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軌跡への遁走曲《フーガ》
心傷の発露
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「………………ん」
朝の陽ざしが私の目をくすぐり、意識を覚醒させる。
………今日もいい天気の様だね。
私はベッドから上体を上げ、両手を上げて伸びをする。
――――あれから1週間、特に変わった事も無く平穏に過ぎていった。
朝起きて柔軟をし、ご飯を食べてリーゼと鍛錬しながら
フィルの筋トレを見守る。
ちなみにフィルは予想通り始めた次の日は全身筋肉痛になって
ベッドから起き上がることも出来なかったんだけど………
「ん~、これって一応傷の部類になるんじゃないかな?
だったら回復魔法で治ると思うよん」
そんなマリスの言葉を半信半疑で回復魔法をかけると………
ホントに治っちゃったんだよね。
筋肉痛って回復魔法で治るものなんだ………私は地獄の苦しみに耐えてたのに
何だかちょっと悔しい気がする。
まぁ筋トレ最大の障害があっさり解決したって事でフィルは
それからもトレーニングを続けてる。
………けど、筋肉が付いたフィルって想像できないなぁ
何だかんだで神秘的な姿の印象が強い、中身は結構人間臭いけど。
とは言え筋トレは序章に過ぎない、本格的に体幹が鍛えられたら
本格的に白兵戦の鍛錬メニューを考えてあげないとね。
フィルは私と違って武器が持てる、何か戒律で刃が付いた
武器は駄目らしいんだけど、それなら棒術系になるのかな?
鈍器は………流石にやめておこう、フィルがハンマーなんか
持ってたら違和感が凄い、それに鈍器って案外扱いが難しいんだよね。
――――そんな事を考えながら伸びを終わらせる、すると横から
すやすやと規則正しい寝息が聞こえて来る。
………おや、今日のリアはお寝坊さんかな。
ここ1週間ずっと一緒に寝ていたけど私が起きると大抵一緒に起きてたんだけど
流石に緊張も解れて疲れが出て来たみたいで起きる気配がない。
鍛練中やデューンさんのお手伝い時以外はずっとそばから離れなかったリア。
酷い体験をして私に縋るしかなかったけど少しは安心してくれたのかな。
リアの顔を少し撫でるも起きる気配はなく、深い眠りについている。
………うん、顔色もいいし表情も穏やか、悪夢に苛まれてる様子も無さそうだ。
それに眠りながらもずっと掴んでいた服の裾も今日は掴んでない。
これなら少しだけ離れても大丈夫かな。
私はリアを起こさない様ベッドから降りて音を立てずに部屋から出る。
………さて、顔を洗って外の空気を吸ったら柔軟始めようかな。
寝起きで強張った首を回しながら、意識を完全に覚醒させる為
外の井戸で顔を洗おうと1階の階段に差し掛かった瞬間………
「ああああああああああああああああああああああああああああ!!」
耳をつんざくような鳴き声が2階に響き渡る。
「えっ…何?リア!?」
泣き声は明らかにリアの声だ、何かあったの!?
私は慌てて自分の部屋に駆け戻り、ドアを乱暴に開け放つ。
そこには………
「あああっ…ああっ……あああああああああああああああ!!」
――――目を剥いて自分の体を抱き締め、泣き叫んでいるリアがいた。
………っ、いけない!!
私はとっさにリアの体を抱きとめ、守るように自分の身体で包む。
「………大丈夫だから、ここにはリアに酷い事する人はいないから」
腕の中で泣き叫ぶリアを安心させる為、頭を撫でながら優しく語り掛ける。
だけど私の頭の中は酷く混乱していた、どうして今になって………
周りには誰もいなかった、リアのトラウマを刺激する者は無かった筈。
「一体どうしたの!?」
他の部屋にもリアの泣き叫ぶ声が聞こえたらしく
フィル達が慌てた表情で一斉に部屋の中に入ってくる。
「分からない、恐らくリアのトラウマ…心に傷を負った記憶が
フラッシュバックしたんだろうと思うんだけど………原因が思い当たらない」
リアに視線を向けたまま私はフィルの質問に答える。
「原因が思い当たらないって………」
フィルの心配そうな声が聞こえる。
「この手の事って大抵心の傷になった事に似たものを見たりしたら起こるんだけど
この部屋にはそんなものは無いし、連想させるような事も言ってない。
夢に見たのならうなされてる筈だけど、つい今の今まで普通に眠ってたんだよ」
私は状況を説明する、一応何の前触れも無くフラッシュバックする事はあるけど
それだと1週間の内に何度も起こっても不思議じゃない
直近の出来事ならなおさらだ。
「ふ~む………レンお姉ちゃんは一緒に寝てたんだよね
それでいきなりリアが泣き叫び始めて飛び起きたの?」
「いや、私は起きてたんだよ
けどリアが気持ちよさそうに寝てたから起こさずに顔洗いに行こうとして………」
「………ならそれじゃないかな」
マリスが指摘する、それって………まさか!!
「レンお姉ちゃんは集中してて気付いてなかったかもしれないけどさ
鍛錬の時って横に座ってるマリスに目もくれず、リアはじっと
レンお姉ちゃんの方ばかり見てたんだよ
レンお姉ちゃん、この1週間リアの視界から消えた事ってあった?」
「そう言えば………多分、無いかも」
言われてみればそうだ、鍛錬の時もデューンさんの手伝いをしてた時も
リアは離れてはくれたけど私の方にじっと視線を送っていた気がする。
「憶測だけど、リアが泣き叫んだのって過去の事を思い出したからじゃなくて
守ってくれるはずのレンお姉ちゃんが傍にいないからじゃないかな?」
マリスが冷静な声で指摘する、そしてそれは恐らく的中してる。
リアは今も腕の中で泣き叫びながら私の服を力の限り握りしめている。
………馬鹿か私は、散々思い知った筈なのにリアの上っ面をだけを見て
安心してたなんて、自分の浅はかさに頭にくる。
「………余程レンと離れるのが不安なのね、まるで赤ん坊が
離れまいと母親に必死に縋りついてるみたい」
フィルが沈痛な表情で呟く、他人の事にドライなフィルがこうまで言ってるんだから
リアの様子は第3者から見ても相当なものだろう。
「………ごめんねリア、もう黙っていなくなったりしないから」
私は申し訳なさに苛まれながらリアの頭を撫で
優しく囁きながら落ち着いてくれる迄抱き続けた。
………
………………
………………………
十数分後…リアは泣き疲れたのか、はたまた安心したのか
糸が切れたようにかくんと頭を垂れ、すやすやと寝息を立て始める。
「………ふぅ、何とか落ち着いてくれたみたいだね」
私は緊張を解いて息を吐く、取り敢えずは一安心だ
しかしリアのトラウマの発露が私と離れる事だったなんて………
「厄介ですね、その人間の子供はマスターと離れると泣き叫ぶとは………
脆弱過ぎて話になりません」
リアが少し眉間に皺を寄せてそう口にする。
「脆弱って、この子はいままで酷い間に合わされてきて弱ってるのよ
そんな言い方は………」
「ストップフィル、リーゼはドラゴンの価値観で言ってるだけだよ
リーゼ、ドラゴンは弱ってる子供は助けたりはしないの?」
怒りだしそうになるフィルを止め、リーゼに質問する。
「基本的には、弱い者など生きる価値が無い…と言うのが私達の常識です。
なのでマスターがその子供に拘っている姿は………違和感を覚えます」
「そっか………」
成程、力至上主義のドラゴンらしい考え方だね。
「けど、私はこの子を助けたいしその為の力を惜しむつもりはないよ
個人的にはリーゼに付き合わせるのは心苦しいけど………」
「いえ、今のは我の考えに過ぎません
マスターが望むのならば何だろうと付き従うのみです」
私の言葉にかぶせる様にリーゼが言い放つ。
………まぁそう言ってくれるならその言葉に甘えよう。
正直今リーゼがいなくなられても困るからね。
「………ありがとリーゼ
しかしこれはちょっと困った事になったね、リアが私と離れられないんじゃ
依頼とかにも支障が………」
私がそんな事を呟いていた瞬間………
ドンドンドンドンドン!!
突然大きな音を立てて部屋のドアを叩く音がする。
「何!?」
思わず叫ぶフィル、そしてリア以外の視線がドアに集中する。
「レンさん!!…レンさん!!
い、今…大変な事が起こってるんです!!」
酷く慌てた様子のアイシャちゃんの声がした。
「あ…アイシャちゃん!?」
ドアの向こうで尋常じゃない様子で声を上げているアイシャちゃん。
近くにいたリーゼがドアを開けると、そこにはアイシャちゃんが
汗だくになって行きを切らせて立っていた。
「ど…どうしたのアイシャちゃん
そんなに慌てて………」
身動きの取れない私に変わってフィルが
アイシャちゃんに近づき心配そうな表情で話しかける。
「み、皆さんもここにいらしたんですか
丁度良かった………緊急にお伝えしないといけない事があるんです!!」
アイシャちゃんは息も絶え絶えながら真剣な表情で私達に向かって声を上げる。
こんなにもアイシャちゃんが慌ててるなんて一体何があったの?
「ん~?そこまで慌ててるって事は
何かのっぴきならない事が起こったって事だよねぇ
もしかしてギルドに何かあった?」
マリスはいつも軽めの口調ながら、真剣な表情でアイシャちゃんに問いかける。
「い、いえ…ギルドで何かあったって訳では無いんです
実は………」
アイシャちゃんは息を整える為に深呼吸をする。
そして息を大きく吸い込んだ後、目尻を上げ
「………皆さんに、賞金がかけられているんです!!」
と、持ち前の大きな声でそう告げた。
朝の陽ざしが私の目をくすぐり、意識を覚醒させる。
………今日もいい天気の様だね。
私はベッドから上体を上げ、両手を上げて伸びをする。
――――あれから1週間、特に変わった事も無く平穏に過ぎていった。
朝起きて柔軟をし、ご飯を食べてリーゼと鍛錬しながら
フィルの筋トレを見守る。
ちなみにフィルは予想通り始めた次の日は全身筋肉痛になって
ベッドから起き上がることも出来なかったんだけど………
「ん~、これって一応傷の部類になるんじゃないかな?
だったら回復魔法で治ると思うよん」
そんなマリスの言葉を半信半疑で回復魔法をかけると………
ホントに治っちゃったんだよね。
筋肉痛って回復魔法で治るものなんだ………私は地獄の苦しみに耐えてたのに
何だかちょっと悔しい気がする。
まぁ筋トレ最大の障害があっさり解決したって事でフィルは
それからもトレーニングを続けてる。
………けど、筋肉が付いたフィルって想像できないなぁ
何だかんだで神秘的な姿の印象が強い、中身は結構人間臭いけど。
とは言え筋トレは序章に過ぎない、本格的に体幹が鍛えられたら
本格的に白兵戦の鍛錬メニューを考えてあげないとね。
フィルは私と違って武器が持てる、何か戒律で刃が付いた
武器は駄目らしいんだけど、それなら棒術系になるのかな?
鈍器は………流石にやめておこう、フィルがハンマーなんか
持ってたら違和感が凄い、それに鈍器って案外扱いが難しいんだよね。
――――そんな事を考えながら伸びを終わらせる、すると横から
すやすやと規則正しい寝息が聞こえて来る。
………おや、今日のリアはお寝坊さんかな。
ここ1週間ずっと一緒に寝ていたけど私が起きると大抵一緒に起きてたんだけど
流石に緊張も解れて疲れが出て来たみたいで起きる気配がない。
鍛練中やデューンさんのお手伝い時以外はずっとそばから離れなかったリア。
酷い体験をして私に縋るしかなかったけど少しは安心してくれたのかな。
リアの顔を少し撫でるも起きる気配はなく、深い眠りについている。
………うん、顔色もいいし表情も穏やか、悪夢に苛まれてる様子も無さそうだ。
それに眠りながらもずっと掴んでいた服の裾も今日は掴んでない。
これなら少しだけ離れても大丈夫かな。
私はリアを起こさない様ベッドから降りて音を立てずに部屋から出る。
………さて、顔を洗って外の空気を吸ったら柔軟始めようかな。
寝起きで強張った首を回しながら、意識を完全に覚醒させる為
外の井戸で顔を洗おうと1階の階段に差し掛かった瞬間………
「ああああああああああああああああああああああああああああ!!」
耳をつんざくような鳴き声が2階に響き渡る。
「えっ…何?リア!?」
泣き声は明らかにリアの声だ、何かあったの!?
私は慌てて自分の部屋に駆け戻り、ドアを乱暴に開け放つ。
そこには………
「あああっ…ああっ……あああああああああああああああ!!」
――――目を剥いて自分の体を抱き締め、泣き叫んでいるリアがいた。
………っ、いけない!!
私はとっさにリアの体を抱きとめ、守るように自分の身体で包む。
「………大丈夫だから、ここにはリアに酷い事する人はいないから」
腕の中で泣き叫ぶリアを安心させる為、頭を撫でながら優しく語り掛ける。
だけど私の頭の中は酷く混乱していた、どうして今になって………
周りには誰もいなかった、リアのトラウマを刺激する者は無かった筈。
「一体どうしたの!?」
他の部屋にもリアの泣き叫ぶ声が聞こえたらしく
フィル達が慌てた表情で一斉に部屋の中に入ってくる。
「分からない、恐らくリアのトラウマ…心に傷を負った記憶が
フラッシュバックしたんだろうと思うんだけど………原因が思い当たらない」
リアに視線を向けたまま私はフィルの質問に答える。
「原因が思い当たらないって………」
フィルの心配そうな声が聞こえる。
「この手の事って大抵心の傷になった事に似たものを見たりしたら起こるんだけど
この部屋にはそんなものは無いし、連想させるような事も言ってない。
夢に見たのならうなされてる筈だけど、つい今の今まで普通に眠ってたんだよ」
私は状況を説明する、一応何の前触れも無くフラッシュバックする事はあるけど
それだと1週間の内に何度も起こっても不思議じゃない
直近の出来事ならなおさらだ。
「ふ~む………レンお姉ちゃんは一緒に寝てたんだよね
それでいきなりリアが泣き叫び始めて飛び起きたの?」
「いや、私は起きてたんだよ
けどリアが気持ちよさそうに寝てたから起こさずに顔洗いに行こうとして………」
「………ならそれじゃないかな」
マリスが指摘する、それって………まさか!!
「レンお姉ちゃんは集中してて気付いてなかったかもしれないけどさ
鍛錬の時って横に座ってるマリスに目もくれず、リアはじっと
レンお姉ちゃんの方ばかり見てたんだよ
レンお姉ちゃん、この1週間リアの視界から消えた事ってあった?」
「そう言えば………多分、無いかも」
言われてみればそうだ、鍛錬の時もデューンさんの手伝いをしてた時も
リアは離れてはくれたけど私の方にじっと視線を送っていた気がする。
「憶測だけど、リアが泣き叫んだのって過去の事を思い出したからじゃなくて
守ってくれるはずのレンお姉ちゃんが傍にいないからじゃないかな?」
マリスが冷静な声で指摘する、そしてそれは恐らく的中してる。
リアは今も腕の中で泣き叫びながら私の服を力の限り握りしめている。
………馬鹿か私は、散々思い知った筈なのにリアの上っ面をだけを見て
安心してたなんて、自分の浅はかさに頭にくる。
「………余程レンと離れるのが不安なのね、まるで赤ん坊が
離れまいと母親に必死に縋りついてるみたい」
フィルが沈痛な表情で呟く、他人の事にドライなフィルがこうまで言ってるんだから
リアの様子は第3者から見ても相当なものだろう。
「………ごめんねリア、もう黙っていなくなったりしないから」
私は申し訳なさに苛まれながらリアの頭を撫で
優しく囁きながら落ち着いてくれる迄抱き続けた。
………
………………
………………………
十数分後…リアは泣き疲れたのか、はたまた安心したのか
糸が切れたようにかくんと頭を垂れ、すやすやと寝息を立て始める。
「………ふぅ、何とか落ち着いてくれたみたいだね」
私は緊張を解いて息を吐く、取り敢えずは一安心だ
しかしリアのトラウマの発露が私と離れる事だったなんて………
「厄介ですね、その人間の子供はマスターと離れると泣き叫ぶとは………
脆弱過ぎて話になりません」
リアが少し眉間に皺を寄せてそう口にする。
「脆弱って、この子はいままで酷い間に合わされてきて弱ってるのよ
そんな言い方は………」
「ストップフィル、リーゼはドラゴンの価値観で言ってるだけだよ
リーゼ、ドラゴンは弱ってる子供は助けたりはしないの?」
怒りだしそうになるフィルを止め、リーゼに質問する。
「基本的には、弱い者など生きる価値が無い…と言うのが私達の常識です。
なのでマスターがその子供に拘っている姿は………違和感を覚えます」
「そっか………」
成程、力至上主義のドラゴンらしい考え方だね。
「けど、私はこの子を助けたいしその為の力を惜しむつもりはないよ
個人的にはリーゼに付き合わせるのは心苦しいけど………」
「いえ、今のは我の考えに過ぎません
マスターが望むのならば何だろうと付き従うのみです」
私の言葉にかぶせる様にリーゼが言い放つ。
………まぁそう言ってくれるならその言葉に甘えよう。
正直今リーゼがいなくなられても困るからね。
「………ありがとリーゼ
しかしこれはちょっと困った事になったね、リアが私と離れられないんじゃ
依頼とかにも支障が………」
私がそんな事を呟いていた瞬間………
ドンドンドンドンドン!!
突然大きな音を立てて部屋のドアを叩く音がする。
「何!?」
思わず叫ぶフィル、そしてリア以外の視線がドアに集中する。
「レンさん!!…レンさん!!
い、今…大変な事が起こってるんです!!」
酷く慌てた様子のアイシャちゃんの声がした。
「あ…アイシャちゃん!?」
ドアの向こうで尋常じゃない様子で声を上げているアイシャちゃん。
近くにいたリーゼがドアを開けると、そこにはアイシャちゃんが
汗だくになって行きを切らせて立っていた。
「ど…どうしたのアイシャちゃん
そんなに慌てて………」
身動きの取れない私に変わってフィルが
アイシャちゃんに近づき心配そうな表情で話しかける。
「み、皆さんもここにいらしたんですか
丁度良かった………緊急にお伝えしないといけない事があるんです!!」
アイシャちゃんは息も絶え絶えながら真剣な表情で私達に向かって声を上げる。
こんなにもアイシャちゃんが慌ててるなんて一体何があったの?
「ん~?そこまで慌ててるって事は
何かのっぴきならない事が起こったって事だよねぇ
もしかしてギルドに何かあった?」
マリスはいつも軽めの口調ながら、真剣な表情でアイシャちゃんに問いかける。
「い、いえ…ギルドで何かあったって訳では無いんです
実は………」
アイシャちゃんは息を整える為に深呼吸をする。
そして息を大きく吸い込んだ後、目尻を上げ
「………皆さんに、賞金がかけられているんです!!」
と、持ち前の大きな声でそう告げた。
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