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軌跡への遁走曲《フーガ》
尻拭い再び
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「予想はしてたけど、やっぱり魔物退治なのね」
フィルが小さい溜息を吐いて呟く。
うん、私も予想はしてたけどね。
頼みごとがある、とラミカとカルビンさんに言われた私は
取り合えず仲間を連れてきてから話を聞きたいと断り、みんなの元に戻る。
先行し過ぎてた事をやっぱりフィルには怒られたけど
一先ず話を聞こうという事でラミカ達の所へ合流した。
で、頼みごとの内容は予想してた通り魔物の討伐な訳で………
「この先の街道に体が黒くて両手が大きな鎌の形をした魔物が現れてね
そのお陰で先に進めなくて困ってるんだ」
そうカルビンさんは心底困った表情で私達に伝える。
両手が大きな鎌ね………虫のカマキリを想像したけど
それがおっきくなった奴なのかな?
「体が黒くて両手が鎌ねぇ~、それは多分ブラックマンティスだね
普段は深い森の奥に住んでる奴だけど、何でこんな所にいるんだろ」
マリスがカルビンさんの言葉から魔物の正体を推測する。
と言うかホントにカマキリなんだね、しかも黒いんだ………
「ふむ………確かにこんなとこにいるのは妙じゃの
儂も何度か見た事はあるが大抵薄暗い森の中じゃったな
こんなとこに来ても奴の食べるエサなどありはせんじゃろうに」
それに続いてゼーレンさんも訝しげな表情をする。
「餌って………そのブラック何とかって何を食べるのよ」
「小動物なら何でもじゃな、一説にはゴブリン辺りも食うという話もあるがの」
うわ、ゴブリンって前に依頼で戦ったあの緑の小人だよね。
あんなのを捕食するって事は結構デカいカマキリなのかも。
ゼーレンさんの話を聞いたフィルが若干青い顔をする
多分ゴブリンが食べられる状況を想像しちゃったんだろうね。
とは言えカマキリか………
「ちなみにマリス、それって私達でどうにかなる相手なの?」
私の質問にマリスは少しだけ難しい表情になり
「どうだろ………マリスも本で見ただけで戦ったこと無いんだよね
ただ、両手の鎌の切れ味は勿論だけど外骨格も相当固いみたいで
並の剣じゃ逆に折られるレベルみたいだよ
まぁ、最悪ゼーレン爺ちゃんがいればどうとでもなりそうだけど」
ふむ、となると結構な強敵みたいだね。
とは言え街道の先に行かなければいけないのは私達も同じだ。
ゼーレンさんのバックアップもあるしここは討伐するべきかな。
「そう言えばラミカ、ここには商人さん達の姿しか見えないけど
護衛はつけてないの?」
ふと、周りを見てフィルがラミカに質問する。
………そう言えばそうだ、弱いとは言えこの街道にも魔物は出るんだ。
そんな道をラミカやカルビンさん達だけで
進むのはかなり危険な気がするんだけど………
「………護衛ならあの魔物を見て一目散に逃げだしたわよ
全く、何のための護衛何だか」
ラミカはむすっとした表情で吐き捨てる。
ありゃりゃ、これはまた冒険者の印象が悪くなるような事を
してくれちゃって………これはやるしかないかなぁ。
「やれやれ、嘆かわしい限りじゃの
自分より弱い敵ばかり相手にしてレベルしか上げておらん冒険者は大抵強い敵と
当たるとすぐ逃げ出してしまう傾向があるが、依頼主をほっぽって逃げるなぞ
言語道断にも程があるぞい」
ゼーレンさんも若干顔を顰めて呟く。
まぁゼーレンさんの言い分は尤もだけど、私としては逃げて行った冒険者の判断も
完全に悪いとは言い切れない、まぁラミカ達を置いて逃げたのは論外だけど
それでも勝算の見えない敵に戦いを挑むのは馬鹿のやる事だ
そんな輩はさっさと無駄死にするだけでそんな戦いは避けるのがセオリーの1つだ。
この場合は何らかの方法で魔物の気を自分達に引かせてラミカ達を先に行かせ
自分達は工夫して魔物から逃げ切る、って言うのが1番の手かな。
まぁ、それも簡単じゃないんだけど。
「それでレン、どうするの?」
フィルが私の指示を仰いでくる。
そのブラックマンティスがどのくらいの強さかはまだ完全に把握は出来てないけど
街道に陣取ってる以上取り合えず戦ってみるしかなさそうだ。
その隙にラミカ達に抜けて貰うのがベターかな。
「勝てるかどうかは兎も角として、とりあえず挑んでみるしかないか
ラミカ達は私達が魔物の気を引いてる間に王国側に駆け抜けて貰うのがいいかな」
一先ずの提案をその場にいる全員に伝える、私の仲間達は直ぐに頷いてくれたけど
カルビンさんは少し不安げな表情になり
「我々としては有難いけど、君達は大丈夫なのかい?
いや、冒険者証を見せて貰ったから信用しない訳じゃないんだけど、それでも
若い女の子達があんな魔物に挑むなんて………」
と、したたかな商人らしからぬ事を言ってくる。
………うん、この人はいい人だね、そしてそれで損をするタイプだと見た。
「心配する気持ちは解るが、この嬢ちゃん達はそんじょそこらの冒険者達より
遥かに腕が立つから安心していいぞい、何なら儂も付き添う事じゃしな」
ゼーレンさんがカルビンさんを安心させるために笑いながら言う。
カルビンさんはゼーレンさんをじっと見つめ………そしてすぐに
「あっ…貴方はまさか!!」
「………そういう事じゃ、まぁ大船に乗ったつもりでおってくれ」
ゼーレンさんはにいっとカルビンさんに笑いかける。
ああ、カルビンさんもゼーレンさんのこと知ってるんだ。
まぁ凄腕冒険者として有名みたいだし、顔を知ってる人は多いんだろうね。
「にゃはは、流石の有名人だねぇゼーレン爺ちゃん」
「無駄に名と顔が知られてるだけじゃよ、それに嬢ちゃん達も
冒険者やってれば自ずと知れ渡るようになるじゃろうて」
「………帝国ではある意味有名人になってしまってたんだけどね、私達って」
「あはは………」
ゼーレンさんとマリスの会話を横目に、フィルが溜息をついて呟く。
苦笑する私、まぁあんな目に遭わされたら愚痴りたくもなるよね。
「よし、一先ず魔物がいる所に向かおう。
遠目から魔物を観察して勝てそうなら討伐、無理っぽかったら囮役かな
後は………」
私はじっと成り行きを見守ってるリアの方へ向き
「ちょっと危ない戦いになるかもしれないけど、リアはここにいる?」
「えっ?その子も連れて行くの!?」
そうリアに告げると、傍で聞いていたラミカが驚いた声を上げる。
………まぁそりゃそうだよね、背格好はマリスと似た様な感じだけど
明らかに魔導士然として戦えそうなマリスと違ってリアはどう見ても
戦えそうな雰囲気じゃないからね。
「あ~…うん、そう言われても仕方ないけど
この子…リアもちょっと事情があってね、本人が望まないなら
離れる訳にはいかないんだ」
個人的にはリアに危ない場所には居て欲しくないけど、リアにとっては
ここに残されると知らない人の中でぽつんといる状態に他ならない。
誰か仲間を1人残していくことも考えたけど………流石に初見の敵に
戦力を分散させるのは悪手過ぎる、となれば気は進まないけど
リアを守る前提で動くしかない、そして恐らくリアは………
「………一緒に行く、置いて行かないで」
そう言って私の服をぎゅっと掴む、まぁそうだよね。
リアは頭の悪い子じゃない、恐らくは自分が足手まといになる事なんて
重々承知している筈だ、それでも………私達と離れたくないと言ってくる。
………うん、その気持ちは痛いほど解るよ。
だからこそ、私はリアを守ると決めたんだよ。
「レン嬢ちゃん、そこまで気を揉む必要は無いぞ
リア嬢ちゃんの事は儂がきちんと守る、そうリア嬢ちゃんと約束したからの」
私の心情を見透かしたかのようにゼーレンさんはにかりと笑い
そしてリアの頭を撫でる、それが合図かの様にリアは私の服を離し
ててて小走りでとゼーレンさんの後ろに回る。
「ま、ゼーレン爺ちゃんがリアのガードしてくれるなら何の心配は無いね~
ガード対象が女の子ならゼーレン爺ちゃんは張り切ってくれそうだしね」
「当然じゃ、リア嬢ちゃんには魔物の毛先一本触れさせることはさせんよ
じゃから安心して暴れるとええ、嬢ちゃん達」
マリスの言葉にゼーレンさんは白い歯を見せて笑う。
ゼーレンさんのお陰で1番の懸念材料も消えた、なら後は
言われた通り全力で暴れるだけだね。
「よし、それじゃ気合入れていくよ!!」
私は拳を振り上げて高らかに宣言し、魔物の元へと向かった。
フィルが小さい溜息を吐いて呟く。
うん、私も予想はしてたけどね。
頼みごとがある、とラミカとカルビンさんに言われた私は
取り合えず仲間を連れてきてから話を聞きたいと断り、みんなの元に戻る。
先行し過ぎてた事をやっぱりフィルには怒られたけど
一先ず話を聞こうという事でラミカ達の所へ合流した。
で、頼みごとの内容は予想してた通り魔物の討伐な訳で………
「この先の街道に体が黒くて両手が大きな鎌の形をした魔物が現れてね
そのお陰で先に進めなくて困ってるんだ」
そうカルビンさんは心底困った表情で私達に伝える。
両手が大きな鎌ね………虫のカマキリを想像したけど
それがおっきくなった奴なのかな?
「体が黒くて両手が鎌ねぇ~、それは多分ブラックマンティスだね
普段は深い森の奥に住んでる奴だけど、何でこんな所にいるんだろ」
マリスがカルビンさんの言葉から魔物の正体を推測する。
と言うかホントにカマキリなんだね、しかも黒いんだ………
「ふむ………確かにこんなとこにいるのは妙じゃの
儂も何度か見た事はあるが大抵薄暗い森の中じゃったな
こんなとこに来ても奴の食べるエサなどありはせんじゃろうに」
それに続いてゼーレンさんも訝しげな表情をする。
「餌って………そのブラック何とかって何を食べるのよ」
「小動物なら何でもじゃな、一説にはゴブリン辺りも食うという話もあるがの」
うわ、ゴブリンって前に依頼で戦ったあの緑の小人だよね。
あんなのを捕食するって事は結構デカいカマキリなのかも。
ゼーレンさんの話を聞いたフィルが若干青い顔をする
多分ゴブリンが食べられる状況を想像しちゃったんだろうね。
とは言えカマキリか………
「ちなみにマリス、それって私達でどうにかなる相手なの?」
私の質問にマリスは少しだけ難しい表情になり
「どうだろ………マリスも本で見ただけで戦ったこと無いんだよね
ただ、両手の鎌の切れ味は勿論だけど外骨格も相当固いみたいで
並の剣じゃ逆に折られるレベルみたいだよ
まぁ、最悪ゼーレン爺ちゃんがいればどうとでもなりそうだけど」
ふむ、となると結構な強敵みたいだね。
とは言え街道の先に行かなければいけないのは私達も同じだ。
ゼーレンさんのバックアップもあるしここは討伐するべきかな。
「そう言えばラミカ、ここには商人さん達の姿しか見えないけど
護衛はつけてないの?」
ふと、周りを見てフィルがラミカに質問する。
………そう言えばそうだ、弱いとは言えこの街道にも魔物は出るんだ。
そんな道をラミカやカルビンさん達だけで
進むのはかなり危険な気がするんだけど………
「………護衛ならあの魔物を見て一目散に逃げだしたわよ
全く、何のための護衛何だか」
ラミカはむすっとした表情で吐き捨てる。
ありゃりゃ、これはまた冒険者の印象が悪くなるような事を
してくれちゃって………これはやるしかないかなぁ。
「やれやれ、嘆かわしい限りじゃの
自分より弱い敵ばかり相手にしてレベルしか上げておらん冒険者は大抵強い敵と
当たるとすぐ逃げ出してしまう傾向があるが、依頼主をほっぽって逃げるなぞ
言語道断にも程があるぞい」
ゼーレンさんも若干顔を顰めて呟く。
まぁゼーレンさんの言い分は尤もだけど、私としては逃げて行った冒険者の判断も
完全に悪いとは言い切れない、まぁラミカ達を置いて逃げたのは論外だけど
それでも勝算の見えない敵に戦いを挑むのは馬鹿のやる事だ
そんな輩はさっさと無駄死にするだけでそんな戦いは避けるのがセオリーの1つだ。
この場合は何らかの方法で魔物の気を自分達に引かせてラミカ達を先に行かせ
自分達は工夫して魔物から逃げ切る、って言うのが1番の手かな。
まぁ、それも簡単じゃないんだけど。
「それでレン、どうするの?」
フィルが私の指示を仰いでくる。
そのブラックマンティスがどのくらいの強さかはまだ完全に把握は出来てないけど
街道に陣取ってる以上取り合えず戦ってみるしかなさそうだ。
その隙にラミカ達に抜けて貰うのがベターかな。
「勝てるかどうかは兎も角として、とりあえず挑んでみるしかないか
ラミカ達は私達が魔物の気を引いてる間に王国側に駆け抜けて貰うのがいいかな」
一先ずの提案をその場にいる全員に伝える、私の仲間達は直ぐに頷いてくれたけど
カルビンさんは少し不安げな表情になり
「我々としては有難いけど、君達は大丈夫なのかい?
いや、冒険者証を見せて貰ったから信用しない訳じゃないんだけど、それでも
若い女の子達があんな魔物に挑むなんて………」
と、したたかな商人らしからぬ事を言ってくる。
………うん、この人はいい人だね、そしてそれで損をするタイプだと見た。
「心配する気持ちは解るが、この嬢ちゃん達はそんじょそこらの冒険者達より
遥かに腕が立つから安心していいぞい、何なら儂も付き添う事じゃしな」
ゼーレンさんがカルビンさんを安心させるために笑いながら言う。
カルビンさんはゼーレンさんをじっと見つめ………そしてすぐに
「あっ…貴方はまさか!!」
「………そういう事じゃ、まぁ大船に乗ったつもりでおってくれ」
ゼーレンさんはにいっとカルビンさんに笑いかける。
ああ、カルビンさんもゼーレンさんのこと知ってるんだ。
まぁ凄腕冒険者として有名みたいだし、顔を知ってる人は多いんだろうね。
「にゃはは、流石の有名人だねぇゼーレン爺ちゃん」
「無駄に名と顔が知られてるだけじゃよ、それに嬢ちゃん達も
冒険者やってれば自ずと知れ渡るようになるじゃろうて」
「………帝国ではある意味有名人になってしまってたんだけどね、私達って」
「あはは………」
ゼーレンさんとマリスの会話を横目に、フィルが溜息をついて呟く。
苦笑する私、まぁあんな目に遭わされたら愚痴りたくもなるよね。
「よし、一先ず魔物がいる所に向かおう。
遠目から魔物を観察して勝てそうなら討伐、無理っぽかったら囮役かな
後は………」
私はじっと成り行きを見守ってるリアの方へ向き
「ちょっと危ない戦いになるかもしれないけど、リアはここにいる?」
「えっ?その子も連れて行くの!?」
そうリアに告げると、傍で聞いていたラミカが驚いた声を上げる。
………まぁそりゃそうだよね、背格好はマリスと似た様な感じだけど
明らかに魔導士然として戦えそうなマリスと違ってリアはどう見ても
戦えそうな雰囲気じゃないからね。
「あ~…うん、そう言われても仕方ないけど
この子…リアもちょっと事情があってね、本人が望まないなら
離れる訳にはいかないんだ」
個人的にはリアに危ない場所には居て欲しくないけど、リアにとっては
ここに残されると知らない人の中でぽつんといる状態に他ならない。
誰か仲間を1人残していくことも考えたけど………流石に初見の敵に
戦力を分散させるのは悪手過ぎる、となれば気は進まないけど
リアを守る前提で動くしかない、そして恐らくリアは………
「………一緒に行く、置いて行かないで」
そう言って私の服をぎゅっと掴む、まぁそうだよね。
リアは頭の悪い子じゃない、恐らくは自分が足手まといになる事なんて
重々承知している筈だ、それでも………私達と離れたくないと言ってくる。
………うん、その気持ちは痛いほど解るよ。
だからこそ、私はリアを守ると決めたんだよ。
「レン嬢ちゃん、そこまで気を揉む必要は無いぞ
リア嬢ちゃんの事は儂がきちんと守る、そうリア嬢ちゃんと約束したからの」
私の心情を見透かしたかのようにゼーレンさんはにかりと笑い
そしてリアの頭を撫でる、それが合図かの様にリアは私の服を離し
ててて小走りでとゼーレンさんの後ろに回る。
「ま、ゼーレン爺ちゃんがリアのガードしてくれるなら何の心配は無いね~
ガード対象が女の子ならゼーレン爺ちゃんは張り切ってくれそうだしね」
「当然じゃ、リア嬢ちゃんには魔物の毛先一本触れさせることはさせんよ
じゃから安心して暴れるとええ、嬢ちゃん達」
マリスの言葉にゼーレンさんは白い歯を見せて笑う。
ゼーレンさんのお陰で1番の懸念材料も消えた、なら後は
言われた通り全力で暴れるだけだね。
「よし、それじゃ気合入れていくよ!!」
私は拳を振り上げて高らかに宣言し、魔物の元へと向かった。
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