこんな常識はずれなことが出来るのかしら。
そもそも『マルチプルキャスト』なんてスキルは見た事も聞いた事も無い
………スキルに関しては私も人の事は言えないけどほんっとに何なのコイツ。
「フィルミールお姉ちゃんはレンお姉ちゃん達の支援宜しくね~
5分くらいの時間稼ぎお願いしてるんだ」
「なっ!?レン達に5分以上あれと戦わせるつもり!?」
サラッととんでもない事を言い出すマリス、思わす声を荒げてしまう。
「うん、今から構築する魔法はちょーっと時間がかかる代物でさ
どんなに急いでも5分以上はかかっちゃうんだよ」
コイツは一体何を言ってるんだろう………
通常、詠唱や儀式の時間が長くなればなるほど魔法の効果は強くなって
そして範囲も広がっていく、全ての魔法の基本だ。
けど、個人が5分以上詠唱や儀式をする魔法なんてそれこそ
祈祷魔法だと建物1つを丸ごと結界に包んだり、20人以上の治療を
同時に行うレベルの所謂大魔法の部類になる、詠唱している魔法の数からして
最低でもそれを3つ発動させるつもりなの!?
「ゼーレン爺ちゃんもレンお姉ちゃん達の援護宜しく
あ、それとアイツの身体をなるべく小さくしてくれると助かるかな~」
驚愕する私を尻目にマリスはゼーレンの方へ視線を向け
良く分からない指示を出す。
「お安い御用、と言いたい所じゃが奴は数秒もあれば再生してしまうぞ?」
「分かってるよん、だからマリスの魔法発動と共にアイツの身体を
吹っ飛ばしちゃって欲しいんだ」
「むぅ………何をしようとしてるのか分からんが
マリス嬢ちゃんがそう言うなら意味のある事なんじゃろうて、承知したぞい」
ゼーレンはそう言うと矢を番い、そして目にも止まらぬ速度で
矢を乱射し始める、私の視界の端に『速射』と文字が出る。
豪雨の如き数の矢が首無しの元へ飛んでいく、しかも器用に動き回ってる
レン達の隙間を縫ってだなんて、神弓って呼ばれるだけの事はある様ね。
「それなら…私ももう1度……頑張ってみよう…かな
流石に………あんな魔法制御を見せられちゃ…
へたばってはいられないから…ね」
マリスの非常識な多重魔法制御に触発されたのか、イメルダも
呼吸を整えながら再び魔法詠唱を始める。
「………ホントに何とかなるんでしょうね?」
「多分ね~、まぁ絶対って保証は出来ないけど
失敗したらマリスの事思う存分罵っちゃっていいよん」
そう言ってにぃっと笑うマリス。
正直胡散臭い事この上ないけど現状コイツに頼らないと事態は打開できそうにない。
ならレンの為にもコイツの言う事に乗っかるしか無いわね。
「………レン、今回も無事に帰って来て」
私はそう呟き、レン達を援護するため魔法の詠唱に入る。
少しでもレンが無事で帰ってこれるように祈りながら―――――
「シッ!!」
触手の猛攻を掻い潜り、首無しの右足に拳打を入れる。
先ほどとは違い、ぐちょりと湿った音を立てて拳が沈む。
正直物凄く気持ち悪い、けどそんな事は言ってられない。
コイツの特性か習性か分からないけど、生物を取り込む際は
必ず触手を介さないといけないらしい、何度か直接攻撃しても
身体に埋没する拳をそのまま取り込もうとする気配はない、なので
私はそのまま囮役を続行できている状況だ。
直ぐに私の腕を取り込もうと拳の周辺から触手が生えてきて
私の腕に巻き付こうとするも即座に拳を引き抜き右に避ける。
即座に私を追いかける触手、それをリーゼが戦斧で両断する。
もう1つ分かった事がある、それは「触手を攻撃してもカウンターが来ない」事だ
現にリーゼに切り離された触手は腐り落ちたように本体から切り離され
ドロドロに溶けていく、その後に攻撃を行ったリーゼに新たな触手が
襲い掛かる事は無い、なので触手の処理はリーゼに任せてる。
そしてさらにもう1つ―――
「うぉらああああぁぁ!!」
首無しの頭上10数mからユージスさんが降下攻撃を仕掛ける。
首無しの断面に槍を突き立て、衝撃音と共に首無しの一部が吹き飛ぶ。
その衝撃を利用してユージスさんはまた上空へと舞い上がる。
目が無い影響なのか首無しは上空からの攻撃に対応できておらず
ユージスさんへの反撃は自慢に着地した瞬間に触手を伸ばす様になっている。
だけど、それはユージスさんが地面に着地したらの話で………
「ふっ!!」
衝撃で上空に押し上げられた格好のユージスさんが、空中で回転し
下にいる首無しの方へ頭を向けると何も無い筈の虚空を踏みしめ
再び首無しへと吶喊する。
正直初めて見せられた時は驚愕したよ、空中で方向転換した上
壁蹴りした様に反対に移動するなんて曲芸どころの騒ぎじゃない
しかも虚空を蹴りながら1分以上空中にいる状態だ、映画や漫画でよくあった
人間が単体で空を飛んでる描写そのものに見える。
しかも好都合なことに変異した影響か首無しの翼はボロボロの状態で
見た目通り空を飛ぶことが出来ない状態らしい、なので完全に
ユージスさんが制空権を取ってしまった状態になってる。
正直あんな動きが出来るのは羨ましい、空中で方向制御できるなら
戦闘時の立ち回りが格段に増えるだろう、後で土下座してでも教えを乞うべきかな。
そんな感じで戦況自体は有利には進んでいる、だがやはり相手の再生力が
こちらの火力を完全に上回っていて傷を付けても数秒で元に戻ってしまう。
風切り音が鳴る、次の瞬間私のすぐ横をゼーレンさんが放った無数の矢が通り抜け
マシンガンの如く突き立てられる。
だけど首無しは意に介せず直ぐにその矢を飲み込み再生してしまう。
これはホントにマリスの打つ手に賭けるしかない様だ。
あと4分弱………まだまだ先は長そうだ。
私は額に張り付いた汗を拭うと再び首無しに攻撃を仕掛けようと
踏み込もうとした時―――
「!?」
全く予想外の方向から人の気配を感じる、もしかして!?
「増援が来たの!?」
思わず気配のする方向に振り向く私
そこには………
「ぼ…冒険者などに任せておけるか!!
お、王都の危機はわ…我々が守る!!」
王都に増援を呼ぶために撤退したはずの、金輝騎士団の一団がいた。
王都にリアのお守りとして置いてきた筈のコイツが
目の前にいる事実にウンザリしながら呟く私。
と言うかいつもながらコイツの移動手段が謎過ぎるのよね………
大方また強引な術式を無理矢理起動して無茶やらかしてるんだろうけど。
イメルダの放った魔法も効果は無く、煙の中から首無しが姿を現した時は
流石に絶望感が頭がよぎったけど、コイツの能天気な笑い顔を見てると
そんなのはどこかに吹っ飛んでしまった。
「じゃが、流石にこの状況では有難いの
少し手詰まり感が出て来たところじゃったからな」
「この子が…貴方達の………仲間なの?」
コイツの姿を見てゼーレンとイメルダが口々に言う。
ゼーレンの方は兎も角イメルダは魔力を一気に使い過ぎたせいで
少し息を切らせ気味だ。
「おんや…これまた知らない人がいるね、レンお姉ちゃんも
着々と知り合いを増やしてるって感じだねぇ
フィルミールお姉ちゃん、うかうかしてると
レンお姉ちゃん取られちゃうかもよ~」
「何の話よ!!」
いきなりボケた事を言うコイツに盛大にツッコむ。
戦闘中にいきなり何言い出すのよコイツは………
「………中々に…変わった子…だね」
ほら、変な事言うからイメルダが面食らってる。
ゼーレンは愉快そうに笑ってるし、戦闘中だというのに緊張感が
感じられなくなってるんだけど。
って呆れてる場合じゃない、前線じゃ未だレンが戦ってるのに
私がコイツのせいで心をかき乱されちゃダメじゃない。
私は咳ばらいを1つ入れ、表情を引き締める。
「で、今度は何を企んで何をやらかすつもりなのよ」
緩みそうになった雰囲気を引き締める為私はわざと冷たく言い放つ。
だけどコイツは何処吹く風で
「んっふっふ~、前あのトロールと戦った後で
ちょーっと思いついたことがあってね、今からそれを試す所だよん
上手くいけばこの状況を何とか出来ると思うよ~」
そう言って懐から右手で宝石を取り出し、空中で制止させた後
何やら刻印を刻み始める。
それと同時に足元には魔法陣が出現し、開いた左手で魔法文字を描く。
相変わらず器用と言うレベルを超えた多重魔法制御だ、それを目の当たりにした
イメルダが目を見開いて息を呑む、魔法を扱うものとして当然の反応ね
何でコイツはこんな常識はずれなことが出来るのかしら。
そもそも『マルチプルキャスト』なんてスキルは見た事も聞いた事も無い
………スキルに関しては私も人の事は言えないけどほんっとに何なのコイツ。
「フィルミールお姉ちゃんはレンお姉ちゃん達の支援宜しくね~
5分くらいの時間稼ぎお願いしてるんだ」
「なっ!?レン達に5分以上あれと戦わせるつもり!?」
サラッととんでもない事を言い出すマリス、思わす声を荒げてしまう。
「うん、今から構築する魔法はちょーっと時間がかかる代物でさ
どんなに急いでも5分以上はかかっちゃうんだよ」
コイツは一体何を言ってるんだろう………
通常、詠唱や儀式の時間が長くなればなるほど魔法の効果は強くなって
そして範囲も広がっていく、全ての魔法の基本だ。
けど、個人が5分以上詠唱や儀式をする魔法なんてそれこそ
祈祷魔法だと建物1つを丸ごと結界に包んだり、20人以上の治療を
同時に行うレベルの所謂大魔法の部類になる、詠唱している魔法の数からして
最低でもそれを3つ発動させるつもりなの!?
「ゼーレン爺ちゃんもレンお姉ちゃん達の援護宜しく
あ、それとアイツの身体をなるべく小さくしてくれると助かるかな~」
驚愕する私を尻目にマリスはゼーレンの方へ視線を向け
良く分からない指示を出す。
「お安い御用、と言いたい所じゃが奴は数秒もあれば再生してしまうぞ?」
「分かってるよん、だからマリスの魔法発動と共にアイツの身体を
吹っ飛ばしちゃって欲しいんだ」
「むぅ………何をしようとしてるのか分からんが
マリス嬢ちゃんがそう言うなら意味のある事なんじゃろうて、承知したぞい」
ゼーレンはそう言うと矢を番い、そして目にも止まらぬ速度で
矢を乱射し始める、私の視界の端に『速射』と文字が出る。
豪雨の如き数の矢が首無しの元へ飛んでいく、しかも器用に動き回ってる
レン達の隙間を縫ってだなんて、神弓って呼ばれるだけの事はある様ね。
「それなら…私ももう1度……頑張ってみよう…かな
流石に………あんな魔法制御を見せられちゃ…
へたばってはいられないから…ね」
マリスの非常識な多重魔法制御に触発されたのか、イメルダも
呼吸を整えながら再び魔法詠唱を始める。
「………ホントに何とかなるんでしょうね?」
「多分ね~、まぁ絶対って保証は出来ないけど
失敗したらマリスの事思う存分罵っちゃっていいよん」
そう言ってにぃっと笑うマリス。
正直胡散臭い事この上ないけど現状コイツに頼らないと事態は打開できそうにない。
ならレンの為にもコイツの言う事に乗っかるしか無いわね。
「………レン、今回も無事に帰って来て」
私はそう呟き、レン達を援護するため魔法の詠唱に入る。
少しでもレンが無事で帰ってこれるように祈りながら―――――
「シッ!!」
触手の猛攻を掻い潜り、首無しの右足に拳打を入れる。
先ほどとは違い、ぐちょりと湿った音を立てて拳が沈む。
正直物凄く気持ち悪い、けどそんな事は言ってられない。
コイツの特性か習性か分からないけど、生物を取り込む際は
必ず触手を介さないといけないらしい、何度か直接攻撃しても
身体に埋没する拳をそのまま取り込もうとする気配はない、なので
私はそのまま囮役を続行できている状況だ。
直ぐに私の腕を取り込もうと拳の周辺から触手が生えてきて
私の腕に巻き付こうとするも即座に拳を引き抜き右に避ける。
即座に私を追いかける触手、それをリーゼが戦斧で両断する。
もう1つ分かった事がある、それは「触手を攻撃してもカウンターが来ない」事だ
現にリーゼに切り離された触手は腐り落ちたように本体から切り離され
ドロドロに溶けていく、その後に攻撃を行ったリーゼに新たな触手が
襲い掛かる事は無い、なので触手の処理はリーゼに任せてる。
そしてさらにもう1つ―――
「うぉらああああぁぁ!!」
首無しの頭上10数mからユージスさんが降下攻撃を仕掛ける。
首無しの断面に槍を突き立て、衝撃音と共に首無しの一部が吹き飛ぶ。
その衝撃を利用してユージスさんはまた上空へと舞い上がる。
目が無い影響なのか首無しは上空からの攻撃に対応できておらず
ユージスさんへの反撃は自慢に着地した瞬間に触手を伸ばす様になっている。
だけど、それはユージスさんが地面に着地したらの話で………
「ふっ!!」
衝撃で上空に押し上げられた格好のユージスさんが、空中で回転し
下にいる首無しの方へ頭を向けると何も無い筈の虚空を踏みしめ
再び首無しへと吶喊する。
正直初めて見せられた時は驚愕したよ、空中で方向転換した上
壁蹴りした様に反対に移動するなんて曲芸どころの騒ぎじゃない
しかも虚空を蹴りながら1分以上空中にいる状態だ、映画や漫画でよくあった
人間が単体で空を飛んでる描写そのものに見える。
しかも好都合なことに変異した影響か首無しの翼はボロボロの状態で
見た目通り空を飛ぶことが出来ない状態らしい、なので完全に
ユージスさんが制空権を取ってしまった状態になってる。
正直あんな動きが出来るのは羨ましい、空中で方向制御できるなら
戦闘時の立ち回りが格段に増えるだろう、後で土下座してでも教えを乞うべきかな。
そんな感じで戦況自体は有利には進んでいる、だがやはり相手の再生力が
こちらの火力を完全に上回っていて傷を付けても数秒で元に戻ってしまう。
風切り音が鳴る、次の瞬間私のすぐ横をゼーレンさんが放った無数の矢が通り抜け
マシンガンの如く突き立てられる。
だけど首無しは意に介せず直ぐにその矢を飲み込み再生してしまう。
これはホントにマリスの打つ手に賭けるしかない様だ。
あと4分弱………まだまだ先は長そうだ。
私は額に張り付いた汗を拭うと再び首無しに攻撃を仕掛けようと
踏み込もうとした時―――
「!?」
全く予想外の方向から人の気配を感じる、もしかして!?
「増援が来たの!?」
思わず気配のする方向に振り向く私
そこには………
「ぼ…冒険者などに任せておけるか!!
お、王都の危機はわ…我々が守る!!」
王都に増援を呼ぶために撤退したはずの、金輝騎士団の一団がいた。
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